200平成1  16曜日

クイチャー踊り豊年祈願/宮古島夏まつり開幕、民間主導で初

 一回宮古島夏まつり(主催・同実行委員会)が十五日、二日間の日程で幕を開けた。行政主体だった宮古まつりから、民間主導型に変わって初の開催。初日は豊年祈願祭と、西里、市場、下里の三通りを主会場に歩行者天国も実施された。中尾英筰委員長(沖縄宮古商工会議所会頭)は「祭りは地域を活性化する。この祈願祭で豊年満作、住民の幸福を願い、にぎやかな祭りにしよう」と述べた。きょう十六日は、東西大綱引きやミス宮古発表会が行われる。
 これまで続いていた「宮古まつり」が主催していた平良市の財政的な理由で中止になったことを受け、沖縄宮古商工会議所など七団体が中心となり「宮古島夏まつり」を実施することとなった。
 豊年祈願祭は午前十時から平良市内の漲水御嶽で行われた。会場には実行委員会役員や行政、議会議員ら大勢の関係者が顔をそろえた。クイチャーで雨ごいし、宮古島に恵みの雨をもたらすよう願った。
 続いて漲水クイチャー保存会、池間、西辺の両自治会の女性がクイチャーを踊り、向こう一年間の五穀豊穣や無病息災を祈願したほか、徳八流太鼓のメンバーは太鼓演奏を披露して祈願祭を盛り上げた。
 中尾委員長は「昨年まで続いた宮古まつりがなくなることは寂しいとの声が多く聞こえた。祭りは郷里の原点。民間が一つにまとまり祭りを行うことになった。みんなで盛り上げて新市『宮古島市』の誕生を祝おう」と呼び掛けた。
 歩行者天国は午後五時から始まり、通りには多くの夜店が並び、浴衣や甚平姿の親子連れやカップル、友人同士のグループなど大勢の人が詰め掛け、夏の一大イベントを満喫した。

 写真説明・大勢の女性らが伝統のクイチャーで雨ごいし五穀豊穣を願った=15日、漲水御嶽

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町村長らが回避求める/下地幹郎氏除名問題

 宮古出身で前衆議院議員の下地幹郎氏について、自民党県連が昨年の参院選、那覇市長選などの取り組みを理由に同氏の除名を党本部に申請している問題で日本商工連盟宮古支部の中尾英筰支部長、町村長らは連名で同氏の除名回避を求める嘆願書をきょう十六日に党本部、県連の関係者に対し郵送する。
 十五日に行われた会見で中尾支部長は「合併後の新市市長選を控えた大事な時期になぜこのような除名問題が出るのか疑問で時期的にも良くない。下地氏は宮古出身であり、市長選に向けても保守勢力が結集を容易にするには今回の問題について各方面の配慮が必要」と述べた。
 今回の嘆願書には中尾支部長のほか、川満省三下地町長、浜川健伊良部町長、川田正一上野村長、下地昌明多良間村長、池間青昌平良市議会議長の連名で自民党本部の武部勤幹事長、仲村正治党紀委員長、嘉数知賢自民県連会長らにきょう十六日に郵送する予定。
 今月十九日には党本部で党紀委員会が開かれる予定で、下地氏は同委員会に出席し弁明する予定となっている。
 下地氏の除名審査については▽昨年七月の参院選で「自主投票」を表明▽昨年六月の県議会選挙で「反自公」候補者を支援▽自民党の基地政策に反する政策で、党の方針を批判▽昨年十一月の那覇市長選での対立候補者の支援―が対象となっている。
 そのほか、今回の問題について中尾支部長は「万が一にでも除名となれば新市市長選で保守勢力の分裂と対立にいっそう拍車を掛けることになり、賢明な選択にはならない」と除名回避を強く訴えた。

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北よりとると直撃の恐れ/台風5号きょう夜にも強風域

 強い台風5号は十五日午後六時現在、沖の鳥島の南西二五〇キロにあり、毎時三〇キロの速さで西に進んでいる。中心気圧は九五〇ヘクトパスカル。中心付近の最大風速は四〇メートル。最大瞬間風速は六〇―七〇メートルで、二年前の台風14号にほぼ匹敵する勢力。宮古島地方は十六日夜遅くに強風域に、十七日夕方には暴風域に入る見込み。台風が北よりの進路を取った場合、宮古島を直撃する恐れもあり、厳重な注意を呼び掛けている。この台風の影響で、各種イベントなどが軒並み中止や延期になった。
 宮古島地方気象台によると台風は今後、勢力を増しながら北西に進む見込み。
 この台風の接近で十七日に予定されていた「みなとフェスタin平良港」は中止が決定、「オリオンビアフェスト2005in宮古」は今月二十四日に延期となった。
 また、十五日に開幕した宮古島夏まつりにも影響が出そうだ。

ビアフェスト/24日に順延
 台風5号の宮古島接近に伴い、あす十七日に平良市多目的前福運動場で予定されていた「オリオンビアフェスト2005in宮古」は、二十四日に順延された。時間は午後四時から午後九時。 ゲストの「カチンバ1551」、下地暁さん、「ICS」は予定通り出演するが、ジョニー宜野湾さん、「琉球大和」は都合により出演できなくなった。
 また、フェストの開催を記念した宮古地区限定キャンペーンの抽選会は二十四日に行う。

 写真説明・オリオンビアフェスタの延期が決定し、関係者らが設置したテントや舞台などの解体作業に追われていた=15日、前福多目的運動場

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 ジャンボな助っ人参上/JTA「B767」が宮古就航

 JTA(日本トランスオーシャン航空)の夏季繁忙期に伴い、JAL(日本航空)の「ボーイング767」が十五日から宮古空港に就航した。夏休み期間の八月三十一日まで、宮古―東京を一日一往復、宮古―那覇を二往復する。同社では「宮古への観光や貨物、郵便などフライト産業に大きく貢献できるのでは」と期待を寄せている。
 ボーイング767の席数は二百七十席。従来のボーイング737と比較すると、乗客、貨物ともに二倍近い収容能力があるほか、通常シートよりゆったりとくつろげる「クラスJ」三十席も宮古便で初めて導入されている。
 機内では、東京―宮古で第二十一回全日本トライアスロン宮古島大会の様子など、宮古の観光ビデオが上映される。
 十五日には、東京から二百四十九人の乗客を乗せて宮古に到着。野村純機長、客室乗務員の竹井秀子さんに、JTA宮古空港所職員の儀保睦さん、岡部洋子さんから花束が贈呈された。
 また、第八十七回全国高校野球選手権沖縄大会で二十七年ぶりに4強入りを果たした宮古高校野球部も同日、同機に搭乗し準決勝が行われる那覇市へ向け出発した。
 ボーイング767の昨年の実績は、運航回数が宮古―東京八十九回、宮古―那覇百七十四回で計二百六十三回。乗客数は四万四千二百九十四人。

 写真説明・夏季繁忙期に伴い、ボーイング767が就航し、機長らに花束が贈呈された=15日、宮古空港

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「志した歌に全力」/中学生に宮古民謡の魅力語る

 二〇〇五年度文化庁・学校への芸術家派遣事業の一環で、城辺町立の四つの中学校は十五日、城辺町農村環境改善センターで講演会を開いた。城辺町出身の民謡歌手、国吉源次さんを講師に招き、「宮古民謡と私」をテーマに講話した。四中学校の生徒ら約三百人が、歌と共に歩んだ国吉さんの人生や民謡の楽しさについて学んだ。
 国吉さんは、「生まれたときから歌が体に染み付いていた。子供のころは一日中歌を歌って過ごした」と幼少期を振り返り、「志した歌に全力を注いでいる。一歩でも前に進むために、毎日けいこを重ねている」と語った。会場に集まった生徒らは、真剣な表情で講話に聞き入っていた。
 講話後には、「豊年の歌」「伊良部トーガニ」などを演奏し、伸びやかな歌声を会場に響かせた。また、生徒たちに歌唱指導も行われた。
 国吉さんは、NHKのど自慢沖縄地区大会で優勝し、全国大会へ出場したことや、宮古民謡初めてのレコードを制作したことで広く世間に知られるようになった。現在は、宮古民謡保存会の会長を務める。

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   「大きくなってね」/上野小5年・タマンの稚魚を放流

 上野村立上野小学校(宮國芳美校長)の五年生四十人は十五日、平良市栽培漁業センター職員とともにタマン(ハマフエフキ)の稚魚二千匹を「元気に大きくなってね」と同村宮国の海岸に放流した。
 放流されたタマンは一年で約三〇センチ、二年で四〇センチ程度に成長する。同センターでは昨年、二万匹を宮古地区の各地のに放流した。
 同センターの宮平和法さんは「タマン放流を通して自然に触れ、環境を考えるきっかけにしてほしい」と呼び掛けた。
 放流した滝川大登君は「まだまだ小さくてかわいかった。大きくなってこの海に戻ってきてほしい」と話した。
 同センターでは、放流したタマンがどれだけ生存しているか調査するため、目印として片方の腹ビレを抜き取っており、このようなタマンを釣り上げた際などに▽日にち▽場所▽大きさ―を連絡するよう呼び掛けている。連絡先は平良市栽培漁業センター(電話72・5006)まで。

 写真説明・一斉にタマンの稚魚を放流する児童ら=15日、上野村宮国の海岸

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