200平成1  15曜日

合併「宮古島市」を可決/国の官報告示待つのみ

 【那覇支局】県議会(外間盛善議長)六月定例会は十四日、最終本会議が開かれ宮古地区五市町村の合併議決案を全会一致で可決した。同議決をもって合併手続きはほぼ終了し、新市「宮古島市」は国の官報告示を待って十月一日に誕生する。
 議決案は「平良市、宮古郡城辺町、同下地町、同上野村、同伊良部町の廃置分合」(五市町村合併)を求めるもの。同案と合わせ本会議では「宮古島市の設置に伴う関係条例の整備に関する条例」案も全会一致で可決された。同条例は、合併区域内の県施設の住所などを変更する内容となっている。
 宮古地区市町村の合併協議は二〇〇二年四月、六市町村の枠組みでスタートした。しかしその後、多良間村や下地町、上野村が抜け三市町村に。昨年暮れには再び下地町、上野村が加わり、五市町村となったものの、合併申請期限(三月三十一日)間近になって伊良部町議会が合併案を否決。五市町村合併は、波乱含みの展開となったが、同議会が住民行動を受け一転可決したことでまとまり、三月三十一日、稲嶺恵一知事に申請していた。
 長期にわたった合併推進協議会では、合併期日や新市名称など、四十四項目が協議合意された。
 議会後、宮古郡区選出の砂川佳一県議は「合併手続きは、今回の議決でほぼ終わった。今後は全市民と一緒に新しい島づくりにまい進していきたい」と、平良市区選出の奥平一夫県議は「ようやくここまで来たという思い。今後は宮古島市振興のため市民と共に新たな決意で頑張りたい」と、それぞれ語った。
 宮古地区五市町村の合併議決案の採決に共産党は加わらなかった。

 写真説明・宮古地区5市町村合併議決案を可決した県議会=14日、県議会議場

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ミス宮古の3嬢決まる/宮古島夏まつりでお披露目へ

 第三十二代ミス宮古の最終選考会が十四日、平良市内のホテルで行われ、ミス・サンゴに平良市出身の小学校事務主事、勝連亜意さん(21)、ミス・ティダに神奈川県出身、平良市在住の家事手伝い、竹井穂香さん(22)、ミス・ブーゲンビリアに平良市出身の団体職員、塩川江莉香さん(21)が決まった。
 勝連さんら三人は向こう一年間、宮古の顔として宮古島観光などを県内外にPRする。十六日の第一回宮古島夏まつりで一般にお披露目される。
 今年のミス宮古募集には十六人の応募があり、最終選考会には十六人の応募者が臨んだ。
 選ばれた勝連さんは「責任感と誇りを胸に、宮古観光業の発展に役立ちたい」、県外出身の竹井さんは「宮古の人の温かさや広い空、青い海が大好き。きれいで暖かい宮古島をPRしたい」、塩川さんは「市町村合併後の新市を島内外の多くの人に広めたい」とそれぞれ意気込みを話した。

 写真説明・第32代ミス宮古に決まった(写真左)から勝連さん、竹井さん、塩川さん=14日、ホテル共和
 

「宮古PRに頑張ります」ミス宮古プロフィル

 ミス・ブーゲンビリア(写真右) 塩川江莉香さん(しおかわ・えりか) 21歳。平良市下里出身。団体職員。趣味=英会話など。応募動機=「これまで各種イベントや観光行事に携わった経験を生かし、観光業発展のために努めたい」。好きな言葉=「思いやり」。自己PR=「誰にも負けないくらい宮古島をPRします」

 ミス・ティダ(中央) 竹井穂香さん(たけい・ほのか) 22歳。神奈川県平塚市出身。家事手伝い。趣味=バトントワリング、写真、英語。応募動機=「友人に勧められて」。好きな言葉=「ゆとり」。自己PR=「やる時にはとことんやります。宮古島の素晴らしいところを世界中の人にお知らせしたいです」

 ミス・サンゴ(左) 勝連亜意さん(かつれん・あい) 21歳。小学校の事務主事。趣味=書道。応募動機=「多くの人々と触れ合いながら、大好きな宮古島を積極的にアピールしていきたいです」。好きな言葉=「孟母断機」。自己PR=「さまざまなことに挑戦し、何事に対しても粘り強く努力し続けます」。

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「夢実現へ」激励会開く/高校野球県大会宮高4強入り

 第八十七回全国高校野球選手権沖縄大会で二十七年ぶりに四強入りを果たした宮古高校野球部を支援しようと「夢実現への実行委員会」(平良勝之委員長)は十三日夕、激励会を平良市内のホテルで開催した。出席した関係者らは、快進撃を喜ぶとともに「甲子園まであと二勝。宮古の悲願達成を。全力で選手たちを支援しよう」と誓い合った。

 激励会には、練習の都合で選手らは出席できなかったものの、同校の仲間博之校長、チームを率いる山城明男監督らが出席。集まった大勢の関係者から激励を受けた。
 主催者を代表して平良委員長は、「心から祝いたい。離島のハンディを乗り越え、準決勝、決勝もアララガマ精神で頑張ってほしい」と激励した。
 山城監督は「宮古で生まれ育った子供たちで、沖縄本島のチームに勝てるチームを作りたかった。もう一つの夢は甲子園出場。まずは準決勝。期待に応えられるよう頑張りたい」と力強く決意を表明した。
 仲間校長は「地域の皆様が子供たちを支援してくれていることが追い風になっていると思う。準決勝も監督を中心に頑張ってくれると思う」と述べた。
 二十八年前、エースとして同大会準優勝を果たした国原政春さん(46)は「今回のメンバーは実力がある。私たちが達成できなかった夢をぜひとも果たしてほしい」と期待した。
 会の最後には、出席者全員で「甲子園に行くぞ」とガンバロー三唱を行い、選手たちの健闘に期待するとともに、地域挙げての支援を誓い合った。
 対沖縄尚学との準決勝は、あす十六日午前十時から奥武山野球場で行われる。決勝へ進めば、中部商業と浦添商業との勝者と、甲子園大会出場権を懸け激突する。

 写真説明・宮古高校野球部の甲子園出場を支援しようと、ガンバロー三唱を行う出席者ら=13日、ホテルニュー丸勝

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 元役員に実刑判決/自動車リサイクル法違反

 県知事の許可を受けないで廃自動車を破砕したなどとして、自動車リサイクル法違反(破砕業の許可)と廃棄物処理法違反(不法投棄)の罪に問われた平良市の鉄スクラップ輸出入業者「テッツェ」(櫻井賢恵代表)と櫻井代表の夫で同社元役員・櫻井哲被告=平良市=の判決公判が十四日、那覇地方裁判所平良支部であり、足立勉裁判官は同社に対し罰金二百四十万円、哲被告に対し懲役一年十月と罰金四十万円という判決を言い渡した。事件は二〇〇五年一月、自動車リサイクル法違反では全国で初めて摘発された。
 担当弁護士によると、哲被告は判決を不服とし、同日、福岡高等裁判所に控訴した。同社は控訴するかどうか未定だという。
 足立裁判官は、「高性能の自動車プレス機を準備の上、七万四千`以上の解体自動車を圧縮処理したほか、三度にわたり合計一四・五dもの産業廃棄物を土中に埋める行為は組織的で大掛かり」、「保健所職員から行政指導を受けたことなどから、自動車リサイクル法の施行が〇四年十月一日と認識していたと認めるのが妥当で、『施行期日を〇五年一月一日からと誤解していた』との弁解は不合理」などと厳しく指摘。
 「違法行為に及んだ直接の動機は、利潤追求など自己中心的な犯行との非難は免れない」として哲被告に実刑判決、テッツェに対し罰金二百四十万円を言い渡した。
 判決によると同社と哲被告は、県知事の許可を受けずに〇四年十一月二十八日ごろから〇五年一月三日ごろまでの間、平良市荷川取の同社ヤード内で多数回にわたり、自動車プレス機で解体自動車約七万四千三百十`を圧縮するなど無許可で破砕業を行った。また、三回にわたって同社ヤード内の土中にタイヤやプラスチックなどの産業廃棄物計一四・五dを不法に埋めた。

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助役に伊良皆氏を選任/多良間村臨時議会

 【多良間】多良間村議会(西平幹議長)の臨時会が十四日開かれ、助役にJAおきなわ多良間支店金融共済課長の伊良皆光夫氏(50)を、監査委員に野里清氏(70)を選任した。村助役は二〇〇一年七月から空席となっていた。来週中にも就任する予定。伊良皆氏は「村長の補佐をしながら、自立を選んだ多良間村がいかに生き残っていくか取り組んでいきたい。厳しい改革もあるとは思うが、多良間村のために村長と力を合わせていきたい」と抱負を話した。
 助役、監査役の人事案件は採決の結果、いずれも賛成三、反対三となったため議長裁決で可決した。
 村助役は前村長の兼濱朝徳氏が就任した〇一年七月、当時の助役を務めていた津嘉山次生氏が辞表を提出し辞任。人事案件が議会へ提案されたが、否決が続き四年間不在となっていた。
 今回助役に選任された伊良皆氏は多良間村塩川出身。一九七四年宮古高校普通科卒業、七八年に琉球大学短期大学部卒業。七九年に宮古郡農協入りし、現在はJAおきなわ多良間 支店金融共済課長を務める。

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   大漁で大盤振る舞い/伊良部町カツオのぶつ切り放る

 カツオの一本釣り漁船から船員らがカツオのぶつ切りを岸壁に集まった町民らに向かって放り投げる大判振る舞いが十四日午前、伊良部町佐良浜漁港であった。町民らはプラスチック製などの容器でナイスキャッチ。ぶつ切りが宙に舞うたびに熱狂した。
 大盤振る舞いは、地元の方言で「オオバンマイ」と呼ぶ。夏の伝統風物詩の一つ。この日大判振る舞いが行われるという情報が町民に流れ、岸壁は黒山の人だかりとなった。
 カツオの一本釣り漁船、昇栄丸(一七トン、大浦国夫船長ら乗組員九人)は、この日の午前十時五十分ごろに入港した。カツオとマグロを合わせた水揚げ量は約三d。今年に入ってから初大漁だった。
 船員らは接岸と同時に、カツオのぶつ切りを放り投げ始めた。町民らは容器を高々と持ち上げて、ぶつ切りをキャッチ。大量のぶつ切りが宙に舞うと、町民らの歓喜と興奮は頂点に達した。
 「昇栄丸」の親方、奥原栄一さん(57)は「神女役のツカサンマ(司母)六人の大漁祈願で大漁した。お礼の気持ちで、ツカサンマ一人ひとりの家に、大物カツオを一匹ずつ届けた」と話した。
 水揚げされたカツオは、海鳥の群れで形成される鳥山の下で回遊するカツオだった。鳥山が現れたことで、カツオ一本釣りは本番に突入した。

 写真説明・船員ら(左)が放り投げたカツオのぶつ切りを容器でキャッチした町民ら=14日、伊良部町佐良浜漁港

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