本日のニュース

２００５年（平成１７年）７月９日土曜日

☆ 足並みの乱れさらに深刻化／宮古島市長選保守系

　10月１日に発足する新市「宮古島市」市長選に向けて候補者の人選作業を進める保守系選考委員会（比嘉米三委員長）の第９回会合が８日、市内のホテルで行われたが、人選作業のあり方をめぐり激しい論戦が展開された。結局、委員から出る意見は衝突し合い協議は進ちょくせず今後の方針もあいまいなままで会合は終了した。今回の選考委には平良市、城辺町、伊良部町の３議会から前県議の坂井民二氏(55)と下地敏彦氏(59)の２人が推薦されたが、協議自体は「この２人を選考から外した上で新しい候補者を協議すべき」とする意見と、「新たな候補者が見えない段階でこの２人を選考対象から外す理由がない」との意見が衝突し合うだけで、今回の協議は内部の足並みが乱れていることを露呈する結果となった。
　選考委では、日本商工連盟宮古支部の中尾英筰支部長が坂井、下地両氏では調整は困難との意向を示した上で「まずはこの２人を選考対象から外した上で第３の候補者を選考すべき」と述べ、経済界が推薦する人物もこの条件が整えば示せるとの見解を示した。
　この意見に同調する委員もいる一方で「その人物が誰なのかも、本当に意欲があるかも分からない段階で２人を選考対象から外す理由がない」との意見もあり、両派が激しい論戦を展開した。
　結局、経済界が検討している人物について、中尾氏が現状で比嘉委員長、砂川佳一県議と面談することが可能かについて本人の意向を今月12日ごろまでに確認することとなった。本人の承諾が得られればその後、比嘉委員長らと面談した上で委員会でさらに協議するとの方針になった。
　12日までに面談できなかった場合には坂井氏、下地氏の中で選考するのかとの質問について比嘉委員長は「そういう想定論には答えられない」と明言を避けた。また、砂川県議もこの面談に応じるかどうか現状では微妙な姿勢を示しており、今後の展開は流動的となっている。
　協議内容も方針も二転三転し、保守系内部の確執がそのまま選考委の内部に反映されている状況で、選考委の人選作業は先行き不透明な状況がしばらくは続く見込みとなっている。

　写真説明・宮古島市職員定数条例などについて確認した合併協幹事会＝８日、宮古５市町村合併推進協議会事務局

　【多良間】６月19日の多良間村長選挙で初当選を果たした下地昌明村長が８日、初登庁し、第27代多良間村長として公務に就いた。村役場前では住民たちが新村長を紙吹雪と拍手で歓迎。就任あいさつで下地村長は「村長として責任の重大さを痛感している。対話と協調を通じ、常に村民の立場で考え共に歩む姿勢。財政状況は厳しいが、村民の信頼に応えるため強い決意で取り組んでいきたい」と意欲を示した。2001年から不在となっている助役については「９月定例会までにはめどをつけたい」としている。
　初登庁のセレモニーには、各課長や役場職員のほか多数の住民たちが下地村長を迎えた。多良間春徳総務課長は「国の三位一体改革で厳しい中、村のかじ取り役として手腕を発揮し村政発展のためまい進するよう期待する。職員一同、新村長の下、村の発展・活性化へ向けて頑張る所存」と歓迎した。
　下地村長は地域の特性を生かした住み良い村づくりを目標に掲げ、農水産業の振興発展、生活基盤の整備、福祉・教育の充実、観光産業の育成に努めていくことを強調。「選挙を通じて村民の生の声を聞き、村民の要望をひしひしと感じている。財政状況は厳しいが、真剣に行財政改革に取り組み、住み良い豊かな村づくりに精魂傾けていく」と決意を述べた。また役場職員の和も強調。「村民のための役場であってほしい。福祉向上のため一丸となって頑張っていただくよう力添えをお願いする」と述べ協力を求めた。

　写真説明・紙吹雪に包まれ初登庁する下地村長＝８日、多良間村役場前

　日本最大級のチョウ、オオゴマダラ（マダラチョウ科）約80匹が７日、平良市池間島で確認された。陽が沈むと、樹木に垂れ下がるつるなどに止まって睡眠に入る。最初に止まったオオゴマダラの羽に、別のオオゴマダラがそっとぶら下がるペアの姿はむつまじい光景に映る。
　オオゴマダラの群れは、日中はタイワンウオクサギ（クマツヅラ科）の花のみつを吸っている。花から花へとせわしく移動。一斉に舞う時は圧巻そのもの。風が強い日には姿を見せない。
　オオゴマダラは、白地に黒のまだら模様が特徴。前羽の長さ約七五㍉。幼虫の食草はホウライカガミ（キョウチクトウ科）。沖縄諸島、先島諸島、東南アジアに分布。１年中見られる。

　写真説明・睡眠に入るオオゴマダラ＝７日午後７時すぎ、平良市池間島（撮影・伊良波彌記者）

　平良市（伊志嶺亮市長）が市営住宅入居者のうち、長期にわたる家賃滞納者を相手取り、家賃の支払いや住宅の明け渡しを求めている訴訟で、那覇地方裁判所平良支部（足立勉裁判官）は12日、10人中８人の被告に対し、住宅の明け渡しと共に、滞納分の家賃と明け渡しまでの賃料相当損害金の支払いを命じる判決を言い渡した。
　市営住宅家賃の滞納者については今回が初めての訴訟となった。判決を受け市都市計画課の与那嶺大課長は「支払いをきちんとしている市民にすれば不公平感があり、滞納者については今後も同じようにやっていきたい」と述べ、今後も悪質な滞納者に対しては強い姿勢で臨む考えを強調した。
　支払額などは被告それぞれで異なるが、判決は▽住宅を明け渡す▽滞納分の家賃を支払う▽最後通告後の明け渡しまでの賃料相当損害金を支払う―ことを求めている。滞納期間の最長者は75カ月、滞納額の最高は約204万円。
　被告の一人は「催告書を受けた後に、納付誓約書を書いていて、今年12月までに滞納分を支払うとしているので、今年までは勘案してもらっても良いのでは」と話し、平良市の訴えを不服とした。足立裁判官も「疑義が生じている」として、同被告に対する判決は次回公判に持ち越した。
　また別の被告は、離婚して現在は妻が市営住宅に住んでおり、その妻は毎月の家賃納付を行っているため、同被告に対しての建物の明け渡しは取り下げることとなる見込み。両被告についての次回公判は９月８日に行われる予定。

☆ 「ゆいレール利用して」／宮古空港にカード自販機設置

　沖縄都市モノレール（湖城英知社長）は８日、同社が運営する「ゆいレール」に乗車する際に乗車券を購入しなくても自動改札を直接通ることが出来るＳＦカードの自動販売機を宮古空港に設置した。同機で購入できるカードは1000円券、3000円券の２種類。同日午前に設置式が行われ、湖城社長をはじめ沖縄宮古商工会議所など関係機関・団体の代表が自販機の除幕を行い、自販機設置に伴う沖縄都市モノレールのさらなる発展に期待を込めた。
　湖城社長は「モノレールが利用されることで宮古、そして沖縄のさらなるイメージアップを図ることができる」と強調し、多くの利用を呼び掛けた。
　沖縄都市モノレールでは県内離島空港にＳＦカード自販機の設置事業を展開しており、すでに久米島空港にも設置されている。今後は石垣空港に設置される予定。
　宮古空港２階乗客待合室内に設置された自販機では城辺町の東平安名崎をはじめ、宮古空港、下地町の前浜ビーチの図柄が入ったＳＦカードが購入できるため、観光客のお土産としても購入されそうだ。
　ＳＦカード自販機の設置式は午前10時40分から行われた。はじめに沖縄都市モノレールの湖城社長、宮古空港ターミナルの下地米蔵社長、沖縄宮古商工会議所の中尾英筰会頭、宮古観光協会の藤村明憲会長、県宮古支庁の兼城克夫支庁長が自販機を除幕した。利用者を代表して商工会議所の中尾会頭が「モノレールが県民の足として定着していることは大変喜ばしいこと。宮古の人はよく利用すると聞いているので、利用率向上にさらに拍車が掛かると思う」と話した。
　続いて湖城社長が「県民はもとより、県外からの評価も想像以上に高いものがある。今後とも県民の期待通りの運営をしていきたい」と力強い決意を述べるとともに、自販機の利用を呼び掛けていた。
　沖縄都市モノレールのゆいレールは那覇空港ターミナルを始発とし、首里汀良町までの12.9キロを27分で走行している。

　写真説明・ＳＦカード自販機の除幕を行った（左から）湖城社長、兼城支庁長、下地社長、中尾会頭、藤村会長＝８日、宮古空港２階乗客待合室内

　「私たちの願い届けてね」―。なかよし保育園など４保育園（所）の園児たちは８日、日本トランスオーシャン航空（ＪＴＡ）宮古支社を訪れ、七夕の日に願いを込めて書いた短冊を小浜勝弘支社長に託した。この短冊は、富山県で行われる日本３大七夕祭りの一つといわれる「高岡七夕まつり」（８月１―７日）に届けられ奉納祈願される。
　短冊を託したのは平良市のなかよし保育園のほか、平良市立馬場保育所、上野村立北・南保育所の園児たち。
　短冊を受け取った小浜支社長は「皆さんの願いがかなうように、私たちが責任を持って届けます」と約束した。
　北保育所の砂川ゆいちゃん（４つ）は「かわいい女の子になりたい」と短冊に書いたという。理由は恥ずかしがって教えてくれなかったが、同保育所の黒島由美子所長が「今よりもっとかわいくなりたいんだよね」と話し掛けると笑顔でうなずいていた。

　写真説明・４保育園（所）の園児たちが願いを込めて書いた短冊を小浜支社長に託した＝８日、宮古空港