200平成1  曜日

支庁土建課に「全建賞」/環境への配慮を高く評価

 優れた建設技術を活用した公共事業として、県宮古支庁土木建築課の「新多良間空港整備事業」が2004年度「全建賞」(主催・社団法人全日本建設技術協会)を受賞した。建設地に群生していたリュウキュウマツを移植したり、伐採した樹木のチップを濾過材として活用し濁水流出を防ぐなど環境への配慮が高く評価された。宮古関係の受賞は86年以来4度目。
 全国から推薦のあった222事業の中から60事業が受賞し、県内では同空港を含め3事業が選ばれた。県宮古支庁の兼城克夫支庁長は「事業計画から施工まで環境に配慮した。実績を今後も生かしていきたい」と受賞を喜んだ。
 新多良間空港は機材大型化による輸送力拡大と安定運行を図るため、総事業費約43億円をかけて99年度から整備が行われ、03年10月に供用開始。滑走路を旧空港の800メートルから1500メートルに延長し、運行機材も19人乗りのDHC―6型機から39人乗りのDHC―8型機に拡大された。
 建設地にはリュウキュウマツが群生し、防潮林やサシバの渡りの中継地としても大きな役割を果たしていたことから、伐採による影響を防ぐため付帯道路沿いや空港ターミナル付近に移植。制限表面区域の伐採個所には航空機の運航に支障がないよう樹高の低い種類の樹木を植栽するなど緑の早期復元に配慮した。その結果、空港整備後も周辺にサシバの飛来が確認され、かつ飛来数も増加していることから同課では「一定の成果が得られた」としている。
 また、空港建設地が海に面していることから建設工事による赤土流出を防ぐため、伐採樹木のチップを周辺に敷き詰め濾過材として活用、海岸への濁水流出を防いだ。こうした環境へ配慮した建設が評価され、今回の受賞に至った。
 全建賞は、建設技術の発展に寄与することを目的に53年に設置されたもので、03年度までに1657事業に授賞。宮古管内ではこれまでに▽下地島訓練飛行場建設工事(78年度、県土木部訓練飛行場建設局)▽池間漁港修築工事(81年度、県農林水産部漁港課)▽佐良浜漁港漁業集落環境整備事業(86年、伊良部町)―が受賞している。今年度は全国で60事業が受賞。うち県内では多良間空港建設事業のほか古宇利大橋橋梁整備事業、羽地ダム建設事業が受賞した。

 写真説明(上)・全建賞受賞を喜ぶ(左から)前泊勇栄土木建築課長、兼城克夫支庁長、東樹開土木建築課係長=5日、宮古支庁

 写真説明(下)・環境に配慮した整備された新多良間空港

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オープンカフェ効果など実証 /国交省・道活用で市商店街を選定

 【那覇支局】平良市の中心商店街と周辺地域が「オープンカフェ等地域主体の道活用に関する社会実験」に取り組む地域に国土交通省から選定され、5日、沖縄総合事務局が発表した。9―12月の土日に商店街の道路を活用したオープンカフェなどの実験事業を行い、その成果を踏まえ、にぎわいといやしのまちづくりを目指す。2005年度の社会実験地域には全国で21カ所、沖縄からは平良市が選定された。

 国土交通省が支援する社会実験は、地域の抱える問題を解決するため、みんなで新しい施策を考え、場所と期間を限定して実際に体験することで、施策を実施するかどうかを判断する事業。
 平良市の中心市街地では、空き地や空き店舗が増え、空洞化が進んでいるため、これを解決しようと平良市と沖縄宮古商工会議所が実験事業の導入を申請していた。
 同地域では、▽下里、市場、中央、西里の4通りでのオープンカフェ設置▽歩行者天国の開催▽歩道や駐車場を利用したストリートマーケット、フリーマーケット、農産物朝市などのイベント―に取り組み、有効性を試す。
 事業は当面、平良市、沖縄宮古商工会議所、宮古観光協会、宮古青年会議所、西里、下里、市場の各通り商店街振興組合が一体となって取り組み、現在申請中のNPO「にぎわいみゃーく」が認可され次第、同組織も加わる。
 国の補助金は、今後事業内容によって確定し、イベントに必要な備品のリース料や運営費などに充てられる。
 同商工会議所の赤嶺一成専務は「実験事業は、商店街の活性化に向けた第一歩。その結果を踏まえ大きな取り組みに発展して行くと思うので、実験を是非とも成功させたい」と抱負を話した。

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優良業者に大和電工/電気部門で県知事が表彰

 2005年度の県土木建築部優良建設業者表彰で、小禄高校校舎増改築工事(電気)を請け負った大和電工(本社・那覇市若狭、本店・平良市、宮里敏男代表取締役)が電気部門の優良業者として県知事から表彰された。電気部門での受賞は同社のみ。宮里代表は「栄えある賞を受け職員一同励みになる。受賞をばねに新たな気持ちで施工、安全面に取り組んでいきたい」と受賞を喜んだ。
 同表彰は、県土木建築部が発注した工事を適正に施工し、優秀な成績で完成した業者に県知事が贈るもので、▽土木▽建築▽電気▽管工事▽造園―の5部門でそれぞれ一社が表彰される。
 電気部門で表彰された大和電工は、小禄高校校舎増改築工事(電気)を4112万円で請け負い、電気設備工事一式を行った。限られた工期中に他の業者と連絡を密に取りながら積極的に工程管理を行ったほか、施工体制、施行状況、出来栄えとも良好で、適正な安全対策により無事故で工事を終えたことなどが評価された。
 受賞報告を受けた兼城克夫県宮古支庁長は「大掛かりな工事の中、適正かつ円滑に工事を進めたことが評価された。宮古の工事でもぜひ技能を発揮し頑張っていただきたい」と話し、今後一層の活躍に期待を寄せた。

 写真説明・電気部門の優良建設業者として県知事から表彰された大和電工の宮里代表(中央)=5日、宮古支庁

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 クマゼミが大合唱/本格的な夏到来告げる

 「シャイシャイシャイ…」―。梅雨が明け、日に日に日差しが強まっている宮古島地方の各地で、羽化したクマゼミが一斉に鳴き出し、本格的な夏の到来を告げている。
 上野村役場の庭に立つセンダンの木には、根本から枝に向かって100匹以上のクマゼミがずらり。早朝から大合唱が辺りに響いている。
 クマゼミは雄が雌に求愛するために鳴く。これから、1匹の雌に数匹の雄が求愛行動を行うようになり、雄が雌に寄り添う光景も見られるようになる。
 クマゼミは、体長約60ミリ。本州、沖縄、台湾、中国に分布している。

 写真説明・夏本番を告げるクマゼミがずらり=5日、上野村役場

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生きることの大切さ強調/池間哲郎さん講話

 城辺町立砂川小学校(平良隆校長)と砂川中学校(大木修校長)は4日、ボランティア・平和教育講演会としてNGO沖縄アジアチャイルドサポート代表の池間哲郎さんを講師に招いた講演会を同小学校体育館で行った。池間さんは「懸命に生きる子供達―あなたの夢はなんですか?」と題し、カンボジアやモンゴルなどアジアの発展途上国で見てきた子供たちの現状や貧しく過酷な環境の中でたくましく生きる子供たちの姿を写真や映像で伝え「皆さんがこの子供たちから一生懸命に生きることを学んでほしい」と訴えた。
 「あなたの夢はなんですか? 私の夢は大人になるまで生きることです。」の著者で、寄せられた寄付金を活用してマンホールチルドレン保護施設(モンゴル)や「沖縄学校」(カンボジア)、ハンセン病棟建設(ミャンマー)などを手掛けてきた池間さんは、現地の様子を映像や写真で紹介。親に捨てられ家がないマンホールチルドレンやごみ捨て場で1日中働き続ける子供たち、人間としての扱いをされなかったハンセン病患者たちの様子を伝え、「私たちにとってはわずかなお金でも、そのお金がなく死んでいく子供たちが多いことを知ってほしい」と話した。
 またボランティアに大切なこととして▽理解し分かること▽少しだけ分けること▽自分自身が一生懸命生きること―を強調し「私たちは豊かだが感謝することを忘れている。感謝と生きる力は同じ。誰かを愛し、一生懸命に生きることを大事にしてほしい」と力強く訴えた。
 児童・生徒たちは真剣な表情で講話に聞き入り、会場を訪れていた父母らも時折涙をぬぐいながらアジアの子供たちの現実を学んだ。
 

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