200平成1  曜日

宮古島市長選保守系選考委 足並みの乱れ露呈

出席者半数にも満たず具体的協議入れず延期に

 10月1日に発足する新市「宮古島市」の市長選に向けて候補者の人選作業を進める保守系選考委員会(比嘉米三委員長)の第8回会合が2日、市内のホテルで行われたが、委員16人中、参加したのは半数にも満たない7人で、具体的な協議に入ることはできず結局、8日に再度選考委を開催することとなった。それぞれ出席できない理由があるとはいえ出席者がわずか7人の状況は選考委内部の足並みの乱れが深刻化しつつあることが表面化した結果となった。
 委員会終了後の会見で比嘉委員長と砂川佳一県議は、わずか7人の出席状況について「時間を勘違いしていたり、連絡担当者本人も用事があったようで2日と決めたものの、改めて委員たちに連絡していないこともあり、時間を忘れている委員もいたようだ」と説明した。
 ここ数回の選考委の出席率は低下しており、さらに今回は四町村長のうち出席したのは川満省三下地町長のみ。選考委は、委員のスケジュール調整など開催日程についてすらまとめることができない状況となっているようだ。
 この状況について、ある選考委メンバーは「今の協議の進め方では分裂選挙になる。平良市議会の保守系議員団も結局、まとまることなく分裂してしまった。今回の状況を招いたのも選考委の協議の進め方に問題があり仕切り直しすべき。このままでは推薦されるのはこれまで名前の出た2人になるだろうし、この2人でいくら協議しても分裂に拍車を掛けるだけ。このままの状況では議員選にも影響してくる」と選考委のあり方に疑問を投げ掛けた。
 比嘉委員長によると現在、推薦する用意があるのは平良市議会、城辺町議会、伊良部町議会の3団体で、経済界が次回の選考委までに推薦人物を提案する予定であることが説明された。
 また、下地町議会、上野村議会、婦人会代表は推薦できるかどうか微妙な情勢となっている。
 当初、この日の会合は5市町村議会、経済界、婦人代表の7団体から推薦された人物を選考のテーブルに載せて協議する予定だった。
 これまでに城辺町議会は同町助役の下地敏彦氏(59)の推薦を決定し、平良市議会も保守系の5人の議員が前県議の坂井民二氏(55)の推薦を決めている。また、伊良部町議会からは坂井、下地の両氏が推薦される見込みとなっている。
 現状で推薦予定は、これまで名前の挙がっている坂井、下地の両氏のみだが、今後、推薦を予定している経済界が唯一、第3の候補者を推薦するのか、それともこの2人のうちのどちらかになるのか注目される。

 写真説明・半数以下の人数で行われた選考委の後、会見する比嘉委員長(右)と4町村長で唯一出席となった川満下地町長=2日、ホテルニュー丸勝

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垣花さんら13人を表彰/ 第2回エッセー賞

 宮古ペンクラブ、宮古毎日新聞社共催の第2回エッセー賞の表彰式ならびに受賞祝賀会が2日夕、平良市内のホテルで開催された。受賞者やその家族、文芸関係者ら多数が集い、13人の受賞を祝った。一般の部で最優秀賞に輝いた垣花譲二さんは「これからも読み手の心に響くような作品を書きたい」と決意、宮古ペンクラブの松原清吉会長(宮古毎日新聞社編集局顧問)は「これからも主体性を磨き、言葉の大切さを思いながら、さらに良い作品を発表してほしい」と話した。参加者は今回の表彰式を機に、宮古地区における文芸の発展に向け決意を新たにしていた。第2回エッセー賞は本紙創刊50周年記念事業の一環。
 表彰式は午後6時から開かれ、はじめに宮古ペンクラブの松原会長があいさつし「エッセーは洗練された言葉と主体性がなければ読み手に感動を与えられない。入賞された皆さんには、今後も主体性と言葉を大切にしてほしい」と話し、受賞者を激励した。
 この後、入賞者一人ひとりに賞詞と副賞が授与された。受賞者を代表してあいさつした宮古出身で現在は浦添市に住む垣花さんは「今、私たちにできることは心を1つにしてやることだと思う」などと話し、エッセーの題材になった普天間基地包囲活動に参加した気持ちを説明。その上で「書くことは難しい。だが、こうして中・高校生など若い書き手が増えていることを本当にうれしく思う。これを機に、私たちもさらに努力していきたい」と喜びを語った。
 中・高校生の部で最優秀賞に輝いた饒平名美愛歩さん(宮古高校1年)は「いろんな人に祝福されて本当にうれしい。これからもいろんなことに挑戦します」と力強く決意。同じく同部の最優秀賞を受賞した久貝莉穂さん(伊良部中2年)は「伊良部島で毎年、木々が減っていく現状を少しでも多くの人に知ってもらいたくて書きました。これからも気付いたことを文章につづっていきたい」と話した。
 賞詞授与後に審査委員の下地康嗣さんが講評を行い、「優れた内容の作品が多く、品位ある作品だった」と描写力に優れた受賞者の文体を評価。課題としては「中学生の作品に誤字や誤記が見られた。これがあると作品が色あせてしまう」と注意を促していた。
 表彰式後に開かれた受賞祝賀会では主催者を代表して本社の真栄城宏社長が「これからも新聞社として地域にどのようにかかわり、どのようなことができるのかを模索していきたい。私たち新聞社も50周年を迎えるが、これからも皆さんのご指導ごべんたつを得ながら頑張っていきたい」と決意を述べた。
 伊志嶺亮平良市長もあいさつに立ち「エッセーを通して感性に優れた幅広い人間になってほしい」と中・高校生の健やかな成長に期待した。
 会ではこの後、饒平名ひろしさんによる歌と演奏のほか楽しい余興も行われ、13人の受賞を盛大に祝った。
 第2回エッセー賞の入賞者と作品は次の通り。
 【一般の部】▽最優秀賞=垣花譲二(浦添市)「いま、本当に大切なもの」▽優秀賞=親泊宗秀(平良市)「こころのカゼ」▽同=岩澤克輔(宮城県仙台市)「いま、本当に大切なもの」▽佳作=中野隆作(城辺町)「キジバトの観察で得たもの」▽同=宮国敏弘(平良市)「立てなかったスタートライン」▽同=伊藤真理子(東京都)「宮古大好き!」
 【中・高校の部】▽最優秀賞=饒平名美愛歩(宮古高校1年)「命の尊さ」▽同=久貝莉穂(伊良部中2年)「地球は生きている」▽優秀賞=平良智代(宮古高校1年)「欲しいもの、大切なもの」▽同=友利陽香(佐良浜中3年)「絆を大切に」▽佳作=山口真喜子(佐良浜中2年)「ふるさとのぬくもり」▽同=池村咲妃(同3年)「見えない力」▽同=鹿川妃(伊良部中3年)「福祉への道」

 写真説明・第2回エッセー賞で入賞した皆さん=2日、ホテル共和

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「空の玄関」をきれいに/空港周辺をクリーンアップ

 日本トランスオーシャン航空(JTA、市ノ澤武士社長)と同社労働組合(根間積本部執行委員長)は2日、「クリーンアップ作戦in宮古島」を実施した。
 約60人の関係者が参加、額から玉のような汗を流しながら、宮古空港周辺で美化活動に励んだ。
 清掃活動は、本格的な観光シーズン到来を前に、日ごろの感謝という意味合いを込めて毎年行われており、今年で4回目。
 この日は、沖縄本島からも計45人の関係者が参加。空港周辺で無造作に生い茂る雑木や雑草を剪定するとともに、散乱している空き缶やペットボトルなどを丁寧に分別しながら収集した。
 根間本部執行委員長は「宮古を訪れる観光客の皆さんを気持ちよく迎えたい。清掃活動は社員同士の交流にもつながる。今後も継続して実施していきたい」と話した。

 写真説明・協力して清掃活動に取り組む参加者ら=2日、宮古空港

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 看板設置も効き目なし/吉野海岸駐車問題

 城辺町による交通規制が解除され、初の週末となった吉野海岸では2日、町が立て看板やロープを張り、海岸に下りる町道に駐車をしないよう呼び掛けているにもかかわらず、路上駐車する利用者が後を絶たない。海岸付近から数十台の車が数珠をなしロープぎりぎりのところで車両を駐車。このため海岸への進入路は車1台がやっと通行できる状態となっている。ただ、多くの観光客らが町の考えに理解を示し、崖上にある大型駐車場を利用、この日は20台以上の車両が止められていた。
 海岸への進入路に路上駐車している利用者に悪びれた様子はない。「知らなかった」「みんなが止めているので」などと話す。進入路には町が路上駐車を解消するためのロープが張られているが、中には車両で乗り上げたのか、このロープをくくりつけてある鉄筋が倒れている場所も見られた。
 その一方で、崖上の大型駐車場を利用する観光客らは「駐車場があるので止めただけ」「下の方に行ってみたけど、とても駐車できる状態ではなかった」などと、この駐車場に駐車することが当然のように話した。
 同海岸進入路の交通規制は町が提案した同海岸管理条例を町議会が継続審議としたために解除された。町は再提案する方針を固めており、議会としても管理条例の必要性は認めている。この案件を審議する町議会総務常任委員会は来週中にも委員会を開催する方針で、今後の町と議会の対応が注目されている。

 写真説明・立て看板やロープによる呼び掛けにも応じず路上駐車が続く吉野海岸=2日、城辺町吉野地区

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「湧水、見つめ直す時期」/琉大の藤田さん、甲殻類保全で講話

 「宮古島の湧水に生息する甲殻類とその保全」と題した講演会が2日、平良市総合博物館(砂川玄正館長)で開かれた。講師の琉球大学大学教育センター非常勤講師の藤田喜久さんは宮古の湧水には、環境省、県が指定する絶滅危惧種や新種が生息していることを紹介し、「生息する生き物を守るためにも、地域住民が湧水の重要性をいま一度、見つめ直す時期だ」と環境保全の重要性を強調した。
 同博物館では、宮古の地下水や湧水に住む生物、特にエビやカニなどの甲殻類を通して水環境への認識を広めることを目的に、特別企画展「湧水に暮らす甲殻類」を31日までの日程で開催している。今回の講演会はその一環として実施された。
 今回の講演会は、藤田さんが約1年間をかけ、宮古46カ所の湧水、井戸、洞穴などに生息する生物について調査した結果を報告。調査では▽ドウクツヌマエビ▽チカヌマエビ▽ミヤコサワガニ▽ヘリトリオカガニ―など、環境省や県が指定している絶滅危惧種が多数生息していることが判明した。
 藤田さんは「そのほかにも、新種や宮古固有種が生息している可能性がある。甲殻類のほかにも、宮古で発見された生物は繁殖、生態、食性などについてほとんど分かっていない。これらの生物が生息する環境を守っていくことが大切だ」と訴えた。
 宮古の湧水環境が抱える問題点として「ごみなどによる水質汚染や周辺の環境悪化」、「湧水の多くが階段など人工的に加工されており、人が立ち入りやすい。環境に親しむという利便性もあるが、生物の過度な採取などの懸念がある」などを挙げた。
 保全策として「地域の人たちが地域の自然について知り、理解することが最も重要。湧水の重要性を見つめ直し、地域住民、行政、研究者が一体となって取り組むべきだ」と訴えた。

 写真説明(上)・熱心に講話に聞き入る聴衆ら=2日、平良市総合博物館

 写真説明(下)・講話した藤田さん

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   青空の下で伸び伸び/市立4保育所が合同運動会

 平良市立各保育所の合同運動会が2日、平良市営球場で行われ、4保育所約250人の子供たちがかけっこにおゆうぎと元気いっぱいな姿を披露した。
 同運動会は、平良市立東保育所(垣花美恵子所長)、同馬場保育所(伊良部昭子所長)、同東川根保育所(上地トシ子所長)、同北保育所(豊見山和子所長)の園児らが一堂に会し、この日のために練習を重ねてきた種目を全身で表現。晴れわたる青空の下、それぞれの音楽にのって伸び伸び体を動かしていた。中でも、2、3歳児の特技や4歳児のフォークダンスなど親子参加の種目では、父母と手をつないだ子供たちが安心した笑顔を見せ、飛んだり跳ねたりと一層張り切っていた。
 会場には多数の家族が駆け付け、わが子の頑張りに声援を送っていた。

 写真説明・親子参加でジャンプの特技に挑戦=2日、平良市営球場

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