200平成1  曜日

阪神大震災並みの恐れ/宮古島を主要活断層指定追加へ

 【那覇支局】政府の特別機関である地震調査研究推進本部政策委員会調査観測計画部会(部会長・長谷川昭東北大学教授)は1日、阪神大震災のような直下型地震を引き起こす恐れがある「主要活断層」に、宮古島断層帯など12カ所を新たに加える報告書をまとめ発表した。報告書は、8月開催予定の本部会で正式に決定される。
 同報告書によると、宮古島断層帯は宮古島を南北に縦断する形で存在し、地層の分析から千年あたり10センチ以上のずれが生じ、断層の長さが20キロを超えていることことから、主要活断層を選定する際の基準を満たしていることが判明した。
 航空写真を活用した地形判読などの調査技術が向上したことで、従来予測よりも実際には長い活断層が存在することが分かり、今回の追加指定となった。
 活断層は、過去に大規模な内陸地震の発生した痕跡であり、特に、地震の規模(マグニチュード)は、ずれ動いた断層の面積に比例するため、断層が長いほど大きな地震が起こる危険性が高いとされる。
 新たに加わる主要活断層には、新潟県中越地震の震源だった可能性がある6日町断層帯や、福岡県西方沖地震を引き起こした断層とつながっている可能性が指摘されている警固断層帯なども含まれており、政府指定の主要活断層は既に指定されている98カ所と合わせ110カ所となる。
 阪神大震災の翌々年の1997年に指定された98カ所については、地震発生確率が今年3月までにすでに発表されており、推進本部は、新たに加わった活断層についても、掘削調査などを通じて地震の発生確率などを算出することになる。

top.gif (811 バイト)

「普天間より下地島」副知事発言の真意追究

県議会一般質問奥平氏が登壇

 【那覇支局】県議会(外間盛善議長)6月定例会は1日、一般質問が行われ、平良市区選出の奥平一夫氏(自立21)が、環境行政や基地行政をただした。
 奥平氏は下地島空港の使用に関し、牧野浩隆副知事が週刊紙の記事の中で「政府との合意で同空港の使い方は県が決めるとなっている。地域の発展に資すると判断すれば、そのように決めればよい。普天間よりずっと下地島が安全」などと、自衛隊や普天間の移転を容認するような発言をしていることを問題視し、真意を追及。稲嶺恵一知事は、これに「三役は一体。(軍事利用はさせないという)私の考え方に、副知事も全く一緒」と取り繕ったが、住民感情を逆なでするような牧野副知事の発言は、今後、波紋を広げそうだ。
 日米の研究者らでつくる沖縄クエスチョン日米行動委員会が、普天間基地返還促進案の中で、下地島への暫定移転を提議していることについて、稲嶺知事は「西銘確認書を踏まえて、対応していくことが県の方針」と、従来の発言を繰り返した。
 同空港の有効利用について、当局はコンピューターシミュレーションによるパイロット訓練を検討していく方針を明らかにした。
 環境行政では、産業廃棄物処理施設への当該市町村の立ち入り権に対する当局の見解や、大浦産廃処分場問題、白川田水源などの塩素濃度上昇問題などをただした。
 大浦産廃処分場で火災が発生した際に、平良市が立ち入りできなかった反省を踏まえ質問した立ち入り調査の件について、伊佐嘉一郎文化環境部長は「市町村の意向を確認しながら、調査権の付与を検討していきたい」と今後の方針を説明した。大浦産廃処分場のサンプリング調査については「2004年の調査で、処分場東側海域と、処分場のたまり水で、ダイオキシンが環境基準値 内ではあるが、高い値が出た。要因が分かっていないので、今後とも調査を継続し、状況を把握したい」と述べた。
 温泉排水の流域内処理の影響が指摘されていた水源塩素濃度の件で、流域外処理が実施された以降の濃度変化を問われたのに対し、伊佐部長は「域外放流は4月14日から行っている。しかし、高野、大野、山川、白川田四水源は若干、上昇傾向にある。企業団や広域圏事務組合など、関係者と連携し数値や温泉の利用状況を確認しながら対処していきたい」と説明した。

 写真説明・一般質問に立つ奥平一夫氏=1日、県議会議場

top.gif (811 バイト)

70キロを水揚げ/イセエビ漁解禁

 宮古地区でのイセエビ漁が1日、解禁となり、平良市漁業協同組合(上原正行組合長)の競り市場に生きのいいイセエビ約70キロが初水揚げされた。
 イセエビは、県漁業調整規則で毎年4月1日―6月30日までは産卵期のため、禁漁。また体長18センチ以下は捕獲が禁止されている。
 同漁協には1日早朝、昨夜来の素潜り漁を終えた漁船が数隻戻ってきた。競り市場では新鮮なイセエビがずらりと並ぶ。大きなものでは重さ約1キロ、キロ当たり平均1600円の値が付いた。
 イセエビは、昼間はサンゴ礁などの岩陰に隠れ、夜になるとえさ探しのために活動するため、漁師らは夜間の素潜り漁で捕獲する。近年乱獲がたたり、解禁期間中の水揚げ量は減少を推移しているという。
 イセエビを仕入れた市内に住む長浜司さん(29)は「宮古近海で取れたイセエビは、肉が引き締まっておいしい」とアピールし、父が経営する市内のレストランへ運んだ。

 写真説明・ピチピチのイセエビをアピールしていた長浜さん=1日、平良市漁協前

top.gif (811 バイト)

 「使ってわかる すばらしさ」/県産品奨励月間でキャンペーン

 「県産品 使ってわかる すばらしさ」を標語に県産品奨励月間(7月1―31日)が1日から始まった。同月間にちなみ、同日午後、平良市内の大型スーパー前で街頭キャンペーンが行われた。県宮古支庁の長濱政治次長や平良市の伊志嶺亮市長、沖縄宮古商工会議所の中尾英筰会頭、宮古観光協会の藤村明憲会長、ミス宮古ら関係者多数が参加。買い物客らに県産品の入った袋をプレゼントし、県産品の愛用をアピールした。
 同月間は、県民1人ひとりが県産品を愛用し自給率を上げることで、県内産業の振興と雇用拡大につなげようと実施している。
 セレモニーで、長濱次長や伊志嶺市長らがあいさつし、県産品の優先使用による経済波及効果などのメリットを挙げた。
 平良市内のとくやま洋装店代表の渡久山和子さんが、宮古織りで仕立てたオリジナルウエア「涼紗」5着を伊志嶺市長らに寄贈した。

 写真説明・ウエアを着た伊志嶺市長らは「涼しくて素晴らしいウエア」と声を弾ませていた。

top.gif (811 バイト)

オーシャンビューのスイート/ユニマットのホテル新たにオープン

 上野村新里にあるユニマットフューチャーのリゾートホテル、「シギラベイサイドスイート」が1日、営業を開始した。オープニングセレモニーには、大勢の関係者が出席し、オープンを祝った。客室は全88室で全室オーシャンビューのスイートルームとなっている。同ホテルでは「最高のロケーションと洗練されたサービスでリピーターの推進を図っていきたい」と話している。
 オープニングセレモニーでは、同社の高橋洋二会長、名塚憲司専務取締役らがテープカットを行い、オープンを盛大に祝った。
 ホテルは宮古空港から約十五分で、専用車両による送迎も行う。主な施設としてレストラン(和琉創作料理、鉄板焼、バーラウンジ)、専用の屋外プール、オリジナルグッズを扱う売店などがある。各部屋からは、宮古島の南岸が一望できる。
 宿泊料金は4つのルームタイプ、シーズンなどにより異なるが、1泊朝食付き、2人1室で3万4650円(1人)からとなっている。
 古賀哲馬統轄総支配人は「シギラベイカントリークラブ、アパラギゴルフクラブ、ホテルブリーズベイマリーナなどとともに子供から年配の方まで満足いただけるようなリゾートアイランドの展開を目指していきたい」と話した。

 写真説明・高橋会長(中央)らがテープカットを行いオープンを祝った=1日、シギラベイサイドスイート

top.gif (811 バイト)

   「冬瓜の島風シチュー」県代表に/わが家の食卓コンクール

 平良市食生活改善推進員の佐久本ヒデ子さん)66)=下里=が考案したメニュー「冬瓜の島風シチュー」がこのほど、2004年度「健康日本21 わが家の食卓コンクール」(主催・日本食生活協会、県食生活改善推進員連絡協議会)の優秀作として表彰され、県代表として中央コンクールに出品されることになった。1日、同市役所に伊志嶺亮市長を訪ね、受賞を報告した佐久本さんは「まさか賞をいただけるとは、という感じ。会員みんなで楽しんでやっているので、会員みんなの賞だと思う」と驚いた様子。「若い人は地元の食材をよく知らないので、宮古の食材を紹介したいという気持ちで考えた」と説明した。
 市食生活改善推進員協議会では、毎年テーマを設定し、毎月の市の広報誌に健康メニュー2品を掲載しており、「冬瓜の島風シチュー」はその1つ。栄養士が設定した「島の食材を使って」のテーマに沿って、各会員がアイデアを絞った。
 「冬瓜の島風シチュー」は宮古の特産品となっている野菜、トウガンをメーンにしたもの。通常はホワイトソースに牛乳を使うところでスキムミルクを使用し、カルシウムもたっぷり摂れるよう工夫。もう1つの特産であるモズクでシチューに近いとろみを出した。味付けにみそを使い、和風仕立てにした点もポイント。
 喜びの報告に伊志嶺市長は「市民の健康づくりのため推進員の皆さんは常々頑張っておられる。その中でもリーダー的役割の佐久本さんには、地元の食材を使い、市民が楽しめるメニューを平良市全体に広げてほしい」とますますの活躍を期待した。

 写真説明・伊志嶺市長(左)に受賞報告した佐久本さん(中央)、栄養士の奥浜智子さん=1日、平良市役所

top.gif (811 バイト)