200平成1  曜日

漁業補償5010万円を可決/伊架橋実現へ大きな前進

 伊良部町漁業協同組合(奥原隆治組合長)と平良市漁業協同組合(上原正行組合長)の通常総会がそれぞれ30日開かれ、両漁協とも「伊良部大橋橋りょう整備事業に伴う漁業損失補償金5010万円の承認」と「同事業に伴う漁場区域の1部消滅・岩礁破砕の同意」の2議案を賛成多数で可決した。また同事業に伴う漁業権の1部消滅では、サザエやタカセガイなどを潜水で採取する漁業者の3分の2以上の事前同意書が得られ報告された。4日に開かれる池間漁協(与那嶺昭夫組合長)の通常総会でも同議案が承認されれば、同架橋は実現へ向けて大きく前進することになり、同漁協の承認に期待感が高まっている。

 伊良部町漁協の総会は、午前10時から町内の前里添多目的共同施設で行われた。
 総会は、水産振興策の確約書の文言などをめぐって紛糾した。
 組合員のうち数人は、「県と平良市、伊良部町が一緒に作成した確約書には、製氷施設と給油施設について『合併特例債を適用し、新市の事業として平成18年度以降、実施設計および工事に着手するように取り組む』とあるが『平成18年度以降』の表現では、いつ実施設計するかなどが不明」と質問。これに対し、浜川健町長は「『平成18年度に実施設計』などに改めるよう取り組んでいきたい」と理解を求めた。
 一方、平良市漁協の総会は午後2時から同漁協内で行われ、伊良部大橋橋りょう整備事業に伴う漁業損失補償金を5010万円とする議案を賛成多数で可決し、漁業権の一部消滅および漁場区域における岩礁破砕の同意および漁業汚染防止協定の締結に関する議案を3分の2以上の賛成多数で可決した。
 採決をめぐっては組合員から事前同意書の取り付け方法や水産振興策の具体性についての質疑が相次いだ。同意書の取り付けについては県が法律上の正当性を主張、水産振興策については兼城克夫支庁長が「全部実行するつもりで受け止めている。推進会議を設置し議論していきたい」と前向きな姿勢を示した。同漁協は▽紫外線殺菌装置導入資金▽車エビ養殖場砂購入資金▽マリノベーション計画(漁協前広場のレストラン構想)▽製氷機施設の改修▽来間大橋東の水路拡張▽ハンザマスト補修費資金―の6項目を水産振興策として要望している。
 来賓として出席した伊良部町の浜川町長は伊良部架橋関連議案について「伊良部漁協が可決できた要因の一つは平良市と池間の漁協の皆さんが賛成の姿勢を示してくれたから」と感謝。その上で「水産振興策においては県と協議しながら最大限努力していきたい」と話した。
 

 写真説明(左)・伊良部架橋建設に伴う関連議案を賛成多数で可決した平良市漁協組合員=30日、平良市漁協
 写真説明(右)・伊良部町漁協では出席した組合員の3分の2以上の賛成多数で漁業補償金の承認を可決した=30日、伊良部町の前里添多目的共同利用施設

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宮古島市長選・保守系市議5人が坂井氏推薦

意思統一図れず、下地会長辞任へ

 平良市議会の保守系議員団(下地秀一会長)は、30日、「宮古島市」市長選の候補者について協議した結果、2日の保守系選考委員会(比嘉米三委員長)に前県議の坂井民二氏(55)を推薦することを決定した。
 しかし、保守系議員内部の意向はまとまらず、坂井氏推薦は同市議団全体の意向ではなく、坂井氏を推薦するのは5人の市議が連盟で推薦することとなった。
 保守系市議の意思統一を図れなかったとして下地氏は本紙の取材に対し「分裂を回避して全会一致で候補者を推薦できなかった責任を取って会長を辞任する」と述べた。
 新市市長選に向けた保守系の選考委は今月2日の第8回会合までに各団体に対して推薦する人物があれば本人の同意を得て推薦するよう求めていた。
 選考委の意向を受け、市議団は人選の協議に入ったが坂井氏と城辺町助役の下地敏彦氏(59)の両派の意向はかみ合わず挙手による採決で坂井氏の推薦が決定した。
 同選考委は推薦する条件として「5人以上の連名」を示していたことから坂井派はそれを満たしたが下地派は5人を確保することができなかった。
 結局、保守系市議全員で坂井氏を推薦することとはならず、全会一致の候補者として推薦できなかったことから下地会長は責任を取って辞任を決めたようだ。
 下地会長は「昨年の県議選以来、保守系1本化を目指して頑張っていたがその方針は貫けなかった。1つになれなかった責任を取って会長を辞める。これからは1保守系議員として頑張りたい」と述べた。
 新市市長選の保守系候補者選考作業は、保守系市議の分裂と関係修復作業が挫折したことが先に表面化することとなり、今後の選考委の協議、候補者の人選にも影響を与える見込みだ。

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無病息災を願う/宮古神社で「茅ノ輪まつり」

 平良市内の宮古神社で30日、「茅(ち)ノ輪まつり」が行われた。約50人の参拝者が、かやでできた茅の輪をくぐり、年末までの半年間の無病息災を願った。
 「茅ノ輪まつり」は、「夏越(なごし)の大祓(おおはらえ)」とも呼ばれる。大祓は6月30日と12月31日の年2回執り行われる神事で、人々が知らず知らずのうちに重ねた罪や汚れをはらう。
儀式では、大祓詞(ことば)で祈願した後、人形(ひとがた)を体の悪いところに当て、切麻(きりぬさ)で身を清めた。その後、神主の島袋輝市さんと禰宜の伊野波哲夫さんを先頭に、「茅輪くぐりの歌」を歌いながら茅の輪を3回くぐり抜けた。
 儀式後には、ジローグループによる奉納太鼓も行われた。

 写真説明・茅の輪をくぐり年末までの無病息災を願う参拝者ら=30日、宮古神社

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 多良間村長選「下地氏の当選は有効」

兼濱後援会の申し立てを棄却

 【多良間】6月19日に投開票が行われた多良間村長選で、投票総数と開票数が一致しなかったなどとして兼濱朝徳後援会(高江洲常功会長)が異議を申し立て、選挙の無効を訴えていたことを受け、同村選挙管理委員会は30日、委員会を開き「下地昌明氏の当選は有効」と同後援会の訴えを棄却した。
 同後援会や弁護士の宮国義夫さんによると、異議申し立ての理由は▽検票の際、投票総数に対し開票数が1票多かったこと▽選挙管理委員会が不在者投票の投票用紙を文字が赤色で印刷されている内封筒に入れて送付したが、返送されてきた投票用紙には黒文字で印刷された封筒が19通あったことについて不正の可能性―を指摘。
 異議申し立てを受理し、委員会を開いた同選管は30日、再度、票を調べなおした。その結果、@期日前投票の投票数を「712票」と発表したが「713票」の誤りで、1票数え間違えるミスがあったA黒文字で印刷された不在者投票の封筒が19通混じっていたが、直接、選挙に影響を及ぼすことはない―などと判断。今回の選挙が有効であるとの見解を示した。
 今回開かれた委員会により、6月19日の発表では5票だった無効票に数え間違いの1票が加えられ計6票となる変更があったが、有効投票数983票は変わらず、下地氏500票、兼濱氏483票とそれぞれの得票数にも変更はなかった。
 異議申し立て棄却を受け、同後援会は、「あす(7月1日)、村選管の公式な発表を待って、今後の対応を決める」と県選管への異議申し立てを視野に検討する、としている。

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「お米食べるの楽しみ」/稲刈りに初挑戦・西辺小児童

 平良市立西辺小学校(前泊宣夫校長)の4、5、6年生は6月28日、同市大浦地区にある体験農場で稲作体験を行った。総合的な学習の一環。子供たちは、農場を整備した県宮古支庁や管理主体となる平良市の職員らの協力を得て、慣れない手つきで初めての稲刈りに挑戦した。
 収穫した約80キロの稲は、脱穀、精米し、カレーライスなどを作って食する予定。この体験学習は、農家の努力や苦労を知ると同時に、毎日食べている米の栽培を体験することで、食事に対する感謝の気持ちを高めようと実施。

 子供たちははだしで田んぼに入り、日差しを浴びて黄金色に輝く稲を次々に収穫。中には、大人たちにかまの使い方を教わりながら、たどたどしい手つきで刈り取る子供たちの姿もあった。
 体験した山里弘一君(4年)は「力の要る仕事で大変だったけど、楽しかった。お米を食べるのが楽しみ」と汗だくの笑顔で話していた。
 この体験学習用の田んぼは、県が1997年から2003年までの期間に大浦地区で実施したほ場整備工事事業の一環で整備した。面積は約300平方メートル。地下水が豊富な地形と粘土質の土地の性質を生かして造り、平良市が管理している。

 写真説明・西辺小学校の子供たちが初めての稲刈りに挑戦した=6月30日、平良市大浦の体験農場

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   来年のトライアスロン大会テーマを募集/宮古広域

 全日本トライアスロン宮古島大会を主催する宮古広域圏事務組合(代表理事・伊志嶺亮平良市長)はきょう1日から、来年開催の第22回大会のテーマ募集を開始する。締め切りは今月29日。同組合では宮古全域からの応募を呼び掛けている。
 応募は郵送、ファクス、Eメールのいずれでも可。
 宮古トライアスロン実行委員会(〒906―0007 平良市東仲宗根676―9、電話0980・73・1046、ファクス0980・73・5801、Eメールアドレスtriathlo@miyako―ma.jp)まで申し込む
 応募作品の中から一点を大会テーマとして使用。副賞として記念品が贈呈される。
 選考委員は次の通り。(敬称略)
 ▽二木哲(大会実行委員長)▽笠原渥(大会事務局長)▽久場安志(琉球新報宮古支局長)▽渡久山明(宮古観光協会事務局長)▽藤見真理子(えいごくらぶ)▽奥原一秀(平良市役所保健予防課長)▽伊志嶺敏子(一級建築士事務所)

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