200平成1  622曜日

債務超過3億2600万円に/マリンターミナル株主総会

 経営再建中の第3セクター、宮古島マリンターミナル(社長・伊志嶺亮平良市長)の第15期定時株主総会が21日午後、平良市内のホテルで開かれ、当期の損失処理案件など2議案を承認した。この中で債務超過は3億2600百万円に膨らみ、累積赤字額は10億9600万円に上ることが示された。メーンテナントであるホテル施設を運営する漲水リゾート開発の賃料滞納が要因。同ターミナルと漲水リゾート開発は当期、家賃の引き下げをめぐり協議を続けているが、決着は調停による司法判断に委ねたとする報告も行われた。同ターミナルの再建化計画は3年目にして厳しい現実に直面している。

 同社の当期(2004年4月1日―05年3月31日)営業報告によると、旅客ターミナル施設のテナント(当期末17社)賃料収入は4326万円で約7万円増となっているが、宿泊施設を運営する漲水リゾート開発との賃料問題がネックとなって苦しい資金繰りを強いられた。営業推移をみると、売上高は2億7500万円となり過去五年間にわたり確実に増大している一方で、赤字も3100万円を計上するなど依然として厳しい経営状況だ。
 債務超過が膨らんだ要因に挙げられる宿泊施設の賃料問題で、同社は当初、宿泊施設の家賃収入を月額1800万円の年間2億1600万円と算出していた。だが、漲水リゾート開発から家賃引き下げの要望が出され、当期は協議妥結までの措置として月額1400万円に消費税と過去の未収分を加えた1690万円の家賃を収入してきた。この結果、未収分となる2400万円を家賃減額引当金として予算計上するという厳しい財務運営となった。03年度分を含む漲水リゾート開発に対する債権は未収入金、立替金、長期未収入金を合わせて2億500万円。
 これらの影響を受け当期は前期までの融資に対し元金、利息、保証料合わせて約1億5300万円を支払ったが、県(地域総合整備資金)への3月分の支払いが不履行となった。未払い分の2億5200万円は琉球銀行が支払いを承諾したものの、琉銀が立て替えた分の支払い方法については具体的に詰められていないのが現状だ。
 報告を受け株主らは抜本的な経営改善策を求めた。これに対し伊志嶺社長は「賃料問題を司法の場に移すことを株主の皆さんに深くおわび申し上げたい」と陳謝。その上で「今後、一刻も早く経営環境の向上を図るため社を挙げて最大限の努力をしていきたい」と話し株主の理解を求めた。
 この日の株主総会では取締役改選案も審議し全会一致で承認した。

 改選後の取締役は次の通り。
 【再任】▽伊志嶺亮(平良市長)=代表取締役社長▽松川彦次郎(宮古島マリンターミナル常務取締役)▽譜久山當則(沖縄振興開発金融公庫融資第一部長)▽中尾英筰(沖縄宮古商工会議所会頭)▽儀間良和(沖縄銀行常務取締役)▽玉城優(沖縄海邦銀行取締役審査第一部長)▽比嘉榮仁(琉球海運代表取締役社長)▽柴田一郎(大同火災海上保険常務取締役)▽下地米蔵(漲水リゾート開発代表取締役社長)▽黒島正夫(先嶋建設代表取締役社長)▽野津武彦(野津商事代表取締役)

 【新任】▽兼城克夫(県宮古支庁長)▽石嶺伝一郎(沖縄電力常務取締役)▽宮里博史(琉球銀行非常勤取締役、國場組代表取締役副社長)

 宮古島マリンターミナル株式会社 平良市や沖縄振興開発金融公庫など公的機関が5つ、県内地銀3行、ホテルを管理運営する漲水リゾート開発など地元企業11社が出資して設立された第3セクター。オープンは1996年。市民劇場や大型ホテル、旅客ターミナルを管理、運営する。現在は公的機関、民間合わせて48団体が株主。

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沖縄戦の悲惨さを訴え/集団自決などの写真展示

 写真展には、白旗を持つ少女や集団自決があった防空ごうの写真など、沖縄戦の様子を収めたパネル約20点や、歴史年表、版画家・儀間比呂志さんの木版画4点が展示されている。
 平良市では、2003年度から6月17―23日を「平和週間」に定め、沖縄戦写真展を開催している。戦後60年を迎え、戦争体験者が少なくなる中、過酷な沖縄戦の実相や教訓を風化させることなく伝えることが目的。
 戦時中の宮古の様子を収めた写真では、手りゅう弾投げの練習をする学生の姿や、宮古に移駐していた第28師団など貴重な写真も展示されている。
 平和学習の一環で写真展に訪れた西辺中学校の2年生ら18人は、印象に残った写真やその理由について書き留めて、沖縄戦について考えた。与那原寿志君(2年)は、「自決した写真が印象に強く残った。戦争はむごい。平和な世の中であってほしい」と話した。
 また、今回は今年10月に市町村合併を控え、平良市としての最後の写真展となることから、市の歩み、町の移り変わりを紹介する「ひららの歴史コーナー」も設けられている。
 沖縄戦の悲惨さを見つめ直し、平和の尊さを考える機会にしてもらおうと、平良市(伊志嶺亮市長)は20日から、同市役所1階ロビーで「沖縄戦写真展」を開催している。集団自決など戦時下の苦しみが伝わる生々しい写真を、来庁者は食い入るように見つめていた。平良市の歴史写真展も併せて開催されている。期間は24日まで(23日は閉庁)。主催者は多くの来場を呼び掛けている。

 写真説明・戦争の悲惨さを伝える写真展。来庁者は食い入るように写真を見つめていた=21日、平良市役所

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市税徴収80%超える/平良市 97年度以来7年ぶり

 平良市(伊志嶺亮市長)は21日、2004年度の市税徴収実績を発表した。現年度課税分と滞納繰越分を合わせた調停済額35億8300万円に対する収入済額は28億7300万円(前年度比1400万円増)。徴収率は前年度比2・5ポイント上昇の80・2%となり、過去最低だった03年度の77・7%から一転、97年度以来7年ぶりに80%を上回った。今月はじめに税務課がまとめていた80・1%も0・1ポイント上回った。
 同課では、「昨年4月に、財政非常事態克服実践本部を発足させて以来、総務部職員53人全員で現年度課税の徴収に当たったほか、税務課職員は滞納分、特に100万円以上の大口滞納の整理を図ったことが奏功した」と説明した。
 市税は▽市民税▽固定資産税▽たばこ税▽軽自動車税▽特別土地保有税―など。このうち約70%を占める固定資産税で、滞納分徴収率が前年度比4・1ポイント上昇の18・9%と好成績だったのが大きく影響した。
 ただ、県内平均の徴収率は85%にまで達することから同課では「80%は一つの目標だった」として、今年度のさらなる税収アップに向け気を引き締めた。
 徴収率の内訳は、現年度分が前年度比0・7ポイント上昇の94・5%、滞納繰越分が同3・4ポイント上昇の18・4%となっていた。
 市税徴収率の最高値は75年度の94%。平成に入ってからは97年度の81・7%を最後に徴収率が80%を超えることはなく、03年度は過去最低の77・7%となっている。

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 「宮高生デス、ヨロシク」米国から交換留学生5人

/YFU財団招致事業

 「県立宮古高校(仲間博之校長)は20日から、交換留学生として来島している米国の高校生5人を授業に受け入れている。28日まで。YFU日本国際交流財団が行う外国人高校生(日本語専攻)の短期招致事業の一環。7月には、同校3年生の下地恵誠君がドイツへ、同2年生の伊舎堂裕子さんがアメリカへ1年間の留学も決定しており、ホームステイ交流も含めて若い人たちの国際理解が広がりそうだ。
 外国の高校生短期招致事業は、日本語および日本文化への学習意欲を高めると同時に、日本人高校生との友好親善を推進することが狙い。
 今回、宮古高校に通学しているのは、カスティロ・ウィリアム君(16)、コプルスキー・アレクサンダー君(17)、クーベ・クリスティンさん(17)、ギルバート・ジョージアさん(16)、スイート・エリオット君(17)の5人。このうちエリオット君は、プログラム参加の動機について「日本語力を高めるためには、現地で学ぶことが1番だと思った」と話し「地域や学校の人たちはフレンドリーで楽しい」と笑顔を見せた。
 また、ウィリアム君は宮古高校の様子について「女子はにぎやかで活発。男子はシャイな人が多いみたい」と感想を話した。
 7月からドイツで学ぶ下地君は「NBAの日本人選手を育てることが将来の夢。語学のほかにバスケットも学び、書道など日本文化も伝えたい」と意欲満々に語った。
 仲間校長は「アメリカの高校生たちと授業を受けることで、生徒たちも世界を身近に感じることができ、若い感性の国際交流が広がっている。滞在期間を仲良く楽しんでほしい」と、生徒間の交流が深まることを期待した。

 写真説明・宮古高校で学ぶ米国の高校生たちと7月にドイツに留学する下地君(前列左から2人目)=21日、県立宮古高校

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福里君(標語の部)、洲鎌さん(ポスターの部)ら最優秀賞

地域安全運動暴力追放運動 審査会

 2005年全国地域安全運動(10月)と全国暴力追放運動(11月)に使用されるポスター、標語の審査会が21日、宮古警察署であった。計281点の応募があった標語の部では、福里拓也君(久松中2年)ら6人が、ポスターの部では洲鎌成子さん(宮古高校1年)ら2人がそれぞれ最優秀賞に選ばれた。
 同署の伊波盛春署長を審査委員長に、同署幹部や宮古地区防犯協会の前川尚誼会長らが審査に当たった。
 標語、ポスターは▽侵入窃盗防止▽子供の誘拐、連れ去り防止▽少年の非行防止(健全育成)▽薬物乱用防止▽暴力団追放▽「オレオレ詐欺」など振り込め詐欺防止―の6部門で審査された。
 最優秀賞、優秀作品は県の審査に出品される。

 受賞者、作品は次の通り。(敬称略)

 《標 語》
 【侵入窃盗防止】▽最優秀賞=福里拓也(久松中2年)「とじまりは あきすぼうしの『カギ』となる」▽優秀賞=宮國真由美(上野中3年)「カギかけた?最終チェック しっかりと」▽同=倉井千春(来間中2年)「カギかけて 空巣を防ぐ 心がけ」
 【子供の誘拐・連れ去り防止】▽最優秀賞=与那覇優(北中3年)「街の目が 君たちみんなを 見守る目」▽優秀賞=川満力(下地中3年)「さそわれて NOとひと声 110番」▽同=垣花愛穂(同)「ちゃんと見て 小さな子どもの 大きな命」
 【少年の非行防止(健全育成)】▽最優秀賞=藤原愛(上野中3年)「非行から 守る家族の 明るい笑顔」▽優秀賞=砂川友紀(来間中3年)「酒・タバコ 好奇心より 自制心」▽同=杉山渉(北中1年)「やめようよ 断る勇気が 実を結ぶ」
 【薬物乱用防止】▽最優秀賞=新垣早紀(北中三年)「誘惑に 負けない勇気 負けない心」▽優秀賞=川満美耶(同2年)「白い粉 貴方も未来も こわれてく」▽同=伊佐日向子(同1年)「君の夢 薬物なんかで 消さないで」
 【暴力団追放】▽最優秀賞=川満僚(久松中3年)「暴力団追放 町の安全 地域の団結」▽優秀賞=友利厚喜(西城中1年)「暴力団 町の中から ポイ捨てだ」▽同=大浦麻衣(久松中3年)「暴力団 なくして平和 明るい街」
 【「オレオレ詐欺」など振り込め詐欺防止】▽最優秀賞=兼島宏子(上野中2年)「オレオレで 納得する前 まず確認」▽優秀賞=植田慎二(久松中3年)「きをつけて 振り込めときたら それはさぎ」▽同=津波古幸信(砂川中2年)「振り込め詐欺 振り込む前に確かめて」

 《ポスターの部》
 【侵入窃盗防止】▽最優秀賞=三井咲子(一般)
 【子供の誘拐・連れ去り防止】▽優秀賞=宮國一美(宮古高校3年)
 【少年非行防止(健全育成)】▽最優秀賞=洲鎌成子(宮古高校1年)▽優秀賞=狩俣愛(同1年)▽同=下地政美(砂川中3年)
 【薬物乱用防止】▽優秀賞=上原ちひろ(宮古高校3年)
 

洲鎌成子さんの作品が少年非行防止(健全育成)ポスターの部で最優秀賞に選出された


侵入窃盗防止ポスターの部で最優秀賞に選ばれた三井咲子さんの作品

 

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   机の引き出しから発見/盗難の不在者投票事務処理簿

 【多良間】20日午前、多良間村選挙管理委員会事務所で不在者投票事務処理簿が盗難に遭った事件で、21日午前11時ごろ、事務所内にある委員の机の引き出しの中から同処理簿が見つかっていたことが分かった。破損や欠陥などの形跡はなかったという。
 見つけた委員によると盗難に遭った20日には机の中にはなく、21日になって引き出しに入っているのが見つかったという。同処理簿は島外に住み不在者投票を希望する有権者に対し、村選管が投票用紙を送付した記録が記載されているもので、選挙人の住所や氏名、不在者投票の理由などが書かれている。盗難に遭った処理簿には59人分の情報が記載されていたという。
 通常、名簿などの資料はすべて鍵を掛けて保管しているが、盗難に遭った日は机の上で作業中、委員が約15分間席を外した間に処理簿1冊がなくなっていた。

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