200平成1  621曜日

平良市ワイドー基金を人件費に/職員大量採用問題

 開会中の平良市議会(池間青昌議長)6月定例会は20日、質疑が行われ「ワイドー広域圏基金に係る権利の1部を放棄することに関する議決」について、垣花健志議員が当局見解を求めた。これに対して宮川耕次総務部長は「本年度はワイドー基金の1部取り崩しとして4600万円を予定している。これについては新規採用分などの人件費等に充当する予定」と説明した。平良市は本年度の採用試験で大量の21人(その後3人を取り消し)の合格者を出し、4月1日付で10人を本採用しているがその給与については本年度の当初予算には計上されていなかった。
 18人の採用試験合格者のうち、現在採用待ちは8人。当局は今後の本採用については現在の職員数394人を上回らないことを条件にしており、市町村合併(10月1日)までに勧奨退職者が8人出ないと採用待ちすべての採用には至らないが、今回の補正予算における人件費には18人全員分の給与が含まれている。
 宮古広域圏事務組合の「ワイドー基金」は6市町村と県で積み立てた基金で、国の三位一体改革など厳しい6市町村の財政状況を考慮して昨年度も1部が取り崩され、平良市分の取り崩し額は8800万円だった。
 今回示された一般会計補正予算案では、人件費がワイドー基金取り崩し額を含めて5600万円示されている。新規採用分等が3960万円、昇級等昇任分が770万円などとなっている。
 平良市の職員管理定数は399人だが、合併を控えて他町村との間で2004年度末の定年退職者分については予算計上しないとの申し合わせ事項があり、これにより市の職員定数は390人となっていた。しかし、市町村会の解散により同会の職員が各自治体に振り分けられ、平良市には4人が異動となり現在の職員数は394人となっている。
 今回の補正予算における人件費には、採用待ちの8人分についても含まれていることから、当局は8人分の勧奨退職者を今後も募っていく見込みとなっている。

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対話と協調で発展目指す/多良間村長選・下地氏が喜び語る

 19日に投開票が行われた多良間村長選挙で、激しい選挙戦を勝ち抜き17票の差で初当選した下地昌明氏(53)。村政の「継続」か「刷新」かをめぐり村を二分した戦いとなったが、反当局派の支持層を固め早めに動き出していた下地氏が戦いを制した。一夜明けた20日、初当選の喜びと今後の抱負を聞いた。
 ―夜明けての感想は
 支持者の皆さんと本当においしい酒をじっくりと味わった。選挙は終わったがこれがスタートというさわやかな気分。重大さは認識している。多良間村建設にエネルギーは十分燃え上がっている。
 ―17票差の結果をどうみるか
 票差というよりは多くの支持者から賛同を得たことに責任の重大さをひしひしと感じている。訴えてきたことを確実に実行に移していきたい。
 ―今選挙の一番の争点は合併離脱して村の自立策をどう示すかだが、これからどうやっていくか
 厳しい道のりが待っていると思う。自主財源が乏しい多良間村は、財源の乏しさを味わいながら自立を進めなければいけない。財源確保という大きな問題があるが、支持者や職員と相談し、すでに抑制されている義務的経費も見直しながら取り組んでいきたい。
 ―村を二分した形だが、兼浜候補側との対話と協調は
 対話と協調で溝を埋めていきたい。議会とも与野党なく多良間村のために対話と協調を重ねていくことで村民に浸透していくものと思っている。まずは議会と村づくりに対しての姿勢を語り合い、その延長線上にある地域の皆とも意見交換していきたい。
 ―多くの政策を掲げたが、まず取り組みたいことは
 生活物資を運んでいる多良間海運問題がある。新会社の組織内容を早めに把握し、老朽化したフェリーの新造船建設に取り組みたい。医療体制に多くの人が不安を持っている。医者2人にした医療体制の確立に努めたい。
 ―いよいよ村政を預かるが抱負を
 激しい選挙戦の後ですぐ溝を埋めて一つになるということはなかなか厳しい面もあるが、努力してこれからの村づくりを頑張っていく所存。多くの方が参加していただける行政を進めていく中で溝を埋め、一丸となって多良間村建設ができると思っている。力いっぱい取り組んでいく。

 写真説明・初当選から一夜明け、当選の喜びを語る下地昌明氏=20日、多良間村仲筋の自宅で

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経済界が予備選に反発/新市市長選 保守系、すでに分裂状態

 新市「宮古島市」の市長選に向けて人選作業を進める保守系の選考委員会(比嘉米三委員長)が実質的な予備選挙となる決選投票実施の方針を打ち出したことを受け、日本商工連盟宮古支部長の中尾英筰沖縄宮古商工会議所会頭は20日、会見を行い決選投票実施に反対の姿勢を示した。
 中尾支部長は「決選投票で候補者を選ぶ手法は、さらなる対立の構図を生むだけ。経済界では決選投票はすべきでないし、比嘉委員長に回避を求めてある」と述べた。
 会見には同支部の砂川恵助副支部長(同会議所副会頭)も同席し、これまでの選考委の人選作業や協議の持ち方などについて苦言を呈したほか、26日に予定されている決選投票については「こんな短期間では経済界として候補者を推薦することは無理」との考えを示し、回避すべきとの姿勢を強調した。
 また、選考委のこれまでの協議について中尾支部長は「1カ月近く協議しても全く進ちょくしていない。この前も幹事会で決まったことがすぐ後の選考委では全く違った形になってしまった。さらに決選投票する方針も仲間克城辺町長、浜川健伊良部町長が参加していない中で決まってしまった」と、選考委のあり方に不満をぶつけた。
 また、今後については「もう1度、選考委を開いて決選投票について再考すべき」との考えを示した。
 選考委が示した決選投票の中身は、5市町村議会と経済界、婦人団体の7つの団体がそれぞれ5人以上の連名で候補者を推薦。推薦された候補者についてはこの7団体から3人ずつの計21人と、現在の選考委16人の合わせて37人が投票を行うこととなっている。
 37人の内訳は、選考委の比嘉委員長、砂川佳一県議と平良市議七人、城辺町、伊良部町、下地町、上野村の4議会が各5人、経済界4人、婦人団体4人となっている。
 これまでに選考対象となっていた県議の坂井民二氏(55)と城辺町助役の下地敏彦氏(59)も条件を満たした推薦があれば対象となることから、両氏とも水面下ではすでに決選投票に向けた多数派工作を展開しているようだ。
 決選投票については、それぞれの思惑が絡み合い保守系内部で「支持」「不支持」に分かれている。
 各方面の意向を集約してまとめ、分裂解消を図るために立ち上がった選考委員会だが、現状でほとんどその機能を果たしておらず、打ち出した方針についても保守系内部の合意すら得られない状況となっている。

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 きょう夏至/梅雨明けも間近

 きょう21日は24節気の1つ「夏至」。1年中で最も昼が長い日で、この日から暑さも厳しさを増してくる。
 夏至は太陽が黄経90度の最も高い夏至点に到達するときで、この日北半球では昼が最も長くなり、反対に夜が最も短くなる。
 夏至は夏季の真中であり、太陽からの熱も最大量となる。宮古では、まだ梅雨が明けていないにもかかわらず、30度を超える暑さが訪れている。城辺町西西地区では県宮古支庁が植栽したヒマワリが数十万本以上、太陽光を浴びて咲き誇り、道行く人々に夏の訪れを感じさせている。
 宮古島地方気象台によると20日の最高気温は30・5度(午後2時43分)を観測。きょう21日とあす22日も雨の予報はなく、20日と同じような気温になる見込み。
 週間予報でも雨の予報はない。梅雨は平年6月23日に明ける。この日を境に、急激に宮古島の暑さが本格化する。

 写真説明・夏を感じさせる数十万本のひまわりが咲いているほ場=20日、城辺町西西地区

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全珠連検定暗算10段に合格者4人/小6の下地君ら目標達成

 全珠連主催暗算検定に合格したのは、下地君のほか、砂川絵理香さん(平良中1年)、下地孝幸君(宮古高校1年)、前里美奈子さん(同2年)の計4人。譜久村代表によると、通常、同学校からの同段合格者は1年に1人程度で、過去には1年に2人が最多だったという。今年は上半期で4人の合格者が出た要因として「昨年、全国レベルの珠算大会出場に向けての特訓を積んだことなどで実力が上がったのでは」と話した。
 宮古最年少合格者となった下地君は「合格までに2年以上かかった。大きな目標だったので達成感でいっぱい。必ず合格できると信じていた」と喜びを語った。砂川さんは「合格できてうれしい。次は珠算検定の10段合格を目指したい」と目線はすでに次の目標へ。下地孝幸君は「中学1年の時から挑戦し続けていて、あきらめかけた時期もあった。今回は『必ずやってやる』と決め、危機感を持って勉強に取り組んだのが良かった」と笑顔を見せた。前里さんは「うれしいし、ほっとしている。大学受験にも生かしたい」と感想を話した。
 暗算検定10段は、解答が8ケタになる掛け算、割り算、見取り算の3種類が出題され、それぞれ3分間の制限時間が設定されている。譜久村代表は、検定前の学習量を増やしたり、電話などで精神面をサポートするなどして子供たちを励ましてきたという。「9段から10段への道のりが長く険しいことを思うと、半年で4人も合格したことは信じられないくらい。子供たちが学校の勉強や部活と両立しながら、一生懸命頑張った成果」と手放しで喜び、今年後半の受験生たちにも期待した。
 全国珠算教育連盟(賀藤榮治理事長)主催の暗算検定で最上級段位となる10段に、今年1月から6月までの期間で宮古地区から4人の児童生徒が合格した。半年で4人の合格者が出るのは過去最多。合格したのは、宮古珠算学校(譜久村藤枝代表)に通う下地賢優君(東小6年)ら小学生から高校生までの子供たちで、目標の達成にそれぞれ「充実感でいっぱい」と口をそろえている。このうち下地君(合格当時5年生)は宮古最年少合格者となり、関係者を喜ばせている。

 写真説明・暗算検定10段に合格した(左)から下地賢優君、下地孝幸君、砂川さん、前里さん=20日、宮古珠算学校

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   多良間村選管で盗難/不在者投票事務処理簿なくなる

 【多良間】19日に村長選挙が行われた多良間村の選挙管理委員会で20日、不在者投票事務処理簿の盗難事件があった。宮古署では村選管から詳しい事情を聞くとともに、同事務所出入り者の割り出しを行っている。盗難にあった処理簿はまだ見つかっていない。
 宮古署によると、20日午前11時ごろから同15分ごろまでの間、同委員会書記1人が事務所内で作業中、テーブルの上に同処理簿を置いたまま所用で席を外し、階下へ降り約15分経って戻ったところ処理簿1冊がなくなっていた。村選管が多良間駐在へ届け出た。
 任期満了に伴い投開票が行われた同選挙は、現職の兼濱朝徳さん(56)と新人の下地昌明さん(53)による一騎打ちとなり、下地氏が500票で初当選を果たした。同選挙の不在者投票は59票で、うち3票が不受理となっていた。

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