200平成1  620曜日

下地昌明氏が初当選/前回の雪辱晴らす・多良間村長選

 【多良間】任期満了に伴い19日に投開票が行われた多良間村長選挙は、新人の下地昌明氏(53)=保守系無所属=が500票を獲得、現職の兼濱朝徳氏(56)=保守系無所属=に17票の差をつけ初当選を果たした。1票差に涙をのんだ4年前の雪辱を晴らした。村政刷新を強調しながら慎重に反当局派の支持層を手堅くまとめたのが勝利につながった。当日有権者数は1001人、投票率は99・00%。
 14日に告示された今選挙には、1票が明暗を分けた前回の村長選と同様に下地、兼濱両氏が立候補し、同じ顔ぶれによる村を二分した戦いが繰り広げられた。前回が1票差だっただけに、各陣営とも気の抜けない状態でし烈な選挙戦を展開。村政の「継続」か「刷新」かを判断する有権者に対し、それぞれが掲げた公約を訴え支持を求めてきた。
 結果として、兼濱氏より先に動きのあった下地陣営が先手を打って支持基盤固めに取り組み、勢いを付け反当局派の支持層を引き寄せたのが初当選へつながった。
 下地氏は村政刷新を強調しながら▽農業経営の安定と生産性の向上を目指した営農支援▽自主財源の確保と納税意識の向上▽住民の保健・医療サービスの向上―など第一次産業の振興や自立へ向けた行財政改革、医療体制の充実を公約に掲げ、「村民との対話と協調で開かれた政治」を訴えてきた。
 19の投票は午前7時から午後7時まで多良間小学校体育館で行われ、午後8時から開票作業が始まった。午後8時50分ごろには1度開票作業が終了したが、不在者投票59票のうち不受理となっていた3票が引かれないまま作業が進められたため投票総数と開票数が合わず、再び検票をやり直した。その結果、午後9時25分ごろには下地氏500票、兼濱氏483票で下地氏の当選が発表された。体育館周辺には各候補の支持者たちが詰め掛け、かたずをのんで集票作業の様子を見守っていたが下地氏の「当選」が発表された瞬間、下地氏の支持者側からは歓声が上がり、勝利の喜びに沸いた。

 下地 昌明(しもじ・まさあき) 1951(昭和26)年10月11日生まれ。多良間村字仲筋出身。76年拓殖大学卒。81年に村議会議員に初当選し、93年に村議会議長に就任。01年3月に勇退。

 写真説明・初当選を果たし支持者と共に喜びを分かち合う下地氏(中央)=19日、下地昌明後援会事務所前
【解 説】
 「村政刷新」の声を反映/自立に向けた政策実行課題

 市町村合併せず1自治体としての自立を選択した多良間村の将来のかじ取り役に、有権者は新人の下地昌明氏を選んだ。村政の「継続」か「刷新」かをめぐり、村を二分した激しい選挙戦が展開されたが村民は新しい村政の誕生を望んだ。4年前の村長選で兼濱氏と一騎打ちとなり1票差で敗退し涙をのんだ下地氏は、反当局派の支持層に加え相手陣営の票の取り崩しで流れを引き寄せ、現職の兼濱氏に17票の差をつけた。1票の重みを痛感しているだけに慎重に積み重ねた結果が、勝利につながった。
 今選挙では下地、兼濱両氏ともにこれまでの支持層に動きが見られた。4年前の村長選で得た票に入れ替わりが目立ち、「当局派」「反当局派」で対立。せんだって行われた村議員選挙の直接の影響もなく、各陣営ともに支持基盤固めとわずかな浮動票の票取り合戦に躍起になった。4年前の村長選が1票差という激戦だったこともあり、今村長選も気の抜けない状況下で選挙戦が展開された。
 それぞれの公約に目立った争点はなく、両候補とも自立へ向け歩んでいく姿勢は共通している。共に第1次産業や観光産業の振興、医療体制の充実など共通する理念で公約を掲げてきたが、兼濱氏に先立って票固めに動き出した下地氏が勢いを保ち、さらに政権交代を望む村民の声が過半数を占める票数に反映した。昨年、合併賛否で議会、村民がそれぞれ対立したが、当初は合併に賛成していた下地氏も、自立が選択された今では結果に前向きに取り組んでいく姿勢を見せており、その波紋は響かなかった。
 兼濱氏は1期4年間の実績に加え特別養護老人ホーム建設、地下ダムの早期実現などを訴えてきた。今回は483票で、前回の村長選で得た484票とほぼ同数。支持層の入れ替わりがある中でも手堅く支持をまとめ票を固めたが、1歩及ばなかった。
 小さな島で展開される村長選挙は候補者が対立するたびに村を二分し、「勝ち組」「負け組」の構図をつくり出してきた。選挙終了後も深まった溝の修復に時間を要し、特に今回は1票差という4年前の結果がさらに激しさに追い打ちをかけた。
 村政刷新を任せられた下地氏には、多良間村を自立へ導くためのリーダーシップが求められている。自立へは当局だけでなく、議員、住民全員の一丸となった動きが必要不可欠。これまでのような「勝ち組」「負け組」の構図が残っては、一自治体として自立を目指す多良間村にとっては妨げの要因にしかならない。選挙後、いかに村民をまとめ一丸となり勢いを持たせるか、自立へ向けた政策が実行できるかが課題として課せられている。
 (山里勝美記者)

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拾ったごみ、トラック9台分/ビーチ&ポート一斉クリーンアップ

 ビーチ&ポート一斉クリーンアップ(主催・平良海上保安署、平良市建設部港湾課、平良市経済部観光まちづくり課)が19日、平良市内のパイナガマビーチや平良港各ふ頭で行われた。保安署員、市職員をはじめ、児童生徒など26機関計300人が参加し、清掃活動に汗を流した。同署によると、この日集まったごみは、2トントラック9台分になったという。
 この清掃活動は、沖縄クリーンコーストネットワーク(事務局・第11管区海上保安本部)が主催する「まるごと沖縄クリーンビーチ2005」と称する県下一斉の清掃活動の一環。
 宮古地区のスローガンは「我した美ら海 幾世までぃん!」。各機関から集まった参加者はビニール袋を片手に、海岸や港内を歩き回り、燃えるごみ、燃えないごみ、資源ごみなどに分別して、ごみを拾った。
 出発式がマリンターミナル離島航路前で行われ、主催者を代表して岡部竹男署長は「みんなで協力して海や港をきれいにしましょう」と呼び掛けた。
 清掃活動に毎年参加している「ひらら海洋少年団」の根間拓哉君(狩俣小3年)は「去年よりごみは少なかったけど、まだ使えるライターが捨てられていた。海はきれいなほうが良い」と汗をぬぐった。
 また、久松中学校2年の親泊さつきさんは女子バスケ部の部員15人とともに参加。「たばこの吸いがらが多かったのが目に付いた。ごみを海に捨てないでほしい」と話した。

 写真説明・300人の参加者がビーチや港内を歩き回ってごみを拾った=19日、平良市のパイナガマビーチ


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芸歴25年の集大成を披露/神里美代子さん独演会

 【那覇支局】島袋本流紫の会師範・神里美代子さんの芸歴25周年記念独演会が18日夕、浦添市の国立劇場おきなわ小劇場で開かれた。舞台をゆっくり歩く美しい足取りや、神経の行き届いた手先の所作など、洗練された芸が人々を魅了した。
 神里さんは1981年、島袋恵美子師に師事、それから25年になる。87年、沖縄タイムス芸術選賞の最高賞を受賞。91年に教師免許、2002年に舞踊師範免許を取得。今回、修練の集大成と川満正子さん、前里サナエさんの教師免許披露を兼ね晴れ舞台となった。
 舞台は神里さんの歩みと前途をことほぐ、島袋光晴師匠(島袋本流紫の会2代目家元)の「かぎやで風」で幕を開けた。
 次いで、神里さんがあでやかな琉球紅型の衣装で登場。「柳」を優雅に舞い、琉球舞踊の神髄を見せつけた。
 最後は男踊りの創作琉舞「布だきぬ道」を、切れ味鋭く舞った。この踊りは、自身の25年の旅路を表現したものという。前里さんは「諸屯」を、川満さんは創作琉舞「一つ花」を披露した。
 独演会にあたり神里さんは「多くの方々のご理解と激励の25年でした。これからも我が愛する宮古島で芸能活動を展開していきたい」と言葉を寄せた。

 写真説明・優雅な舞を披露する神里さん=18日、国立劇場おきなわ小劇場

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 子牛1頭42万7千円の高値/6月肉用牛競り

 宮古本島の6月肉用牛競りが19日、JAおきなわ宮古家畜市場で開かれ、子牛1頭平均価格は42万6984円(前月比1万2920円高)、平均キロ単価は1627円(同比41円高)の高値取引が成立。成牛を含めた全体の販売額は2億773万950円(同比1776万9150円高)の大商いとなった。
 今月競りには子牛4724頭が上場され、このうち471頭が競り落とされた。平均体重は262キロで、性別の一1当たり平均価格は去勢が45万8553円で、雌が39万1876円。子牛だけで2億110万9650円を販売した。
 成牛を含めた上場頭数は500頭で、このうち498頭の取引が成立した。平均体重は271キロで、1頭当たりの平均価格は41万7130円。性別は去勢が45万8553円、雌が37万6038円だった。平均キロ単価は1538円の高値。
 今月競りで最も高い値をつけたのは子牛の雌で63万6300円。
 宮古地区の肉用牛はJAおきなわ宮古地区事業本部など関係機関が目標とする年間販売額30億円の達成に向けて好調をキープ。販売額2億円台は4月競りに続くもので関係者を喜ばせている。
 ただ、最近の競りの傾向として優良な雌牛を手放す農家が若干増えているため、同本部では「良い牛は保留して安定生産を続けてほしい」としている。

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万国旗の下で歓声/西城小で一足早い運動会

 城辺町立西城小学校(下里隆校長、児童数百人)は19日、西城幼稚園(同園長、園児数21人)と合同大運動会を開催した。この日は、梅雨の合間の晴れ間となり、万国旗がたなびく校庭には児童たちの歓声が響いた。
 例年9月に行われるが、今年は校舎の改築を控えていることから一足早く実施。ラジオ体操から始まって昼食を挟んだ全19のプログラムに、児童たちの練習成果が披露された。
 このうち5、6年生による学年リレーでは、4チームが赤や青の鉢巻きを締め、1人100メートルずつをバトンリレー。父母の応援を受けながら、抜きつ抜かれつの走りを展開した。
 また1、2年生による玉入れでは、児童と祖父母が一緒に参加。仲良く手をつないで入場した後、ピストルの合図で、かごを目掛けて玉を投げ込んでいた。
 母親たちも踊りで花を添えたほか、比嘉民俗芸能保存会は勇壮な獅子舞を披露し、児童たちの健やかな成長を祈願した。
 最後は、全児童が「手のひらを太陽に」の曲に合わせて楽しく踊り、運動会を締めくくった。

 写真説明・1、2年生の児童と祖父母が一緒になって楽しんだ玉入れ=19日、西城小学校

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