200平成1  619曜日

多良間村長選/村政「継続」か「刷新」か
 

 【多良間】任期満了に伴う多良間村長選挙は、きょう19日投票が行われ、即日開票される。2期目の再選を目指す現職の兼濱朝徳氏(56)=保守系無所属=と、村政刷新を目指す新人で元村議会議長の下地昌明氏(53)=保守系無所属=による一騎打ちとなった今選挙では、兼濱氏の「村政継続」か、下地氏の「村政刷新」か、多良間村の将来を懸けたかじ取り役の選択に有権者の判断が下される。投票は午前7時から午後7時まで。開票は午後8時から行われ、午後9時ごろには当落が判明する見込み。有権者数は1001人(男性528人、女性473人)。
 再選を目指す兼濱氏は▽特別養護老人ホームの建設▽地下ダムの早期実現▽旧多良間空港跡地の有効活用による観光産業の振興―などを公約に掲げ、「村民の目の高さでの分かりやすい政治」を訴えた。1期4年間の実績を打ち出しながら、兼濱村政継続に意欲を燃やしている。5日間の選挙戦を終え「当選できる手応えは十分。悪天候の中でも支持・支援していただいた支持者の皆さんに感謝している」と話し、再選に自信を見せた。
 初当選を狙う下地氏は▽農業経営の安定と生産性の向上を目指した営農支援▽自主財源の確保と納税意識の向上▽住民の保健・医療サービスの向上―などを公約に「対話と協調で開かれた政治」を基本姿勢として強調し支持を訴えてきた。投票を明日に控え「充実した選挙活動ができた。手応えを十分に感じている。圧勝は間違いない」と述べ、初当選の確信を見せた。
 選挙運動最終日となった18日は、両陣営とも遊説カーで村内をくまなく巡り、村政への熱い思いを込めて舌戦を展開。声を振り絞りそれぞれの候補者の支持を訴えた。選挙運動が終了した午後8時までには各陣営とも打ち上げ式が行われ、互いに勝利へ向けて気勢を上げた。

兼濱 朝徳(かねはま・とものり) 1949(昭和24)年4月1日生まれ。多良間村字塩川出身。72年沖縄大学卒業後、多良間村教育委員会などを経て、83年から2期収入役を務める。01年7月の村長選で初当選。

下地 昌明(しもじ・まさあき)
 1951(昭和26)年10月11日生まれ。多良間村字仲筋出身。76年拓殖大学卒。81年に村議会議員に初当選し、93年に村議会議長に就任。01年3月に勇退。

 写真説明(左)・支持者たちに公約の実現を誓った下地氏=18日、下地昌明後援会事務所
 写真説明(右)・有権者たちに最後の支持を訴える兼濱氏=18日、兼濱朝徳後援会事務所

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「わだかまりなくし交流を」訪問団、遺族と対面/

牡丹社事件

 1871(明治4)年に台湾の屏東県牡丹郷に漂着した宮古島民などの年貢納進使節団のうち54人が同郷牡丹社の先住民・パイワン族に殺害された「牡丹社事件」から130年が経過したのを機に、加害者・被害者の垣根を越えて「和解と交流」を図ろうと来島した牡丹郷訪問団(団長・林傑西牡丹郷長)は18日、平良市内のホテルで、宮古に住む被害者の遺族と対面した。宮古の遺族らは一様に「過去のわだかまりをなくし、交流をしていきたい」と来島を歓迎。林団長は「この歓迎は牡丹郷に必ず伝えたい。過去のことは忘れ、明るい未来へまい進したい」と述べ、交流の機会に感謝を込めた。
 交流会に出席したのは訪問団18人に、宮古からは平良市の伊志嶺亮市長、同市教育委員会の久貝勝盛教育長と、事件の被害者の8人の遺族ら。 伊志嶺市長は「互いの文化の違いや誤解が原因で事件が起きた。今、日本は外交的に隣国と十分交流ができている状況とは言えないが、民間レベルで誤解を解き、仲良く交流を深めていきたい」と友好関係に期待。また、事件をきっかけに明治政府が台湾出兵し、その犠牲となったパイワン族の子孫が訪問団にいることに「訪問団には被害を受けた方々もいる」と、配慮する場面もあった。
 出席者のうち祖父の兄弟が犠牲になった前里光邦さん(64)は「犯してはならないおきてを、(祖先たちは)知らぬ間に犯してしまったことで事件になったのだと思う。今回、互いに理解し合い、交流を深めたいと訪問団が来島されたことを、素直に喜びたい」と感想。
 事件で曾祖父を亡くしたという池村恵勇さん(85)は、「大勢の方に来ていただき、ありがたく思う」と語り、犠牲者から5代目に当たる花城和枝さん(58)は「台湾には2度行ったが、牡丹郷までは行けなかった。次の機会はぜひ、牡丹郷を訪ねたい」と話していた。

 写真説明・交流会の最後には訪問団から宮古の遺族に民族衣装がプレゼントされた=18日、平良市内のホテル共和
 
 牡丹社(ぼたんしゃ)事件
 1871(明治4)年10月、宮古島の年貢運搬船1隻が那覇港から宮古へ帰郷中、暴風に遭い、宮古島民52人を含む乗組員69人のうち、3人が水死し、残る66人が台湾の屏東県牡丹郷に漂着した。
 その中には宮古の頭職仲宗根玄安ら19人の役人、士族や平民の随行者らがいた。上陸後、66人中、54人は先住民のパイワン族によって殺害された。このうち宮古島民は43人。生還者12人は、その後福建省から琉球へ送還された。この事件が「牡丹社事件」と呼ばれている。
 明治政府は3年後の74年、報復を大義名分に開国後初めて海外派兵を決め、「台湾出兵」を強行。日本軍はパイワン族を制圧した。この事件を契機に琉球処分が本格化したとされる。


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会場を爆笑の渦に

市文化協主催 なりとぅゆんみゃーく方言特別大会

 第12回「なりとぅゆん(鳴り響く)みゃーく(宮古)方言」特別大会(主催・平良市文化協会、共催・平良市、市教育委員会)が18日夕、マティダ市民劇場で開かれた。過去11回の入賞者の中からえりすぐりの8組9人が、身ぶり手ぶりを交えユーモアたっぷりに宮古方言で熱弁を振るった。通路まで立ち見客でいっぱいの会場は、笑いの渦に包まれた。
 同大会は、宮古方言による宮古方言のための大会。地域の共有財産である「方言」を各世代のさらなる認識を深めるため毎年開催されている。今回は10月1日の市町村合併で、同協会での主催は最後となるため、過去の大会の入賞者から「もう一度聞いてみたい」と言われる名高い弁士8組が出場した。
 今回出場した弁士は▽砂川徹雄さん(76)=父と母に教えられたこと▽久貝愛子さん(75)=宮古島開基伝説(漲水うたきの由来)▽砂川朝賢さん(51)=宮古島(みゃーくずま)ぬ、ゆが共通語ぬどぅ、最高▽与那覇冴子さん(48)=あれから十年▽与那覇博敏さん(72)=市町村合併による宮古島の繁栄を願う▽垣花譲二さん(57)・玉元江美子さん(57)=うりがどぅ宮古ぬ宝▽根間ツル子さん(58)=生きるとは何だろうか▽天久宏さん(65)=うぐいすの谷渡り。
 過去に最優秀賞を獲得した砂川朝賢さんは、飲食店で店員に「メニューお持ちしましょうか」と言われ、メニューを食べ物の名前と勘違いし「それ2つください」と答えたエピソードを紹介した。
 また、与那覇冴子さんは10年たつと、見た目が大きく変わることなどを、ユーモアを交えた方言で語り、会場の笑いを誘った。
 大会には、特別ゲストとしてテレビやラジオで活躍する川満シンシーこと、川満聡さんも招かれ、大いに盛り上がった。

 写真説明(上)・熱弁を振るう与那覇冴子さん=18日、マティダ市民劇場

 写真説明(下)・ユーモアを交えた方言に爆笑する観客ら=18日、マティダ市民劇場

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 エコツアー「宮古の良さ伝えたい」/ガイド養成講座始まる

 宮古エコツアーガイド養成講座(主催・宮古島地下水水質保全対策協議会)の開講式が18日、宮古広域圏事務組合で開かれた。受講者20人は9月までの3カ月間、講義や実習などを通して、ガイドや講師としての基本的な知識や技術を学ぶ。受講者らは自己紹介で「宮古の良さを伝えたい」「もっと宮古について知りたい」などと意気込みを語った。
 主催者を代表して同組合の二木哲事務局長は「それぞれの地域に戻って活動できるよう、最後まで頑張ってください」と激励。同講座を受託したNPO法人おきなわ環境クラブ宮古支局の横山幸子支局長は「宮古について改めて勉強しましょう」と呼び掛けた。
 この日は第1回の講義も行われ「宮古島のエコツアー創世計画」をテーマに同法人理事・事務局長の下地邦輝さんがエコビジネスやエコツアーについて説明した。
 この講座は、宮古島を中心に歴史遺産やウリガー、地下ダム、マングローブなど、史跡や自然について歴史・文化・自然・水環境・生活の面からツアーを案内できるガイドおよび地域における講師を養成することが目的。今後、▽エコツアー概論▽宮古島概論▽水辺自然概論▽現場実習▽施設見学―などを行い、ガイドとしての知識や技術を学ぶ。

 写真説明・受講者らは真剣な表情で講話に聞き入っていた=18日、宮古広域圏事務組合

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プレゼントはかりゆしウエア/きょう「父の日」

 6月の第3日曜日に当たるきょう19日は「父の日」。スーパーなどでは、大好きなお父さんに日ごろの感謝の気持ちを伝えようと、贈り物用の衣類や小物を買い求める客でにぎわっている。
 「父の日」は、「母の日」同様、1900年代初期のアメリカから伝わった行事。母の日の定番、カーネーションに対し、父の日にはバラの花を贈る風習もある。
 平良市内にある大手スーパーによると、今年は、環境省が提唱する夏の軽装「クール・ビズ」の宣伝効果で、かりゆしウエアの贈り物が売れに売れているという。例年の2倍の売れ行きを見込み、6000円台の商品が売れ筋。色柄のシンプルなタイプを中心に購入する人が多く、小泉純一郎首相が着用したウエアのシリーズも人気が高いという。
 また、かりゆしウエアの人気上昇に伴い、襟元からのぞかないVネックの肌着も売れているという。

  写真説明・「父の日」の贈り物にかりゆしウエアを買い求める客=18日、平良市内のスーパー

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