200平成1  614曜日

伝統芸能で交流/マウイフェスティバル

 【アメリカ・ハワイ州マウイ郡で砂川拓也記者】平良市(伊志嶺亮市長)など、マウイ郡と姉妹都市を締結している世界各国の都市が参加しての「マウイ姉妹都市フェスティバル」が11日(日本時間12日)、マウイ島のマウイ芸術文化センターで開催され、平良市からのツアー一行が出席した。フェスティバルにはマウイ姉妹都市である東京都八丈町(八丈島)をはじめ、台湾、フィリピン、ペルーなど多彩な国々の関係者らが参加した。伝統芸能を披露したり、それぞれが出店を設けたりと、各国の文化が一堂に会する催しとなった。伊志嶺市長は「今後も続けて交流していきたい」と述べた。
 マウイ沖縄県人会(ボブ・ヨナハラ会長)による出店もあり、ツアー参加者が県人会メンバーの手伝いをするなど、前日の歓迎会から引き続いての交流となった。
 午前中から昼にかけて屋外で行われた「デイタイムプログラム」では、日本から広島県福山市の「筑紫若菜会」による琴が優雅に、八丈島の「八丈太鼓」は勇壮に、それぞれ演奏が繰り広げられ、観客から歓声が上がった。マウイ沖縄県人会は、出店のほかにメンバーらが「琉球國祭り太鼓ハワイ」を披露。平良市からの一行も盛んに拍手を送った。各国の出店では、訪れた人たちが熱心に品物を見定めていた。
 夜には「セレブレーション・オブ・ピース・イン・ザ・ワールド」が、センター内のホールで行われた。中でも後半のフラダンスのプログラムは、地元の子供からお年寄りまでが笑顔で熱演し、大勢の観客を沸かせた。最後は出演者が次々と舞台に上がり、観客の大きな拍手に包まれる感動的なフィナーレとなった。
 締めくくりのあいさつでアラン・アラカワ郡長は「姉妹都市の人たちが心を一つにし、家族になれば、世界は平和になる」と願いを込めた。
 マウイでの3日間の日程を終え、伊志嶺市長は「県人会の歓待を受けたこと、フェスティバルに参加できたこと、いずれも非常に良かった。これからもこの関係をずっと続けていければと考えている」と充実した表情を見せた。
 市議会の池間青昌議長は「交流は十分に深められた。アラカワ郡長が地域のリーダーとして、将来を真剣に考えていることに感銘を受けた」と話した。
 市教育委員会の久貝勝盛教育長は、マウイとの交換留学について「互いに頑張ろうと確認しあえた。盛んな交流の土台になると思う」と語った。

 写真説明・地元のさまざまなフラダンスで大いに沸いた夜の「セレブレーション・オブ・ピース・イン・ザ・ワールド」=11日(日本時間12日)、マウイ芸術文化センター

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宮古島市長選保守系選考委 人選作業、足踏み続く

/坂井、下地氏含め第三者も検討

 10月1日に発足する新市の市長選に向けて、保守系候補者1本化を目指す「宮古島市市長候補者選考委員会」(比嘉米三委員長)は平良市内のホテルで5回目の会合を開いた。約2時間続いた協議後、会見を行った比嘉委員長は、これまで選考のテーブルにのっている前県議の坂井民二氏(55)と城辺町助役の下地敏彦氏(59)を含め「第三者についても今後、選考の対象にしていくこととなった」と協議の結果を報告した。また、第三者の人選については今後、選考委で協議することを説明。長引く候補者の選考作業は今回さらに対象者が増えたことで今後の調整も難航する見込みだ。
 協議後の会見で比嘉委員長は「坂井氏も下地氏も選考委員会の決定に従うと私にその意志を示している。選考委ではこの2人を含めて第三者についても協議していくこととなった」と述べた。
 しかし、比嘉委員長の見解を受け坂井氏は「選考委の審議を見極めて判断したい」とし、これまで通りの主張を繰り返し、「従う」とする比嘉委員長とは違う見解を示している。
 現在、名前の挙がっている坂井、下地両氏について白紙撤回してから第三者の候補者で選考すべきとの意見が委員から出なかったことについて比嘉委員長は「白紙に戻してと言う意見はなかった」と説明した。しかし、選考委のあるメンバーは「委員からは現在挙がっている坂井、下地の両氏は選考対象から外して第三者で検討すべきとの意見が多かったが、2人で調整すべきとの意見もあり、2人を含め第三者も検討していくこととなった」と述べ、比嘉委員長の見解とは1部違う内容となっている。
 また、在沖の郷友有志らから同委員会に推薦書が届いている県女性総合センター(てぃるる)館長の友利敏子氏(60)については選考の対象ではないことも比嘉委員長が明言した。
 第三者の人選の具体的な取り組みについては、次回の選考委で協議する方針となり今後、選考対象者が3人以上となった場合はさらにその絞り込みの作業は難航する見込みだ。

 写真説明・第3の候補者を含めて協議していくこととなった保守系の選考委員会=13日、ホテルニュー丸勝
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友利勝良(平良市出身)が優勝/男子ゴルフシニアツアーで初

 男子シニアゴルフのアデランスウェルネスオープンは12日、新潟中条GC(6984ヤード、パー72)で最終ラウンドを行い、首位でスタートした平良市出身の友利勝良(50)は5バーディー、ノーボギーの67、通算13アンダーで逃げ切り、シニアツアー参戦2年目で初優勝した。友利の優勝は2003年のレギュラーツアー、JCBクラシック仙台以来2年ぶり。同ツアーを含め通算8勝目を挙げた。
 2日目で首位に立った友利は最終日も安定したゴルフを展開。パットがさえ渡り5バーディーを奪った。今大会の3日間を通してボギーは初日6番の一つだけ。48ホール連続ノーボギーという安定力も発揮した。
 友利は今秋、レギュラーツアーのシードが切れることもあり、欧州シニアツアーのQスクール(プロテスト)を受ける。「低い弾道」に定評がある友利。レギュラー時代に戦った欧州に再び挑戦する決意だ。

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 海と陸の幸を即売/「母ちゃんたちの市場」好評

 池間漁協女性部(野原悦子部長)による「うみの母ちゃんたちの市場」が12日、池間漁民研修センターで開かれ、多くの買い物客でにぎわいを見せた。同市場では池間島近海で取れた魚やモズクなどを使った総菜のほか、女性部たちが育てた野菜などを販売し、池間島の海と陸の幸をPR。毎週日曜日、午前9時から午後1時まで開催している。女性部では今後、海の駅に発展させ新たな観光産業につなげていきたい考え。
 同市場は5月末から取り組んでおり、毎週日曜日の午前9時から午後1時まで開催。回を重ねるごとに客足が増え、毎回完売するようになったという。
 商品は女性部のメンバーが同センター内の調理場で魚や野菜を調理。シイラやカツオ、ミーバイなどその時期に取れる魚を使い焼き魚やてんぷら、南蛮漬けなどに調理し販売している。また、カボチャやヘチマ、ピーマンなど地元で取れた野菜も並べ、池間島の新鮮な食材をアピールしている。
 野原部長は「池間の新鮮な魚を食べてもらいたい。料理もいろいろ工夫を重ねた。池間住民だけでなく島外からも客が来てくれる。いずれは海の駅にまで発展させていきたい」と意欲を見せた。

 写真説明・池間島近海で取れた魚などの食材を調理し販売。池間島自慢の味をPRした=12日、池間漁民研修センター

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幻想的な世界漂う/サガリバナ咲き出す

 サガリバナ(サガリバナ科)が13日夕、平良市添道地区で咲き始めた。ライトを照らすと、桃色の花がくっきりと浮かび上がり、幻想的な世界に甘い香りが辺りに漂っていた。
 サガリバナは、線状の桃色の花を房状にいくつも咲かせる。夕方から咲き始め、明け方には散る水辺の植物。花は長さ3―4センチのおしべが数多くあり、チアガールが持つポンポンを連想させる。花が垂れ下がって咲くことが、その名前の由来となった。
 花は6月から8月にかけて咲くため、これからが見ごろ。同地区の排水路そばでは、サガリバナ数本が自生。枝先から30―60センチほどの花柄が出て、つぼみを40―50個付けており、今週中には開花しそうだ。
 奄美以南に分布する常緑木。平良市は、貴重な植物として保全種に指定している。

 写真説明・夜、咲き誇るサガリバナの花=13日、平良市添道地区(撮影・伊良波彌記者)

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   最優秀作品決まる /宮古ペンクラブ第2回エッセー公募

 宮古ペンクラブと宮古毎日新聞社共催の「第2回エッセー公募」の審査結果が13日、発表され、浦添市在住の公務員、垣花譲二さん(56)の「いま、本当に大切なもの」が一般の部最優秀賞に輝いた。中・高校の部では、宮古高校1年の饒平名美愛歩さんの「命の尊さ」と伊良部中学校2年の久貝莉穂さんの「地球は生きている」がそれぞれ最優秀賞に選ばれた。表彰式は7月2日午後7時から平良市内のホテル共和で行われる。入賞作品は、今月15日から本紙文化欄(毎週水・土曜掲載)で紹介する。同公募は、本紙創刊50周年記念事業の一環。

 「第2回エッセー公募」には、一般22点、中・高校生13点の計35点の応募があり、それぞれの視点で筆を振るった作品が寄せられた。
 一般の部で最優秀賞に選ばれた垣花さんの「いま、本当に大切なもの」は、基地包囲行動を主題に家族の機微を盛り込みながら平和への思いを伝えている。垣花さんは「少し重いテーマだが、古里への思いもあり、身近な体験を基に書いた。受賞できるとは思っていなかったのでとてもうれしい」と喜びを語った。
 高校の部の饒平名さんは、兄が巻き込まれる可能性のあった兵庫県の電車脱線事故をテーマに命の大切さを綴っており「入選に驚いている。今後もいろいろなことにチャレンジし、自分を高めたい」と感想を話した。
 また、自然共生の大切さを考える中学の部の久貝さんは「地球の宝物が失われていることに不安を感じる。1人でも多くの人に、地球を守る道を見つめてほしい」と呼び掛けた。
 「いま、本当に大切なもの」「いたわり―地球家族」をテーマに行われた同公募は、2月19日から5月25日までの期間に募集。応募作品は松原清吉委員長ら八人が審査した。松原委員長は「混迷する時代の中にあって、命の大切さや平和の尊さ、他人への思いやりなど現実的なテーマにもかかわらず、文学的な情景描写を巧みに折り込んで構成し納得させる内容が多かった。内容、表現共に前回に比べ向上している。回を重ねるごとに充実していくものと思う」と講評した。

 入賞作品と審査員は次の通り。(敬称略)
 【一般の部】▽最優秀賞=垣花譲二(浦添市)「いま、本当に大切なもの」▽優秀賞=親泊宗秀(平良市)「こころのカゼ」▽同=岩澤克輔(宮城県仙台市)「いま、本当に大切なもの」▽佳作=中野隆作(城辺町)「キジバトの観察で得たもの」▽同=宮国敏弘(平良市)「立てなかったスタートライン」▽同=伊藤真理子(東京都)「宮古大好き!」
 【中・高校の部】▽最優秀賞=饒平名美愛歩(宮古高校1年)「命の尊さ」▽同=久貝莉穂(伊良部中2年)「地球は生きている」▽優秀賞=平良智代(宮古高校1年)「欲しいもの、大切なもの」▽同=友利陽香(佐良浜中3年)「絆を大切に」▽佳作=山口真喜子(佐良浜中2年)「ふるさとのぬくもり」▽同=池村咲妃(同3年)「見えない力」▽同=鹿川妃(伊良部中3年)「福祉への道」

 【審査委員】▽委員長=松原清吉▽委員=仲宗根將二、友利吉博、下地康嗣、仲地清成、下地昭五郎、花城千枝子、佐渡山政子

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