200平成1  610曜日

宮古島市長選・保守系 選考作業が大詰め

決裂なら第三者擁立か

 10月1日に発足する宮古島市の市長選で、保守系候補の選考作業が大詰めを迎えている。きょう10日午後には出馬に意欲を示す前県議の坂井民二氏(55)と城辺町助役の下地敏彦氏(59)が2人だけで協議し候補者の1本化を目指す。ただ、両氏ともに出馬の意向を崩しておらず、協議は難航が予想される。1本化が決まれば選考委での協議は加速するが、決裂した場合は第3者擁立案が浮上することが見込まれ、両氏の協議結果次第では保守系選考作業の長期化は避けられない状況になる。
 坂井、下地の両氏は10日の協議で、1本化への道筋を探る。焦点は過去の平良市長選や県議選における確執の解消に加えて、両氏が強固な協力体制を確立できるかという点に絞られている。
 両氏は8日に行われた選考委の比嘉米三委員長との会談で、1本化には改めて共通の認識を示したという。また、過去の選挙体制をめぐる両者の確執については比嘉委員長が「2人の溝は解消された」などと会見で強調した。ただ、関係者によると人選を選考委に一任するか否かなどで両者の考えは1部食い違いを見せており、両氏だけの協議で1本化が図れるかどうかは微妙な情勢だ。
 きょう10日の協議で両氏が出馬する意向を堅持し、互いに譲らない場合は第3者案が浮上することが見込まれる。両氏のいずれかを候補者として選考するために三者会談を開いてきた選考委の比嘉委員長は今月3日、両者の選考作業に糸口が見出せない場合は「2人を下ろして第三者ということにもなる」と述べており、この案は選考委でも大きな比重を占めることが予想される。
 しかし、第三者として誰を擁立するかなどの協議になると一層の混迷を深めることは必至。長期化は免れない状況となるため、坂井、下地の両氏の1本化調整は今後の保守系選考の行方を占う協議として注目される。

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姉妹都市フェスへ出発/伊志嶺市長らがマウイへ

 アメリカのハワイ州マウイ郡(アラン・アラカワ郡長)と姉妹都市締結している平良市の伊志嶺亮市長ら22人のツアー一行は9日午後、同郡の姉妹都市フェスティバルに参加するためハワイに向け出発した。宮古空港で行われた出発式で伊志嶺市長は「マウイ郡と十分な交流ができると期待している」などと話した。
 一行は11日に開催されるフェスティバルに参加するほか、同郡のアラカワ郡長を表敬する。さらに現地ではマウイ沖縄県人会による一行の歓迎会も予定されている。帰島は15日。
 ツアーには伊志嶺市長をはじめ、同市議会の池間青昌議長や久貝勝盛教育長らが参加。宮古毎日新聞社記者を含む報道関係者や一般からの参加者もいる。
 出発式は午後2時から行われ、伊志嶺市長が参加者に「とにかく体に気を付けてフェスティバルに参加しましょう」と呼び掛け。「今回のフェスティバルには平良市だけでなく別の姉妹都市も参加するので、十分な交流を深めてほしい」などと話し、フェスティバル参加を機に、マウイ郡や他姉妹都市との友好親善に期待を込めた。

 写真説明・マウイ郡姉妹都市フェスティバルに参加するため宮古空港を出発したツアー参加者=9日、宮古空港

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事業系ごみ 有料化から2カ月/制度への理解呼び掛け

 宮古清掃施設組合(管理者・伊志嶺亮平良市長)に搬入される事業系ごみの有料化が4月にスタートし、2カ月が経過した。5月末までに148事業所が同組合へのごみ搬入許可を得、許可を得る見込みも38事業所と、事業所の理解は広がっている。同組合では「有料化に関する大きなトラブルはない。今後も趣旨を理解してもらい、協力していただきたい」と強調。老朽化した焼却炉で24時間操業を続けていることから、「できるだけごみを減らすようお願いしたい」と呼び掛けている。
 事業系ごみの有料化については今年3月の同組合議会で、事業系ごみを有料化するための条例改正案を全会一致で可決した。
 事業系ごみ有料化の対象なる事業所は各市町村役場や学校などの公共施設のほか、ホテル、ゴルフ場など、基本的に利益を生み出している事業所が対象。
 料金は5キロ15円から(5キロ未満は5キロ見なす)。事業所自らが宮古清掃施設組合の処理施設へ搬入する場合は同組合の許可が必要となる。許可申請後は同組合が発行する許可証の交付を受け、ごみを搬入する際にその許可証を提示し料金を支払う。
 事業所単位で搬入するのではなく各市町村の許可を受けた運搬業者と契約してごみを出す事業所は、組合に対し許可申請を出す必要はなく、ごみ有料化分の料金は運搬業者との契約の中で支払うことになる。
 同組合では、「各事業所で搬入の許可申請をするか、許可業者と契約するか、どちらかの対応をお願いしたい」と、理解・協力を求めている。
 併せて老朽化している焼却炉についても触れ、「24時間フル稼働状態が続いている。事業系ごみだけでなく一般ごみも含めて、住民の皆さんにはごみの減量化への協力をお願いしたい」と強く要望した。

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クダモノトケイソウが開花/きょうは「時の記念日」

 平良市内の民家の庭先で、クダモノトケイソウ(トケイソウ科)が美しい花を咲かせ、訪れる人たちの目を楽しませている。
 クダモノトケイソウは、花が時計の文字盤のような形をしていることから、その名前の由来となった。パッションフルーツとも言い、実は甘酸っぱくておいしい。
 花は昼2時ごろ咲いて、四時間後の夕方6時ごろにしぼむ。開花時間は正確で狂いはないと言われ、まさに時計のよう。花の直径は約10センチ。実は今月から収穫が始まる。
 栽培している家主は、「毎年花を観賞した後、熟した実を食べるのを楽しみにしている」と話していた。
 きょう10日は「時の記念日」。

 写真説明・時計の文字盤のような形をしたクダモノトケイソウの花=9日、平良市内の民家(撮影・伊良波彌記者)

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平和の尊さ訴え/被爆者の徳永さん(長崎県出身)が講演

 今月下旬、3年生が修学旅行で長崎県へ出発するのを控え、伊良部町立佐良浜中学校(平敷善盛校長)は9日、平和学習・修学旅行事前学習会を開いた。講師に招かれた長崎県出身の徳永精二さん(75)が「私の被爆体験」と題して講演した。徳永さんは中学3年生の時に、長崎市に投下された原子爆弾で被爆したことについて触れ、「戦争は二度と起こしてはならない」と話し、平和の尊さを訴えた。
 学習会は、被爆の実体験を聞くことにより、平和の大切さ、人と人との交流について学ぶことが狙い。全生徒を対象に実施した。
 徳永さんは、15歳の時に被爆した。「壊れた学校で、大人たちと一緒に死体を焼くこともあった。焼いている途中に死体の手足が動いたのでびっくりした。人間を焼くことに慣れてくると、魚を焼いているように思えた」と当時の状況を振り返り、「そのような悲惨なことが2度とあってはならない」と話した。
 徳永さんは最後に「修学旅行では(長崎の)暗い部分だけでなく、面白いところも見つけて来てください。旅は強烈な思い出となる。友達や家族に語れるように楽しい旅にしてください」と呼び掛けた。
 徳永さんは現在、妻と一緒に宮古に在住。

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   「何事にも1番目指せ」/仲本さんが母校で講話

 平良市西辺出身の仲本光正さんを招いての「たまうつ先生講話」が8日、仲本さんの母校でもある西辺中学校であった。仲本さんは関東地区を中心に三線教室などを開き「クイチャーパラダイス」の代表として活躍。講話では、三線の調弦の難しさを紹介しながら、「三線は不協和音があると良い演奏はできない。皆さんも仲間と協調し助け合い、何事にも1番を目指して頑張ってほしい」とエールを送った。
 仲本さんは、小学生のころから民謡が大好きで、高校3年から三線を習い始めたという。「三線は調弦が大事。調弦が合えば余韻が続き、三本の弦がハーモニーを奏でる」と話し、実際に調弦し「豊年の歌」を歌ってみせた。
 夢は、世界的なバイオリンの名器「ストラディバリ」に負けず劣らずの三線を、故郷の宮古島で作りたいという仲本さん。「そうなれば、宮古は世界一になれる。ここ西辺から世界一豊かな島を創っていこう」と熱っぽく訴えた。
 「知恵は知識の上に成り立つもの。この知識を身に付けるのが学校。しかし、どんな知識があっても体が丈夫でなければ役に立たない。私はこれを西辺で培った」などと独自の「西辺エリート論」も披露。「予習と復習をしっかりして力を付け、世の中に役立つ人になってほしい」と激励した。
 講話後、生徒を代表して本村匡君は「一人ひとりが1番を目指して頑張っていきたい。教えてくれたことを頭に入れて、たくさん勉強します」とお礼の言葉を述べた。

 写真説明(上)・三線を弾きながら楽しく夢のある講話を行った仲本さん=8日、西辺中

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