200平成1  6曜日

宮古島市市長選・伊志嶺氏が出馬表明

/下地島の平和利用訴え

 宮古五市町村が合併して10月1日に発足する「宮古島市」の市長選挙で、現職平良市長の伊志嶺亮氏(72)=革新系無所属=は7日夕、同氏を支持する市民有志らの出馬要請を受諾、その場で出馬表明した。伊志嶺氏は「これまでの行政経験を生かし、住民の皆さんが『合併して良かった』と言えるような宮古島市づくりを共に担っていきたい」と決意を述べた。選挙の争点には下地島空港の利活用を挙げ、「これまで一貫して軍事利用に反対してきた。平和利用に取り組み、経済発展につなげる」との考えを示した。一方の保守系は候補者1本化作業が難航しており、今後の動向が注目される。
 伊志嶺氏の出馬表明は同日夕、市内のレストランで、多くの支持者が見守る中で行われた。出馬表明に先立ち、伊志嶺氏を支持する市民有志ら20団体で構成する「新生・宮古島市を創る会」が「伊志嶺氏の出馬を多くの市民が待ち望んでいる」という内容の出馬要請書を伊志嶺氏に手渡した。これを受け伊志嶺氏は「非常に光栄に思う」と要請を受諾した。
 「宮古島市づくり」へ向け伊志嶺氏は@「新市建設計画」の実行に全力を尽くすA各市町村の特性がさらに輝くまちづくりを実現するB各地域がそれぞれのまちの拠点を形成し、過疎に歯止めをかける―の3点に取り組むとし、「宮古の自立へ向け、リーディング産業の観光に力を入れる」と意欲を見せた。
 連合沖縄会長の狩俣吉正氏(55)を擁立する動きを見せている自治労平良市職員労働組合については「きょう(7日)話し合いを持ち、彼らの疑問点に明快に答えた。理解は得られると考えている」と述べ、労組の支持も得られるとの見通しを示した。
 伊志嶺氏の後援会長に新しく就任した比嘉一雄氏は「11年間培ってきた後援会を引き継ぎ、必ず当選に向けて頑張りたい」と、選挙戦勝利へ意気込みを示した。
 最後は、会場に詰め掛けた支持者全員によるガンバロー三唱で気勢を上げた。

 伊志嶺 亮(いしみね・あきら) 1933(昭和8)年1月19日生まれ。伊良部町佐和田出身。56年岡山大学医学部卒。琉球政府立南静園園長、宮古保健所所長、宮古病院長などを経て、64年に伊志嶺医院開業。94年に第16代平良市長に就任し現在3期目。

 写真説明(上)・伊志嶺氏(前列中央)の当選に向けガンバロー三唱で気勢を上げた=7日、レストランクール新館
 写真説明(下)・支持者の要請を受諾し、出馬表明する伊志嶺氏

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05年産マンゴー不作

宮古地区出荷予想量 前年比半減の120トン

 【那覇支局】宮古地区の2005年産マンゴーの出荷予想量は前年比58%減の120トンと不作の見込みとなった。県農林水産部が7日、発表した。出蕾期(1―2月)までの暖冬や開花期(2―3月)の低温などの気象が影響した。県全体でも840トン(前年比48%減)の不作が見込まれている。
 宮古地区のマンゴー出荷量は▽2000年303トン▽01年330トン▽02年341トン▽03年258トン▽04年285トン―と、過去5年間は250トンから300トン台で推移。しかし、ここに来て急激に落ち込んだ。
 出蕾期までの気温が暖かく、花の出が少なかったこと。さらに、暖かい気温が適する開花期が低温となり、受粉がうまく行かず着果不良となったことなどを要因に挙げている。開花期は寒さのため受粉昆虫の動きがにぶり、その結果、不稔果(受粉していない小さな果実)も多く出たという。
 ほかに、開花・着果不良の要因として、異常気象に対応したハウスの温度管理が十分に行われなかった、などの人的要素も指摘している。今後の対策として▽実を付ける枝の早期充実や出蕾期のビニール被覆の時期、低温期の温度管理、受粉昆虫の飼育技術について支援(指導)する▽今期の着果状況の良いほ場を参考に、栽培マニュアルの充実を図り、栽培技術の改善支援を行う▽マンゴー安定生産対策班を設置し栽培支援を強化する―などを示している。
 宮古地区以外の県内各地区別の出荷予想量は▽北部510トン(前年比20%減)▽中部55トン(同49%減)▽南部140トン(同68%減)▽八重山20トン(同86%減)―。減少幅は八重山が最も大きく、北部地区では影響が少ない。

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販売額30億円目指し結束/宮古和牛改良組合総代会

 宮古和牛改良組合(砂川博一組合長)は7日午後、第25回通常総代会を開き今年度の事業計画や予算を決めた。今年度は繁殖母牛の遺伝能力を確認した上で肉質の優れた良質牛の改良を実践するとともに、高齢化と後継者育成の対策を強化する。年間販売額30億円達成を目指す。砂川組合長は「昨年の競り高値に安心することなく今後も質の良い和牛の改良を推進することで購買者のニーズに応え、目標とする年間販売額30億円の1日も早い達成を期待したい」と集まった総代に呼び掛けた。子牛共進会などで優秀な成績を収めた畜産農家らも表彰した。
 総会は午後3時からJAおきなわ宮古地区事業本部大ホールで開かれ宮古各地の総代が参加し▽2004年度事業報告と決算▽05年度事業計画と予算▽05年度組合費の賦課および徴収方法―を審議し、全会一致で承認した。
 事業計画では04年度競りで26億4367万円を販売したことを強調しながらも飼養頭数が減少しているとし「組合員の高齢化が進行し、後継者対策と併せて重要な課題となっている」として高齢化、後継者不足の現状打開に取り組む方針を示した。
 具体的な取り組みとして▽舎飼いと組み合わせた小規模放牧による多頭化の推進▽組合組織活動の充実強化▽育種価に基づく改良の推進▽子牛の発育向上と平準化のための勉強会▽良質粗飼料の安定的確保▽計画交配の徹底による遺伝病の発生防止―を挙げている。
 今年度の予算は収入支出ともに181万8000円となっている。
 議案審議の後、04年度の子牛共進会などで好成績を収めた組合員を表彰し、今後さらに質の良い子牛を生産するよう期待を込めた。

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227柱の御霊を入魂/下地町慰霊碑 公園整備で移転・建立

 旧下地町役場に整備された上地公園内に移転・建立された慰霊碑の入魂式ならびに祝賀会が7日午後、同慰霊碑前で行われた。遺族会や町当局職員らが参加し227柱の御霊を入魂するとともに、恒久平和の実現を誓い合った。
 入魂式は午後4時から開かれ、はじめに遺族会の久貝順一会長と川満省三町長が慰霊碑の除幕を行った。この後、参加者一人ひとりが慰霊碑の前に立ち、戦没者の御霊を慰めた。
 引き続き遺族会の久貝会長が「私たちは戦争のおろかさと平和の尊さを後世に伝えていかなければならない。先の戦争における犠牲を無駄にしてはいけない」などと呼び掛け、恒久平和の実現を願った。
 川満町長は「戦争のない住み良い日本、住み良い世界のために戦争のむごさを伝えていくことが私たちの務め。今回新しく慰霊碑を建立したが、遺族の皆さんの心を癒やすものとなれば幸い」と述べた。
 同町の慰霊碑は旧下地町役場敷地内の西側に設置されていたが、築後43年という年月に伴い老朽化が激しく、遺族会などから建て替えが求められていた。この要望を町当局が受け入れ、上地公園の整備と合わせて新しい慰霊碑を公園の東側に建立した。

 写真説明・移転・建立された慰霊碑の除幕を行う遺族会の久貝会長(左)と川満町長=7日、下地町の上地公園

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 地域発展に期待/伊良部町 浮桟橋の供用開始を祝う

 伊良部町のはやて海運(川平三秀社長)は7日午後、佐良浜漁港に設置されている高速旅客船専用の浮桟橋で安全祈願祭など行い浮桟橋の使用を開始した。宮古フェリー(砂川恵路社長)の高速旅客船は今月3日から使用しており、同海運の使用で同漁港と平良港を結ぶ2社の供用がそろった。
 安全祈願祭の後、浮桟橋工事発注者を代表して県宮古支庁農業水産整備課の根間恵勇課長、同町の浜川健町長、同町漁業協同組合の奥原隆治組合長、川平社長、施工会社・共和産業の下地武義専務、宮古神社の島袋輝市神主の6人がテープカット。
 式典で、根間課長は「浮桟橋は漁港の秩序確保や利便性の向上などを目的に整備された」と説明した上で「地域の人々や観光客らの往来が盛んになり、地域発展につながることを期待する」と述べた。
 浜川町長は「この浮桟橋の供用開始を契機に、航海安全の向上に努め、お客様のニーズに応えてください」、奥原組合長は「浮桟橋が町民や観光客に親しまれ、伊良部町の発展につながることを期待する」とそれぞれ語った。
 この後、全員で連絡橋と浮桟橋の渡り初めを行った。
 同海運の高速旅客船には、大勢の利用客が乗船。午後3時30分発の便から浮桟橋は使用された。

 写真説明・浮桟橋の安全を祈念し関係者らがテープカットした=7日午後、伊良部町佐良浜漁港

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   会員らが練習成果披露 /クイチャーパラダイス発表会

 関東地区を中心に約100カ所で三線教室を開いている「クイチャーパラダイス」の第8回三線教室宮古島発表会が4日、平良市のマティダ市民劇場で開かれた。各教室の会員らが来島し、日ごろの練習の成果を披露した。
 会場には多くの住民らが訪れ、三線の音色に酔いしれていた。同コンサートは8、11、12の3日間、同劇場で開かれる。主催者は、多くの来場者を呼び掛けている。
 コンサートは大太鼓の勇壮な演舞から始まり、「揚作田節」「鳩間節」など沖縄民謡が次々に披露された。
 また、発表会には同教室の会員のほかにも、平良重信宮古民謡研究所、西原民謡研究クラブ、かりゆし娘、玉城流真文の会池間美代子琉舞道場、かぎ花バンドが出演し、花を添えた。
 同コンサートは▽8日午後2時▽11日午後6時▽12日午後2時―に同劇場で開かれる。入場無料。問い合わせはクイチャーパラダイス(電話03・3982・2446)、宮古観光協会(73・1881)まで。

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