200平成1  6曜日

国保税収納率 目標に届かず88・70%

平良市・交付金3500万円減額へ

 年々増加する医療費に加え伸び悩む収納率が要因で、国民健康保険事業で約9億8000万円の累積赤字を抱える平良市(伊志嶺亮市長)の2004年度国民健康保険税の収納率が88・70%となることが6日までに、同市国保年金課のまとめで分かった。収納の取り組みを強化したことが奏功し収納率は前年度に比べ1・5ポイント伸びたものの、国の普通調整交付金の全額確保に必要な92%には至らず、9年連続交付金がカットされることとなった。目標としていた収納率90%にも及ばず、交付金7%(約3500万円)減額のペナルティーが課せられる見込みだ。
 普通調整交付金は年度ごとに算定されるため、額は一定ではないが、毎年度約5億円前後。これに対し、収納率が90%以上92%未満の場合は5%(約2500万円)、87%以上90%未満では7%(約3500万円)の減額となる。
 市では04年度分の収納期限となる5月、全庁体制での国保税納付督励を実施。市内各家庭を回り、国保税納付を呼び掛けた。
 その結果、04年度の一般被保険者分の収納額は6億1219万円となり、前年度の5億6460万円に比べ約4900万円増えた。昨年度より収納額、率とも上がったことについて同課は「職員の頑張りによるところが大きい」と、取り組み強化の成果を強調した。
 ただ、国保事業の健全運営には補助金を全額受けることは必須条件の1つであるため、今後さらなる収納率アップに向けた取り組みが必要だ。
 国保税収納の取り組みは滞納分についても効果を上げており、昨年度の収納額2209万円に比べ約1100万円増の3388八万円となった。しかしながらこれも財政非常事態克服実践本部で設定された30%の収納目標には大きく及ばない厳しい現状となっている。
 同課では、「悪質な滞納者については、財産の差し押さえなど強い姿勢で臨む」と説明。滞納の未然防止に向け、収納率アップを図りたい考えだ。

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きょう総決起大会/多良間村長選 告示まで1週間

 【多良間】任期満了に伴う多良間村長選挙告示まであと1週間となった。これまでに現職の兼濱朝徳氏(56)、新人で元議長の下地昌明氏(53)が出馬表明しており、1票差が明暗を分けた前回の村長選と同様に兼濱氏と下地氏による一騎打ちの公算が大きい。村内では各陣営の支持基盤拡大へ向けた動きが活発化しており、次第に緊張感が高まっている。きょう7日には両陣営の総決起大会が行われる予定で、間近に迫った投票日に向け支持者たちが一致団結を図る。投開票は19日。
 村長選の前哨戦として位置付けられた村議会議員選挙は5月15日に投開票が行われ、与党系議員が3議席、野党系議員が4議席を確保。両党派の票差はわずか2票という激戦となった。議員選終了直後から村長選へ向けた動きが活発化し、各陣営ともに票獲得にし烈な戦いを繰り広げている。村議選の獲得票にも動きがあるなど各陣営とも支持層に変化が出始めているため、それぞれ集票活動に躍起になって取り組んでいる。
 現職の兼濱氏は、今村議選前の与党議員団や建設業団体、郷友会などからの出馬要請を受け出馬。▽第1次産業とリンクした観光産業の確立▽特別養護老人施設早期建設など医療の充実▽地下ダム建設実現―などを基本政策に掲げ、2期目当選を目指している。
 一方、村政刷新を狙う下地氏は、今村議選前の野党議員団や農業委員からの要請を受けて兼濱氏に先駆けて出馬を表明した。基本政策に▽産業の振興▽交通・通信基盤整備▽教育・文化の振興―などを挙げている。

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利用客ら「乗り降り便利」/伊良部町 浮桟橋が供用開始

 県が伊良部町佐良浜漁港東側で整備を進めていた旅客船専用の浮桟橋がこのほど完成し、3日から本格的に供用を開始した。旅客船利用者の乗降安全と利便性が一段と向上し、航路の発展や観光の活性化に寄与するものと期待されている。宮古地区の漁港内で浮桟橋が建設されたのは今回が初めて。
 浮桟橋は、地域水産物供給基盤整備事業で建設。全長35メートル、全幅114メートル、高さ2・9メートル。屋根はステンレス製。総事業費は約2億4500万円。
 この日宮古フェリー(砂川恵路社長)が、佐良浜漁港発午後零時15分の便で初めて使用した。
 40代の女性は「旅客船の乗り降りが、これまで以上に便利になった」と感激した様子で話し「浮桟橋の中は、雨宿りもできるので便利な施設」と話した。
 一方、はやて海運(川平三秀社長)では、きょう7日午後3時から、浮桟橋で安全祈願祭を行った後 浮桟橋の使用を開始する。

 写真説明・浮き桟橋が供用を開始。旅客船の利用客から喜ばれた=3日、伊良部町佐良浜漁港

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昔の人の知恵にびっくり

雑誌「メロウ」宮古の食文化を密着取材

 美ぎ島グリーンツーリズム研究会(野原優子会長)は6日、宮古で取れる食材を使った昔ながらの郷土料理作りを行った。
 全国各地のスローフードやスローライフを取り上げる雑誌「mellow」(KKベストセラーズ)の取材依頼を受けて行ったもので、パパイアの根やナンコウ、ジュズモなど宮古ならでは素材を使い10数種類の郷土料理を紹介。化学調味料はほとんど使用せず、手作りの宮古味噌やかつお節、キビナゴを使い昔ながらの作り方で料理を紹介した。
 雑誌mellowは、今年3月に第1号が発行されたばかりの新刊雑誌で、各地のスローフードやスローライフにこだわる人々を取材し掲載。今回は約10ページにわたり宮古島の食文化や食生活を紹介するという。ライターの松島成子さんとカメラマンの喜瀬守昭さんが訪れ、使用する食材や作り方などを取材した。
 この日は11人の会員が参加。昔ながらの料理に詳しい城辺町砂川に住む砂川俊子さん宅で郷土料理を次々と作り上げた。メニューは▽パパイアの根の煮物▽パパイアと小豆の昆布煮▽赤マチの魚汁▽いも葉のピーナッツ和え▽芋ご飯―など10数種類。すべて会員たちが自分の畑や庭先で栽培している食材を活用した。
 ライターの松島さんは「同じ沖縄でも味付けや作り方が違うのでびっくりした。無駄なく何でも食べる点など昔の人の知恵に驚かされる」と数々の発見があった様子。野原会長は「グリーンツーリズムも郷土の料理に目を向けないといけない。なかなか教わる機会が少ないので良い経験になった。こうした長寿食をずっと伝承させていきたい」と意気込みを見せた。

 写真説明・味噌やキビナゴで味付けするなど昔ながらの料理を紹介した=6日、城辺町砂川

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 ハーリーで地域を知ろう/西辺小、伝統行事を学ぶ

 平良市立西辺小学校(前泊宣夫校長)は6日、元小学校教諭で同地区内に住む池間敏夫さんを講師に招き、10日に行われるハーリーの事前学習会を開いた。
 この学習会は、地域を知り、地域を大切にする人材を育てようと実施した。池間さんは、ハーリーの起源などについて話した後、池間からの分村38年目に当たる1912年ごろから始まった西原地区のハーリー「ヒャーリクズ」について説明。「分村直後は、住民が村づくりや家庭づくりに忙しく、ハーリーどころではなかったのであろう」と話した上で、除々に行われるようになったハーリーの具体的な内容を紹介。「御嶽で豊作、豊漁、海の安全を願い、当日は船主たちが早朝から酒や食べ物を船の神に供えて祈りをささげてきた」と、脈々と受け継がれる地域の伝統行事について語った。
 子供たちは、伝統行事であるハーリーの学習を通して、先人の暮らしや地域の歴史を学んでいた。

 写真説明・ハーリーの歴史を子供たちに語る池間さん=6日、西辺小学校

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