200平成1  6曜日

伊良部架橋漁業補償 交渉委員が同意書に署名

最終決着は3漁協総会で

 伊良部架橋建設工事に伴い漁業権の1部が抹消されることから、県宮古支庁(兼城克夫支庁長)は31日午後、3漁協(伊良部町、平良市、池間)の漁業補償交渉委員との「第5回伊良部架橋漁業補償交渉委員会」を平良港マリンターミナルで開いた。3漁協の委員らは、県が提示した漁業補償総額5010万円に理解を示し、県、平良市(伊志嶺亮市長)、伊良部町(浜川健町長)が3漁協から要望された水産振興策への取り組みを確約したことから、各漁協交渉委員長と行政代表の計6人が「漁業補償金同意書」と「確認書」に連名で署名を行い基本合意した。
 昨年10月の最初の交渉以来約7カ月での署名。今月開かれる3漁協の定期総会に漁業補償額と水産振興策は議案として上程される見通し。特別決議で承認された場合に妥結同意は決まり、今回の署名に公印が押されて正式に妥結合意が成立する。
 この日の同委員会で、兼城支庁長は「本年度実施される陸上部分の取り付け道路工事は、漁業補償金の妥結のめどが立たない時は中止されると国から指導を受けている」と危機感を訴えた。伊志嶺市長は「きょうの交渉いかんでは取り付け道路工事がどうなるのか分からない」と述べ、漁業補償金の妥結を訴えた。浜川町長は「3漁協の6月の定期総会ですべてが決着することになるが、きょうの交渉は1歩も2歩も前進してほしい」と協力を呼び掛けた。
 次いで3漁協の各漁業補償交渉委員長がそれぞれの漁協でまとめた意見を述べた。伊良部町漁協の友利義文委員長、平良市漁協の上原正行委員長、池間漁協の与那嶺昭夫委員長ともに「同意」を明言した。
 3漁協からの水産振興策の要望については、兼城支庁長、伊志嶺市長、浜川町長とも「10月1日に合併する新市に引き継がれていく」と口をそろえて強調した。
 3漁協と行政との基本合意が成立したことから、「漁業補償金同意書」と「確認書」に連名の署名が行われた。

 写真説明・3漁協の漁業補償交渉委員長と行政代表らが「漁業補償金同意書」などに連名で署名した=31日、平良港マリンターミナル

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新市長選・下地氏が出馬に意欲/城辺町保守系議員団が支持

 新市の市長選で、城辺町の保守系議員団(照屋秀雄会長)は31日午前、会合を開き、候補者として同町助役の下地敏彦氏(59)を支持することを決めた。支持の理由について議員団は「当初から決めていた。長く行政職に就き、県の部長級を務めた実績もあり適任だ」と強調した。この結果について本紙取材に応じた下地氏は「議員団の決定は大変心強い。前向きに検討したい」などと述べ、出馬に強い意欲を示した。議員団は自民党城辺支部の支部長を務める町長、仲間克氏に下地氏支持の決定を伝えたが、仲間氏は保守系候補の1本化には理解は示したものの下地氏の支持については回答を避けたという。
 同議員団はこの日、全会一致で下地氏の支持を決定。この結果を仲間町長に報告した上で下地氏を支持するよう強く求めた。1部の議員は「町長は下地氏を新市の市長にするために助役に招いたはず。私たちもそのつもりで動いてきた」などと述べ、仲間氏に下地氏支持を強く訴えた。会合後、取材に応じた別の議員は「仲間町長がどのように考えているのか分からない。共に行動したいが、とにかく保守系議員団としては下地氏を支持する」と強調した。
 伊志嶺幹夫議長、照屋会長ともに下地氏支持の決定について「(下地氏を候補者として推すことは)町長から言われてきたことで、そのつもりで動いてきた。町長は第3者をと言っているようだが、議員団としては下地氏が適任だと判断している」などと話した。
 議員団の支持決定を受けた下地氏は「保守系議員の皆さんが一致して支持してくれるということは大変心強い思いだ。この決定を重く受け止め前向きに検討したい」と話し、出馬に向けて意欲を示した。

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禁煙パネル展始まる/健康への影響など紹介6日まで

 世界禁煙デーにあたる31日から、喫煙が健康に与える影響などを紹介したパネル展が宮古福祉保健所ロビーで始まった。6日まで。同保健所では、「たばこ」について考える機会にしてほしい、として大勢の来場を呼び掛けている。
 展示されているパネルには、「女性の喫煙には危険がいっぱい」として妊娠時の喫煙が生まれてくる子供に与える影響を紹介しているほか、肺ガンなどで「交通事故より多くの人が亡くなっています」などと危険性を強調している。
 そのほか、2003年5月1日に施行された健康増進法により、学校や官公庁、飲食店など不特定多数の人が訪れる施設では、分煙が義務付けられていることをPR。副流煙により、周囲にいる非喫煙者の方が喫煙者本人より有害物質を吸い込むとし、分煙を促している。

 写真説明・喫煙の与える健康への影響などを紹介したパネル展が始まった=31日、宮古福祉保健所

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「環境を考える市民委員会」発足/環境保全の諸課題協議へ

 平良市の環境保全に向けた各種課題について協議し、市長に提言・答申等を行う「環境を考える市民委員会」が31日、発足した。同日に平良市役所で行われた第1回会合では伊志嶺亮市長に代わり下地学助役から一般公募と推薦による市民委員、専門委員の合計12人に委嘱状が交付され、委員長には農学博士で東京農大助教授の中西康博氏が就任した。
 委嘱状を交付した下地助役は「私たちがより健康で安全な生活を送るには環境の保全が大切な要素。地下水問題や産業廃棄物など各種課題があり委員の皆さんが慎重審議を行い協議した結果を市長に提言、答申してほしい」とあいさつした。
 同委員会の検討課題は短期的、長期的なものに分けられ▽総合▽生活環境▽自然環境▽地下水▽ごみ問題▽観光▽健康―の7項目に振り分けられた具体的な取り組み内容について検討、協議していく。
 具体的な取り組み内容として▽地下水保全活動(不法投棄の実態調査、環境マップ作成など)▽産廃処分の実態調査▽ゼロエミッション(ゴミゼロ運動、マイバック運動など)―に取り組んでいく。
 委員長に就任した中西氏は「この委員会の協議が宮古の環境保全の具体的な取り組みの1歩を踏み出すことになることを期待している」とあいさつした。
 12人で構成される同委員会にはアドバイザーなどを含めた協議も行うほか、市長に対しては諮問事項の答申や提言、関係部局については説明資料等の提供依頼などができる。また、環境グループ、ボランティアサークル、企業、NPOなどとの連携した取り組みも展開していく。

  委員は次の各氏。
 ▽委員長=中西康博(農学博士、東農大助教授)▽副委員長=渡部千秋(前市環境委員会委員)▽委員=久高正春(自営業)、清水早子(自由自在空間久松館主宰)、仲里タカ子、(前市環境保全条例検討委員会委員)、宮平エミ(前市環境委員会委員)、砂川明男(同)、砂川泰忠(宮古森林組合常務理事)、山内正夫(新生建設コンサルタント常務取締役)、猪澤也寸志(エコガイド教育コンソーシアム代表)、前里和洋(宮古農林高校教諭)、儀保正司(平良市漁協推薦)

 写真説明・宮古の環境保全に向けた各種課題について協議し、市長に提言、答申することを目的に発足した「環境を考える市民委員会」=31日、平良市役所

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伊良部高男子バレー3連覇ならず

県高校総体・決勝リーグで西原に惜敗

 【那覇支局】県高校総合体育大会のバレーボール競技は最終日の31日、那覇市民体育館で男女の決勝リーグが行われ、男子の伊良部は優勝を決める1戦で西原に敗れ、惜しくも3連覇はならなかった。4チームによるリーグ戦の成績は2勝1敗の準優勝。優勝は逃したものの、準優勝により九州大会への切符を手にした。一方の西原は、平良中出身の桑原翔、山口貴大の活躍が光った。
 伊良部はリーグ戦初日の30日、沖縄工業を破り1勝。2日目の第1試合は美里工業をセットカウント2―1で下し2勝目。優勝を決める1戦は全勝同士、西原とのカードとなった。
 伊良部は第1セット、新里一沙の速攻や久高一彦の移動攻撃などで抜け出し、25―22で先取した。
 第2セットは大接戦に。主将の池間智暖のトスワークから、新里、久高、上地祐輔らの攻撃で得点する伊良部に対し、西原は、山口、桑原らの攻撃で応戦し、一歩も譲らずジュースにもつれこんだ。伊良部はリードを奪いながらもあと1点のところでミスが続き、西原に振り切られ、31―33。セットカウントをタイに戻された。
 優勝の行方は第3セットにもつれ込んだ。伊良部は終盤21―24とマッチポイントに追い込まれたものの、3連続ポイントで24―24の同点までばん回。しかし、最後は西原の桑原がスパイクを決め、伊良部は25―27と一歩及ばず、優勝を逃した。
 城間亮監督は「第2セットを取れなかったのがすべて。勝つチャンスはいくらでもあった」と敗因を分析。九州大会に向けては「3年生にとって最後の大会なので、思い切りプレーさせたい」と話した。

 写真説明・優勝を決める伊良部―西原戦は大熱戦となった=31日、那覇市民体育館

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