200平成1  22曜日

伊良部さん、池間さんに賞詞/第9回平良好児賞表彰式・祝賀会
宮古毎日新聞社主催

 第9回平良好児賞表彰式・受賞祝賀会(主催・宮古毎日新聞社)が21日、平良市内のホテルで行われ、受賞作で歌集「海神祭」の著者・伊良部喜代子さん(54)=平良市西原出身=と、ノンフィクション「あなたの夢は何ですか?私の夢は大人になるまで生きることです。」の著者・池間哲郎さん(51)=上野村出身=に賞詞が贈られた。会場には多くの関係者が集い、2人の今後の活躍に期待を寄せるとともに、郷土文学の発展に尽力した故平良好児氏の遺志が根強く継承されることを祈った。

 今回の平良好児賞は、1996年に発足した平良好児賞顕彰会から、今年創刊50周年の節目を迎えた本社が主催運営を引き継ぎ、初めての開催となった。主催者を代表して、本社の真栄城宏社長は「県外生活の長い伊良部さんの作品からは宮古の香り漂う故郷への熱い思いが、池間さんの作品からは宮古の真面目な気質が率直に表れている。郷土文学の種をまいた平良好児氏の遺志が今後も継承されていくよう私たちは土を耕し汗を流していきたい」とあいさつを述べた。
 松原清吉選考委員長は「一次審査には約30冊の候補作があり、宮古の人の文化活動の広がりに胸が高鳴った」などと話し、経過報告を行った。
 さらに、同賞選考委員も務める伊志嶺亮宮古市町村会長は「伊良部さん、池間さんの受賞は、仮に平良好児氏が生きておられたとしても心から喜んでくれただろう。ますますの活躍を」と激励の言葉を送った。
 伊良部さんの歌集「海神祭」は、34歳から始めた作歌歴20年を経て発表した第一歌集。県外で生活しながらも常に故郷・宮古を反映した歌を詠んでいる。席上、伊良部さんは「34歳のときに短歌の勉強を始めて以来、20年の時が過ぎ、このたび本を出版して良かったと思っている。今後も、宮古に対する思い、世の中に対する思いを五七五七七に込めていきたい」と喜びを語った。
 NGO沖縄アジアチャイルドサポート代表常任理事として貧困の子どもたちを支援する池間さんは、自らが実践するボランティア活動を通して体感した「命の尊さや真剣に生きることの大切さ」を一冊にまとめた。受賞者あいさつでは「遠い外国の支援をしているようだが、実は国際協力を通した日本の子供たちの健全育成を目指している。今後も命懸けで子供たちの支援活動を続ける」と約束した。
 また、選考委員による講評で仲宗根將二委員は「海神祭」に対し「宮古の伝統的な習俗に根を下ろしながらも人が生きにくい現代の風潮に警鐘を鳴らしている」と解説。友利昭子委員は「あなたの夢は何ですか?私の夢は大人になるまで生きることです。」について「自分の生き方を振り返り、もう一度生き直したいと思わされる作品」と述べ、さらなる活躍を期待した。
 表彰式の後には祝賀会が催され、親せきなど出席者らが余興を披露、伊良部さん、池間さんの受賞を共に喜んだ。

写真説明=第9回平良好児賞を受賞した伊良部さん(左)と池間さん=21日、ホテル共和

 


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アカショウビン庭先で巣穴作り/市内民家の庭先で

 野鳥の繁殖シーズンを迎え、平良市内の民家の庭先の樹木で、アカショウビンのつがいが今月15日から巣穴作りを始めた。庭先での巣穴作りは極めて珍しい。
 つがいのねぐらは、民家近くの緑内。毎朝「キョロロロ」の鳴き声を交わした後、立ち枯れ樹木のそばの止まり木に飛来。交代で巣穴に入ると、太いくちばしで掘り、木くずは足で外にかき出す。今月中に営巣は完了しそうで、6月の産卵が期待されている。
 アカショウビンは台湾や朝鮮半島南部、中国の一部、インド北東部などに分布。夏鳥としてほぼ全国に分布する。南西諸島には亜種リュウキュウアカショウビンが分布するが、野外でのアカショウビンとの識別は難しい。全長27a。

写真説明=巣穴作りを始めたアカショウビン=21日、平良市内(撮影・伊良波彌記者)

 

宮工高「バッシライン」記念碑に/エコデンレース
全国大会優勝を刻印

  全国の高校生が自作の電気自動車の走行距離を競う「2004エコデンレース」(昨年11月開催)での優勝を記念し、県立宮古工業高校(兼島信雄校長)は21日、校内に建立した記念碑の除幕式を行った。生徒や職員、PTA関係者らが集い、記念碑建立を祝った。レースに参加した友利康浩君(3年)は「まさか記念碑が建立されるとは…。これからは胸を張って登校したい」と語った。優勝した電気自動車の名前は「バッシライン号」。生徒にとってまさに「忘れられない」記念碑となった。
 除幕式では兼島校長や友利君、PTA会長の洲鎌正弘さんらが一斉にひもを引き除幕した。記念碑には「全国大会優勝」と記されたほか、出場した生徒四人の名前も刻まれている。
 兼島校長は「全国制覇の偉業達成は本人たちのみならず本校にとっても誇り。後輩たちの目標やもの作り教育の励みになる」とたたえた。
 また、昨年まで同校の校長を務めた内間誠治さんは「父母らの後押しがあってこそ優勝を勝ち取れた。記念碑建立を機会に生徒たちがさらに頑張ってくれると確信している」と大喜びだった。
 エコデンレースは昨年11月23日に大阪府で開催された。同校は車のワイパーモーターを50tバイクのバッテリーで動かし、一時間の走行距離を競うワイパーモーター部門に出場。10・8`を走破し、初優勝を果たした。友利君以外の優勝メンバーは今年3月に卒業した。
 友利君は「記念碑は毎朝登校するときに目に入るので、胸を張って通学したい。2連覇を目指して一から頑張りたい」と決意を新たにした。
 記念碑は同窓会やPTA、職員一同から有志を募り建立された。高さ1・5b、横1・5bの琉球石灰岩。重さは2・5dになる。

写真説明=
記念碑の建立を喜ぶ関係者。左から兼島校長、玉城厚司教諭、友利君、PTA会長の洲鎌さん、同窓会前会長の与那覇教子さん=21日、宮古工業高校


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「一日園長」と楽しく交流/漲水学園(小)垣花さんと子供たち

 県立漲水学園(本村博昭園長)は21日、児童福祉週間(5月5―11日)にちなんで平良市生活福祉課職員の垣花水貴さんを一日園長に招き、垣花さんと同学園の子供たちが交流を深めた。垣花さんは子供たちに「皆さんは一人ひとりが大切な種。将来、大きな花を咲かせてほしい」とのメッセージを送った。
 同学園では親に養育能力がなかったり、親からの虐待に悩む児童・生徒ら26人と、知的障害児15人の計41人が共同生活を送り、児童・生徒の将来の自立に向け職員が支援している。「一日園長」は、児童福祉施設の役割について、地域の理解を深めてもらうのが主な目的。
 本村園長から委嘱状を受けた垣花さんは「一日園長」のたすきをかけ、きりっと引き締まった表情で園内の様子を見て回った。
 この後、垣花さんは野球を通して子供たちと交流。ミス宮古の経験があり、普段からボランティア活動にも積極的に参加しているという垣花さんはすぐに子供たちの輪の中に打ち解け、絶えず笑顔で会話を交わすなど、互いに楽しんでいる様子だった。垣花さんが打席に立つと、「先生頑張ってー」と子供たちから声援が送られていた。
 垣花さんは子供たちに伝えたいこととして「人の話は、目で聞き、耳で聞き、心で聞きましょう。相手が何を言いたいのかな、と思う態度をいつでも持ってほしい」と呼び掛けた。
 本村園長は「園の児童・生徒は皆、素直で明るく、活発な子が多い。その能力をどう引き出すかを考え、職員一同取り組んでいる」と強調。「垣花さんはボランティアにも取り組み、市役所の福祉の仕事をしており、一日園長にふさわしい」と話し、子供たちとの交流を見守っていた。

写真説明=野球を通して子供たちとの交流を深める一日園長の垣花さん(右)=21日、県立漲水学園



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高齢者をサポート/中学生が看護体験
訪問看護みやこ

  訪問看護ステーションみやこ(根間ミツ子所長)は21日、今月12日の「看護の日」にちなみ、中学生を対象とした「ふれあい看護体験」を行った。平良市立平良中学校の3年生が参加し、3カ所の高齢患者宅に分散して看護や日常生活のサポートに挑戦した。
 参加した中学生らは、看護にあたっての注意点などについて説明を受けた上で、看護師の引率の下、患者宅を訪問。このうち、湧川優衣さん、瑞慶覧愛梨さん、与那覇郁美さんの3人は、平良市内に住む高齢女性を訪ね、車いすを押して散歩をサポートした。散歩の効果について看護師の與那覇シゲさんは「寝たきりの人の家は換気が悪くなりがちなので、外の新鮮な空気を吸ってもらうと同時に気分転換を図れる」と生徒らに説明。湧川さんらは道路の段差や車の往来に注意しながら慎重に車いすを押し、散歩を手伝っていた。
 湧川さんは「一つひとつの動作がゆっくりなので、周りの人は根気強く協力することが大切だと感じた」と感想。指導した與那覇さんは「今の子どもたちは、困っている人を見かけても手助けすることに戸惑いがあるように思う。体験を通して、サポートしたい気持ちが行動につながれば」と話していた。


写真説明=訪問看護体験の一環で、お年寄りの散歩をサポートする中学生たち=21日、平良市内


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  「うつ病は身近な病気」/生活支援センター
杉山精神科医が講話

 地域生活支援センターひらら(松川英文施設長)は21日、宮古病院精神科医長の杉山淳二郎さんを講師に招き、うつ病に対する理解と接し方についての講座を開いた。杉山さんは、うつ病の症状や治療、予防法などについて分かりやすく説明。当事者や家族、保健師ら地域の関係者が参加して知識を深めた。
 この講座は「うつ病ってどんな病気?」と題し、当事者や家族支援の一環として開催。混とんとした社会情勢の中でうつ状態の人が増える中、正しい知識を広げようと行った。
 杉山さんは「日本では、15人に1人が一生に一度はうつ病にかかる可能性がある」とデータを示し、男性の10%、女性の20%に生涯有病率があることを説明。その上で、うつ病の代表的な症状として、気分が沈むなどの「ゆううつ気分」と、それまで楽しんでいたことに興味や楽しみを感じなくなる「興味と喜びの喪失」を挙げ、薬物療法や精神療法、環境調整などのポイントを紹介。
 周囲の人のサポート体制としては▽誰にでも身近な病気だが、治療を受けて治る▽うつ病の人は自殺する危険性があり、早期発見、早期治療が最優先―の認識を持ち、励まさずにゆっくり休養させることと自己判断で治療をやめないよう再発に注意することを呼び掛けた。

写真説明=宮古病院精神科医長の杉山淳二郎さんがうつ病について講話した=z日、地域生活支援センターひらら



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