200平成1  18曜日

分裂選挙回避を模索/比嘉委員長

 「具体的議論は幹事会で」

 10月1日に発足する新市の市長選に向けて、保守系候補者1本化を目指す「宮古島市市長候補者選考委員会」(比嘉米三委員長)は17日、平良市内のホテルで2回目の会合を開いた。この日は、3年前の平良市長選で保守分裂選挙を戦った下地敏彦氏と松原信勝氏、昨年の県議選で分裂選挙を戦った坂井民二氏と嵩原弘氏の4人を招いて、同選考委が決定した候補者に対して協力した取り組みができるかを確認したが、坂井、松原の両氏は都合で欠席し、出席した下地氏と嵩原氏は同委員会の求めに理解を示した。
 今回の会合でも、具体的な候補者名をもとにした議論には至らず、23日予定の次回会合で今回欠席した坂井、松原両氏を再度招き、選考委が決定した候補者についての考えを確認した上で具体的な候補者名をもとにした協議をまずは幹事会で行いその後、委員会で審議していくこととなった。
 会合後、記者に対して比嘉委員長は「下地、嵩原両氏は今後、選考委が決定した候補者に対して協力してくれることが確認できた。分裂したままでは支持者に申し訳ない。同様のことを坂井氏、松原氏にも確認したい。現段階で候補者については『白紙』の状態であり、4人全員の意思が確認されれば急ピッチに作業は進むと思う」と説明した。
 今回、都合で欠席となった坂井、松原両氏は次回会合に出席する意思を示している。
 また、比嘉委員長は同委員会と同時に発足した幹事会(幹事長・砂川佳一幹事長)が委員会よりも上部組織であることを説明した上で「幹事会で具体的な名前は協議してから委員会でさらに審議すると思う。できるだけ早く候補者を決定したいと思う」と述べた。

 写真説明・下地敏彦氏、嵩原弘氏に対し選考委で決定した候補者に協力できるかを確認した2回目の会合=17日、ホテルニュー丸勝

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マリンフェスティバル開催へ/伊架橋、漁業補償交渉に全力

 2005年度宮古管内県出先機関連絡会議が17日午後、県宮古支庁で開かれ同支庁などの主要事業説明が行われた。この中で、今年度は観光客向けのイベント「マリンフェスティバルイン宮古島」を開催することが示された。フェスティバルではバリアフリーダイビングやクリーンアップ活動、アーティストによるライブコンサートなどを予定。近く実行委員会を組織し、県、自治総合センターとともに具体的な内容について詰める。この日の会議では伊良部架橋整備事業の事業概要も提示され、同支庁は難航している漁業補償交渉の解決に全力で取り組む方針を示した。
 会議には同支庁の各課をはじめ、宮古福祉保健所、農業改良普及センター、家畜保健衛生所など関係15機関の代表が参加し、それぞれ今年度の事業内容を説明した。
 マリンフェスティバルについては総務・観光振興課が説明。自治総合センターが実施する「宝くじイベント共催事業」を活用し、宮古観光関係団体による観光客向けのイベントを企画する。総事業費は1500万円。今のところフェスティバルの内容としては@宮古島スタンプラリーAバリアフリーダイビングBクリーンアップキャンペーンC宮古島フリークの著名人、アーティストによるライブコンサート―などを予定している。
 同フェスティバルは観光振興の上で、観光地巡りや海水浴、静養を目的に来島する一般的な観光客が楽しめるイベントが少ないことなどを踏まえて企画された。
 伊良部架橋整備事業では今年度の事業費が6億800万円計上されていることが示された。課題として、6月の各漁協総会において漁業権の消滅同意の議決を予定しているが、仮にスケジュールが遅れると来年度の予算および全体工程に大きく影響するとし「伊良部架橋地元推進協議会をフルに活用して漁業補償交渉に取り組む必要がある」としている。
 これらの事業のほか▽宮古地域ゼロエミッション社会形成推進事業▽経営構造対策事業(農業関連)▽強い農業づくり交付金事業―なども示された。
 また、説明会に先立ち宮古5市町村合併推進協議会の下地敏彦幹事長が講演し合併後の宮古島の将来について語った。下地氏は「合併後は旧市町村の視点から、宮古全体の視点に変えなければならない。宮古全体を見据えて事業を考え、それぞれの課題、問題点を検証していく必要がある」などと強調した。

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下地島空港を視察/浜川町長に軍事利用拒否求める

 全国各地で平和活動を実施している安保破棄中央実行委員会のメンバー30人が17日、自衛隊誘致に揺れた伊良部町の下地島空港を視察し、浜川健町長を表敬訪問した。迎えた浜川町長は「1度は議会で議決された自衛隊誘致決議だが、住民パワーではねのけた」と一連の経緯を説明。「宮古は合併を控えている。新市で、圏域の課題として有効利用の道を模索したい」とし、民間活力を利用した有効利用を推進する姿勢を強調した。
 同委員会の早坂義郎事務局長によると、同委員会は1964年に結成され、全国に約500万人の構成員を持つ。
 今回も全国からメンバーが集い、15日に普天間基地包囲行動(人間の鎖)、普天間基地撤去、基地の県内移設に反対する県民大会に参加したほか、翌16日には辺野古の座り込みに参加、キャンプ・ハンセン視察などを行い、下地島空港視察のため宮古入りした。
 下地島空港では、視察後、同施設労働組合の福島正晴執行委員長とも意見交換会を開いた。
 同町役場に浜川町長を表敬した一行を代表し、早坂事務局長は、住民の過半数が集まり、全町議を相手に自衛隊誘致決議の再考を求め、白紙撤回まで持ち込んだ町民の行動を高く評価。「下地島空港が自衛隊基地化すれば自衛隊を足掛かりに、米軍も使用することになる。軍事利用をさせないという考えを合併後も貫いてほしい」と求めた。
 同委員会メンバーで神奈川県に住む女性は1977年、横浜市郊外に米軍機が墜落したことを紹介。「私は近くに住んでおり、火傷を負った。自衛隊はアメリカ人のパイロットは救出したが、日本人の私たちは助けてくれなかった」などと話し、「有事の際でも自衛隊は助けてくれない」と訴え、基地化に強く反対した。
 浜川町長は「下地島空港での訓練が減るにつれ、町へ入る燃料税も年々減少している。立派な施設だが、具体的な有効利用策はない。圏域住民を主体に、有効活用を模索していきたい」となどと答えたほか、米軍などが同空港を強制使用する際、抗議集会に積極的に参加する方針を示した。

 写真説明・安保破棄中央実行委員会の早坂事務局長(左から2人目)ら30人が浜川町長(同3人目)を表敬した=17日、伊良部町役場

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仲里美希さん(宮高3年)が最高賞/全国児童生徒俳句大会

大空の虹に向かって歩みゆく

 日本童話祭第22回全国児童生徒俳句大会(主催・日本童話祭実行委員会など)の入賞作がこのほど発表され、県立宮古高校に通う仲里美希さん(普通科3年)が、応募15286句の中から最高賞にあたる久留島賞を受賞した。同校が17日会見を開いて発表した。受賞作は「大空の虹に向かって歩みゆく」。仲里さんは「今まで賞を取ったことはなく、まさか最高賞が取れるとは。本当にびっくりしている」と笑顔で話した。
 大会には、高校生の部に3299句、中学生の部に2798句、小学生の部に9186句、未就学の部に3句、計15286句の応募があった。
 受賞作品は、今年1月に現代文の授業の中で創作され、同校からは80人(218句)が応募し、仲里さんのほかに、15人が入選した。
 仲里さんは「大空のような無限に広がる自分の夢に向かい、1歩1歩努力して夢を実現させたい」と願い創作した。「地域の役に立つため、社会福祉士になりたい」と夢に向かって努力する自分の姿に、希望の象徴である虹を重ねて表現した。
 同校の仲間博之校長は「この句には生徒たち全体の夢に向かって努力する姿が表れている。言葉の中に自立の心を感じる」と絶賛した。
 また、指導した神里由香利教諭は「宮古の子供たちは感受性が豊かで、素直に表現する。受賞作は色彩感を感じたが、まさか最高賞を取るとは思わなかった」と受賞に驚いていた。
 同校は、昨年も与謝野晶子短歌文学賞など全国大会での受賞が相次いでおり、生徒らの活躍に学校関係者らも喜んでいる。

 写真説明・最高賞にあたる久留島賞を受賞した仲里さん(中央)。右は仲間校長、左は神里教諭=17日、宮古高校

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サトウキビの後作に ソバ栽培を研究/宮農環境班

 宮古農林高校環境班(前里和洋顧問)は17日、同校第二農場で栽培しているソバを収穫した。同班は、地下水保全と農家の収益向上を目指して九州沖縄農業研究センターと共同研究を行っており、今回が初めての収穫。宮古の気候に合わせた品種改良も含めて研究を深め、将来的にはサトウキビの後作の作物として普及させたい考えだ。
 有機肥料「バイオ・リン」の開発など地下水保全研究を行う同班では、サトウキビ収穫後、土壌に残った化学肥料をソバ栽培に利用することで、化学肥料が必要以上に土壌に浸透することを防ぎ、併せて後作による収益アップにもつながることに着目。短期間で収穫でき、手間も掛からないことから、環境と農家収入の両面にメリットのある作物として栽培の普及を目指している。
 同班が栽培するソバは「ハシカミワセ」と品種研究中の「九州系統8」「九州系統6」の3種類。同農場の一角を利用して3月25日に種まき、収穫は手刈りで行った。今後は実をメーカーに送って製粉し、生徒たちが手作りそばを作る予定になっている。
 ソバは、他の作物に比べてリン酸を吸収する性質が強く、アルカリ性の土地に向いていることから宮古でも栽培可能だという。同研究センターの原貴洋さんは「収穫機械の導入や販路開発などが必要」と課題を指摘した上で、「本土では秋に収穫されるためこの時期は端境期となる。5月に収穫できる宮古は、夏に向けての需要に対応できるのでは」と可能性を示した。
 前里顧問は「ソバは管理が楽で、ヘルシー食材としても人気も高い」と普及に期待。「後作の作物を広げることでキビ農家を支援したい」と話し、今後は各種イベントなどを通して周知を図る意向だ。

 写真説明・サトウキビの後作として研究を進めているソバを収穫する環境班の生徒たち=17日、宮古農林高校第二農場

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  健康づくりゴルフ満喫/川満さん千代田でエイジシュート

 平良市に住む川満達郎さん(83)はこのほど、上野村の千代田カントリークラブ(パー72、5795ヤード)で3度目のエイジシュートを達成した。スコアは83。「ゴルフは健康づくりに良い。まだまだエイジシュートを出せると思う」と話し、いっそうの意欲を見せた。
 エイジシュートとは、自らの年齢と同じかそれ以下のスコアで18ホールを回ることを言う。川満さんはゴルフ歴は約30年。仕事の付き合いなどで始めた。定年退職後、健康づくりのため退職教職員のメンバーで「水曜会」「金曜会」というゴルフサークルをつくり、毎週水曜と金曜にはコースに出てゴルフを楽しんでいる。毎週3回ほどはゴルフ練習場に通い、200球程度を打っているという。今回のエイジシュートは3回目で、2002年にも同コースでスコア79を2度出した。次回はチャンピオンコースで達成するのが目標。
 川満さんは「ゴルフをするのはプロになるためでも金もうけのためでもない。健康のため。ゴルフをすることで3度のご飯もおいしくなり、よく眠れるようになった」とゴルフによる効果をピーアール。サークルのメンバーも病気や高血圧で倒れる人が減り、喜んでいるという。「宮古はコースも近くて安い。特に老人には良い健康増進にもなる。ゴルフで体を鍛えてほしい」と呼び掛けた。

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