200平成1  15曜日

5・15平和行進、下地島の軍事利用反対

初の伊良部スタートに300人参加

 伊良部町にある下地島空港の軍事利用を許さないよう訴える「5・15平和行進」(主催・同宮古地区実行委員会)が、沖縄本土復帰記念日前日の14日、同空港前を出発点に伊良部島と平良市街地の計14キロのコースで行われた。本土からの参加者を含め約300人(主催者発表)が、「下地島空港・宮古空港の軍事利用に断固反対」、「平和憲法を守れ」などと訴え、米軍再編の中での下地島空港への自衛隊駐留や普天間基地代替移設の動きの阻止に向け決意を新たにした。1975年の平和行進以来、同空港前が出発点になったのは今回が初めて。
 今年は沖縄戦から60年の節目で、沖縄が本土復帰して33年目。沖縄本島では今なお米軍基地問題で揺れ動き、宮古は下地島空港への一連の軍事利用の動きで警戒心が強まる。
 同空港前の平和行進出発式は午前10時から開かれた。
 出発式で、主催者を代表して宮古地区労働組合協議会の奥平富男議長代行は「日米再編成の中で、下地島空港への軍事利用の動きがあり危機感を募らせている。軍事利用の動きには断固反対し、平和な島を守ろう」と訴えた。
 次いで岡山県職員労働組合の大島康治書記長が「平和憲法を守り、反戦平和を訴えていこう」などと連帯の拡大を語った。下地島空港施設労働組合の福島正晴委員長、奥平一夫県議、伊良部町議会の嘉手納学町議らが反戦平和などを訴えた。
 参加者らは「下地島の軍事利用反対」などのプラカードを掲げながら平和な島をアピールした。

写真説明・力強く行進しながら平和な島を訴えた参加者ら=14日、伊良部町・下地島


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市民文化祭が開幕/9部門で力作展示

 「美しい郷土、豊かな自然、育てあうまち」をテーマに、第32回平良市民総合文化祭(主催・平良市、市教育委員会、市文化協会)が14日、平良市中央公民館で開幕した。きょう15日まで。今年10月1日の市町村合併に絡み、例年は春と秋に開かれている同文化祭の部門を統合して最後の文化祭となる。開会式には、有終の美を飾ろうと多数の関係者が出席。伊志嶺亮市長らがテープカットを行い幕を明けた。写真展や美術展など九部門で市民の文化活動が披露される。
 平良市民総合文化祭は、市民が培う文化活動の技術の向上を図るとともに発表の機会を設け、多数の市民が参加することが狙い。
 1973年に初回を開催、後に平良市文化協会を中心に市民の手で運営されるようになった。各分野における発表の場として重要な役割を果たしながら、人々の文化面に対する興味関心の広がりに一翼を担ってきた。
 午前9時から行われた開会式で伊志嶺市長は「これまでの積み重ねは、平良市民の文化活動に広がりをもたらした。今回で最後となるが、新市、宮古島市に何らかの形で引き継がれ、宮古全体の文化の発展に寄与することを願う」と感慨深げにあいさつを述べた。
 久貝勝盛教育長は「市民総合文化祭は、多くの感動や市民の文化活動の底上げに寄与してきた。文化活動の活発さは、住民が生き生きと生活している証し」と多数の来場を呼び掛けた。
 また市文化協会の立津精一会長は「市民文化を創造し、行政から自立して文化の灯火をともし続けてきた。多くの市民、企業、団体、篤志家の皆さんのご協力に感謝したい」と述べた。
 会場では、花と緑の園芸展、書道展、写真展、お茶席、宮古上布展、美術展、将棋大会のほか、15日には「宮古の戦争と平和」と題して宮古郷土史研究会の仲宗根將二会長が講話し戦跡巡りを行う。
 また、関連行事として6月18日にはマティダ市民劇場で第12回「なりとぅゆんみゃーく方言大会」が行われる。

写真説明・市民総合文化祭をテープカットで開幕する(左から)池間青昌市議会議長、伊志嶺市長、立津市文化協会長、久貝教育長=14日、平良市中央公民館


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助産師の浜元さん知事表彰/保健医療福祉に貢献

 2005年度「看護の日」および「看護週間」における県看護功労者知事表彰で、下地町川満にある浜元助産院の助産師、浜元勝枝さんが「保健医療福祉の発展向上に尽くした」として表彰された。受賞者八人のうち宮古からの受賞者は浜元さん1人。「身に余る光栄。これまで支えてくれたいろいろな方に感謝している。原点に帰り、これからもお母さんたちの要望に応えていきたい」と喜びを話した。
 浜元さんは1973年から国際聖母病院や県立宮古病院の産科や新生児室などに勤務。89年には独立し、下地町内に助産院を開業した。お産だけでなく、妊産婦の保健指導や乳幼児相談など幅広く活動を展開しており、学校教育の現場でも思春期保健相談員として生命の大切さについて児童・生徒へ伝える活動も行っている。今回は日本助産師会沖縄県支部の推薦を受け、長年にわたる活動が評価され県知事から表彰されることとなった。
 浜元さんは「取り上げた子供たちが元気に成長した姿を見ると、これまでやってきたことの重要さに気づかされる」と振り返り、「今の時代はいろいろな事件があり、心が痛む。人はすべて幸せになるために生まれてきた。そのことを伝えたいし知ってもらいたい」と話した。

写真説明・これまでの取り組みが評価され県知事表彰を受けた浜元勝枝さん=13日、浜元助産院
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「サバニと漁具 生活支えた」/

佐渡山さんが「先人の知恵」で講演

 平良市博物館友の会(安谷屋昭会長)は14日午後、講演会を同博物館で開いた。講師に招かれた佐渡山正吉同会顧問が「民具と先人の知恵」と題して講演。佐渡山さんは、展示されている実物のサバニと漁具について説明した上で「宮古からサバニは減少していく。先人が大事にしていたサバニと漁具は生活を支えてきた貴重なもの」と強調した。参加者らは熱心に聞き入っていた。
 県内のサバニについて、佐渡山さんは「沖縄本島には糸満、垣花、与那原、屋慶名の四タイプがある。宮古にも4つのタイプのサバニがあるが、糸満サバニが多い」と話した。
 漁具の1つである櫂について「方言では『ッザク』と呼ぶ。ッザクは中央に曲線のある部分を手前にして使う」と話し、漁師と女性・子供が使用する櫂の長さが違うことを説明した。
 また佐渡山さんは「ッザクを作る木は『ッザクギ』と言う。この植物の和名は『マルバチシャノキ』(ムラサキ科)と言う」と話した。

写真説明・サバニと漁具について語っていた佐渡山さん(右)=14日、平良市総合博物館

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「バランス考えて」/

新城さん(盆栽協八重山支部顧問)が盆栽講習

 平良市中央公民館で開催中の「第32回平良市民総合文化祭」(主催・平良市、市教育委員会、市文化協会)の盆栽展に関連して、日本盆栽協会八重山支部顧問の新城弘志さんを招いた盆栽講習会が14日、同館で行われた。多数の愛好家が集まり、ガジュマルの木を使って不要枝の抜き取りや枝の方向付けなどの技術を学んだ。
 新城さんはガジュマルの模様木を例に、幹の曲線に合わせて枝の配置や空間を工夫することの大切さを説き、実演で示した。「不要な枝を除くことは、全体の調和を美しく保つためと、木の成長を促すための2つの目的があり、幹に応じて必要な枝と要らない枝を分け、バランスを考えて整えることがポイント」などと話した。また、毎年宮古を訪れている新城さんは「宮古の愛好家の皆さんは技術が上達しているので安心。今後が楽しみ」と喜んでいた。

写真説明・盆栽講習を行った日本盆栽協会八重山支部の新城顧問(右)=14日、平良市中央公民館

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