200平成1  12曜日

博愛ビーチ「海水浴場ではない」県が会見開き見解示す

 今月4日、男子児童が水死するという事故のあった上野村の博愛わいわいビーチについて、管理する県は「海水浴場として使用されている認識はある」としながらも「水に親しみを持ってもらうために整備したビーチ。海水浴場ではない」との見解を改めて示した。児童が死亡したと見られる深みについては「整備目的からすると危険性は認識していなかった。管理体制に不備はなかった」と強調した。11日、県宮古支庁の兼城克夫支庁長らが会見し、説明した。
 同ビーチは、海岸環境整備事業として国土保全との調和を図り、国民の休養の場として利用させるため、海岸環境の整備を行い、快適な海浜利用の向上、生活環境の保護を目的に、10年間かけて整備。2003年に供用を開始した。
 公安委員会の定める県の「水難事故の防止及び遊泳者等の安全の確保に関する条例」では、海水浴場を開設する場合、公安委員会に届け出が必要で、管理者に対し「安全区域を知らせる看板の設置」、「監視員の配置」などが義務付けられている。しかし、県は海水浴場として整備していないことを理由に届け出を行っていないため、監視員を配置する義務は生じない。だが、宮古警察署は事故後、「実質的に海水浴場とみられるのでは」として県に対し危険性を指摘、同条例の必要性を説明している。
 会見で兼城支庁長は「地域住民が多目的に水に親しんでもらうため整備したビーチであって、海水浴場ではない」と前置きした上で、海水浴場としての利用は「各自の判断、自由」と説明。「そのため、私ども(県)は看板などで海水浴場ではない、と表示する立場にない」と続けた。
 沖合の深みについては「本来の整備、事業目的からすると、深みが危険との認識はしていない」とした。
 再発防止に向け、今後の防止策としては、宮古警察署からの申し入れを受け入れる形で、条例に基づき、本来の整備目的ではない海水浴場としての届け出を行うことを視野に入れ、地元の上野村と協議して検討する方針を示した。

写真説明・会見を開き、見解を示す兼城支庁長(左から2人目)ら=11日、県宮古支庁

 top.gif (811 バイト)

来年4月から保育料統一 /合併幹事会・4市町村は増額へ

 宮古5市町村合併推進協議会の第19回幹事会が11日午後、城辺町役場で開かれた。この中で合併後の市営保育所の保育料について協議し、来年4月から平良市の「保育料徴収基準額表」に基づく保育料で統一することを決定。当初は合併期日に合わせて統一する方針だったが、年度半ばということなどを考慮し来年4月1日からとした。これにより同市以外の4町村の保育料は現行より増額となる。上野村では第4階層(所得税額の区分が6万4000円未満)の1カ月当たりの保育料が現行より1万1000円増えるなど、その負担額は四町村の住民に重くのしかかりそうだ。
 市町村の保育料については合併推進協議会の中で「平良市の保育料徴収基準額表に基づく」ことが決められている。当初は合併期日の10月1日から統一する方針だったが下地町から「2005年度に限り現市町村の保育料を適用できないか」との要望があり、同協議会福祉部会で協議した。この結果、同年度は現市町村の保育料を適用することを確認。理由として▽年度半ばである▽児童福祉分科会において合併の時期が流動時期のため不均一徴収についての協議がなかった▽保育所利用の保護者および保育所長に対する周知期間が必要―などを挙げている。
 この協議内容が11日の合併幹事会で話し合われ、福祉部会が示した方針通りで進めることを決定した。
 保育料の統一により平良市以外の4町村での増額は避けられない。宮古圏域住民の6割が第1―3階層に分類されるが、市町村民税課税世帯の第3階層における平良市の保育料(3歳未満1万4300円、3歳以上1万1900円)を基準にした場合、3歳未満で城辺町と伊良部町、下地町は現行より3300円の増額となり上野村に至っては6500円もの増額となる。3歳以上では3町が2900円アップ、上野村は6700円増える。
 第4階層になると、3歳未満で城辺町が7200円、伊良部町が6200円、下地町が5200円、上野村では1万1000円、3歳以上では城辺町8100円、伊良部町7100円、下地町5100円、上野村1万1500円増額となる。
 5市町村は今後、来年4月1日の保育料統一に向け、住民や保育所などに対する周知徹底を図る方針だ。この日の合併幹事会では保育料のほか、宮古島市誕生までの日数をカウントする残歴板を設置することや、宮古島市の市章を募集することなども決めた。市章の応募資格は問わず、応募作品はデザイン選考委員会で絞られ最終的には5市町村で決定する。最優秀作品には賞金20万円が贈呈される。詳しい応募内容は5市町村合併推進協議会事務局(電話74・2780)まで。

top.gif (811 バイト)

漁業補償交渉の早期妥結を/伊良部漁協に要請

 伊良部架橋に伴う漁業補償交渉が進展しない中、伊良部町青年団協議会(長濱国博会長、会員70人)が11日午前、同町漁業協同組合(奥原隆治組合長)を訪ね、漁業補償交渉の早期妥結を図るよう要請した。奥原組合長は「伊良部架橋は必要」などと理解を示した。
 長濱会長は「私たち青年団は、伊良部架橋の早期着工を望んでいる」と強調。その上で「(架橋が実現すると)船で通勤する人たちの労働条件が良くなり、通学する高校生の悪天候による不安が解消される。また緊急医療機関への搬送時間が短縮される。さらに農水産物の販路拡大につながることなどが考えられ、伊良部町民全体の利益になる」と述べ、漁業補償交渉の早期妥結を求めた。会員5人が同席した。

写真説明・長濱会長(左から2人目)が奥原組合長(左)に要請書を手渡した=11日、伊良部町漁協

top.gif (811 バイト)

13競技で熱戦/宮古地区高校総体

 2005年度宮古地区高等学校総合体育大会(主催・宮古地区高等学校体育連盟)は11日、各高校など8会場で行われ、宮古地区5高校の代表選手が13競技で熱戦を展開した。代表選手らは日ごろの練習の成果を発揮しようと、真剣な表情で競技に取り組んでいた。
 この日行われたのは、バレーボール、ソフトテニス、サッカー、バスケットボール、バドミントン、卓球、テニス、ハンドボール、ゴルフの球技に、陸上競技、柔道、剣道、水泳の13競技。
 選手たちは、応援に訪れた生徒らの声援に後押しされながら、勝利や自己記録更新など、それぞれの目標に向かって熱戦を繰り広げた。
 このうち平良市陸上競技場で行われた陸上競技では、宮古高校新記録が1つ、大会新記録が6つと、好記録の多い大会となった。

写真説明・各会場で5高校の代表が日ごろの練習の成果を競った。写真は陸上男子800メートルで大会記録を更新した宮高の与那嶺恭兵選手=11日、平良市陸上競技場

   top.gif (811 バイト)

第6貯蔵庫が竣工/ 菊之露酒造

 菊之露酒造(本社・平良市西里、下地博社長)の本社設備、第2工場第6貯蔵庫の竣工式が11日、平良市西仲宗根にある同社第2工場で執り行われた。施工業者や関係取引先など多数が出席し、鏡割りなどで落成を祝福するとともに今後のさらなる発展に期待を寄せた。製麹機など主要機器の自動化に伴い衛生面や温度管理が徹底され品質向上につながるほか、県内外に出荷される同社の年間全生産高は20%の増産を見込む。
 今回導入した設備は、本社の製麹機(円盤型3トン)、4.5トン縦型蒸留機、自動もろみタンク。従来は手動だった作業工程をオートメーション化し、雑菌対策や外気に左右されない温度管理の徹底が図られる。
 増改築した第2工場は延床面積1116平方メートルの3階建てで、1階にはもろみ酢原液ライン、2、3階には貯蔵タンク庫を設置。貯蔵量が増えることで、近年、県外需要が伸びている古酒の出荷増を見込む。
 祝賀会で下地社長は「前社長である亡父も貯蔵を増やすことを課題としていた。多数のご支援を受け、こうして増築できたことに大変感謝している」とあいさつを述べた。下地千代子会長は「新施設完成を機に社員一同、心を新たにし、はちまきを結び直して業務にまい進したい」と決意を語った。
 来賓あいさつを述べた沖縄銀行宮古支店長の玉城篤さんは「県内での消費量を増やすことが全国レベルの生産量アップにつながる。『一家に一壺泡盛を』の気持ちで、皆で支えていこう」と呼び掛けた。このあと、施工業者や関係機関などが鏡割りを行い、同社のさらなる飛躍を期待した。

写真説明・関係者らが鏡割りを行い、菊之露酒造の発展に期待した=11日、菊之露酒造第2工場

top.gif (811 バイト)

 
top.gif (811 バイト)