200平成1  10曜日

新市市長選・保守系候補者選定/選考委員長の人選に着手

 10月1日に5市町村が合併して「宮古島市」が発足することに伴い、新市の市長選と市議選が発足から50日以内に同時実施される。現在、分裂状態が続く宮古の保守系だが、遅れている新市市長候補者選考委の立ち上げに向けて委員長の人選に着手した。今月7日には平良市の保守系議員の1部と郡部の首長、議長らが会合を持ち選考委の委員長候補について協議。委員長候補には、ふじ胃腸科医院の宮里不二雄院長と沖縄宮古商工会議所の中尾英筰会頭が上がり両氏で調整していくことを確認したようだ。今後、保守系市議らが両氏と面談してどちらかに委員長の承諾を得られれば今週中にも委員会が立ち上がる予定となっている。
 新市の市長、市議選については在任特例を適用しないことから同時選挙となる。同時選に向け保革ともまずは市長候補を据えた上で市議選も展開したい意向だ。特に分裂状態の続く保守系は候補者の1本化が急務で当初、先月中に選考委員会を発足させて候補者1本化作業を展開する予定だったが、9日現在で選考委の立ち上げには至っていない。
 選考委の委員長についてある保守系市議は「とにかく委員長は中立的な立場で関係を修復させる人物であることが大切で、誰もが納得できる委員長が早期に決まってほしい。市議選も同時に行われることから首長を1本化した上でないと、市議選に向けた取り組みもできない」と早期に分裂を解消し、1本化した市長候補が決定することが大前提であることを説明した。
 選考委立ち上げに向け、今週半ばにも関係者を集めた会合が予定されており、それまでに委員長のめど付けがされていれば、今週中にも同委員会が発足する見込みとなっている。

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きょうから「愛鳥週間」/伊良部町に迷鳥オウチュウ飛来

 きょう10日から16日までは愛鳥週間。期間中、宮古野鳥の会(岡徹会長)主催の「野鳥パネル展」が平良市役所ロビーで催されるほか、14日には同市大野山林で「野鳥観察会」が開かれる予定。
 同週間は、野鳥観察会など愛鳥活動を通して、自然に生きるすべての生命の尊さを学び、人間と野鳥が共存できる緑豊かな環境の創出と、自然とともに生きる心がはぐくまれることを目指すのが狙い。
 今の時期は、南方で越冬していた渡り鳥が、本土などへ北上する春の渡り期の終盤。
 迷鳥のオウチュウ(オウチュウ科)が7日、伊良部町で確認された。
 全身が黒く青色光沢があり、くちばしと足も黒い。尾は長くて先がふたまたに分かれ、尾の先端が上方に反り返っているのが特徴。イラン、インド、スリランカ、東南アジア、中国北部などで繁殖。ヒヨドリくらいの大きさで全長約28センチ。旅鳥。宮古には毎年数羽が飛来。与那国島で観察記録が多い。日本本土ではまれな迷鳥。

 写真説明・オウチュウの尾はふたまたに分かれ、尾の先端が上方に反り返っている=7日、伊良部町(撮影・伊良波彌記者)

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「ヤッカヤッカ」響く/多良間村スツウプナカ

 島挙げて豊年祈願

 【多良間で山里勝美記者】多良間村の豊年祈願祭「スツウプナカ」は9日、祭り本番を迎えた。各祭場ではこの日のために用意した魚料理や神酒を供え、神に今年の豊作を感謝し向こう1年の五穀豊穣を願った。男性たちは「ヒーヤ、ヤッカ、ヤッカ」のはやしに合わせて神酒を回し飲み、年に1度の祭りを祝った。この日村内には1日中にぎやかなはやしが響きわたり、活気に包まれた。
 このうちパイジュニと呼ばれる祭場では男性たちが集合し、供え物を用意。老人が中心となり「アカツキヌニガイ」を行い祭りの始まりを神に告げた。午前零時ごろには祭場に集まり、ツヌジャラ(角皿)と呼ばれる木の器に神酒を注ぎ「ヤッカ、ヤッカ」のはやしに合わせ回し飲んだ。
 9日の正午ごろからは6人のツカサたちがナガシガー、フダヤー、パイジュニ、アレーキの順で各祭場を巡り、五穀豊穣とともに村民の健康と安全を祈願。兼濱朝徳村長や学校関係者など村内関係機関も客としてもてなしを受け、にぎやかに神酒を回し飲んだ。兼濱村長は「去年は厳しい年だったが、幸い人身や家畜被害がなかった。村の神々に加護していただいたおかげだと感謝の気持ちでいっぱい。去年以上に良い年であることを祈願したい」と願った。
 今年初めて参加した湧川農さん(20)は、神酒を作るブシャ座に入り先輩たちの手ほどきを受けて祭りの準備。「おいしい神酒が出来上がった。無事に本番を迎えることができて安心している。小さいころから見てはいたが、実際に参加することができてうれしい」と喜びを話した。
 スツウプナカは多良間村の指定無形文化財。祭りの準備、支度、進行すべてを男性が取り仕切る。ナガシガー、フダヤー、パイジュニ、アレーキの四つの祭場があり、魚料理や神酒を供え豊年を祈願する。各祭場ごとに漁や水揚げした魚を料理する担当、神酒作り、幹事など担当班があり祭りの準備を行う。

 写真説明・「ヒーヤ、ヤッカ、ヤッカ」のはやしに合わせて神酒を回し飲む男性たち=9日午前零時ごろ、塩川にあるパイジュニの祭場

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城辺町吉野・道路規制は危険防止の「道路法適用」

駐車料金は管理運営費に

 城辺町の観光名所・吉野海岸へ下りる町道の車両通行を規制し、1部地元の利用者から「公共道路を規制できるのか」などの指摘を受けている同町(仲間克町長)は9日までに、規制は危険防止の措置で「道路法(第46条)の適用」と判断した。また駐車料金として500円を徴収し、その使途が不明瞭だとする指摘に対しては管理運営受託者の人件費をはじめトイレやシャワーの水道および電気の料金、さらには海岸清掃など同海岸全体の管理運営費であることを明確に定める方針だ。
 吉野海岸へ下りる町道は一周道路から入って40―50メートル付近で遮断されており、車両で訪れた利用者は町道沿いの駐車場に誘導され、駐車料金として500円を支払わなければならない。海岸へ下りる際にはシャトルバスを利用できる。
 町道の車両通行規制および駐車料金の徴収は先月末のゴールデンウイーク前にスタートしているが、多くの観光客が理解を示す半面、1部の地元利用者からは「公共道路を規制できるのか」「駐車料の500円はどのように使うのか」などと不満の声が上がっていた。
 これらの声と、数件の問い合わせに応えるために町はこの件について再考した。その結果、8日の課長会議で規制は道路法の適用であり、駐車料金として徴収している500円は管理運営費として明確に定めることを確認した。
 道路法第46条によると、道路管理者は道路の破損や欠壊、その他の事由で交通が危険であると認められる場合は「交通の危険を防止するため区間を定めて道路の通行を禁止し、または制限することができる」と定められている。町は同法の適用を主張しており、海岸までの道路を整備する前に発生していた車両の接触事故などを挙げ「大きな事故につながる前の措置」としている。
 同海岸へ下りる道路の整備工事は今年に入ってから行われた。凸凹していた道路を舗装したほか、排水路も設置、同時に一周道路付近に駐車場を整備した。舗装された道路は整備前、車両の接触事故が発生するなどその危険性が各方面から指摘されていた。

 写真説明・一周道路付近に整備された駐車場。吉野海岸への通行を規制しているため利用者は500円を支払って駐車している=城辺町吉野地区

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平良市民文化祭14日開幕/「平良市」としては最後に

 市町村合併を10月1日に控え、「平良市」としては最後となる「第32回平良市民総合文化祭(一般の部)春の文化祭」(主催・平良市、平良市教育委員会、平良市文化協会)が14、15日の両日、平良市中央公民館などで行われる。市町村合併の関係で、今年秋の文化祭は開催されない見込みとなっているため、従来秋の文化祭で行われていた、写真展、書道展、美術展、郷土史研究会の四部門が春に前倒しされた。また「なりとぅゆんみゃーく方言大会」は6月18日、マティダ市民劇場で開催される。
 平良市役所で9日、主催者による記者会見があり、市教育委員会の久貝勝盛教育長は「市民文化祭は確実に市民権を得て定着しており、楽しみにしている市民が多い。昨年は(2003年の)台風14号の影響で規模を縮小したが、今年は新装した中央公民館で、文化の素晴らしさに触れてほしい」と述べた。
 続いて平良市文化協会の立津精一会長は「市町村合併を控え、春、秋を総合しての最後の文化祭となる。出品される方々の意気旺盛な展示会になると期待している」と強調した。
 同公民館大ホールで行われるのは、「花と緑の園芸展」「書道展」「写真展」「美術展」の4部門。2階研修室では宮古上布を中心とした織物展、和室には茶席が設けられる。このうち園芸展と写真展は審査もあり、15日に表彰式が行われる。
 また将棋大会は2階講座室であり、一般(A級)、中・高校生(B級)、小学生(C級)の3部門で参加者を募る。
 15日は宮古郷土史研究会の仲宗根將二会長が講師を務め、戦後60年の講話と戦跡巡りが行われる。

 写真説明・平良市としては最後となる市民総合文化祭について会見する久貝教育長(右)と立津会長=9日、平良市役所

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