200平成1  曜日

79歳漁師を無事救助/4日ぶり、池間島北東 90キロ海上で

 4日午後5時ごろから漁に出たまま行方が分からなくなっていた平良市松原に住む下地雄三さん(79)が8日午前3時35分ごろ、池間島の北東約90キロの海上で無事、救助された。平良海上保安署によると、下地さんは「3日間、飲まず食わずだった」などと話している。命に別条はないが、軽度の脱水症状を起こしているという。平良港では、4日ぶりに帰った下地さんを家族らが出迎え。涙を流し喜んだ。同署では、同日午後、下地さんの乗っていたサバニを回収。下地さんの回復を待って聞き取り調査を行い、遭難原因を調べる。
 発見、救助したのは別の業務のため那覇から平良港に向けて航行していた第10管区名瀬海上保安本部の巡視艇「いそなみ」(宇野瑞穂船長)の乗組員。航行中、船から1、2キロ離れた地点でサバニに乗った下地さんの懐中電灯の明かりを見つけ、ゴムボートで救出した。
 下地さんは4日午後、来間島で漁を終え、久松漁港に戻る途中で濃い霧のため迷った。5日午前、伊良部町佐良浜漁港で防波堤にいた人に久松漁港の方向を聞き、出港したが、再び迷い、燃料が切れたため漂流したとみられている。
 写真説明(上)・8日、午後0時50分ごろ、平良港池間島北東約90キロの海上で発見され救助される下地さん(中央)=8日未明(平良海上保安署提供)

「無事に帰って来てくれた」家族と抱き合い涙

 同署によると、下地さんは4日午後5時ごろ、長さ7メートルのエンジン付きサバニに乗って久松漁港を出港。来間島沖合で漁をした。
 午後11時ごろになって帰港しようとしたが、海上に霧がかかり、視界が悪く、久松漁港に帰港する目印(灯標)が見えなかったため、付近を探し回った。
 迷っているうち、5日午前7時30分ごろ、伊良部町の佐良浜漁港入り口にたどり着いた。防波堤にいた人に久松漁港の方向を尋ね、出港したが、再び迷い、自分の位置が分からなくなったという。その後、燃料が切れ漂流したとみられる。
 5日午前には、予定時刻を過ぎても帰らないことで家族らが安否を心配し、通報。同署の巡視船や宮古警察署の警備艇、地元の漁船などが海上から、自衛隊などの航空機も空から捜索に当たったが、手掛かりをつかめずにいた。
 サバニに乗った下地さんを池間島の北東約90キロの海上で発見、救助した第10管区名瀬海上保安本部の巡視艇「いそなみ」の宇野瑞穂船長は「海上で小さな明かりが点滅していたが、レーダーに反応しないため不審に思った」と発見当時を振り返り、「ゴムボートで近寄り、名前などを確認したら行方不明の船長と分かった。比較的、元気そうだった」と救助時を説明。
 救助された下地さんは船に搭載されている電話を使い、家族らに無事を知らせた。船ではコップ2杯の水を飲み、バナナを2本食べ、さらに本人の希望で熱いお茶を飲んだという。
 平良港で無事な下地さんの姿を確認し、涙ぐんだ下地さんのおい、高里善市さんは「(下地さんから)『どこ探したの。ありがとう』と声をかけられた。心配したが、思った以上に元気そうでよかった」と話し、手放しで喜んだ。
 同署の調査に対し、下地さんは漂流中、「あめ玉やおにぎり、バナナなどを食べていた」と話す一方で、「3日間、飲まず食わずだった」などとも話しているといい、同署では体力の回復を待って遭難当時の詳しい状況を聞く予定。

 写真説明(下)・4日ぶりに救助され家族と抱き合う下地さん(中央)=8日午前7時30分ごろ、平良港

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祭り準備で活気づく/多良間村きょうスツウプナカ本番

 【多良間で山里勝美記者】 豊作に感謝し向こう1年の五穀豊穣を願う多良間村の豊年祈願祭「スツウプナカ」はきょう9日、祭り本番を迎える。祭りは男性中心に行われ、ナガシガー、フダヤー、パイジュニ、アレーキの4つの祭場に分かれ、それぞれ魚料理や神酒を供え祭りを祝う。前日の8日は、祭りで使う魚の漁や神酒の準備で村は活気づいていた。
 スツウプナカに欠かせない魚の漁を担当する各祭場のイム(海人)座の男性たちは、2日前から海岸に泊まり込み漁に取り掛かった。干潮時を見計らって追い込み漁で魚を捕獲。イラブチャーやカワハギなど色とりどりの魚を水揚げした。今年はどのイム座も大漁に恵まれ、約200キロの魚が取れたという。
 料理を担当するクバン座では、イム座が水揚げした魚をさばくのに大わらわ。魚を丁寧におろし、祭場に供える刺し身やかまぼこ、てんぷら作りに精を出していた。
 また、神酒作りを担当するブシャ座では女性たちがふかした芋を臼でつぶし、こうじを混ぜて神酒の準備。最近は人手不足から男性だけだった祭りにも女性が加わるようになったという。祭りではこの神酒をツヌジャラ(角皿)と呼ばれる器に入れ「ヒーヤ、ヤッカヤッカ」のはやしに合わせて回し飲みする。

 写真説明・イム座が水揚げした魚をさばくクバン座の男性たち。1日中かけて祭場に供える刺し身やかまぼこ、てんぷら作りに精を出す=8日、多良間村内のナガシガーのクバン座

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「ゴーヤーの日」キャンペーン/ドイツ文化村
 

 宮古産ゴーヤーを広くPRしようと「ゴーヤーの日」の8日、上野村うえのドイツ文化村で宮古地区ゴーヤーの日キャンペーン(主催・同キャンペーン実行委員会)が開催され、ゴーヤーの販売や関連商品の試食・試飲会ほか農産物販売などでにぎわいを見せた。会場には親子連れなどが多数来場し、ヘルシーで栄養価が高いと言われるゴーヤー商品の数々を買い求めていた。生産者を含む実行委員会のメンバーは「これだけのお客さんが来場してくれて本当に満足。これから生産拡大、産地形成に向けてさらに努力したい」と決意を新たにした。
 キャンペーンは午前9時30分のセレモニーで開会。はじめにあいさつした実行委の下地隆弘委員長(JAおきなわ宮古地区事業本部長)は「今回のキャンペーンは宮古産ゴーヤーを発信することと、生産拡大および産地形成を図ることが目的。生産農家や関係者の皆さんには宮古産ゴーヤーを思う存分アピールするとともに、産地づくりと生産拡大の弾みにしてほしい」と呼び掛けた。
 続いて県宮古支庁の兼城克夫支庁長、上野村の川田正一村長が生産農家らを激励。同村立の保育所に通う園児たちはゴーヤーにちなんだ踊りを披露して会場を沸かせた。
 キャンペーン開会宣言が行われると会場は大にぎわい。特にゴーヤー販売会場は1キロ100円という安値とあって大勢の買い物客でごった返した。約500キロ準備されたゴーヤーは1時間も経たないうちに完売し、人気の高さをうかがわせた。
 会場には「お楽しみコーナー」も設置され、ゴーヤーの重量当てクイズには大勢の親子連れが挑戦し楽しんでいた。
 このキャンペーンは昨年まで、JAおきなわ宮古地区事業本部で開催されてきたが、今年は上野村の要望により初めてドイツ文化村で実施された。川田村長は「ドイツ村では現在、鯉のぼりフェストが開催されているので多くのお客さんに来場してもらおうと、ドイツ村での開催を要望した。これだけのお客さんが来場してくれたことに感謝したい。今後もゴーヤー生産を伸ばしていきたい」などと話していた。

 写真説明・500キロ準備されたゴーヤーは1時間弱で完売、人気の高さをうかがわせた=8日、上野村のうえのドイツ文化村

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葉タバコ、畜産が好調/03年農業粗生産額

 宮古地区における2003年農業粗生産額(概算)が前年比7億4000万円増の144億8000万円であることが県宮古支庁(兼城克夫支庁長)のまとめで分かった。葉タバコと畜産の好調ぶりが全体の粗生産額を増加させているが、基幹作物のサトウキビや野菜、イモ類は減少している。減少要因は台風や干ばつなどの自然災害の影響が大きい。県宮古支庁など関係機関では地下ダムによる水利用農業の展開に期待しながらも、農業就業者の高齢化や後継者の減少を懸念している。
 03年農業粗生産額の構成割合をみるとサトウキビが全体の40・5%を占める。次いで肉用牛の21・9九%、葉タバコの21・7%。ほか野菜8・4%、果実4・1%などと続く。
 前年に比べ粗生産額が増加した葉タバコの実績は生産量1611トンで販売額は31億3500万円で前年比19%の伸び。肉用牛が主体の畜産は粗生産額34億7000万円となっている。
 一方、粗生産額が減少したサトウキビの生産量は27万8819トン(03―04年産)で前年比3930トン減少した。反収も前年比362キロ減の6365キロとなった。農家の高齢化、後継者不足を裏付けるように生産農家戸数は前年より112戸少ない4694戸となっている。
 野菜類の収穫量は4428トンで粗生産額は12億1千万円。収穫量では0・9%減少しているが生産額は22・2%増加。島外への出荷状況(JA取り扱い)をみると出荷量は1378トンで、出荷額にすると3億8000万円。内訳は金額の多い順に▽ニガウリ275トン(金額1億5千万円)▽トウガン754トン(同1億四1500万円)▽カボチャ216トン同5千万円)―。
 果樹類は厳しい結果となった。96年から生産量が大幅に伸びたマンゴーだが、03年産は栽培面積が37ヘクタール(前年比22・1%減)、生産量が258トン(同24・3%減)とそれぞれ大幅に減少している。

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ゴールデンウィーク「いっぱい遊んだよ」/

「母の日」で最後の休日満喫

 4月29日から最大で10連休の人もいたというゴールデンウイークも8日が最終日。天候にもほぼ恵まれ、「母の日」も重なった同日、親子連れなどが行楽地を訪れ、大型連休最後の日曜日を満喫した。
 このうち「鯉のぼりフェスト2005」が開催されている上野村のうえのドイツ文化村も、家族連れでにぎわいを見せた。父親とキャッチボールをする親子や、友達同士で遊具で遊ぶ子供たちなど、思い思いに楽しんでいる様子だった。
 平良市から遊びに来た与那覇真凛ちゃん(7つ)、璃里ちゃん(3つ)姉妹は「(ゴールデンウイークは)いっぱい遊べてとても楽しかった」と満面の笑み。「ゴールデンウイーク期間中はずっと仕事だった」と言う母親の早苗さんは「やっと休みの日が来た。子供たちと一緒に来られて良かった」と、ほっとした様子で話していた。
 一方、宮古で連休を楽しんだ人たちのUターンは5日の「こどもの日」にピークを迎えたため、8日は混雑は見られなかった。

 写真説明・遊具で遊び、笑顔を見せる親子=8日、うえのドイツ文化村

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