200平成1  4 28曜日

伊架橋の早期着工など県に要望/05年度市町村行政連絡会議

 【那覇支局】2005年度県・市町村行政連絡会議が27日、那覇市内の自治会館で開かれ、各地域から出された要望事項について、県の回答を得た。宮古地区は伊良部架橋の早期着工や電線類地中化の整備促進などを要望。同2項目について県は、積極的に進めていく方針を示した。
 同会には宮古をはじめ県内の各市町村長、議会議長らが出席した。
 稲嶺恵一知事はあいさつで「05年度は、沖縄振興計画に基づく県づくりが4年目を迎え、第2次の分野別計画がスタートする。第1次の成果を踏まえ、経済自立の芽を大きく成長させる年にしたい」と述べ、具体的に離島振興や産業振興、雇用の確保などに尽くす考えを表明した。
 共通要望事項で、「離島航空運賃の引き下げ」について県は運航費補助制度の維持・拡充を骨子とする「離島空路整備法(仮称)」の制定を国に要請していく、とした。
 宮古地区の伊良部架橋早期着工の要望には「05年度は橋梁実施設計と用地買収、漁業補償、工事用道路整備に着手する予定」とスケジュールを示し、実現に向け行政との連携や住民の協力の必要性を強調した。
 電線地中化には「災害に強い街づくりの観点から積極的に推進していく」と回答。「県立宮古病院の早期移転」に対し「同病院の役割、機能および診療体制の方向性などの検討を進めているところ」、池間湿原における野鳥観察兼水鳥センターの設置には「平良市の池間湿原整備計画と整合性を図るなど、地域と協力して対応していきたい」とそれぞれ話した。
 宮古地区からはほかに、▽地下水に関する法整備▽下地島空港周辺県有地における企業誘致の推進▽新エネルギー導入事業に対する財政支援▽県営広域公園の整備促進―などの要望も出された。

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家賃滞納者10人を提訴/平良市・計1500万円の支払い求める

 平良市(伊志嶺亮市長)は先月14日までに、市営住宅に入居しながら家賃を支払わない悪質な滞納者10人に対し、総額1500万円の家賃支払いと住宅の明け渡しを求める訴えを那覇地方裁判所平良支部に起こした。管理する都市計画課の与那嶺大課長は「ほとんどの住民がきちんと支払う中で、滞納者というのは特殊。放置すればそのまま増える可能性がある。支払いは当然のこと」として、初めて滞納者の提訴に踏み切った。同課では、今後も悪質な滞納者に対し、強い姿勢を崩さない構え。第1回口頭弁論は来月12日。
 昨年4月に財政非常事態克服実践本部を設置した同市は、滞納税や使用料などの徴収率向上に努めてきた。市営住宅の家賃もその1つ。
 昨年12月議会の時点では、17人で総額2300万円余について提訴する予定だったが、これ以降、7人が誓約書を書き、一括、分割による支払いに応じた。このため今回提訴に至ったのは、10人分で総額1500万円余。滞納者は最長で6年9カ月、最高額は約219万円。都市計画課では「入居の時点で支払い能力はあると判断している。提訴された人は、支払い能力がありながらその意思が見られず非常に悪質。このような措置を講ぜざるを得なかった」と説明。滞納者が退去して、支払い能力のある市民が入居することが、状況の好転につながるとの考えも示した。
 また「仮にやむを得ない事情が生じた場合でも、家賃をためてしまうと支払いが困難になる。住宅に関すること、生活に関することなど、解決策を模索できるはず」として、膨大な滞納に至る以前の早めの相談を呼び掛けた。

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伊良部漁協の訴え棄却/ダイビング訴訟・

業者らへの損害賠償支払い命じる

 【那覇支局】宮古島海域におけるスキューバダイビングをめぐり伊良部町漁業協同組合(奥原隆治組合長)など原告が漁業権を侵害されたとして損害賠償を請求したのに対し、ニー・ヨン・ノース(渡真利将博代表)などダイビング業者ら被告が逆に営業を妨害されたとして損害賠償を求め争った事件の判決が27日、那覇地方裁判所であった。西井和徒裁判長は原告漁協側の請求を棄却し、被告ダイビング業者側の全面勝訴となった。原告側は判決を不服とし控訴する方針だ。
 判決の主文は▽被告側はダイビング事業に関し受忍料、迷惑料またはそれらに類する協力金などの名目による金銭債務を負担していない▽原告らはダイビングに関する業務を妨害してはならない▽原告らは被告13人に総額655万円を支払うこと―なども言い渡した。
 原告は伊良部町漁協とその理事ら4人。被告はニイ・ヨン・ノースと宮古島ダイビング事業組合に所属する業者12人。
 原告側は無秩序なダイビング業務の実施によって漁業者の採捕が現実に妨害を受けている行為は漁業権侵害にあたるなどとして総額2700万円の損害賠償を請求。これに対し被告は、年末年始の観光ダイビング客集中期を狙ってダイビング事業者らに対し威力による業務妨害を行ったなどとして、総額約3700万円を請求していた。
 西井裁判長は争点の漁業権について「漁業権は漁場という特定水面において特定の漁業を独占的、排他的に営み、利益を享受する権利、すなわち漁業を営む権利にすぎず、直接に水面を支配しまたは占有する権利ではない」と判断。原告の被告らに対する請求は、理由がないと結論付けた。
 同判決に奥原組合長は「何をしようとものを言うなという判決」と不満を見せた。
 渡真利代表は「今回の判決も従来と同じような内容。金額については不満。今度のゴールデンウイーク期間中に妨害行為があれば、2001年から05年までの分の損害賠償を求める新たな訴訟を起こす」と話した。

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子供たちに大サービス/GWに11施設が優待料金

 きょう28日から5月11日までは、宮古地区の児童福祉週間(全国では5月5日から同11日まで)。宮古福祉保健所福祉課(西里博吉課長)は同週間を控えた27日、週間中の関連行事や各施設の児童・生徒優遇措置状況を発表した。期間中、入場料の割り引きなど子供たちへの優待を行う施設は11カ所。同課では、多数の利用を呼び掛けている。
 児童福祉週間は、子供の健やかな成長を図るため、地域、学校、企業、行政が一体となって児童福祉に関する啓発活動を行うことが目的。今年は「ちがうみんな ちがう夢 おんなじ大きな未来」を全国統一標語に掲げ、「こどもの日」の5月5日から1週間展開されるが、宮古地区ではゴールデンウイーク期間を有効活用してもらおうと、きょう28日から開始される。
 週間中、子供の優待料金を設定するレクリエーション施設は、▽宮古ボウリング場▽スポーツアカデミー宮古島▽うえのドイツ文化村▽みやこパラダイス▽保良川ビーチ▽宮古島海宝館▽東平安名埼灯台▽ユートピアファーム▽平良市総合博物館▽佐良浜スポーツセンター▽B&G海洋センター―の11カ所。
 宮古ボウリングセンターやうえのドイツ文化村(博愛記念館、キンダーハウス、水中展望船)、保良川ビーチなどは、中学生以下を対象に半額料金となっているほか、施設によっては無料開放を設けている。実施期間が異なる場合もあるため、同課では「お出掛けの際は確認を」と呼び掛けている。
 また、昨年に大阪府で起きた回転遊具の事故や、今月上旬に鹿児島県の防空ごう跡で中学生4人が死亡した事故などを受け、各市町村の社会福祉協議会では子供の遊び場点検も実施する予定になっている。


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渡久山さん(平良市)が受章/春の褒章・藍綬褒章

 政府は28日付けで2005年春の褒章受章者を発表した。29日に発令される。沖縄関係者は13人で、このうち宮古関係者は、渡久山秀世さんが藍綬褒章・更生保護功績を受賞する。
 「これまで支えてくれた妻に感謝したい」。開口一番、受章の喜びをそう語った渡久山秀世さん(71)。20年以上にわたる保護司としての活動を支援した、妻のキヨさんに深く感謝する。
 1980年、当時の宮古保護区保護司会会長から推薦され、保護司となる。犯罪という過ちを犯した人と向き合い、再び同じ過ちを繰り返さぬよう更生のため指導することが職務。保護対象者と信頼関係を築き上げ、「一緒に学ぶ」ことを信念とし、職務に励んだ。
 保護司としての責任の重さから挫折しそうになったこともあるという。それでも、「引き受けた以上は立派にやり通すべき」というキヨさんの励ましもあり、職務を全うした。受章を機に、今後も活動に全力を注ぐ。
 夢は「犯罪のない、住みよい宮古島をつくること」―。座右の銘でもある、「誠心誠意」を胸に秘め、持ち前の責任感で夢実現に向け全力で保護司としての活動に取り組む。
 渡久山 秀世(とくやま・ひでよ) 1933(昭和8)年生まれ。平良市西原出身。55年に西辺学区青年会会長、西原防犯団団長、58年に西辺消防団員、65年同分団長、76年宮古郡農協理事、77年西原部落自治会長、平良市民生委員など多岐にわたり活躍。80年に保護司となる。現在も保護司のほか、シルバー交通安全指導員など地域のため活動を続ける。妻のキヨさんとの間に1男1女。孫3人、ひ孫2人。

 写真説明・藍綬褒章(更生保護功績)を受章した渡久山さん=平良市西原の自宅で

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トゥリバーへの通行便利に/臨港道路マリーナ線が開通

 平良市(伊志嶺亮市長)が整備を進めるトゥリバー地区埋め立て地へのアクセス道路となる「臨港道路マリーナ線」が27日までに開通した。総延長はトゥリバー地区内マリーナまでの1500メートル、幅員は24メートル。国道390号バイパスからトゥリバー地区への通行が便利になる。
 トゥリバー地区では、道路や施設などの整備が着々と進んでいる。同市港湾課では、南側のビーチと、それに付随するシャワーやトイレなどの海水浴施設を6月以降をめどに供用開始させたい考えで、同線開通によって、多くの利用者が見込まれる。また、整備が進められることで、懸案となっている同地区の土地売却に追い風になることが期待される。
 6月11日には同地区特設ステージで県内外のビッグバンドが出演する「ミヤコ・アイランド・ロック・フェスティバル2005」で4000人の動員が見込まれており、同地区のアピールになりそうだ。
 1993年度から整備が進められた同線は、国道390号バイパスからの進入部付近を除く大半は早い時期に整備が済んでいたが、同バイパスと同線を結ぶ地点の用地交渉が難航。今年3月末に完成にこぎつけた。

 写真説明・このほど開通した臨港道路マリーナ線。写真右奥がトゥリバー地区。手前は国道390号バイパス=27日、平良市下里

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