200平成1  4 22曜日

「契約違反」で処分命じる/葉タバコ水増し栽培

 豊作が期待されている今期葉タバコが、生産農家自らの手によって大量に引き抜かれたりしていることが21日までに分かった。農家の水増し栽培が原因で、日本たばこ産業(JT)平良原料事務所が契約栽培を守るよう命じたためだ。葉タバコはJTと農家の契約栽培で成り立っているが、関係者によると多くの農家が契約分よりも多く栽培しており、今期に限っては2ヘクタール以上も水増しして栽培している農家もいるという。今回分かった葉タバコの大量処分により農家の水増し栽培の実態が明るみに出たほか、処分に伴う収益減は免れない状況となっている。
 葉タバコを引き抜く作業は今月10日から17日にかけて集中して行われたとみられる。契約栽培を守らなければ契約を解除することや、畑の調査を行うことをJTが全農家に通知したためだ。
 この通知を受けて、多くの農家が水増しして栽培した葉タバコを引き抜いたり、刈り取ったりする作業を開始した。すでに収穫作業に入っている農家もいたが、この作業を優先させた。ただ、水増し分を調べるために葉タバコの本数を数え、それを1本1本引き抜くという膨大な作業量に手が足りず、急きょアルバイトを雇って午後八時まで作業に追われた農家もいたという。これらの作業により、マルチの長さがそろわないいびつな葉タバコ畑が宮古各地で見受けられる。
 水増し栽培の現状把握についてJT平良原料事務所は、植え付け時期の機械の調整などで本数を多く植え付けてしまう農家がいることを挙げたが「契約は守られているものと認識している」とし、栽培は生産農家との信頼関係で成り立っていることなどを説明した。

 写真説明・水増し分の葉タバコが引き抜かれた畑=宮古本島内

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生産農家600人が結束固める/さとうきび増産総決起大会

 宮古地区さとうきび増産総決起大会(主催・宮古地区農業振興会、宮古市町村会)が21日、JAおきなわ宮古地区事業本部で行われ、関係機関や生産農家約600人が今期生産目標の31万2000トン達成へ向け結束を固めた。大会では栽培管理の強化や病害虫防除、防風林植え付けなどの取り組み強化へ向けた大会決議文やスローガン、大会宣言を採択。ガンバロー三唱で気勢を上げ、目標達成へ一致団結した。今期は昨年の不足の巻き返しを目指し、反収7・2トン以上、糖度14度以上を目標に掲げている。
 宮古地区では、一昨年の台風14号や昨年相次いで襲来した台風の影響でサトウキビの収量、品質ともに著しく減少。昨年の生産量は21万7000トンにとどまり、当初予想を大幅に下回った。また、2007年産からサトウキビの最低生産者価格が廃止される方向が示されていることなどから、生産回復と品質向上へ向けての一層の取り組みが求められている。
 大会であいさつに立った宮古地区農業振興会長の伊志嶺亮平良市長は「昨年は品質、量ともにまれに見る不作だったが、改めて栽培方法を見つめ直す絶好の機会でもある。関係者一同が一体となり的確な取り組みを行うことが増産にもつながる。アララガマ魂を発揮し、31万2000トンに必達することを祈念する」と述べた。
 決意表明では、兼濱朝徳多良間村長や豊農産(平良市)の辺土名豊一代表、城辺町さとうきび生産組合の宮国明男組合長が「大会を契機に努力を重ね、目標達成のため増産に励む」などとする決意表明を述べ、取り組み強化に意気込みを見せた。
 また、大会スローガンとして▽生産目標31万2000トンを必達しよう▽徹底した土づくりを行い、反収7・2トン以上・糖度14度以上を必達しよう―など5項目を全会一致で採択した。
 このほか、稲嶺恵一知事(代読)、県農業協同組合中央会の大城惟宏会長、同組合代表理事の赤嶺勇理事長も激励のあいさつを行い、エールを送った。
 この中で大城会長は「サトウキビの生産者最低価格が廃止される方向で話が進められているがこれに替わる経営対策も検討されている。心配せず安心して目標達成へ向け取り組んでほしい」と呼び掛けた。

■ 宮古地区さとうきび増産総決起大会大会決議
 平成17年産におけるさとうきびの生産量は、一昨年の台風14号および昨年は6回もの台風襲来を受け、折損による反収減や土壌害虫の多発による品質劣化など、質・量とも最悪となりましたが、次期対策について関係機関が取り組み強化を図っているところである。
 また、来期に向けて今後は充分なる栽培管理を行い、耕畜連携による土づくりや欠株対策による収穫茎の増大および病害虫防除による健全茎の確保や防風林の植え付けなど徹底した対策を行う必要がある。
 今後は生産農家をはじめ関係機関が一体となった取り組みを行い、平成17年産の生産目標31万2000トンの必達を図るために「反収7・2トン以上 糖度14度以上」の運動を強力に展開する。
                     平成17年4月21日
                     宮古地区さとうきび増産総決起大会

 写真説明・ガンバロー三唱で気勢を上げ、今期目標生産量の31万2千d達成を誓った=21日、JAおきなわ宮古地区事業本部大研修室

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3漁協、妥結のめど立たず/伊架橋補償金問題

 伊良部架橋着工に向け漁業権の一部抹消に伴う漁業補償金問題で、3漁業協同組合(平良市、伊良部町、池間)がそろって交渉する動きが無く、来年度予算の概算要求が危うくなっている。21日、県宮古支庁が発表した「漁業補償交渉における課題整理」では、県側と3漁協それぞれの意見が食い違い、6月までの漁業補償金妥結は厳しい情勢だ。1974年に当時の伊良部村長が沖縄開発庁長官に架橋を要請して31年。以来、宮古郡民を網羅した早期着工要請を県や国に展開。最終の詰めの段階に入った今、漁業補償交渉が進展しておらず事態は深刻になっている。
 漁業補償金については、3漁協が足並みをそろえて県側と交渉するもの。漁業権が設定されている共同漁業権は3漁協で共有しているからだ。
 3漁協の足並みが乱れたのは、先月30日に開かれた第4回漁業補償交渉委員会から。3漁協の委員らは、県側が最終提示した漁業補償金5010万円に金額が少ないと不満を漏らす。こうした中、伊良部漁協の交渉員の奥原隆治組合長が同漁協単独の取り分として15億7000万円を逆提示。県側が示した補償金額の31倍もの要求額だった。同漁協の単独逆提出に、平良市、池間の2漁協の委員らは一斉に反発。2漁協とも「単独で要望額を提出したい」と姿勢を一転させた。県側は「単独の交渉は認めない。最終提示額の増額は無い」と理解を求めた。
 3漁協間の対立はさらに激化する。先月31日、平良市漁協で3漁協の組合長が漁業補償金について話し合った。
 奥原組合長は「伊良部架橋地点で漁業を営んでいない平良市と池間の2つの漁協は補償金をもらう権利がない」と主張。これに対して、上原正行平良市漁協組合長と与那嶺昭夫池間漁協組合長は「今後の漁業交渉には参加しない」と猛反発し態度を硬化させた。
 その後、漁業補償金問題は、3漁協で分ける配分率問題へ発展。配分率は補償額が妥結してから3漁協で協議して決めるもの。
 水面下では補償金配分率ついて、平良市漁協が「3分の1」、伊良部漁協は「3分の1はのめない。もっと取る」、池間漁協が「3分の1以上の上積み」などと主張し、互いに譲る気配がない。
 県側は漁業補償金が妥結する前に配分率を持ち掛けられ首をかしげる。「補償金配分は3漁協の内部の問題。その前に補償金の妥結を」と説得を続ける。
 奥原組合長は、伊良部漁民が橋が架かる地点の漁場で操業している実態を強調。その上で、「平良市と池間の漁協は操業の実態がないから補償金の配分は取るな」と発言。この発言に対し、平良市と池間2漁協の役員らは、次回(5回)からの交渉委員会には不参加の姿勢を見せている。
 第5回漁業補償交渉委員会の開催めどは立っておらず、このままいくと架橋の本格的な着工は1年遅れるとの観測も流れている。

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大会収益金を贈呈/連合沖縄宮古地協チャリティーG

 連合沖縄宮古地域協議会(下地博盛議長)は21日、平良市の青潮園で、宮古身体障害者連合会(池間太郎会長)に金一封を贈呈した。
 同協議会は去年の12月24日に、チャリティーゴルフ大会を開催(参加者72人)、その収益金の1部を松堂成好議長代理らが池間会長に手渡した。
 松堂議長代理は「社会に貢献できうれしく思う。身障者のために役立ててほしい」とあいさつした。
 これを受けて池間会長は「島外で行われる身障者スポーツ大会など、選手全員を参加させるのも厳しい状況。みなさんからの寄付は本当にありがたい」と感謝した。

 写真説明・松堂議長代理(左から2番目)らが、池間会長(左)に寄付金を手渡した=21日、平良市の青潮園

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ゴルフマナー向上を/りゅうせき・砂川さんがルール本寄贈

 りゅうせきネットワーク統括支店長の砂川恵助さんは20日、上野村内の千代田カントリークラブで、宮古ゴルフ協会ジュニアクラブのメンバーらにゴルフのルールブックを贈呈した。砂川さんは「基礎から学んでルールの知識やマナーを身に付け、素晴らしいプレーヤーになって」と激励し、18人の会員に1冊ずつ贈った。
 贈呈したのは、日本ゴルフ協会が監修する「実践ゴルフルール」(チクマ秀版社)。マナーとエチケット、用語の定義、新ルールなどがイラスト入りで分かりやすく説明されている。同社の地域還元の一環として行った。
 砂川さんは、3月に開催された第1回全国ジュニアゴルフ選手権宮古島大会の競技委員長を務め、宮古のジュニア選手たちに対する、さらなるマナー教育の必要性を実感したという。砂川さんは「しっかり勉強して5月に行われる高校総体ゴルフの部県予選でも頑張ってほしい」と期待した。
 ジュニアを代表して友利昭成君(15)は「これからもいろいろな大会が控えているので、マナー向上に努めたい。ありがとうございました」と感謝した。

 写真説明・マナー向上を期待し、ゴルフのルールブックを宮古ゴルフ協会ジュニアクラブに寄贈する砂川さん(前列左から2人目)=20日、千代田カントリークラブ

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