200平成1  4 13曜日

堆肥(たいひ)舎整備78・9%/県内最低の整備率

 昨年11月1日から家畜排せつ物法が本格施行され、対象の農家に家畜排せつ物管理施設(堆肥舎)の整備が義務付けられているが、宮古地区における整備率は今年2月末現在78・9%(簡易対応を含めると85・4%)で、全体の2割の農家が未整備のままだ。県内南部、中部、北部、宮古、八重山の中で最低の整備率。県宮古家畜保健衛生所の松川善昌所長は「環境保全の観点からも整備は必要なこと。堆肥舎を整備して資源(排せつ物)を有効に活用してほしい」などと強調した。同所は巡回指導を徹底し、未整備農家に早期整備を促す方針だ。
 同所のまとめで市町村別の堆肥舎整備率は▽平良市72・3%▽城辺町73・1%▽下地町100%▽上野村90%▽伊良部町80%▽多良間村77・2%―。下地町と上野村は県平均の80・4%以上だが、全体の整備率は県内他地区に比べると低い。
 宮古地区の整備率が低い要因について同所の松川所長は「小規模経営の農家が多いためではないか」と分析。本島や八重山地区と違い、宮古地区には大規模経営の畜産農家が少数で、そのほとんどがキビや園芸作物との複合経営だ。このため堆肥舎整備の資金投入を渋る農家が多いという。
 ただ、松川所長は「整備は必要。野積みは雨のときに地下浸透して地下水汚染にもつながる。堆肥舎を的確に整備し、良い畜産経営を心掛けてほしい」と話した。
 同所は今後、完全整備に向けて堆肥舎整備の二分の一補助付きリース事業など国の補助をはじめ県、市町村単独の補助事業の活用を促していく方針だ。松川所長は「相談にはいつでも応じるので気軽に問い合わせてほしい」と呼び掛けている。
 1999年11月に施行された家畜排せつ物法は5年間の準備期間を経て昨年11月から本格施行に移った。県宮古家畜保健衛生所をはじめ、JAおきなわ宮古地区事業本部、市町村、宮古農業改良普及センターなどは99年の法施行の段階から堆肥舎を整備するよう農家に対する巡回指導を実施してきた。
 家畜排せつ物法 家畜排せつ物の野積みや素堀りなど不適切な管理を禁じ、その有効利用を促進するための法。地下に汚染水が浸透しないよう管理施設(堆肥舎)の整備が義務付けられている。

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準備作業大詰め/トライムード徐々に高まる

  第21回全日本トライアスロン宮古島大会(主催・宮古広域圏事務組合など)を17日に控え、島の一大スポーツイベントへの開催準備が大詰めを迎えている。12日夕には、大会事務局のスタッフらがIDカードなど選手に支給する品々を袋に詰め、選手らの来島に備えていた。
 支給品を入れた袋は1500個を用意。レースナンバーやスイムキャップ、連絡事項資料などの必需品を約20人のスタッフが入れ忘れのないように気を配りながら次々に詰め、袋の山を作っていた。きょう13日からは有力選手らも続々と来島する予定で、用意された支給品袋は、14、15の両日に平良市総合体育館で行われる選手登録受け付け時におのおの配布される。
 島内各地では、大会開催へ向けて住民らが積極的に屋外の清掃活動に精を出したり、歓迎や応援のメッセージを掲げた横断幕が設置されるなど、次第にトライアスロンムードが高まっている。縁の下で大会を支えるボランティアメンバーらも、それぞれの持ち場でスムーズに運営できるよう、最終確認に余念がない。
 今後大会までは、15日に競技説明会が行われた後、夜には開会式・ワイドーパーティーが開かれ、本番モードに突入、16日には選手のバイク預託などが行われる。

 写真説明・選手支給品の袋詰めを行う大会事務局のスタッフら=12日、平良市総合体育館

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D−51が盛り上げ役に/トライ開会式に登場

 15日に平良市総合体育館で行われる第21回全日本トライアスロン宮古島大会(主催・宮古広域圏事務組合など)の開会式に、県出身で人気急上昇中のデュオ、D−51(ディー・ゴー・イチ)が出演することが決まった。
 同大会の特別協賛社、日本トランスオーシャン航空のコマーシャルで、D−51がイメージソングを担当しており、「大会を盛り上げたい」と出演を快諾した。
 開会式には選手と関係者しか参加できないが、同日は宮古テレビの協力で大型テレビジョンを平良市陸上競技場に設置。無料開放する。時間は午後7時から同8時30分まで。
 D−51は、県出身の女優・仲間由紀恵さんが出演したテレビドラマ「ごくせん」の主題歌「NO MORE CRY」で注目を浴び、現在はJTAイメージソング「BELIEVER」も歌うなど活躍の幅を広げている。

 写真説明・開会式に出演するD−51

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浪警報発令時はスイム中止/6・5キロのランに

 17日に開催される第21回全日本トライアスロン宮古島大会(主催・宮古広域圏事務組合など)の競技実施検討委員会が12日、平良市総合体育館で開かれた。大会当日に波浪警報が発令された場合は選手の安全確保を優先し、スイムを中止してラン―バイク―ランのデュアスロン競技を採用することを確認した。デュアスロン競技に変更された場合は、宮古島東急リゾートを発着点に下地町陸上競技場を周回する約6・5キロのコースが設定される。
 スイムを実施するか否かの判断は、大会当日の午前6時45分から開かれる同検討委員会で、気象条件などを調査して行う。暴風、波浪、高潮、大雨の各警報が発令された場合もスイム中止となる。
 デュアスロン競技に変更された場合、選手はスイム計時記録ゲートで出場再登録を行い、午前8時30分から競技を開始。制限時間は同9時20分となっている。
 昨年までの同検討委員会では、スイム中止となった場合は前浜ビーチを折り返す約1・8キロの砂浜ランニングを採用していたが、距離が短いとの指摘や砂浜の狭さから混乱が生じるのでは、などの疑問が上がっており、宮古署などと調整して路上でのコースを設定した。
 伊志嶺亮大会長は「大会は選手の安全が第一。どのようなケースにも対応できるよう協力を」と呼び掛けた。

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ふるさとの若者にエール/座喜味彪好講演会

 平良市出身で、副知事や沖縄電力社長などを務め、現在は同社顧問の座喜味彪好(たけよし)氏(78)=写真=の講演会(主催・宮古青年会議所)が11日夜、沖縄電力宮古支店で行われ、座喜味氏は「宮古(ふるさと)への思い」と題して、熱弁を振るった。座喜味氏は「小さいことはハンディでもあるが、逆にアドバンテージになる場合もある。ハンディを抱えて言い訳にするのではなく、逆手にとって発展に取り組もうとするのが大事だ」と述べるなど、参加した同会議所会員らに力強くエールを送った。
 思春期を宮古で過ごした座喜味氏は「私は宮古が嫌いだった。良い思い出がなく、出て行ったらもう帰ってこないつもりだった」という。しかし、本土で学生生活を送った際、「宮古出身の先輩たちが宮古のためを思って努力し、宮古嫌いの自分をも大事にしてくれる姿に感銘を受けた。今では死ぬまで宮古の人だと言える」と胸を張った。
 宮古を出て活躍した座喜味氏は「沖縄本島の人が宮古の人を評するのは、賢いということ。教育を非常に大事にして、勉強を熱心にするからだ」と述べ、学問の大切さを強調した。
 また「以前の宮古の人は徹底的に議論を戦わせて、これ以上は前に進めない、というときに、一致したところを実行しようとして取り組んできた。しかし今は徹底的に議論して、実行するという部分に欠けているのではないか」と疑問を投げ掛け、真剣に議論して宮古の将来を考えてほしいと訴えた。

 座喜味 彪好(ざきみ・たけよし) 1926(大正15年)4月29日生まれ。78歳。平良市出身。東京大学農学部卒。琉球政府企画統計局主事に始まり、琉球政府企画局参事官、同政府復帰対策室顧問代理補佐官、沖縄開発庁総合事務局農林水産部統計調査課長などを経て、79年県副知事。83年沖縄電力社長、89年同会長。現同社顧問。

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