200平成1  4曜日

官公庁で新年度がスタート/5市町村は最終年度

 新年度のスタートとなった1日、市町村や県、国の出先機関など各官公庁では、人事異動辞令交付式や各首長らによる訓示が行われた。多良間村を除く5市町村では、今年10月1日の「宮古島市」誕生を前にした最終年度に当たり、各首長とも「市町村合併に向け気を引き締めて取り組んでほしい」などと訓示した。
 平良市、城辺町、伊良部町、下地町、上野村の5市町村は、約3年にわたる合併協議を経て、合併特例債などの優遇措置が受けられる「合併特例法」の期限である3月31日に県への合併申請を済ませたばかり。各首長は職員に対し、半年間で各市町村に残された課題に取り組みつつ、市町村合併への取り組みを推進するよう促した。
 このうち平良市では、午前8時45分に伊志嶺亮市長が、庁内放送で訓示を行った。伊志嶺市長は「合併を迎えるまでには、組織・機構をはじめ多くの課題があるが、平良市の枠内にとどまらず、広く圏域としての視野に立って、職員一丸となって乗り越えていかなければならない」と強調。「市町村合併は目的地点ではなく、新しい宮古島をつくっていくスタート地点だという気概を持って業務に取り組んでほしい」と呼び掛けた。
 また、逼迫する財政状況など、同市の現状についても触れ、「昨年度は財政非常事態を宣言し、財政健全化への取り組みを全庁体制で取り組んできた。新年度においても歳出の徹底した抑制に取り組まねばならない。さらなる努力と協力をお願いしたい」と求めた。
 午前九時からは人事異動職員辞令交付式があり、部長級から一般職の順で、伊志嶺市長から職員1人ひとりに辞令が手渡された。激励の言葉を述べた伊志嶺市長は、市町村合併に向けた業務遂行に取り組むよう、重ねて強調した。引き続いて、新採用職員に対しても辞令が交付された。
 同市の今回の移動内容は、部長級3人、課長級15人、補佐・係長級54人など計127人で、異動率は31・6%。

 写真説明・人事異動辞令交付式で伊志嶺市長の訓示に聞き入る職員ら=1日、平良市役所

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取付道路等で6億8000万円/伊架橋今年度事業費

  2005年度の伊良部架橋(県道平良下地島空港線)建設事業に6億8000万円が計上された。橋りょうの基本設計をはじめ、橋りょう取り付け道路の整備工事などを実施する。県は当初、今年度中に海上部分の一部工事を実施する方針を固めていたが、宮古の3漁協との漁業補償交渉が難航していることを踏まえ、今年度中の着手は見送っている。県側は「今年度中に漁業補償問題が解決しなければ、次年度の予算要求はできない」としており、伊良部架橋の早期建設に向け漁業補償の交渉妥結が大きな課題に挙げられている。
 県道路街路課道路整備班によると、伊良部架橋の予算は当初、10億円を要請していた。だが、漁業補償交渉が難航し、たとえ妥結しても埋め立て申請などで膨大な時間を要すため今年度中の工事着手は困難と判断。その後の国との調整で今年度は「最低限」(同班)の予算措置となった。
 今年度予算で行う工事は橋りょうに乗り上げる道路の整備で用地補償交渉を終えて着工する。残りは主に橋りょうの基本設計費に充てられる。伊良部島側の海中道路から宮古本島への約3・5キロ部分の橋りょう設計を行う。
 前年度に引き続き、今年度も橋りょう部分の基本設計費が計上されるなど伊良部架橋の事業化は確定しているが、漁業補償交渉は早期解決を要する大きな課題だ。仮に今年度中の交渉妥結がなければ伊良部架橋事業の存続が危ぶまれ、今年度は県側と漁協側の交渉の行方が注目される。
 伊良部架橋は平良市久貝と伊良部町池間添を結ぶ道路。架橋部の約4キロの長さは瀬戸内海を横断する明石架橋に匹敵し、離島架橋としては国内最長となる。

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FM中継局が放送開始/琉球放送・ラジオ沖縄

 宮古地区中波ラジオ放送受信障害解消事業で設置された伊良部、多良間の両FM中継局が1日から放送を開始した。これにより、琉球放送(RBC)とラジオ沖縄(ROK)がクリアな音声を宮古各地に放送、同日夕には城辺町のジロー楽園でラジオ沖縄の開局記念生放送が行われ、関係者を含む地元住民ら多数が受信障害のないFM放送の開局を喜び合った。
 周波数は琉球放送の伊良部放送中継局(宮古本島を含む)が82・7MHzで、同多良間放送中継局が82・2MHz。ラジオ沖縄の伊良部放送中継局(宮古本島を含む)が84・1MHz、同多良間中継局が83・6MHzとなっている。
 開局初日の1日はジロー楽園でラジオ沖縄の生放送(特番)があり、宮古民謡グループのメンバーらも出演し、FM放送中継局の開局を祝った。
 同ラジオに生出演した砂川次郎さんは「今までほとんど聞けなかったラジオがきれいな音で聞けることに感動している。記念すべき日に出演できてうれしい」と感想。会場で放送を楽しんでいた砂川カニメガさんは「頭の先から足の先まで感激している」と満面の笑みで話していた。
 宮古地区では夜間、外国波の混信で民放中波ラジオ放送の良好な受信が妨げられていた。この受信障害を解消するため2004年度沖縄特別振興対策事業で中波ラジオ放送受信障害解消事業(事業主体・宮古広域圏事務組合)が実施された。同事業によるFM放送中継四局の免許がRBCとROKに付与され、1日の放送開始となった。
 事業主体の宮古広域圏事務組合では、同事業の完了と今回の中継4局の開局を記念して5日午後3時から、ホテル共和で開局記念式典を開く。

 写真説明・FM放送中継局の開局を記念しラジオ沖縄の生放送が行われた=1日、城辺町のジロー楽園

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いよいよ本番モード/トライ事務局が引っ越し

 今月17日に開催される第21回全日本トライアスロン宮古島大会(主催・宮古広域圏事務組合など)まであと2週間余りとなった1日、大会を運営する宮古トライアスロン実行委員会は、宮古広域圏事務組合内にあった事務局を平良市総合体育館2階に移転した。二木哲実行委員長は「引っ越しを終え本番モードに突入した。より安全な大会を目指しスタッフ一丸となって、万全な状態で大会を迎えたい」と決意を述べた。
 午後3時ごろから、移転先となる同体育館に電話機15台、コピー機やパソコン、資料などが次々に運び込まれた。事務局には同組合の職員ら約30人が詰め、大会に関する問い合わせや各種ボランティアとの打ち合わせ、外国人選手やマスコミの対応など行う。
 スイムでは安全対策を新たに強化。スタート直後に選手が混雑する300メートル、450メートル地点に浮きフロート2基を設置し定点監視の力を入れる。また、機動力のあるレスキューボードも10艇増加。22艇で監視・救護活動を行う。二木実行委員長は「県ライフセービング協会からも協力を受け、強力な監視体制がとれる。より安全な大会にしたい。テーマの通りに新たな感動をつくりたい」と大会成功に意気込んだ。
 今週末には各自治会がコースや沿道で清掃活動を行うなど、大会本番に向け島内はトライアスロン一色に包まれる。
 今大会のテーマは「ストロングマン・新たな感動のステージへ」―。地元宮古からは78人(男性70人、女性8人)が出場するほか、海外からはノーバート・フーバー選手(ドイツ)ら52人が12カ国から参加する。

 写真説明・大会本番に向け事務局の移転作業に汗を流す職員ら=1日、平良市総合体育館

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平良港に監視カメラ/国際船舶の安全確保目的

 「海上における人命の安全のための国際条約」(SOLAS条約)の改正に基づき、平良港の第1ふ頭と第2ふ頭で1日、監視カメラや照明などの設備が稼働した。両ふ頭では、「国際航海船舶および国際港湾施設の保安の確保等に関する法律」に基づき昨年7月1日から、▽テロ行為と危険物持ち込みの防止▽国際船舶が出入りするふ頭の安全確保▽国際船舶の安全の確保―を目的に、出入りが制限されている。今回の監視システム稼働で、これらの安全管理がいっそう強化されることになる。
 平良市港湾課によると、監視カメラなどの施設整備は、国際船舶が出入りする国内105港(県内6港)の重要港湾で義務付けられているもの。
 設置された7台の監視カメラは宮古島マリンターミナルビル内で遠隔操作され、画像は24時間態勢で録画され、30日間にわたり保存される。仮に同ふ頭内に不審者などが侵入した場合には、監視カメラによる画像をもとに、宮古警察署や平良海上保安署などと連携して追跡することも可能となっている。
 同課では、「特に空きコンテナを国外に持ち出す場合、そこに不審物が入れられていないか、人が入っていないか、などの管理が重要」と説明し、利用者に対し理解を求めている。
 昨年7月以降、両ふ頭の制限区域内に入場する際には、立ち入り者には立ち入りカード、車両には入構許可証の提示が義務付けられている。
 改正SOLAS条約 船舶や港湾施設において、保安に脅威を与える行動を検知して阻止する措置を世界各国が協調して行うことで、海上輸送システムの安定性・信頼性を維持することを目的としている。04年7月1日発効。

 写真説明・ふ頭や船舶の安全確保などを目的に稼働した監視システム=1日、宮古島マリンターミナル

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保健師2人を採用/伊良部町

 女性保健師2人が先月辞めたことに伴い、伊良部町(浜川健町長)は、新たに保健師2人を採用し1日午前、新城俊さん(24)=糸満市出身=と山本文子さん(26)=東京都出身=に辞令を交付した。同町が男性の保健師を採用したのは今回が初めて。
 交付式で、浜川町長は「伊良部町の福祉向上のために頑張ってください」と激励した。
新城さんは「3月まで県立南部病院で働いていた」と話し「これから地域に飛び込んで、お年寄りたちをガンズゥ(健康)にしたい」と意欲を示した。
山本さんは「宮古に住んでみたいと思っていた。伊良部町のことはまだ分からないので、大勢の住民から素晴らしいことを教えてもらいたい」と語り「健康な暮らしをお手伝いしたい」と意気込む。
 今回の2人の採用で、同町環境保健課の保健師は3人となった。

 写真説明・浜川町長(右)から辞令交付を受けた山本さん(左)と新城さん=1日、伊良部町役場

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