200平成1  4曜日

合併を県に申請/5市町村長・「宮古島市」誕生へ

 【那覇支局】宮古地区5市町村の合併に向け伊志嶺亮平良市長ら5市町村長は31日、稲嶺恵一県知事に合併申請書を提出した。これをもって波乱続きだった地元での合併推進作業は終了。今後6月の県議会決議、国の告示を経て、10月1日に新市「宮古島市」が誕生する。
 申請には、伊志嶺市長、仲間克城辺町長、浜川健伊良部町長、川満省三下地町長、川田正一上野村長が訪れた。砂川佳一、奥平一夫両県議も同行した。
 5市町村長を代表して合併推進協議会長の伊志嶺市長が「紆余(うよ)曲折があったが、このたびまとまり報告に来た。協議期間中、人的、財政的支援をいただき感謝している。これから、みんなでいい宮古島市をつくり上げたい」とあいさつした。
 引き続き、伊志嶺市長が議会決議書や合併協定書などをまとめた申請書を知事に手渡した。
 稲嶺知事は「大変うれしく思う。雨降って地固まるという言葉があるが、今回はこの言葉がぴったり。今後は宮古の発展のため、力を合わせ努力してほしい」と歴史の節目の1歩を祝福。宮古発展に向けては伊良部架橋の実現や農業振興、台風対策に力を尽くす考えを示した。
 砂川、奥平両県議も言葉を述べ、新市発展のための知事の力添えを要望。嘉数昇明副知事は「宮古が1つになると、すごいパワーを発揮できる」と今後に期待した。
 町村長のコメントは次の通り。
仲間城辺町長
 
宮古がまとまり、きょうの日を迎えたことをうれしく思う。今後は宮古島市発展のために力を合わせていきたい。
浜川伊良部町長
 
大変心配を掛けたが、知事の激励を受けきょうの日を迎えた。今後は宮古島市のため一生懸命頑張っていく。
川満下地町長
 
知事の支援で5市町村の枠に入ることができて安心している。知事には特に、新市の農業発展に支援をいただきたい。
川田上野村長
 
『宮古は1つ』が現実味を帯びてきた。このことでは農業・観光振興策が強化され、宮古は間違いなく発展すると思う。

 写真説明・合併申請書の提出後、知事と市町村長らが握手を交わした=31日、県庁知事応接室

top.gif (811 バイト)

現職、兼濱が出馬表明/多良間村長選挙

  任期満了に伴い、6月14日告示、同19日に投開票される多良間村長選挙へ向け、現職の兼濱朝徳氏(55)=写真=は31日、村内の後援会事務所で出馬表明し、2期目への当選に意欲を見せた。兼濱氏は「6団体からの要請を受け後援会や家族とも相談し、決意を固めた。村民の和を第一に、村民の視点に立った行政をしていく」と決意を述べた。会場には多数の支持者が詰め掛け、2期目当選へ向け一致団結を誓い気勢を上げた。同選挙へはすでに元議会議長の下地昌明氏(53)も出馬表明しており、前回同様、現職対新人による一騎打ちの公算が大きくなっている。
 兼濱氏へは、1期目の実績を踏まえ与党議員や多良間村建設新生会、和同会、農業委員、4区長、在沖縄多良間郷友兼濱朝徳後援会の6団体が出馬要請しており、今回の出馬はこうした要請を受けて行った。後援会長には高江洲常功氏が就任した。兼濱氏は「機が熟したため決意を固めた」と話し、「多良間村は合併せず自立を選んだ。財政をしっかり立て直していく」と強調。
 基本政策の柱には▽第一次産業とリンクした観光産業の確立▽特別養護老人施設早期建設など医療の充実▽地下ダム建設実現―などを掲げており、「村民の和をつくることが一番であり大きな目標。情報を提供しガラス張りの政治を行い、村民が主人公の行政運営を行っていきたい」と意気込みを見せた。

top.gif (811 バイト)

40年の歴史に区切り/宮古市町村会

  宮古市町村会(会長・伊志嶺亮平良市長)の職員5人に対し31日、伊志嶺会長から退職辞令が交付された。同会自体は多良間村を除く5市町村が合併するまでの9月いっぱいは存続するが、職員にとっては約40年にわたる同会の歴史の中で、区切りの1日となった。職員は4月1日付で平良市と城辺町にそれぞれ採用される。宮古地区6市町村長による要請活動など同会の業務は、解散する9月末までは平良市に採用される職員が兼務する予定。
 平良市役所で行われた退職辞令交付式では、伊志嶺会長が1人ひとりに辞令を手渡した。職員を代表して古堅宗和事務局長は「宮古市町村会として5人の職員で、宮古の6市町村長と共に、要請活動などに取り組んできたが、今度は合併を目前にして各市町村が一体となって突き進めるよう、職員それぞれが力を出し合っていきたい」と述べた。
 伊志嶺会長は「宮古全域の発展のために、一生懸命になって働いてくれた。皆さんが培った事務能力はこれからも大いに生かされる」と述べ、今後の各職場での活躍に期待を寄せた。
 宮古市町村会は眞栄城徳松市長時代に発足。宮古圏域全体にかかわる事業について、6市町村長と一緒になって取り組んできた。これまでに宮古−東京、大阪間の航空路線直行便の就航や民放テレビの宮古・八重山での同時放映などさまざまな事業の実現に貢献。現在では、着工目前にこぎ着けた伊良部架橋事業や県営宮古広域公園、県立宮古病院移転新築などの要請活動に、6市町村と共に積極的に取り組んでいる。
 辞令交付式の後、職員らは慣れ親しんだ宮古市町村会館に戻り、引っ越し作業に追われた古堅事務局長は「なんだか不思議な感じがする」と感想。「合併までの残された半年でできる仕事にしっかり取り組めるようまだまだ勉強が必要だ」と決意を新たにしていた。
 同会によると、同会の引っ越しで生じる同会館の空室には、老朽化のため旧市民会館を出る団体などの入居が検討されているという。
 退職辞令を受けたのは次の皆さん。(敬称略)
 【事務局長】古堅宗和【係長】▽砂川加代子▽久貝順一【主事】下里盛雄▽平良安史

 写真説明・伊志嶺会長(左)から退職辞令を受け取る宮古市町村会の職員ら=31日、平良市役所

top.gif (811 バイト)

登下校の徒歩推進へ/城辺町・「健康ぐすくべ21」策定

  城辺町(仲間克町長)は31日、健康日本21に基づく「健康ぐすくべ21」を策定した。計画の柱に住民主体の健康づくりを据え、町民1人ひとりの意識向上を図り、生活習慣病の予防対策を徹底する。さらに子供たちの肥満防止策として、児童生徒の登下校で父母らが車で送迎する慣習の見直しを明記、学校と協議しながら児童生徒の徒歩を推進していく方針を確認した。
 同町保健課の池村直記課長は「地域主体の取り組みで町全体が健康になる」と述べ、計画策定に伴う健康対策に期待を込めた。
 計画期間は2005年度から15年度までの10年間。目標には「生涯健康で長生きすること」を掲げており、達成に向けて町民の生活習慣の改善を図りながら生活習慣から起因する疾病を未然に防止し、早世や介護状態に至る町民を減少させるための活動を積極的に推進していく。
 基本方針は▽住民主体の健康づくり▽ヘルスプロモーション(自らの健康をコントロールし改善するための活動方法)▽生活習慣病の一次予防▽目標設定と評価―の4つに決めた。
 大きな事業は糖尿病の減少や児童生徒の肥満防止などで、児童生徒の肥満防止策としては登下校の徒歩を挙げた。計画の策定委によれば、最近の児童生徒は父母が車で送迎するケースが徒歩より多いという。そのため早朝の校門前は多くの車が行き交う危険な状態になることも少なくない。同策定委ではこの現状を改善するために、児童生徒の徒歩を各方面に呼び掛ける方針だ。
 糖尿病防止策では▽外食を減らす▽うす味の調理▽適正飲酒の推進―など食生活の改善を推進するほか、運動のチラシ配布や地域、職場でのスポーツイベントの開催などを促していく。
 健康ぐすくべ21は過去3回の策定委員会を開いて策定。町役場をはじめ保健所、部落会、老人クラブ、婦人会、食生活改善推進員など各方面の関係機関・団体の代表が委員となり、健康づくりについて協議してきた。

top.gif (811 バイト)

琉大合格者12人を先輩らが激励/同窓会宮古支部

  琉球大学同窓会宮古支部(下地康嗣支部長)は3月30日夜、平良市内のレストランで、宮古地区の同大学2005年度入学生に対する激励会を催した。宮古地区の合格者は 全員で12人。
 冒頭、下地支部長は「本人、両親共に喜びでいっぱいだと思う。後輩の皆さんと親好を深め、今後の活躍に大いに期待したいと思い、この場を催した。すでに本島へ出発した人も多いが、合格者全員が充実した大学生活を送るよう願っている」と励まし、同大学の沿革などを説明した。
 合格者らは、駆け付けた先輩らと歓談を交えながら食事を楽しみ、それぞれの抱負や決意を述べた。

 写真説明・琉球大学出身者らがこの春の合格者を激励した=3月30日夜、平良市内のレストラン

top.gif (811 バイト)

航海安全と豊漁を祈願/池間島で「ヒダガンニガイ」

  伝統の神事「ヒダガンニガイ(浜神願い)」が31日午後、平良市池間島で古式に乗っ取って行われた。ツカサンマ(司母)と呼ばれる神女役の女性5人が、旧年中の大漁などに感謝し、向こう1年間の航海安全、豊漁を祈願した。5人がそろって神事を執り行ったのは20年ぶり。
 神事は、地元でナカマグスヒダと呼ばれる砂浜で行われた。上げ潮の時に祈りは始まった。
竜宮の神に向かっての儀式は大きく分けて2回実施された。最初は豚1頭、最後はその豚を解体して煮込んだ料理をそれぞれ供えた。
 ツカサンマらの側では、船主の妻らが神酒や海の幸のごちそうなどを供え手を合わせた。
 この日はツカサンマらの儀式を裏方で支えようと、池間漁協の与那嶺昭夫組合長や漁師ら多数が駆け付けた。豚の料理などを一手に引き受け、円滑な儀式に一役買った。
 池間自治会の玉寄憲作会長は「久しぶりに5人がそろったヒダガンニガイ。島の伝統文化の神事が継承され、さらに島が発展することを期待している」と語り、裏方で活躍した男性らに感謝の意を表していた。

 写真説明・最初の儀式では豚1頭を備えていたヒダガンニガイ=31日、平良市池間島

top.gif (811 バイト)