200平成1  30曜日

新採用の給与 未計上/平良市18人分、予算5000万円

 2005年度の採用試験で21人を合格とし、そのうち18人を4月1日から採用することとなった平良市(伊志嶺亮市長)だが、同年度予算にこの18人分の給与が予算計上されていないことが29日までに分かった。18人分の給与については最低に見積もっても5000万円以上することから逼迫する市の財政状況の中でどのように捻出するか財政課も頭を悩ませている。
 平良市の05年度予算編成では人件費として31億2700万円が計上されている。前年は32億4300万円で前年比では3・6%減となっている。
 今回の21人の合格者発表は異動内示当日の28日だったことから、財政課の職員も新年度にそのうちの18人分の給与が発生することは想定していなかったことから困惑している。
 新たに発生した人件費5000万円をどのように算出するかが課題だが、現在の人件費枠内での調整となれば既存職員の給与にも影響を及ぼしかねないことから職員にも不安が広がっている。
 合併に向け、合併協議会や幹事会ではこれまで合併後の歳出抑制のために既存の自治体でも合併前までにできるだけの取り組みを展開することが確認されている。
 平良市の大量職員採用には市の職員だけでなく協議会の委員らからも疑問の声が上がっている。

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合併に新たな火種/平良市大量採用・4町村から不満続出

 平良市(伊志嶺亮市長)が2005年度の採用試験で21人を合格させ、新年度に大量の18人を採用する方針となったことを受け、緊急の5市町村合併推進協議会幹事会(幹事長・下地敏彦城辺町助役)が29日、同協議会事務局で行われた。市町村長の申し合わせ事項を無視して大量採用に踏み切った平良市に対して4町村から不満の声が相次いだが、下地学平良市助役は採用する方針を示し続け結局、話し合いは物別れとなって四町村は持ち帰って今後の方針について協議することとなった。
 また、平良市も幹事会後の協議で採用見直しを含め、きょう検討することとなったようだ。
 新年度の職員採用については今年1月11日の首長会議で、職員適正化計画の管理定数を基本に「定年退職者については予算計上しない」との申し合わせ事項が確認されている。
 しかし、平良市の今回の大量採用はこの申し合わせ事項を無視したものとなっている。平良市の管理定数は399人で今年度末の退職者予定は12人(定年退職9人)となっている。
 9人の定年退職者分について予算計上しない(補充しない)ということは、管理定数からその分を引いた人数(390人)が採用許容範囲となるが、現職員数392人から退職者12人を引いた380人に、18人を採用することで職員数は398人となり、許容範囲から8人オーバーすることになる。
 幹事会ではこの部分について平良市側の見解を求めた。これについて下地学助役は「他の自治体も裏では同じことをやっている。平良市だけがとやかく言われる問題ではない」「業務に支障を来して住民サービスが低下する可能性があるから採用する」との理由を示した。
 「同じことをやっている」発言に下地幹事長は「そういう言い方は他の自治体に失礼だ」と怒りを表したほか、他の4町村は申し合わせ通りの採用を実施することが報告され、平良市の言い分は他の自治体の理解を得ることはできなかった。
 また、「定年退職者については予算計上しない」との方針であることから、平良市もその分の予算は現段階で計上していない。この点について宮川耕次総務部長は「基金の取り崩しや広域圏事務組合のワイドー基金を取り崩して対応したい」と説明した。
 しかし、申し合わせ事項を無視して採用された人数については新市に引き継がれ、その分の人件費が新市で発生することについても4町村からは不満の声が上がった。 
 結局、会議は物別れとなり会議終了後には郡部自治体の課長らからは「合併崩壊にもつながる」「こんなことが許されるのか」などの声が聞かれ、31日の県申請だけを残した5市町村合併だがここにきて新たな火種が出たことで今後の展開が注目となっている。

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営業企画課を新設/博愛交流セ・ドイツ村の単独採算目指す

 博愛国際交流センターの理事会が29日、上野村のうえのドイツ文化村博愛記念館で開かれ、任期満了に伴う理事長の選任案や2005年度一般会計収支予算、商品開発やイベントの企画を図る営業企画課を新設する組織規定の一部改正についてなど9議案、同意案一件を審議。理事長に川田正一上野村長を再任するなど全議案を全会一致で承認した。
 任期満了に伴い、理事長に川田村長、副理事長に垣花義一同村助役、専務理事に我如古三雄同村企画調整課長の再任を決めた。
 新設される営業企画課は▽商品開発に関すること▽観光客のニーズ把握に関すること▽各施設営業の管理運営に関すること―などを「営業企画係」が担当。▽入館者の接客、案内▽施設の衛生的環境の確保▽ウエディングに関すること―などを受付案内係が受け持つ。
 これらの組織体制変更は同文化村の独立採算を目指し、調査、研究を重ねた「ドイツ文化村自立促進研究会」の「抜本的な組織体制の見直しが必要」とする報告に基づいたもの。
 同センターでは、組織見直しの第一歩と位置付け、現場の組織体制変更に着手した。
 05年度一般会計収支予算は収入、歳出のそれぞれを6239万1000円とするもので、対前年度比512万円の減となっている。

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オトーリの話題満載/「おとーり − 宮古の飲酒法」発刊

  宮古島独自の酒の飲み方であるオトーリについて幅広い分野から書きあげた「おとーり―宮古の飲酒法」がこのほど完成した。由来や概説、社会の動き、思い出などオトーリにまつわるさまざまな話題が掲載されている。発行したのは「ぷからすゆうの会」(平良一男代表)で、オトーリの由来など歴史的背景を伝えることで、島に根付く文化を正しく理解し継承しようと発行に当たった。A5判、全121ページ。ブックボックス宮古店、おきみやイオン店、麻姑山書房で取り扱っている。問い合わせは、ぷからすゆうの会事務局(電話:0980-73-2150)まで。
 同書はぷからすゆうの会の平良代表(県宮古支庁次長)、川満和彦さん(会社役員)、川満勝也さん(地方公務員)が中心となり、昨年8月から準備や取材活動を展開。各市町村を網羅し、オトーリについてまとめた。
 企画・編集に当たった同会の平良代表は「オトーリについては悪いイメージもあり、推進派、反対派などいろいろあるが、オトーリそのものの歴史や文化を正しく伝えたかった。この本をきっかけにオトーリとは何かを改めて考えてもらえればうれしい」と話しPRした。
 「おとーり」は第7章から編成されており、第1章「概説」ではオトーリの始まりや継承された要因について歴史や住民気質などから分析。第2章「基礎」では飲み方、酒器、由来、豆知識を紹介し、オトーリを回す方向の意味や各市町村のバス路線にちなんで付けられたグラスの目分量などについて取り上げている。第3章「社会の動き」では、過去3回にわたり発生したオトーリ廃止運動の様子を紹介。半面、オトーリ前口上大会など前向きに捉え活動を展開している各団体の取り組みも掲載した。第4章「論文」、第5章「思い出」、第6章「提案」、第7章「自由意見」では、執筆者たちが意見・提言し、オトーリにまつわるエピソードを紹介している。

 写真説明(上)・発行に当たったぷからすゆうの会の(左から)川満和彦さん、平良一男代表、川満勝也さん=29日、本社
 写真説明(下)・このほど発刊された「おとーり宮古の飲酒法」

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恩川さん(小3)が中学課程修了/公文英語で県内最小

 下地町川満にある公文式下地教室(下地初子指導者)に通う恩川日向子さん(下地小3年)はこのほど、日本公文教育研究会が実施する英語中学課程修了テストに合格した。今回、英語のテスト合格者では県内最年少。現在は高校課程を学習中で、いずれは高校課程修了を目標に掲げている。
 中学校英語修了課程テストは高校課程を学習している生徒が対象で、2月に平良港マリンターミナルビルで行われた。内容は中学校1年から3年までのレベルで、長文や現在完了形、助動詞など中学校で学ぶ英語が出題された。合格ラインは100点満点中70点以上。恩川さんは78点を取得し、見事合格した。
 今回の合格には「まあまあできたと思う。高校課程は少し難しいけど、英語が一番得意なので勉強して合格できるように頑張りたい」と抱負を語った。母親の美津子さんは「今後も持っているものを生かし、意欲をもって頑張ってくれればうれしい。もっと伸びると思う」と期待を寄せた。
 指導に当たっている下地さんは「小学校低学年で合格するのはまれ」と喜び、「読解力があり、長文もしっかり理解し質問に答えることができる。自学自習する習慣が身に付いているので、能力が高い。よく頑張ってくれた」と評価した。
 恩川さんは幼稚園のころから同教室に通い、毎週2日、英語と数学を学習。小学校1年生の時には英検4級に合格した。

 写真説明・県内最年少で公文の中学英語課程修了テストに合格した恩川さん=28日、公文式下地教室

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