伊良部町議会(友利浩一議長)が18日に行われた本会議で合併否決の判断を下し、5市町村での合併は崩壊したかに思われたが、25日の臨時会で5市町村合併案を再提案する方針となったことで、町内の動きは町議の意向をめぐり水面下で多数派工作が行われているようだ。合併判断については賛成派(8人)、反対派(9人)と拮抗しており、
1人が動けばその判断も変わることから今後、臨時会までの間に賛成派は反対派町議の切り崩し、反対派は現状堅守の姿勢で「1人」をめぐる激しい攻防戦が展開される見込みだ。
下地島空港への自衛隊誘致要請の緊急動議とも関連している同町議会の合併判断。緊急動議は9対8の賛成多数で可決。合併、自衛隊誘致のどちらの判断も議員数は同数だが、合併の是非については緊急動議を可決した町議の1人が合併賛成へ、否決した町議が合併反対となった。
両方の問題について町議判断は常に拮抗している。ある町議は「25日の判断も1人の差で合併賛否が決定するだろう。臨時会まではいろいろな動きがあると思うので判断も流動的だ」と述べた。
常に合併問題と関連してきた自衛隊誘致については、22日に町議の豊見山恵栄氏と南西諸島安全保障研究所の小幡光俊理事長が防衛庁に要請を行う予定だが、要請相手も示さないままの動きであることからどのような報告が行われるのかを今回の誘致の動きに難色を示す浜川健町長も注目している。
一方で、25日に再度「合併否決」の判断となった場合について、町長の進退問題も一部の町議間では取りざたされているようだ。合併反対派の中では町長候補の人選にも入っているとの情報もあり、否決の判断は町内の政治的な動きに大きな影響を与えそうだ。
現在、伊良部町内部で自衛隊誘致を進める動きは小幡氏の意向に沿って「合併を否決し町単独での振興策を引き出したい」との意向から、外側からの意向を遮断している状況だが、臨時会までの間にはまだ時間があることから、賛否は流動的となっている。
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