200平成1  13曜日

 10億円減の総額351億円/宮古6市町村05年度予算

 宮古各市町村の2005年度当初予算案がこのほど発表された。6市町村の合計は351億2549万円で、前年度に比べ10億6980万円減少した。地方交付税をはじめ国、県の負担金廃止など、国の「三位一体」改革の影響を受けて各市町村ともに予算は「緊縮型」。それぞれ基金を取り崩し、かつ歳出予算を極力抑えた。10月の市町村合併を控える各市町村だが、新年度も厳しい行財政運営を強いられる。
 地方交付税の減額をはじめ国や県の負担金および補助金が廃止される三位一体改革。05年度は同交付税の減少はもとより、老人保護措置費国庫負担金および県負担金、公営住宅家賃収入国庫補助金、要保護児童就学援助国庫補助金が廃止された。所得譲与税の税源移譲などが行われるが、不足分を百パーセント補うまでには至らないのが現状だ。
 地方交付税の減額など三位一体改革の影響が最も顕著に表れ、04年度当初予算で歳入欠陥が生じ「財政非常事態」を宣言した平良市。05年度は初めて市単独ハード事業を断念するなどして歳出を抑制した。一般会計の総額は159億1500万円で前年度比2億8960万円減少した。同市はこれまで、各部課の要求を査定して各課の予算枠を決定してきた「査定方式」から、あらかじめ各部課の予算枠を決める「枠配分方式」に切り替え予算を編成。これに従い各課で徹底的な歳出抑制措置が講じられた。この結果、昨年のような歳入欠陥は免れているが、依然として苦しい財政事情であることに変わりはない。同市は新年度も市税など滞納分の徴収体制を強化させるなどして、財政の健全化を推進する方針。
 城辺町は町の貯金をほぼ使い果たした。歳入欠陥を回避するため各基金を取り崩して編成、歳出抑制措置も施し、一般会計は前年度並み61億4115万円(前年度比3億4792万円減)を確保した。新規事業は6項目を挙げ「最後の町政運営に全力を尽くす」(仲間克町長)姿勢を強調した。三位一体改革による影響額は約2000万円。ただ、この分は所得譲与税でほぼカバーしている。
 伊良部町は4年連続で前年度より減少。苦しい財政事情を踏まえ、町単独で実施している町内団体への補助金については廃止か、大幅削減の措置を取る。さらに過去5年間の町税未収額を80%に設定、徴収に全力を挙げ、5000万−6000万円を確保する方針だ。
 他市町村に比べて基金に余裕を持っていた下地町は一般会計の総額が前年度比2600万円増の34億5148万円を確保、基金から5億4800万円を繰り入れた。新規事業では保健福祉センターを建設する。
 上野村の一般会計は前年度比2億1300万円減の37億4690万円。基金から8600万円を繰り入れて編成した。
 合併協議から離れ「自立」の道を選択した多良間村の一般会計は前年度に比べて若干増えた。ただ、基金に頼る編成内容で、他市町村同様に緊縮型の予算内容。同村も歳出を極力抑制した予算で新年度を迎える。

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きょう開通から10年/下地町・来間大橋

 下地町の来間大橋がきょう13日で開通10周年を迎える。20日は来間部落役員らが中心となり祝賀会を開催し、農業や生活面で島に大きな変化をもたらした橋の節目を祝う。祝賀会は来間小中学校で午後3時から行われる。
 来間大橋は、離島苦に悩む島民たちが下地町に陳情したのをきっかけに宮古全体へも機運が広がり、20年の歳月を経て実現へ至った架橋。1995年3月13日に開通し、当時は日本一長い農道橋として話題となった。
 来間大橋は当時の部落会長だった故大浦徹さんを中心に島民一丸となって、架橋実現へ向け国や県へ要請を行ってきた。1975年に来間の島民たちが離島苦解消を求め、下地町へ陳情。来間海中道路建設促進期成会を発足させ、署名とともに国や県への要請を続けてきた。また、行政サイドでも当時の町長だった下里功氏を中心に来間地区農道整備事業建設促進期成会が発足し、島と行政を挙げて要請を行った。1986年には来間地区県営一般農道整備事業として国庫補助の採択を受け、88年には建設工事が始まった。
 開通とともに基盤整備事業なども進み、農業に潤いをもたらしている。

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結成30年周年を祝う/平良市少年少女合唱団・記念式典・演奏会

 平良市少年少女合唱団(佐渡山力団長)の結成30周年記念式典・演奏会(主催・同合唱団、共催・同市教育委員会)が12日、マティダ市民劇場で行われ、小・中学生の団員57人が、30年にわたり受け継がれてきた伸びやかな歌声を高らかに披露した。式典で佐渡山団長は支援者に謝辞を述べながら、「市町村合併により『平良市』の名前での演奏会が今回で最後となり寂しさはあるが、宮古圏域唯一の合唱団として、自信と誇りを持って歌い続けよう」と団員に呼び掛けた。
 合唱団のリーダーを務める砂川彩乃さん(北中3年)は、小学3年のころから7年にわたる活動を振り返りつつ、「好きな歌を仲間と歌い、数々のステージを経験することは大きな魅力で、学校では味わえない感動や心の支えがあった。指導者の先生方や家族に感謝したい。リーダーとしての役割を果たせたことを誇りに思う」と胸を張った。
 式典では、団歌の作詞者、作曲者や合唱団の指導者らに、同市教育委員会の久貝勝盛教育長から感謝状が贈呈された。また佐渡山団長からは同団の運営に長年にわたり携わった人たちに感謝状が贈られた。
 祝辞で伊志嶺亮市長は「児童・生徒の情操教育という目的だけでなく、平良市の歌の親善大使としての成果も収めている。『平良市』という名前はなくなるが、輝かしい足跡は衰えることなく永遠に光り輝く」と、これまでの活動をたたえた。
 式典は平良市歌の斉唱で幕開け。団員を含む来場者全員での「芭蕉布」の合唱で締めくくった。
 引き続いての演奏会は4部構成。第1部では沖縄のリズムを取り入れた歌など6曲を児童・生徒が熱唱すると、第3部では今回の目玉で10年ぶりとなる合唱組曲「タカドーイ」が演奏された。第4部ではOBも登壇して聴衆を魅了した。
 感謝状を受けたのは次の皆さん。(敬称略)
 【教育長より】▽豊見山恵永▽松原清吉▽大山高春▽佐渡山力▽宮国貴子
 【団長より】▽兼島真紀子▽砂川利津子▽友利洋子

 写真説明・式典の締めくくりで芭蕉布を歌う合唱団員と来場者ら=12日、マティダ市民劇場

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合唱組曲「タカドーイ」 10年ぶり披露/平良市少年少女合唱団

 マティダ市民劇場で行われた12日の平良市少年少女合唱団の結成30周年記念演奏会の中で、サシバの渡りをうたった合唱組曲「タカドーイ」が10年ぶりに披露された。団員の小・中学生は昔ながらの着物姿で、秋の訪れとともにやって来て、風に乗って去っていくサシバの様子を、美しいハーモニーで歌い上げた。会場は子供たちをたたえる大きな拍手に包まれた。
 同組曲は、那覇市石嶺小学校教諭の高里千穂子さんが昔よく歌われたという童歌の「タカドーイ」をモチーフに原案を作成。奥平潤さんが合唱組曲として作詞・作曲した。「秋空」「すばらしい宮古島」「たかどーい」「おつかれさまでした」「デンゴデンゴ」「みなみへ」「忘れないで」「さようなら(フィナーレ)」の八曲で構成される。合間にはせりふでやりとりする場面もある。
 タカドーイが歌われたのは20周年記念式典が最後。今回は高里さんの教え子で、同団で20年余にわたり指導している宮国貴子さんが脚本、演出と指揮を務めた。
 リーダーの砂川彩乃さんは「方言で歌うところもあって難しかったが、楽しかった。みんなばっちりだった」と満面の笑み。
 10年ぶりの演奏に聞き入った佐渡山力団長は「子供たちはとてもよく歌い込んでいた。本当に感激した」と目を細めた。
 高里さんは「平良第一小にいたころの教え子が指導し、指揮しているのを見てうれしかった。子供たちの歌も素晴らしかった」と感無量の様子だった。
 宮国さんは、「子供たちは本当によく頑張った」とたたえ、「30周年の節目に恩師が見守る中で披露でき、私自身も勉強になった。父母をはじめ支えてくれた皆さんに感謝したい」と話していた。

 写真説明・着物姿の団員たちが合唱組曲「タカドーイ」を10年ぶりに歌い上げた=12日、マティダ市民劇場

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国、数、英 目標値下回る/平良市・中学生の達成度テスト

 平良市学力向上対策推進委員会(会長・久貝勝盛教育長)は12日、子供たちの学力、運動能力、生活の様子などをまとめた「目標達成値から見える平良市の学力向上対策推進状況」を発表した。中学生の達成度テストは国語、数学、英語の各教科とも平均40点の目標値を下回っており、久貝委員長は「家庭学習習慣の定着以外に向上策はない。家庭、学校がそれぞれの役割を認識し、子供の学習意欲を高めることが課題」と話した。
 中学2年生を対象にした2004年度の達成度テストでは、平均40点以上の目標値に対し、国語が3・5ポイント、数学が12・2ポイント、英語が9・1ポイント下回っている。学力向上の基本となる家庭学習に関しては、毎日90分以上の家庭学習を実践する生徒が1年生27・9%、2年生18・5%、3年生27・8%と、目標の80%以上に遠く及ばない状況となっており、久貝委員長は「読書などを含め勉強への動機付けを工夫し、環境を整えることが大事」と、周囲の大人によるサポートの必要性を指摘する。
 小学校の達成度テストについては、国語、算数の両教科ともそれぞれ目標値の平均40点以上をクリアしていた。年間読書量は、小学校が1人90冊以上、中学校が1人30冊以上の目標値に対し、小学校101・8冊、中学校33冊とそれぞれ目標を上回った。泳力調査でも小・中ともに目標値を達成している。
 久貝委員長は「子供たちの学習意欲向上を基本に、中学生の学力向上、家庭学習の定着、小学校高学年の読書量アップと課題は多い。家庭と学校の連携を強化し、それぞれの役割を改めて考えてほしい」と促した。

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32人に修了証書/伊良部町・ボランティア講座閉講

 伊良部町環境保健課(垣花勝課長)が、障害者に優しい町づくりとして推進する「ユニバーサルタウン伊良部町」事業の障害者ボランティア養成講座の閉講式が12日、同町中央公民館で行われた。32人の受講者に修了証書、受講証明書、ユニバーサルタウン推進員証などが手渡された=。
 同講座は、誰にとっても住みやすい町の形成を図るために、住民自体が社会資源になろうと昨年10月から開講。高校生を中心とした受講生らが、車いす体験や高齢者の生活の疑似体験、講話など6回の講座を受け、各種障害者や痴ほう、高齢者についての知識を身に付け、サポートの方法などを学んできた。今後は講座で得た知識を基に、サポートが必要な分野や具体的にできることなどを洗い出し、実際のボランティア活動に移るという。
 受講者の仲間梨奈さん(17)は「痴ほうの人や障害者の大変さが分かった。これからは、助けを必要としている人の力になれるよう頑張りたい」と感想を話した。

 写真説明・ボランティア養成講座の受講者に修了証書が手渡された=12日、伊良部町中央公民館

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