200平成1  12曜日

 自衛隊誘致を緊急動議へ/伊良部町議会

 先月末に伊良部町商工会(奥濱幸雄会長)が打ち出した下地島空港への自衛隊誘致要請。今度は同町議会の一部町議が自衛隊誘致要請の緊急動議を開会中の3月定例会中に行い、議会として自衛隊誘致要請を議決する動きが出てきた。緊急動議は週明け早々の14日の本会議か、16日の一般質問の終了後に行われる公算が大きい。しかし、この動きが町議会として合併反対姿勢になるのではと危惧して難色を示す町議もおり、週明けの町議会の動向が注目となっている。今回の自衛隊誘致の動きについて、ある合併推進派の町議は「今回の自衛隊誘致と合併を関連づけて、合併せずの判断を下そうとの意向が感じられる。実際に合併反対の意向を持つ町議を中心に進められており不安だ」と指摘している。
 この町議によると緊急動議に対する見解は反対が8人、賛成が7人、流動的なのが2人となっているようだ。「このまま15日の調印式前にこの誘致案件が議会で賛成多数となれば一気に合併反対の動きが出て18日の議会で合併せずの判断が下されるかもしれない。そうなれば宮古の合併は崩壊する」と危機感を募らせている。
 今回の問題は、自衛隊誘致の賛否よりもこれに絡んだ合併の是非になっている。合併推進派の町議も「下地島空港の取り扱いについては振興策を含めて検討すべき課題。自衛隊誘致もその1つであり合併して圏域全体で考えるべき問題」と述べている。
 合併推進派の町議によると、数日前に町議の1人が関係者ら数人で防衛庁幹部と面談し、その結果を11日に浜川健町長に報告。同町議会の3月定例会中には自衛隊誘致要請の緊急動議を行う必要性と早ければ14日の本会議で行いたいとの意向が示されたようだ。
 今回の動きについて浜川町長は「そのような報告は受けていない」と否定した上で「なぜ今、自衛隊誘致なのか。現段階での自衛隊誘致要請議決は合併せずの動きにしかとらえられないし、危険なこと。自衛隊誘致を検討するとしても合併をまとめた上でやるべき」と述べた。
 大詰めを迎えた宮古地区の市町村合併だが、伊良部町の自衛隊誘致の動きとそれに伴う合併離脱の動きも複雑に絡み合い、先行きは不透明な状況となっている。

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市町村合併に全力/城辺町議会・仲間町長が施政方針

 城辺町議会(伊志嶺幹夫議長)の3月定例会が11日開会した。仲間克町長=写真=が2005年度施政方針演説を行い、10月予定の市町村合併に伴い町として最後の行政に全力を尽くす考えを表明。合併により「宮古圏域の結び付きはより強固なものとなり圏域全体のバランスある振興発展を図ることが重要になる。そのために城辺地域で新たな町づくりを行い人口の分散化、広域化を図る」と強調した。定例会は23日までの13日間。一般質問は22、23日の両日に行う。
 施政方針演説で仲間町長は「(合併で)城辺町は閉町するので閉町記念式典を挙行し、これを契機に城辺地域の住民が合併後もより豊かで快適な生活ができるようシンボルタウン構想および天然ガス利用計画の推進などを通し、若者に夢が持てる農業の確立と観光産業の創出などの施策を実施する」と強調した。
 新年度主要施策については前年度同様に農業振興に全力で取り組む姿勢を示し、サトウキビ関係では緑肥すき込み、下南地区の誘殺灯の設置をはじめ、害虫対策やハーベスター使用料助成事業の実施を表明した。肉用牛競りなど好調な畜産関係では自給飼料の確保や飼養管理技術の向上、後継者の育成、さらには西城南地区における60頭規模の畜舎および関連施設の整備を挙げた。
 野菜関係での充実施策も強調。これまで農家に返していた出荷不可の農産物を加工し、高付加価値商品として出荷するための新山村振興対策事業の実施を掲げた。
 最後に合併に伴う新たな町づくりについての考えを示し、新庁舎および旧庁舎周辺域を町の拠点と位置付け副都心づくりに取り組むシンボルタウン整備構想や天然ガスを活用する事業の推進を強調した。仲間町長は「城辺町の行政は年度途中で終わるが、町単独事業は城辺町である間に完工しそれ以外の事業は新市に引き継ぐ」と語った。
 この日の本会議では仲間町長に施政方針演説ほか、町当局が05年度当初予算など11議案を上程、説明した。

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下地島空港軍事利用「許されない」/下地町議会・川満町長が施政方針

 下地町議会(川満廣俊議長)の3月定例会が11日、開会し、川満省三町長=写真=が施政方針を述べ、当局が2005年度一般会計予算案など15議案を提案した。施政方針で川満町長は今年の最重要課題に市町村合併を挙げ、合併推進とともに住民サービス向上に努めるとしたほか、下地島空港の軍事利用を「断じて許されない」として改めて反対の意思を強調した。一般質問は16日、会期は22日まで。
 市町村合併について川満町長は、宮古の将来を築く上で避けて通れない課題として位置付け「本町は廃止され新市が誕生するが、合併は終わりではなくスタートという視点に立ち、下地地域の振興のための施策について、勇気を持って提案していくことが我々の使命であると改めて決意する」と述べ、下地町や圏域が自立的発展へ結び付くよう取り組んでいくことを示した。
 下地島空港への普天間基地移設先候補とする案や自衛隊駐留誘致の動向についても触れ、「宮古圏域の平和的発展を脅かす問題」と指摘。「下地島空港の軍事利用は断じて許されず、今後の動向を注視する必要がある」と軍事利用に反対の見解を示した。
 町の第三セクター、コーラル・ベジタブル社運営については「第五期決算はわずかながら単期黒字決算となったが、経営は依然として厳しい状況。今後も地域振興の一翼を担い、目標達成へ向けた取り組みができるよう社会との連携を図っていく」と述べ、生産農家の所得向上と振興に努める姿勢を見せた。
 当局からは05年度一般会計予算案のほか、▽下地町職員定数条例の一部を改正する条例▽土地開発基金条例を廃止する条例▽国民健康保険出産費資金貸付事業条例の一部を改正する条例―など15議案が提案された。
 議会冒頭では、3期11年務めた垣花武一氏に対し、県町村議会議長会からの賞状が伝達された。

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「住民のためになる合併に」/上野村議会・川田村長が施政方針

 上野村議会(平良隆議長)の3月定例会が11日、開会した。川田正一村長は、2005年度施政方針演説の中で市町村合併に言及し「住民による住民のための合併になるため、職員とともに、一丸となって努力していく」と、今年10月1日に迫った合併に向け、行財政運営に全力を注ぐ姿勢を改めて強調した。定例会には村当局から15議案が上程された。会期は25日まで。一般質問は22日に行われる。
 施政方針演説で川田村長は「市町村合併後、どのように行政が運営されていくか不安を抱いている村民もいると思う」と述べ、「市町村合併後、上野村地域がますます発展するよう最大限努力していく」と強調した。
 行財政運営については、国の三位一体改革による影響が大きく、新年度予算は基金繰り入れにより財源を確保するなど、苦しい予算編成であることを紹介しながらも「住民生活に直接、影響のある予算についてはこれまで同様の規模で確保した。今後も徹底した節減、抑制に努める」と訴え、理解を求めた。
 そのほか、基本姿勢である「対話と協調」をモットーに▽産業の振興▽生活環境整備▽教育・文化・スポーツの振興▽社会福祉の充実▽地域間交流の推進▽国際交流事業の推進―を図ると、誓いを新たにした。
 村当局から上程されたのは、歳入歳出予算の総額からそれぞれ5894万3000円を減額し、歳入歳出のそれぞれを40億2373万円とする「04年度一般会計補正予算案」や、「上野村資源リサイクルセンターの設置および管理に関する条例について」、「05年度上野村一般会計予算について」などの15議案。

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「村民一丸」「自立の道」強調/多良間村議会・兼濱村長が施政方針

 【多良間】多良間村議会(長嶺春勝議長)の3月定例会が11日開会し、兼濱朝徳村長=写真=が施政方針を述べたほか、村当局が2005年度一般会計補正予算案、収入役を置かない条例の制定など21議案を提案した。兼濱村長は施政方針の中で、市町村合併をせず自立の道を歩んでいくことについて「村民が自己選択し自己決定した自立の道」として、「自己責任の原則の下に多良間村の地域特性を大切にした諸策を講じ、自治能力の向上を図らなければならない」と強調。05年度を「大変革のスタートの年」として村民一丸となって前進していく姿勢をみせた。18日に一般質問が行われ、同日閉会する。
 市町村合併について兼濱村長は「多良間村の自治の根幹にかかわる重要課題であり、村民の関心度も高く村内が激動した。住民投票の結果を尊重し合併の方向性を決した重要な年」とこれまでを振り返り、「村民が『和』を持って一丸となり、勇気と英知を結集して輝く村の将来に向かって前進できるよう全力を傾注する所存」と決意を示した。
 農林水産業関係では、抜本的な水問題の解決として地下ダム建設促進協議会を発足させたことを報告し、「国・県・関係機関への要請行動を展開していきたい」と述べた。
 村当局からは▽05年度一般会計予算案▽収入役を置かない条例の制定▽多良間村課設置条例の一部を改正する条例―など21議案が提案された。

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海ぶどう」養殖技術の確立にめど/伊良部町・来月から本格出荷

 伊良部町議会(友利浩一議長)は11日午前、同町水産物養殖・加工施設や土地改良区などを視察した。同施設内では、海ぶどうの養殖技術の確立にめどが付き、来月から本格的な出荷が始まることが説明された。技術が確立された場合、宮古では初めてとなる。
 海ぶどうを養殖しているのは、内間正勝さん・初枝さん夫妻と息子、光善さん(23)の親子3人。昨年から試験養殖を行い、町内外に約200キロ出荷した。
 今年種付けされた海ぶどうは青々と育ち、養殖技術の確立を思わせる。
 海ぶどうは種付けから30−40日で収穫。
 内間さん家族は昨年、「沖縄宮古伊良部島産海ぶどう」のブランドで発売。注文が殺到し生産が追い付かないほどだ。
 この日視察した友利議長らは、種付け網ですくすくと成長する海ぶどうを見て「これはすごい。近い将来、海ぶどう養殖が産業として成り立つことも夢ではない」と感激した様子で話した。
 視察に同行した浜川健町長は「伊良部町では、これまで海ぶどう養殖を行ってきたが、すべて失敗。今回の海ぶどう養殖は企業化も可能。海ぶどう振興の支援を行いたい。『伊良部ブランド』の特産品として県内外へ販売してほしい」と話し、内間さん家族が「『やればできる』というチャレンジ精神を町民に伝えた」と前向きに取り組む姿勢を高く評価した。
 海ぶどう 正式和名はクビレヅタ。緑色の細い茎がいくつにも分かれ、小枝に直径2−3ミリの半透明の緑色球状の葉がつく。その葉が果実のブドウの房に似ていることから、別名「海ぶどう」の名がついた。

 写真説明・町議員や役場職員らはすくすくと育つ海ぶどうに感動していた=11日、伊良部町水産物養殖・加工施設

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