200平成1  11曜日

 合併実現を改めて強調/伊良部町議会・浜川町長が施政方針

 伊良部町議会(友利浩一議長)の3月定例会が10日午前開会し、浜川健町長が2005年度町政運営方針を説明した。浜川町長は、財政事情が極めて厳しい中、市町村合併を見据えながら町民福祉の向上を運営方針の基本施策にし「市町村合併を実現し、次代を担う若者に夢と希望の持てる新市づくりを推進することは、我々に課された重要な責務。新市実現に向け万難を排して取り組んでいく」と強い決意を示した。
 また浜川町長は「県が(宮古の)離島振興について、宮古郡民悲願の伊良部架橋について重要施策として位置づけ、平成17年度着工に向け取り組みを強化していることは誠に喜ばしい限りである」と、稲嶺県政へ感謝の意を表した。下地島空港の有効活用については「多くの課題があるが、関係機関・団体などと協議しながらその有効活用については検討していく」との文言のみにとどまった。自衛隊誘致問題には一切触れなかった。
 本会議の冒頭、3月定例会の会期は24日までの15日間と決定し、一般質問は16、17の両日と決めた。一般質問では9人が通告書を提出し、うち7人が下地島空港への自衛隊駐屯要請について当局の見解をただす。
 町政運営方針で、浜川町長は「将来を展望した新たな地域づくりを推進していくことが宮古圏域の健全な発展につながることを確認し、5市町村合併に向けて努力している」と説明した上で「市町村合併は、多くの課題と、乗り越えなければならない試練がある。また、一方では、自立発展に向けた自治体の創造ということで、まさに歴史的改革へのスタートでもある」と合併に向けて決意を新たにした。
 新年度着工予定の伊良部架橋について「架橋は我々が子孫に残せる歴史的遺産として、その実現に一層努力していく」と意欲を示した。
 また浜川町長は、特産品開発を推進するため「離島地域資源活用・産業育成事業の実施」などに積極的に取り組む姿勢を示したほか、敬老祝い金の継続支給、「伊良部町次世代育成行動計画」の策定、下地島空港の有効活用、 修学旅行助成の実施、伝統文化保存事業の実施などについて説明した。
 行財政運営について、浜川町長は「的確な歳入の確保と歳出の節減合理化に努める」と従来の考えを重ねて強調した。
この日は当局から新年度の一般会計予算案など16議案が上程された。

 写真説明・新年度の町政運営方針を説明した浜川町長=10日、伊良部町議会

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八重干瀬のサンゴ危機/オニヒトデが大量発生

 平良市池間島北方に広がる八重干瀬(やびじ)の「ウル」と「イフ」で、サンゴを食い荒らすオニヒトデが大量発生しサンゴが壊滅状態に陥っていることが10日、分かった。オニヒトデは八重干瀬の全サンゴ礁にまん延しているものと予想され、日本有数のサンゴ礁群の保全は危機的な状況。県自然保護課と宮古圏域海洋危険生物対策協議会オニヒトデ部会の合同による「八重干瀬のオニヒトデ一斉駆除」が同日、「ウル」と「イフ」の2カ所で行われ、卵を抱えたオニヒトデ約1500匹を駆除した。
 今回の駆除は、県自然保護課のサンゴ礁保全対策支援事業で実施。同部会は昨年7月、宮古のサンゴの重要保全区域に3区域、準保全区域に5区域を選定した。「ウル」は準保全区域だが、「イフ」は選定の対象外だった。
 この日は伊良部漁業協同組合所属の漁船1隻、池間漁業協同組合所属のダイビング船2隻の計3隻がチャーターされた。漁師とダイバーら合わせて17人が潜水で駆除を展開した。オニヒトデの直径は10−50センチほどの大きさ。4月下旬ごろからの産卵を控え、卵を抱えていた。
 県海区漁業調整員で伊良部漁協組合員の友利義文さんは「ウルの東側海域でアンカーを打ったが、船の真下のサンゴ礁はオニヒトデが大発生。既に枝サンゴなどは食害され白色や黒色に変化」していたと話し「サンゴ保全は手遅れの状態」と指摘した。友利さんらは1時間30分の潜水でオニヒトデ約500匹を退治した。
 同部会事務局の梶原健次さんは「ウルとイフでオニヒトデを駆除したが、今回捕獲したのは氷山の一角。これから水温が高くなると、オニヒトデの移動範囲が拡大し、それに伴ってサンゴの被害が広がる」と警鐘を鳴らす。その上で「八重干瀬の全域で駆除するのは無理。保全区域とその周辺を集中的に駆除したい」と語った。

 写真説明(上)・約1500匹のオニヒトデが陸揚げされ、飼料用に処分された=10日、平良市池間漁港
 写真説明(下)・オニヒトデの食害に遭った枝サンゴ

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高速大容量通信が可能に/Bフレッツ開局記念セレモニー

 NTT西日本が提供する光ファイバーを利用した高速大容量(ブロードバンド)通信サービス「Bフレッツ」の宮古・八重山開局記念セレモニーが10日、平良市役所とNTT西日本沖縄支店楚辺ビル(那覇市)、石垣市役所の3カ所をテレビ会議システムで結んで行われた。Bフレッツは同日からサービスを開始した。平良市の一部地域で提供され、毎秒最大100メガビットの高速でインターネットを利用でき、大容量の画像や動画などのデータの送受信がスムーズに出来るようになる。伊志嶺亮平良市長は「ブロードバンド化が進むことで宮古圏域全体の田園マルチメディア事業と連動してIT(情報技術)化が進む」と開局を喜んだ。
 セレモニーの冒頭、那覇市楚辺会場からNTT西日本沖縄支店の日隈康行支店長が「便利な情報ツールとして利用していただき、宮古、石垣で住民生活の向上に取り組んでもらえれば幸い」とあいさつ。引き続き牧野浩隆副知事が「離島県では特に、時間的、距離的な格差是正に情報網整備は不可欠。さまざまな分野でより便利になるものと期待したい」と述べた。
 石垣市役所の会場から大濱長照石垣市長は「離島には離島苦があるが、きょう(10日)は情報格差解消の第一歩。感激している。これをいかに使っていくか、利活用委員会を作って検討していきたい」と意欲を見せた。
 このあとテレビ会議システムを利用して、各会場から意見を述べ合い、伊志嶺市長は「下り回線だけでなく上り回線も速くなり、各種イベントなどもライブで送信できるようになる。県外、国外に宮古の情報が発信され、活性化に大いに役立つ。しっかり活用していきたい」と語った。
 NTT西日本は昨年11月から21億円を投じて海底光ファイバーケーブル敷設工事を実施した。沖縄本島と宮古、八重山を総延長460キロの光ファイバーケーブルで結び、先島地区での高速大容量通信が可能になった。宮古地区では「Bフレッツ」に、約300件の事前申し込みがあったという。
 同社ではBフレッツの体験イベントを10日から13日まで開催。きょう11日は西里通りの宮古島観光情報センターで、12、13の両日は同通り商店街駐車場でそれぞれ実施する。10日に光ファイバーを利用したインターネットを体験した40代の男性は「待つ時間がなく快適。イライラしない」と話し、導入を検討していた。

 写真説明・Bフレッツサービス開始を記念してテープカットを行う伊志嶺市長(中央)ら=10日、平良市役所

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宮古上布の保存継承に尽力/保持団体を伝統文化功労表彰

 【那覇支局】「2004年度地域伝統文化功労者表彰」の伝達式が10日、県教育庁で行われ、宮古上布保持団体(洲鎌ツル代表)に、山内彰教育長から表彰状と記念品が手渡された。
 同団体は、沖縄の織物技術の中でも長い歴史と伝統を持つ国指定重要無形文化財「宮古上布」の保存団体として伝承者の育成および保存継承に努めるなど伝統文化の振興に貢献した。
 山内教育長は「今回の表彰は県としても誇りであり、これまで伝統継承に努力してきたことに敬意を表する。今後ますます健勝で頑張っていただきたい」と激励した。
 同団体で監事を務める垣花英好さんは「表彰されることは、我々にとって大きな励みになる。これを機に、これからも宮古上布の活性化と保持に努力したい」と喜びと抱負を述べた。
表彰は、伝統文化活性化国民協会(平山郁夫会長)が、地域における伝統文化の振興に功績のあった個人や団体の功績をたたえるために行った。

 写真説明・山内教育長(左)から伝達表彰され喜ぶ宮古上布保持団体の垣花英好監事(中央)と池村廣光事務局長=10日、教育庁

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「振興発展に貢献」/台湾GG協が山里景福さんを表彰

 平良市荷川取に住む山里景福さん(80)はこのほど、台湾のグラウンドゴルフ運動の振興発展に貢献したとして、中華民国グラウンドゴルフ協会(羅志明理事長)から表彰を受けた。山里さんは「若いころは台湾の学校に通っていたし、手紙のやりとりをしている友人たちもいるのでとてもうれしい。これからも大好きなグラウンドゴルフを通して良い交流を続けたい」と感激ひとしおの様子で喜んだ。
 山里さんは、過去17年間のうち23回にわたり、台湾各地のグラウンドゴルフ大会に参加。仲間たちとの交流を広げるとともに、講習会などでルールやマナーを指導した経験も持つという。2月27日には台湾で開かれた台湾・日本・韓国の3カ国親善交流大会に日本人選手の1人として出場。東京都や山口県の選手らと共に参加し、日本からはただ1人、今回の表彰を受けた。「台湾は近くて行きやすいし、台湾に住む(私と)同年代の人たちは日本のことも良く知っている。これからも、私と台湾の友人をつなぐグラウンドゴルフを楽しみたい」と笑顔で話した。

 写真説明・台湾のグラウンドゴルフ協会から表彰された山里さん=10日、平良市内の自宅

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キャンプのお礼に/京大野球部・キビ収穫を手伝う

 今月2日から春季キャンプのため来島していた京都大学野球部(村井保雄監督)は滞在最終日の10日、下地町川満でサトウキビの収穫作業を手伝った。約40人の部員らが収穫の助っ人として作業に汗を流した。
 同部の宮古島キャンプは今年で13年目。来島した際には、城辺町の東平安名崎などで清掃活動などのボランティアを行うことが恒例となっている。今年は、雨天が多く農家のサトウキビ収穫が遅れていると耳にした部員らが農家の応援を提案。初めての「キビ刈り」を体験した。
 主将の岡田勇亮さん(22)は「体力には自信があるので、作業は苦にならなかった。今後も何らかの形で地域に恩返しできるよう後輩たちにつなげていきたい」と話した。キャンプの出来については「後半は天候にも恵まれて充実したキャンプになり、個々のレベルアップにつながった。良い結果を報告できるよう、今後も頑張りたい」と表情を引き締めた。

 写真説明・サトウキビ収穫の作業を手伝う京都大学野球部の部員ら=10日、下地町川満

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