200平成1  10曜日

 春季キャンプ地・宮古島定着/年明けから延べ8000人

 「キャンプ地・宮古島」が花盛りだ。1月の大学野球を皮切りに延べ8000人が暖かい島で汗を流し、新しいシーズンに備えた。競技も野球をはじめ、トライアスロン、ソフトボール、競輪、陸上、ゴルフなど多種に及び、「スポーツアイランド宮古」が定着したようだ。
 近鉄と球団合併し、初キャンプとなったオリックスは、例年以上の盛り上がりを見せた。仰木彬監督の計らいで、米大リーグで年間最多安打を記録したシアトル・マリナーズのイチロー選手、女子プロゴルフ界の新星、横峯さくら選手が相次いで球団を激励訪問した。また、宮古牛が贈呈される「宮古島杯」など、あの手この手でメディアの注目を集め、キャンプ地「宮古島」が再び脚光を浴びた。
 合併決定直後には秋季キャンプの撤退、春季キャンプの1軍は期間縮小、2軍は撤退が発表された。関係者も危機感を募らせたが、キャンプの成功と、仰木監督や小泉隆司球団社長の「キャンプ地として最高だ」との評価に胸をなで下ろした。
 大学野球は国内外から8大学が来島し、延べ5000人がキャンプを行う盛況ぶり。韓国から成均館大学、春の選抜高校野球に出場する青森山田高校と、新たな誘致にも成功した。
 増加傾向にある大学野球キャンプ。練習場となっている平良市民、城辺町営、下地町営の3球場の利用状況は限界。関係者も「良い話がきても球場に空きがないため、泣く泣く断るケースも多い。平良市営球場を整備すればさらなる誘致が可能だ」と行政の協力を呼び掛ける。
 トライアスロン選手らも1月から続々来島した。宮古島大会の出場者をはじめ、アイアンマン大会、北京五輪大会を目指す選手らが汗を流した。国内屈指の実力を誇るチームが、本番を意識してのトレーニングに励んだ。アテネ五輪の日本代表も大会最終合宿を行い、認知度も高まる一方だ。
 その他、ソフトボールやゴルフ、競輪、陸上などさまざまな競技の選手が、トレーニングに適した環境を求めて宮古島に足を運んだ。競技数や競技者数も年々増えており、来年のキャンプシーズンにも大勢のスポーツ選手で島に活気があふれることが期待される。

 写真説明・暖かな気候の宮古で調整する青森山田高の選手たち

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国道沿いにユニークな距離標/地域色出し方言も

 国道390号(通称・バイパス、下地線)に、カラフルでユニークな標識が設置されている。標識には宮古島の地図と保良までの距離、次の地区までの距離が示されているほか、「タンディガータンディ(大変ありがとうございました)」など地域色豊かに宮古方言も紹介。運転手たちの目を楽しませている。
 この標識は県宮古支庁土木建築課が一般国道交通安全施設整備工事の一環として設置した「距離標」で、今回が初の取り組み。今年度は平良市内の国道390号から下地町の嘉手苅地区付近までの10キロに1キロ間隔で10基を設置した。次年度で保良までの国道にも設置する計画。
 標識の色は水色で、距離を示すパネルはオレンジ色と黄色で設置され、見やすいようにデザイン。「スナカギクガニ(品性豊かな子供)」や「アグガパナ ドゥスガパナ(同期生の華、友達の花形)」などの方言も描かれている。
 同課では「地域に合った距離標を設置した。方言を入れたことで観光客にも楽しんでもらえると思う」と話している。

 写真説明・距離を示すパネルのほか方言も紹介。運転手たちの目を楽しませている=9日、平良市内の通称バイパス 

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「漁業振興策実施の確約を」/伊良部架橋建設で意見交換

 伊良部架橋整備事業に関し、伊良部町漁業協同組合(奥原隆治組合長)は9日午後、同漁協で漁業補償交渉に伴う意見交換検討会を開いた。漁業補償交渉委員のほか、浜川健町長と県宮古支庁の関係者らが出席。これから同漁協が作成する漁業振興策などが漁業補償額の合意に向けての一つの焦点になっており、宮古市町村会の今後の対応が注目される。県側は今月23日に開かれる「第 4回伊良部架橋漁業補償交渉委員会」で合意の調印式を行いたい考え。
 奥原組合長は「伊良部架橋はどうしても架けなければならない大橋。漁業振興策については、組合員と話し合いながら作成し、定期総会で決着したい」と述べた上で「漁業振興策を伊良部町に要望した場合、本当に実現できるのかどうか」と質問した。
 これに対し、浜川町長は「漁業補償金が少ないから漁民がかわいそう、ということで補償金とは別途の漁業振興策(の件)が出てきた。漁業振興策が出た時は、宮古市町村の了承を得て実現に向けて頑張りたい。漁業補償合意に向けての条件整備が漁業振興策だ」と強調した。
 また奥原組合長は、同漁協とダイビング協定を結んでいないダイビング業者の船が、サンゴ礁にアンカーを打ってサンゴを破壊している問題について、県側の考えを求めた。
 県側は「今月14日に海面利用協議会を開くために作業を進めている。この協議会では、ダイビングトラブルから起こっている漁場紛争の解決に向けての話し合いを行い、海面利用のルールづくりも検討したい」と、前向きに取り組んでいく姿勢を示した。
 この日の検討会では「次回の漁業補償交渉委員会では全委員が出席すること」「伊良部漁協が算出した漁業補償額の提示」などを確認した。

 写真説明・活発な意見が交わされた検討委員会=9日、伊良部町漁協

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職員増で新市機構案/合併幹事会で差し戻し再検討へ

 宮古5市町村合併推進協議会幹事会(幹事長・下地敏彦城辺町助役)の第15回会合が9日、同協議会事務局で行われ城辺町を中心に行われてきた組織・機構に関する委員会から「宮古島市行政組織機構図」案が示された。今年1月1日時点での 5市町村職員数が887人であるのに対して、今回示された案では新市の部局、支所を含めて職員数は906人となっており、現状よりも19人多い組織案については幹事会では同委員会に同案を差し戻し、再度幹事会を開催して協議することとなった。
 今回の幹事会では当初、同委員会が示した行政組織機構図案を協議し、承諾を得られればきょう10日開催予定の市町村長会議で協議される見込みだった。
 しかし、示された中身は現在の職員数よりも19人オーバーした内容であることや各市町村担当者から出る意見もこの案の内容を疑問視する発言が相次いだことから委員会に差し戻すこととなりその結果、10日の市町村長会議も中止となった。
 同委員会が示した案では平良庁舎に設置される総務部が70人、企画政策部が46人、教育委員会が177人など。城辺庁舎に設置される福祉保健部は209人、下地庁舎に設置される建設部は72人、上野庁舎に設置される経済部は78人などとなっている。また、伊良部総合支所は85人、平良支所37人、城辺支所38人、上野支所32人、下地支所36人となっている。
 幹事会では支所の業務量について委員から「人口の多い平良市と他の町村の支所の業務量は全然違う。その点の配慮がないのでは」などの意見も出された。
 同委員会に差し戻された新市の組織・機構案については再度幹事会を開いて協議し、まとまった案については市町村長会議で正式に決定される予定となっている。

 写真説明・組織案が差し戻された宮古5市町村合併推進協議会幹事会
=9日、市町村合併協議会事務局

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宮古上布など見学/観光基礎セミナー

 観光基礎セミナー宮古島研修フィールドワーク(主催・沖縄観光コンベンションビューロー=OCVB)が 9日、宮古織物事業協同組合やドイツ皇帝博愛記念碑など観光施設や史跡などを巡るコースで行われた。受講生男女15人が参加。今後の宮古観光ガイドのリーダーとしての知識を深めた。
 県から委託された「県観光産業人材育成事業」の一環で実施。OCVB観光推進部受入推進室の資質向上指導員、與世山聡さんら3人が同行した。
この日は、平良市総合博物館の砂川玄正館長が講師を務めた。
 コース最初の施設である宮古伝統工芸センター前で、砂川館長は「人頭税時代は現物上納であったが、明治36年からお金による納税に代わった。当時、金銭になる商品は宮古上布しかなかった。そこで、宮古上布を作ろうとする織物組合ができたが、その後いろいろと名称が変わり今日まで引き継がれている」と前置き。その上で「明治36年から戦前まで宮古上布は宮古の経済を支えてきた。出来高として、例えば豚1頭が1円80銭だとすると、宮古上布は 1反100円だった」と話し、戦後、販売ルートが少なくなったことから宮古上布の生産高が落ち込んでいく歴史を説明した。
 この後、受講生らは市内や上野村、下地町の文化財史跡などを巡った。

 写真説明・受講生らは宮古上布の工房などを見学した=9日、宮古織物事業協同組合

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試験終えひと息/高校入試・受験生ら

  8日から始まった県立高校の2005年度一般入試は9日、午前は社会と数学の2教科が、午後からは面接が行われ全日程が終了した。試験を終えた受験生らは安堵の表情。友人と談笑したり会場に駆け付けた親や中学校教師らに試験の状況を伝えるなどリラックスした様子を見せていた。合格発表は15日に各高校で行われる。
 このうち県立宮古高校では受験生の父母や中学校教諭らが詰め掛け、試験を終えた受験生たちに「お疲れさま」「よく頑張ったね」などと言葉をかけ受験生たちをねぎらった。
 推薦ですでに合格し筆記試験を受けた島尻恵太君(平良中)は「きつかったけど、やっと安心できる。今日はゆっくり休みたい」とほっとした様子。平良佳央里さん(北中)は「ほっとしている。受験勉強でテレビを見るのを我慢していたので、帰ったらゆっくり休みながらテレビを楽しみたい」と話した。
 娘たちの応援に駆け付けた砂川万寿子さん、上地政子さんは「子供よりも緊張した」と話し安心した表情を見せながらも「合格発表まではまだ気が抜けません」と気持ちを引き締めた。
 宮古地区の05年度一般入試では509人が受験。県教育庁によると宮古地区5高校の全体倍率は0・88倍で前年度より0・02ポイント上がった。最も志願率が高いのは宮古高校理数科で1・50倍。5校11学科・コースで定員割れとなった。

 写真説明=ほっとした表情で試験会場を後にする受験生たち=9日、宮古高校

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