200平成1  曜日

 新市名称「宮古島市」を正式決定/5市町村合併協

 宮古5市町村合併推進協議会(会長・伊志嶺亮平良市長)の第10回会議が8日、平良市中央公民館で開かれ、住民アンケートで回答の多かった「宮古島市」を新市名称として採用することを全会一致で正式に決定した。いったん決定した協定項目が撤回され、新たに確認されたのは今回が初めて。これで45の協定項目すべてがそろい、同協議会は今月15日に開催予定の合併調印式に向け急ピッチで準備を進めることになる。
 協議会では冒頭、事務局から、新市名称に関する住民アンケートの結果が委員に伝えられた。有権者の約半数に当たる2万900枚の配布に対し、1万3950人が回答し回収率は66・75%。有効回答は1万3195人で、「宮古島市」が7829人(有効回答の59・33%)、「宮古市」が5366人(同40・67%)となったことが報告された。これをもとに、協定項目の「新市名称」を「宮古島市」とすることが提案され、全会一致で確認された。
 合併後の新市名称は、「6市町村」の枠組みだった協議会、下地町、上野村が離脱した「3市町」の協議会とも「宮古市」に決め、両町村が再加盟した「5市町村」の協議会でも同12月、これを追認した。しかし「同名市」に対して岩手県宮古市が反発。住民から民意の反映を求める動きも相次いだ。これを受け2月23日の協議会で、一転して合併協による公式アンケート実施を決定。「宮古島市」「宮古市」の二者択一で行われ、アンケートで多数を占めた名称がそのまま採用されることになっていた。
 同日の協議会ではこのほか、幹事会で検討が進められている新市の組織・機構に関して、プロジェクトチームから報告があった。
 委員からは「新市のプロジェクトや行財政のスリム化を進める中で、適切に行政が執行されるよう、諮問委員や専門委員を作ろうという付帯事項が新市建設計画にあると思うが、その辺をどのように推進するのか」といった声があり、伊志嶺会長は「住民の皆さんの意見が反映されるような委員会をつくっていく」と回答した。

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水質汚濁防止法の基準値内/温泉排水・県が調査結果発表

 地下水保全のため多角的に検討、調査する水道水源流域内塩化物イオン濃度上昇対策委員会の第2回会議が8日、開かれた。白川田水源流域の2つの井戸で塩素イオン濃度が高い数値を示している問題で、流域外に温泉水を排水するため、県が2月に実施していた温泉排水の水質調査結果が、同委員会委員でもある県宮古福祉保健所の佐久川春範副所長兼生活環境課長から発表され、「水質汚濁防止法の基準をクリアしている。問題はない」と委員らに報告した。結果を受け委員会では排水場所は海域とし「施設側が自己責任で決めて処理するよう求める」との方針を確認した。
 宮古島上水道企業団(渡真利光俊企業長)によると、施設側は今回の水質調査により、温泉排水が水質汚濁防止法などの基準をクリアしていれば、流域外への処理を行う方針だった。
 今回の調査は水質汚濁防止法などに基づき、36項目にわたって実施されたが、同法に抵触する項目はなかったという。塩素イオン濃度については、海水の約半分程度に当たる濃度が検出されたが、佐久川副所長は「今回のケースでは、温泉排水は産業廃棄物に当たらないため、海域へ排水処理しても問題ない」との見解を示した。
 また、県知事が発行する利用許可書に「公衆衛生上、必要があると認められた場合、許可を取り消す」という条文があるが、今回の調査結果では水道水に影響が出ているか特定できないため判断できない、との報告もあった。
 委員会では、調査結果を受け、施設側が同企業団に対し要請していた「温泉排水を処理する流域外の場所の選定」について議論。委員から「場所、方法などは事業者が自身の責任で行うべき。地下浸透処理は委員会としては認められないため、海域で行うよう申し入れしては」との意見が上がり、他の委員も追認した。仮に施設側が海域での排水処理を行わず、従来の地下浸透処理を実施した場合、中止を要請する。
 会議の冒頭では、前回の第1回委員会(2月22日開催)で委員長に選任された佐久川副所長が辞退する意向を表明したため、委員長空席で議事が進められた。
 2つの井戸の塩素イオン濃度については、1月に財団法人県環境科学センターが「温泉排水の影響が大きい」との調査発表を行った。
 県が2月8日に実施した調査では、温泉排水を地下水流域外へ処理するために合併浄化槽を通さない温泉排水そのものを調べた。

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試掘向け予算確保へ/城辺町・天然ガス事業化で報告書

 海底地下に埋蔵されている水溶性天然ガスの活用に向け調査を進めてきた城辺町(仲間克町長)は8日までに、事業化への道筋を示した最終報告書をまとめた。熱や電気の供給を可能とする天然ガスの活用により「温泉水を含めて事業性評価は高い」(下地敏彦助役)と判断。今後は試掘に向けた予算確保を最重要課題とし、新市誕生前の2005年度中の事業着手を目指す。
 町は同事業で、天然ガス活用により供給可能となる熱や電気を農業や福祉などあらゆる産業分野で活用、さらに付随水の温泉を利用し、同町だけでなく宮古圏域全体の振興、発展を図る方針。
 調査報告書は同町地域新エネルギービジョン策定調査委員会(委員長・千住智信琉球大学工学部教授)が策定。同町におけるガス田の特性をはじめ、事業化の方向性、1つのエネルギー源(天然ガス)から熱、電気を同時に供給する「ガスコージェネレーション」導入の方向性を示した。
 事業性評価では「水溶性天然ガスは、買電や家庭用LPGと比較した場合、より安い価格で供給が可能」と説明。付随水については「温泉をはじめ全量を製品化利用すれば事業としても十分可能と判断される」とまとめている。
 8日に会見を開いた下地助役は「天然ガスだけでは採算は取れないが、温泉を有効利用すれば採算ベースに乗る」と強調。「この報告書を基に、国や県に事業化を訴えていきたい」と話した。
 天然ガス鉱業会の03年版天然ガス資料年報によると、宮古島ガス田における天然ガスの埋蔵量は56−67・5億立方メートルとされている。町は天然ガス試掘費用を試算しており、1500メートル掘削するとガスプラント建設費を含め1億7863万円、2000メートルでは2億2530万円としている。

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509人が“試練の春”/県立高校入試始まる

 県立高校の2005年度一般入試が8日から2日間の日程で、県内一斉にスタートした。初日は、国語、理科、英語の3教科が実施され、受験生らが緊張した面持ちで臨んだ。きょう9日には社会、数学、面接が行われる予定。合格発表は15日。
 このうち、県立宮古高校では、午前9時前から受験生たちが会場に集まり始めた。担当教諭から説明を受けた後、緊張した様子で入室。試験開始時間ぎりぎりまで問題集を確認する受験生の姿も見られた。試験が始まると、受験生は一斉に問題に取りかかり、これまでの勉強の成果を発揮していた。
 また、同校ではすでに推薦入学が決まっている生徒も同様に受験。合否にはかかわらないものの、真剣な表情で臨んだ。
 県教育庁によると、宮古地区5高校全体の受験者は509人。倍率は0・88倍で前年度の0・86倍を0・02ポイント上回った。
 最も志願率が高いのは宮古高校理数科(1・50倍)。一方で、5高校11学科・コースで定員割れとなっている。

 写真説明・試験を前に集中する受験生ら=8日、県立宮古高校

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“カツ料理”ずらり/高校入試・昼食時、家族で受験生励ます

 県立高校の2005年度一般入試が始まった8日、各試験会場の外には受験生を励まそうと父母や祖父母、親せきらが次々と訪れ、黒山の人だかり。昼食時間には、あちこちで受験生とその家族らが輪をつくって座り、その輪の中央には愛情込めたカツ料理やスタミナ料理がずらり。受験生らがおいしそうにほうばって一息ついたところで、父母らは「自信を持って、最後まで頑張るんだぞ」と激励。宮古特有の昼食風景は、「励ましと合格の祈り」で一色に包まれていた。
 このうち、県立宮古高校(狩俣幸夫校長)では、午前10時ごろから、父母らが風呂敷に包んだ特製の手料理弁当を持参し次々と訪れた。午前の部の試験終了のチャイムが鳴ると、受験生らが場外に姿を見せた。
 父母らは「どうだった?」「大丈夫だった?」などと声を掛けた。受験生の1人は、笑顔でサインを送り、両親を安心させていた。
 受験生の玉元恵理香さん(平良中3年)は「理科の正答率は80%。午後からの英語には自信あり」と笑顔で話した。
宮城創大君(同)は「国語は難しかったが、理科は簡単だった」と話し「あす(9日)も頑張る」と気持ちを引き締めた。
 平良市久松地区から訪れていた国仲昌二(44)・紀子(38)夫妻は、二女のあゆみさんを激励。昌二さんは「自分の力を出し切って最後まで頑張ってほしい」と話し、合格を願った。祖父母も駆け付け、あゆみさんを励ました。
 平良中7期卒で元教員の垣花忠信さん(61)も受験生を励ましに訪れた1人。「私が宮古高校を受験した1957年か58年ごろに、初めて宮古高校が受験会場となった」と振り返り「その年代から、受験生とその家族が校内で手作り弁当を食べるようになった」と語った。「いつ見てもほのぼの」と感動した様子で話した。
 狩俣校長は「家族が受験生と一緒に昼食を取るのは宮古の良さ。両親らの子供への愛情が感じられる」と強調した。

 写真説明・受験生とその家族は楽しそうに昼食をほおばっていた=8日、宮古高校の校内

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宮原小が特別賞に輝く/沖縄教育版画コン・全児童が入賞

 平良市宮原小学校(前泊宣夫校長、児童数24人)がこのほど、第42回沖縄教育版画コンクール(主催・沖縄教育版画の会、琉球新報社)で見事、全児童が入賞を果たし、学校として特別賞を受賞、教師や児童、住民らは喜びに沸いている。8日午前、前泊校長が同校で会見し、「今回の応募では全児童が入賞した。先生たちの日ごろの指導の成果で、児童たちの版画作品が評価された」と笑顔で話した。今回のコンクール審査で、特別賞には小学校2校が選ばれた。宮古からは宮原小のみ。
 同校は、版画の表現を通して▽想像力の育成▽心豊かな子供の育成―を狙いに、児童たちに自由なテーマで版画制作を指導。1992年に奨励賞、97年に学校賞を受賞した。
 今回のコンクールでの宮原小の成績は、特選2人、佳作9人、入選13人で、24人の全児童が入賞を果たした。
 前泊校長は「今後とも版画を通して、学校経営の4本柱の1つである『豊かな人間性・社会性』の教育に力を入れたい」と決意を新たにした。
 同校児童会長の豊見山茜さん(5年生)は「みんなが入賞するとは思わなかった。全員が入賞したので、びっくり。これからの版画の授業が楽しみです」と声を弾ませていた。

 写真説明・特別賞と全員入賞を喜んでいた前泊校長(中央)と児童ら=8日、平良市立宮原小学校

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