200平成1  曜日


 4年連続で前年比減/伊良部町新年度予算案

 伊良部町(浜川健町長)は2日、2005年度当初予算案を発表した。一般会計の総額は40億1055万円、前年度当初予算比6・○%(2億5571万円)減の緊縮型で、四年連続のマイナス予算となった。マイナス幅は最大。歳入のうち依存財源である地方譲与税では、航空機燃料譲与税の収入5000万円を見込んで計上したことから10・7%(1300万円)増の1億3400万円。歳出の義務的経費では人件費を抑制し、初めて14億円を下回る13億2786万円。町単独事業は団地に雨戸などを設置する費用として1049万円を支出する。町の台所は依然として火の車。予算案は今月10日開会予定の3月定例会に提出される。 
 予算編成に当たっては、町単独で実施している町内の団体への補助金については、廃止または大幅削減の措置を取った。また前年度実施した一般職員の給与一律3%などのカットについては、本年度は撤廃した。
 歳入の町税は前年度比3%(1062万円)減の3億8002万円を計上。特に固定資産税の滞納者が多いことから、過去五年間の町税未収額を80%まで徴収し、5000万 −6000万円確保する方針。一方、歳出では公債費(借金)が前年度比5%(3485万円)減の6億5716万円。公債費は、新年度から年々減少するとしている。
 物件費は前年度に比べ653万円(2%)増えた。前年度は年度途中に臨時職員を採用したため給与は当初予算には計上されなかった。新年度は4月から採用する。
 新規事業は県から委託を受けた「離島地域資源活用・産業育成事業」(事業費1600万円)のみ。この事業では、特産品開発などを支援する。
 特別会計の国民健康保険、老人保健医療、介護保険、水道事業、ゴルフ場事業については、予算編成がまだ終わっていない。

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石垣路線の存続要請/多良間村長らがRACに

 【那覇支局】琉球エアーコミューター(RAC)が多良間 −石垣など離島3路線を、赤字であることを理由に廃止を検討していることについて、多良間村の兼濱朝徳村長や関係する村長らは2日、県や同社、県議会を訪れ同路線の存続を求める要請を行った。
 廃止が検討されているのは多良間−石垣、那覇−慶良間、石垣−波照間の3路線。兼濱村長のほか先島地区町村会長の仲間克城辺町長、県離島振興協議会長の島袋清徳伊江村長、大盛武竹富町長、高良豊座間味村助役が存続を求めた。
 島袋村長が要請文を読み上げ、これら3路線が廃止となれば、船舶欠航の際には交通手段が全く無くなり、離島住民の生活福祉の増進や観光産業への影響が懸念されることを指摘した。
 兼濱村長は「多良間村は石垣との関係を特に重要視している。経済振興のためには石垣からの観光客が大事だと考えている。いま廃止すると大きな打撃を受ける。多良間―石垣間は船舶航路もなく飛行機のみであり、そういう事からも現在の航空路線を存続してほしい」と要請した。
 稲嶺恵一知事に代わり、県企画開発部の花城順孝部長は「赤字だからといって廃止しても地元の理解は得られないと思う。今後も地元住民や関係者の意見を聞いた上で、最終的な結論を出してほしいとRACには申し入れてある。地元としても搭乗率を高めるようなことも取り組む必要がある。県としては、今後も支援することが可能かどうか検討していきたい」と述べた。
 RACの担当者らは「3路線については、旅客需要が低迷し路線の収支が大幅な赤字により、回復の兆しがない。この赤字を内部補助で支えていくためには一民間企業としての限界を超えている。昨今燃料費の高騰や2006年から法制化される航空保安の強化の維持費などから費用がさらに増加することが予想されており、さらなる赤字の幅が広がることが予想され皆さんには再度ご理解していただきたい」と話した。

 写真説明・県離島振興協議会長の島袋伊江村長(中央)が要請文を読み上げ、RACの山田有社長(左)に離島3路線の存続を求めた=2日、那覇市山下町の琉球エアーコミューター

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「今後の対応を協議」/新市名アンケで伊志嶺会長

 宮古5市町村合併推進協議会(会長・伊志嶺亮平良市長)が2月28日から実施している新市名称に関する住民アンケートについて、結果の集計と発表方法に疑問の声が上がっていることに対して伊志嶺会長は2日、本紙の取材に対し、「事務局としては8日の協議会までは正式な発表はできない」とこれまでの方針を繰り返しながらも、6日の集計作業の公開に柔軟な姿勢を示した。また「今後の対応については事務局と協議したい」と語り、6日の時点での集計結果発表にも含みを残した。
 伊志嶺会長は1日にも保守系議員らの指摘に対し、「集計作業は公開で行っても良い」と説明しており、6日の集計作業だけでなく、その結果を確認する7日の幹事会・市町村長会議も公開する考えを示した。一方で、合併協として正式な集計結果を住民に開示するのは8日の第10回協議会であるとの姿勢も重ねて強調した。
 今回のアンケートは「宮古市」と「宮古島市」の二者択一で有権者の約半数を対象に実施されており、協議会では結果をそのまま新市名称として決定することになっているため、アンケート結果に住民の注目が集まっている。
 このような中、合併協は2月25日に行った市町村長会議で、6日に集計作業、7日の幹事会と市町村長会議をそれぞれ行い、8日の第10回協議会で集計結果を発表する方針を決定。6日の作業と、7日の市町村長会議などを非公開で行うことを確認していたため、これに住民から疑問の声が上がっていた。
 合併協事務局もこれまで、6日の集計の段階で発表する権限はない、との見解を示し、あくまでも8日の協議会を正式発表の場としてきた。
 これについて伊志嶺会長は「事務局は発表する立場にはない。ただ6日は、市町村で集計し、それを事務局でまとめる形になるので、市町村の集計の段階で結果を取材して、それをまとめて紙面などで発表するなら構わない」などと述べた。

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主役は住民か協議会か/新市名称

「住民投票」の様相でねじれ

 平良市、城辺町、伊良部町、下地町、上野村の5市町村合併後の新市名称に関する住民アンケート調査が2月28日から、各市町村で実施されている。宮古5市町村合併協議会(会長・伊志嶺亮平良市長)が6日に実施するアンケートの集計作業は、公開で行われることとなったが、結果については当初の予定通り8日開催の協議会で発表される見込みだ。発表までに2日間の時間を置くことをはじめ、さまざまな疑問点が横たわったまま、アンケートは続けられている。
 ■「アンケート」か「住民投票」か
 このアンケートは新市名称に関して、「宮古市」と「宮古島市」を選択肢として、民意を吸い上げるもの。
 ところが、「宮古市」と「宮古島市」で回答数が多かった方が新市名称として採用されることから、事実上の「住民投票」の要素を持っている。正式な住民投票ならばほとんどの場合、住民に公開のもと即日で開票作業が行われ、投票日の夜遅くには結果が判明する。
 しかし今回は結果がそのまま新市名称の決定に反映される「住民投票」の様相を呈しながら、手法は「アンケート」。即日開票、即発表といった制約はなく、この部分で大きなねじれが生じている。
 ■集計作業は公開も発表は後日
 アンケートは5日まで。集計作業は翌6日、午前中にまず各市町村ごとに行われ、同日午後、各市町村の集計結果を合併協事務局がまとめる形で実施される。焦点となるのは、集計作業が公開で行われるか否かだが、合併協は1日、作業を公開する方針に転換した。
 アンケートの実施要領を確認した2月25日の市町村長会議の時点では、6日の集計作業とその結果が報告される7日の幹事会、市町村長会議とも、報道陣を含めて非公開ということが確認されていた。
 だが1日になって、平良市議会保守系議員らの指摘を受け伊志嶺会長は「集計作業は公開で行っても良い」と発言。一方で集計結果については既定方針通り、「アンケート実施を決定した合併協議会の委員の皆さんに報告した上で、住民の皆さんにも発表する」との姿勢を崩さなかった。
 ■重視すべきは住民か協議会か
 事実上の「住民投票」の様相を呈するアンケート。住民が集計作業を見守りたい、速やかに結果を知りたい、と思うのは当然である。
 集計作業の公開は、住民にとって歓迎すべきことだが、合併協が「協議会委員への報告が先。発表は8日の協議会で」との姿勢を堅持することには疑問を禁じ得ない。
 これまで協議会で決定してきた協定項目の中で唯一、委員だけでなく住民が直接かかわりを持つ項目となったのが新市名称であり、アンケートの最も重要な目的は、住民が意思を表示する、という一点である。
 6日に集計結果が判明するにもかかわらず、住民は8日まで発表を待たなければならない。そうなれば「その間に、結果に操作が加えられるのではないか」などと住民から疑心暗鬼の声が上がるのも無理はない。
 ■住民本位の作業を
 今回のアンケート結果が、子々孫々にまで使われる新しい市の名称となる。決定過程において、住民が不可解に思う点があってはならない。
 いずれにしても15日には5市町村長による合併調印式を控えており、タイムリミットは8日の協議会。それまでに住民が納得のいく形でアンケートを終えることが求められる。
   (砂川拓也記者)

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「キビ収穫はまかせて」/宮農生が農家手伝う

 県立宮古農林高校(下地恵吉校長)の1、2年生が2日、援農体験学習の一環でサトウキビ収穫を体験した。多良間村を除く各市町村に分かれて収穫作業を実施。「キビ収穫はまかせて」と言わんばかりの就労ぶりを発揮し、生産農家を喜ばせていた。
 この体験学習は基幹作物であるサトウキビの収穫作業を通して、農業の現状と課題を理解することが目的。また、高齢化および人手不足に悩む農家の手伝いをすることによって相互扶助の精神を養うことも狙い。
 生徒たちは午前9時30分から各市町村のキビ畑に分かれて収穫作業を開始。この日の天候はあいにくの雨だったが、生徒たちは雨がっぱを着て懸命な作業を続けた。
 男子は積極的におのを持ってキビ刈りし、女子はかまでキビの葉を取る作業などを行っていた。
 平良市腰原の畑で収穫していた環境工学科の下里一平君(1年)は「初めての体験だったけど、収穫の大変さを知らされた。だけど、優しいおじいとおばあに出会えてとても良かった」と感想を話した。
 この畑で生産している保栄茂邦子さん(60)は「とてもありがたいことです。心がすっきりして幸せな気分。みんな働き者だし、感謝の気持ちでいっぱいです」と満面の笑みで話していた。

 写真説明・宮農の1、2年生全員が各地でキビ収穫体験学習を実施し基幹作物について学んだ=2日、平良市腰原

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