200平成1  曜日


 下地島に自衛隊誘致求める/伊良部町・商工会が決議要請

 今月15日の宮古地区市町村合併の調印式を控え、伊良部町商工会(奥濱幸雄会長)は28日午前、下地島空港への自衛隊駐屯誘致決議の採決を求める要請書を、同町議会事務局に提出した。友利浩一議長は「要請書の内容に信ぴょう性があるかどうか情報を収集した後、要請書を受理するかどうか判断したい」と述べ、全議員18人が文面の信ぴょう性の検証に向け取り組んでいく考えを示した。要請書の受け取りを拒否する浜川健町長は「要請書の内容には信ぴょう性が無い。合併をするということは全権を合併に委ねている」と重ねて強調し、同商工会が理事会を開かないで作成した要請書に疑問を投げ掛けた。同町では2001年4月に開かれた町議会で「自衛隊訓練機の誘致要請」を決議したことがある。今回の同要請は初めて。自衛隊誘致については、合併反対派議員8人が賛成、合併賛成派議員10人が反対の意向。両派の議員らは、同誘致と合併をめぐって対立へ突入した。

 要請書では「先般行われた日米安全保障協議委員会(2プラス2)の米軍再編成協議の中で、中国への対応が議論された。『奄美諸島、沖縄本島、先島諸島を有する南西諸島全域の自衛隊と米軍の配備計画を左右している重要な中心核が伊良部町下地島空港への自衛隊駐屯』である」と説明。
 その上で「我々、伊良部町商工会は『先島諸島島民の安全確保は、伊良部町の安全確保に尽きる』と認識している」と表現し「我々商工会は、先島諸島島民の安全保障確立に深い理解を示す地元選出国会議員、県会議員、および支援団体である南西諸島安全保障研究所の支援を頂きながら、元防衛庁長官、自民党本部、政府高官などへも要請活動を行ってまいりました」と明記しながら、国会議員などの名前を明らかにしていない。
 続けて「『伊良部町議会が政府に対して緊急に自衛隊駐屯の要請決議を行うことにより、防衛関係施設の建設をはじめ、各種の生活環境基盤整備事業、農林水産整備事業の諸事業がSACO(日米特別行動委員会)関連事業として実施可能である』との貴重なご意見を頂いた」と述べた上で「伊良部町の経済的な発展が約束されたことである」と表現する。
 最後は「政府に対し、緊急に伊良部町への自衛隊駐屯要請を決議することを商工会の総員の意思として、ここに強く求める決議をし、要請する」としている。
 この要請書の代表提出者は奥濱会長。副会長の島尻始氏、理事の友利恵道、屋比久健、渡久山健二、儀間方吉、久貝久雄、新里哲、久貝克、渡久山久仁子、佐久間成雄、与儀盛、久高照子、11氏の連名。全理事16人中、5人の署名は無かった。
 奥濱会長は「長引く不況で経済は停滞。経済活性化のために自衛隊誘致を要請した。合併問題とは関係ない」と話す。
 浜川町長は「伊良部町商工会は、理事会も開かずに要請書を作った。当然、要請書には議事録も添付されていない。連名した理事11人のうち、2人は『自分はサインしていない』と話している」と語った。
 奥濱会長らはこの日、町役場に川満一助役を訪ね、要請書を提出しようとしたが、川満助役は受け取りを拒否した。

■「非常に遺憾」 伊志嶺平良市長
 伊良部町議会の一部議員の中で下地島空港への自衛隊機訓練誘致の動きが再燃していることを受け28日、宮古市町村会長の伊志嶺亮平良市長は「昨年、下地島空港の自衛隊による使用を含めた軍事利用をさせないことを宮古圏域全体で確認している。団結している中で下地島空港の反軍事化や市町村合併を否定する動きがあることは非常に遺憾だ」と不快感を示した。
 今後については、「どのような形になるのか分からないが、動きを見て対応したい」と述べた。

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市町村会 9月末で解散/会議開き、県への要望など確認

 宮古市町村会(会長・伊志嶺亮平良市長)は28日、宮古市町村会館で市町村長会議を開き、同会の今年9月末の解散や琉球エアーコミューター(RAC)の多良間−石垣路線の存続を求める要請行動の内容、4月に行われる2005年度県・市町村行政連絡会議での要望事項などを確認した。宮古市町村会については05年度予算は計上せず、多良間村を除く5市町村合併の前日となる9月30日で解散する。同会職員は、今年3月31日で退職し、翌4月1日付で平良市、城辺町の職員として採用される。同会が行っていた業務は9月30日まで、平良市職員(同会の元職員)が兼任する。
 RACが多良間−石垣と那覇−慶良間、石垣−波照間の3路線を赤字を理由に廃止を検討しているが、これについては多良間村の兼濱朝徳村長と先島地区町村会長の仲間克城辺町長、県離島振興協議会長の島袋清徳伊江村長らが3月2日、県やRACに存続を求めて要請する。要請文は「航空は離島住民にとって必要不可欠な生活路線。荒天時に船舶欠航の際には交通手段が全くなくなり、離島住民の生活福祉の増進・観光産業への大きな影響が懸念される」などとし、存続に向けた配慮を求める内容となっている。4月下旬に行われる予定の05年度県・市町村行政連絡会議での要望事項には▽伊良部架橋の早期着工▽県立宮古病院の早期移転新築▽離島航空運賃の引き下げ―など6市町村の共通事項をはじめ、各市町村ごとの要望事項を含めて計16件を盛り込んだ。
 2月8日に宮古市町村教育長会(会長・久貝勝盛平良市教育委員会教育長)から要請があった宮古教育研究所の開設に関しては、市町村合併後の新市で取り組むことで一致した。

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新市名称住民アンケ始まる/5日まで、集計は6日

 平良市、城辺町、伊良部町、下地町、上野村の宮古5市町村合併後の新市名称に関するアンケート調査が28日、各市町村で始まった。アンケートの対象は有権者の約半数で、5市町村で合わせて2万900枚のアンケート用紙が1世帯に1枚の割合で配布される。平良市は各地域ごとの事務担当者が、城辺町、下地町、上野村は各地区の区長、自治会長が、伊良部町は役場職員が、それぞれ配布を行う。担当者らはアンケート用紙を住民に手渡し、記入をしてもらって回収する。期限は5日まで。6日に集計が行われる。
 新市名称に関するアンケートは、「宮古市」と「宮古島市」のどちらかの名称を二者択一で選択するもの。アンケートの対象件数は有権者数の2分の1程度。各市町村の2月1日現在の有権者数は▽平良市2万6048人▽城辺町5865人▽伊良部町5138人▽下地町2409人▽上野村2401人―で、アンケート用紙の割り当ては▽平良市1万3000枚▽城辺町2900枚▽伊良部町2600枚▽下地町1200枚▽上野村1200枚―となっている。
 各市町村とも28日までに区長や事務担当者らに対する説明会を終え、アンケート用紙を託した。区長らは各世帯を回ってアンケート用紙を配布し、記入への協力を求める。
 このうち平良市の説明会は28日午後、市役所であり、約50人の事務担当者らが職員の説明を受けた。新市名称にかかわる重要なアンケートとあって、各担当者とも真剣な表情で説明に聞き入っていた。
 説明会終了後、地域ごとに大きな袋に分けられたアンケート用紙が各事務担当者に手渡された。同市では事務担当者に回収してもらう以外に、市役所と中央公民館、ゆいみなぁに設置された投かん箱に投かんすることもできる。

 写真説明・袋に詰められたアンケート用紙を運ぶ平良市の事務担当者ら=28日、平良市役所

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なぜすぐ公表しないの?/新市名称アンケ・6日集計、公表8日

 先月23日に行われた宮古5市町村合併推進協議会(会長・伊志嶺亮平良市長)の第9回会議で新市名称に関する公式アンケート実施を決定したが、その公表方法について疑問の声が上がってる。現在、5市町村がそれぞれ行っているアンケート調査は今月6日(日曜日)にその結果が判明するが、決定した新市名称については一部関係者のみに報告され、主役であるはずの住民へは2日後の8日に行われる第10回の同協議会において正式に発表される予定となっている。
■アンケート結果
 首長会議で出た意見として「協議会でまずは協議会委員に説明した上で公表すべきだ」との意向などから、アンケートの結果については6日に判明するが、その日は発表せずに8日の協議会まで住民には伏せられる形となっている。また、必然的にアンケートの集計作業も報道陣には公開されずに密室の中で行われる予定だ。
 協議会前日の7日に行われる幹事会や首長会議にはその結果が報告されるが両会議とも非公開で、この段階で決定した新市名称については一部関係者だけが知り住民には伏せられたままの状況となる。
■主役を無視
 新市の名称は現在の合併協議において住民が最も注目している事項だろう。しかも、その結果がそのまま新市の名称となることからアンケート結果には多くの住民が関心を示している。
 これがあくまでも参考程度のアンケートであるならば協議会での発表も理解できる。しかし、新市名称を決定する住民投票との捉え方もできる今回のアンケート結果を2日間も伏せる理由が「まずは協議会委員に知らせてから」では住民を無視していると指摘されても仕方がない。
 また、結果を2日間伏せるために集計作業を公開しないことは、結果が出てそれに不満を持つ住民側から集計作業に疑問の声が上がった場合の説明も難しくなるだろう。
■民意
 今回のアンケートの最大の目的は新市名称について「民意の反映」だ。まずはその民意を示した住民側には最優先に知らせるべきだろう。もし、どうしても協議会の場で正式発表してからにしたいのであれば6日に協議会を開催して住民にも同時に知らせてはどうだろうか。その方が、あえて2日間も伏せることなく集計作業も公開となり公正公平な中で実施されたことを示すことにもなるだろう。
    (垣花尚記者)

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きょう最後の卒業式/宮高定時制・半世紀の歴史に幕

 1953年6月に創立された宮古定時制高等学校(現・宮古高等学校定時制課程)がきょう1日、52年の歴史に幕を閉じる。この間、仕事と勉学を両立させて巣立っていった生徒の数は1867人、その生徒たちを物心両面から支えてきた関係者も多数だ。1日には定時制廃課程式並びに石碑の除幕式、思い出を語る会を挙行。生徒、教諭、その他多くの関係者が参加し、半世紀にわたる「定時制課程」の歴史を振り返る。
 宮古定時制高等学校は53年6月1日に創立。初代校長には池村恵興氏が赴任した。58年3月31日に学校廃止となり、同年4月1日から現在の宮古高等学校定時制課程(一般商業科)としてスタート。現在は泊高校通信制課程の協力校として毎週日曜日に授業を行っているが、これは定時制が廃課程になった後も継続される。
 53年の開校から今日に至るまで、生徒たちは文武両道を実践して数々の快挙を達成した。商業実務競技の県大会、全国大会における多数の上位入賞をはじめ、珠算大会でも輝かしい成績を収めた。スポーツ面での活躍も光り、特に女子バレーボールは過去に県大会5連覇を達成し、全国大会では3位の成績を残した。女子陸上は3年連続の県優勝、男子バスケットボールでも県大会で数回優勝した。
 このような輝かしい実績を残してきた定時制が1日、廃課程となる。その歴史について狩俣幸夫校長は「高等学校進学率の上昇に伴う定時制進学者の減少や少子化、校区拡大など時代の変遷によって2002年度以降入学生の募集が中止され、52年にわたる歴史を閉じることとなった。誠に感無量」と思いをはせ、「これからは泊高校通信課程に引き継がれ、その協力校として勤労学徒の志をはぐくんでいく。定時制課程がなくなることは寂しく残念だが、生徒たちが誇りを持ち今後もきずなを強め互いに励まし合って活躍することを願う」と話した。
 粟國盛博定時制教頭は「52年の歴史は終わるが母校は永遠に残る。すべて終わることではなくこれから再スタートを切る。今回卒業する14人の生徒は節目ある年の生徒として誇りを持ってほしい」と今後の新しい始まりに期待を寄せた。

 写真説明・52年間続いた定時制課程の歴史がきょう1日、幕を閉じる。これまで1867人の生徒が夜の校舎で学んできた=宮古高校

石碑に「星苑(せいえん)」/きょう記念碑除幕式
 廃課程を記念し、きょう1日、記念石碑の除幕が関係者によって行われる。石碑には「星苑」の文字が刻まれており、裏には「夜空に輝く星のように 命の輝く勤労学徒が学んだ苑」と刻まれ、1953年6月から2005年3月まで宮古高校定時制課程があったことを印している。
 記念石碑は八重山御影石で出来ており、高さ150センチ、幅220センチ、厚さ100センチで、重さは5トン。「星苑」の文字は第1期卒から始まった文芸誌や卒業文集の名称としても長年使われてきた。
 
 写真説明・定時制課程の歴史を閉じる記念として建立された石碑


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獅子舞で厄払い/城辺町比嘉・伝統のパツカショウガツ

 城辺町の比嘉集落で28日、「旧二十日正月(パツカショウガツ)」が行われた。旧暦1月20日に行われ、90年以上続いている伝統行事。住民こぞって獅子舞を舞い、集落の繁栄や無病息災、豊作を祈願した。
 この日は午前中、ツカサたちが御嶽で、集落の繁栄を祈願した。住民らは午後2時ごろ公民館に集まり、頭にマーニ(クロツグ)の冠を乗せ身繕いした。
 午後3時から会式が行われ、宝くじ助成金で新調した獅子頭がお披露目された。
 本村弘幸公民館長は「新しい獅子を先頭に比嘉はますます発展していくと思う。きょうは、伝統行事を盛り上げ、比嘉部落の繁栄につなげよう」とあいさつした。
 祭りの本番では、青年たちが公民館の玄関で、ホラ貝や太鼓、鉦、笛、三線の音が響く中、獅子舞を勇壮に演舞。次いで、旗持ちや獅子を先頭に列をなし、公民館の周りを3周した。
 公民館の儀式が終わると、男衆たちが車に乗り、鉦や太鼓を鳴らしながら集落を一周した。
 最後は、新築や改装をした3軒(本村弘幸さん、前里巌さん、比嘉正憲さん宅)で獅子舞を舞い厄払いした。
 比嘉の獅子舞については、同集落民俗芸能保存会が、文化財指定を要請中。これを受け会場には、町文化財保護審議会の委員らも訪れ、視察調査した。
・旧二十日正月 1913(大正2)年に始まったといわれている。明治時代に士族と平民が字有地の財産をめぐり衝突。この争いは長い年月の末、双方が歩み寄り和解した。その日がちょうど、旧暦の1月20日だったことから、記念日として祭りが行われるようになったという。

 写真説明・新築や改装した家を訪ねて獅子舞を舞い厄払いした=28日、城辺町比嘉

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