200平成1  2 26曜日

 議員が現場視察/地下水塩素イオン濃度上昇問題

 白川田水源流域の2つの井戸で塩素イオン濃度が高い数値を示している問題で、宮古島上水道企業団議会議員らは25日、その要因として指摘された温泉施設を持つ宮古島リハビリ温泉病院(奥原典一理事長)を訪れ、病院関係者とともに、塩素イオン濃度が高い井戸を視察した。
 今回の視察は、3月7日に開かれる同議会定例会に向けてのもので、議員らは病院に近い3つの井戸の場所や利用状況を確認した。このうち塩素イオン濃度が昨年10月にピーク値となる1リットル当たり1621ミリグラムを示した井戸を重点的に視察した。この井戸は塩素イオン濃度の変動が最も大きい井戸。昨年10月のピーク値以降、徐々に数値を下げ、今月15日には約200ミリグラムまで低下。23日には再び約800ミリグラムに上昇している。
 奥原理事長はこの井戸のそばに貯水池があり、その影響を大きく受けていることや、井戸の底に60センチほどヘドロもたまっていることを指摘し、「表流水の影響が大きく。この水が地下水とは言い切れない」と強調した。
 参加した議員からは「これは井戸ではない。地下水を調査したとは言えないのではないか」と調査結果への疑問の声も上がった。
 また、同日行われた上水道企業団理事会でもこの話題となった。同企業団理事長の伊志嶺亮平良市長は「念には念を入れてしっかり対応したい。場合によっては水道条例の見直しも必要」と述べた。
 15日には、伊志嶺市長らが同病院を訪れ、現在県が実施している検査結果が判明するまでの1カ月間、温泉排水を停止するよう要請。しかし、奥原理事長は不在。職員も要請書を受け取ることはなかった。

 写真説明・高い塩素イオン濃度を示す井戸を視察する議員ら=25日、平良市東仲宗根添

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知事「地元と調整し対応」/塩素イオン濃度問題・

奥平が県議会で一般質問

 【那覇支局】県議会(外間盛善議長)の2月定例会は25日、一般質問初日が行われ、平良市区選出の奥平一夫氏(自立21)は環境行政や基地行政などをただした。宮古島の地下水質の塩素イオン濃度上昇問題に関し、県の対応姿勢を問われた稲嶺恵一知事は「宮古島は生活全般にわたって地下水に大きく依存していることから、地下水保全は大変重要だと考えている。今後地元とも調整しながら対応に努めたい」と答弁した。
 「温泉排水を合併浄化槽でろ過し、地下浸透を指導しているが、塩素イオンはろ過されるか」について、屋嘉部長市文化環境部長は、合併浄化槽が微生物の働きを利用したものとし、「微生物は塩素イオンを除去する能力を有していない」とした。温泉排水を地下浸透で排出する合法性について、屋嘉部部長は「浄化槽法では浄化槽での処理水の放流先に関する規制はない」と違法行為はない旨答えた。この合併浄化槽の排水の年間検査結果については、「水素イオン濃度が7・2、溶存酸素が5・0−7・0ミリグラムパーリットル、透視度が30度以上、残留塩素が0・2ミリグラムパーリットル以上であり、この水質は国が示した望ましい水質の範囲内に収まっている」とした。
 温泉排水の地下水への影響について屋嘉部部長は、「温泉排水の影響を否定はしない。調査の継続が重要と考えている」とし「県としては今後、水質検査の結果や地元の対策委員会の動向、温泉利用事業者の意向などを踏まえながら、適切に対応していきたい」と答えた。
 自動車リサイクル法違反事件後の県の対応について、屋嘉部部長は「今後も悪質な事案に対しては『美ら島環境クリーン作戦』に基づいて、県警と連携を図り厳正に対処していく」とした。

 写真説明・宮古島地下水の塩素イオン濃度上昇問題などを質問する奥平一夫氏=25日、県議会


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有権者の半数が対象/新市名称アンケ・来月6日に集計

 宮古5市町村合併推進協議会(会長・伊志嶺亮平良市長)は25日、同協議会事務局で市町村長会議を開き、23日の第9回協議会で実施が決定された新市名称に関するアンケートについて、内容や実施方法などを確認した。5市町村の有権者数の約半数に当たる2万900枚のアンケート用紙(調査表)を配布し、3月5日を期限に実施する。配布方法は各市町村に一任された。同協議会では3月6日にアンケート結果を集計。翌7日の幹事会と市町村長会議に報告されるが、いずれの会議も非公開で行われるため、8日の第10回合併協が結果発表の場となる。
 25日の市町村長会議には、24日の幹事会の議論を基に事務局がまとめたアンケート調査の実施要領が示された。
 それによると、対象件数は5市町村ごとに有権者の2分の1程度。各市町村の2月1日現在の有権者数は▽平良市2万6048人▽城辺町5865人▽伊良部町5138人▽下地町2409人▽上野村2401人―で、調査表の割り当ては▽平良市1万3000枚▽城辺町2900枚▽伊良部町2600枚▽下地町1200枚▽上野村1200枚―となっている。
 実施期間を25日−3月5日としているが、調査表の印刷にかかる時間を勘案すると配布が始まるのは週明けの28日ごろになりそうだ。
 調査表の配布方法と回収方法は各市町村に委ねられた。24日の幹事会では、1世帯に1枚配布する案や、無作為抽出で選ばれた人に配布する案、また、各地域の自治会長を通して住民に配布する方法などが検討された、これらの配布方法は各市町村が決定することになる。回収方法も各市町村が決める。
 調査結果は3月6日午前に各市町村ごとに集計された後、午後に合併協事務局で全体の数値が集計される。

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5・4%減の37億4690万円/上野村新年度予算案

 上野村(川田正一村長)の2005年度当初予算案が24日、発表された。一般会計は37億4690万円で対前年度比5・4%(2億1300万円)の減。上野中学校校舎建て替え事業が完了したことなどが主な要因となっている。財源の柱である地方交付税が対前年度で3・8%(5000万円)のマイナスが見込まれたため、基金から8600万円を繰り入れた。ソフト面で滞在型・参加型観光の振興を図るため、体験滞在交流促進事業など4事業を盛り込んだ。同案は来月開かれる同村議会3月定例会に提案する。
 歳入では、自主財源が4億6409万円(前年度4億9365万円)で6・0%(2956万円)の減。全体の87・6%(32億8281万円)を占める依存財源は、財源の柱である地方交付税の5000万円の減額などが響き、歳入面全体で2億1300万円減額となった。
 歳出では、人件費や公債費などの義務的経費を12億6354万円(前年度14億3924万円)に抑えた。このうち、人件費は6億3224万円(同7億422万円)。大幅減の要因は、今年10月に予定されている市町村合併により、特別職(村長、助役、収入役、教育長)の給料や議員報酬を縮小して計上したため。
 投資的経費では、普通建設事業費が16億9558万円で前年度比1億3088万円の減額。老朽化に伴う上野中学校校舎建て替え事業が完了したこと、農林水産費関係事業の減少が要因。しかし、土木費では、村営住宅建設事業として03年度から継続の高田団地、新規の新里第3団地の建設などがあり、4億3494万円が計上され、土木費全体では3億6015万円増の7億6056万円となった。
 新規事業は、滞在型・参加型観光の振興を図る体験滞在交流促進事業のほか、農作物の加工、流通、販売、消費を調査、分析し、ニーズに合った加工特産物を開発するための調査事業として離島活性化事業も新規に導入。それぞれ2350万円を計上した。
 そのほか、農林水産業の振興を目的に▽ハーベスター導入事業4608万円▽農業振興費(農薬購入湯補助、ハーベスター使用補助など)1504万円▽畜産業費(子牛生産奨励補助、堆肥盤設置補助金など)1140万円―などを計上。
 定住促進活性化事業として前年度に引き続き出産祝い金および定住住宅建設奨励金に580万円、中学卒業までの医療費無料事業に400万円をそれぞれ予算化。若者の定住促進を勧め、村の活性化につなげる方針。
 川田村長は「昨年度に続き、基金を取り崩すなど三位一体改革で苦しい予算編成になったが、住民サービスに支障のない予算編成になったと思う。村民の納得のいくよう、予算を執行したい」と新年度予算について説明した。

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親族そろって先祖供養/旧十六日祭

 旧暦1月16日にあたる24日、後生の正月といわれる「旧十六日祭(ジュウルクニツ)」が各地で行われた。家族や親せきらが墓前に線香や重箱料理を並べるなどして先祖を供養し、共に過ごす正月を祝った。
 このうち、平良市の袖山墓地公園は、午後1時すぎごろから墓参りのピークを迎え、多くの人が先祖の眠る墓前に足を運んだ。
 根間平成さん(71)の先祖が眠るお墓には、親族ら約20人が訪れた。墓前に線香や酒、ごちそうなどを並べ、あの世の金とされる「紙銭(カビジン)」を焼き、全員で手を合わせた。9人兄弟の長男という根間さんは「全員集合とまではいかないが、たくさんの子や孫が集まってくれた。先祖も喜んでいると思う」と話した。
 根間さんの孫、西里元臣君(南小6年)は「みんなが交通事故に遭わず、健康で長生きできるようにお願いする」と手を合わせた。
 根間さん兄弟の末っ子、宏定さん(52)は「旧十六日祭は一族の一大イベント。今年も盛大にできてよかった」と話した。

 写真説明・先祖の眠る墓前で、全員で手を合わせ、共に正月を祝った=24日、平良市の袖山墓地公園

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「メリケン粉はダメ」/卒業式前に対策会議

 宮古地区の高校生の卒業式後の問題行動の未然防止対策会議が25日午後、宮古農林高校で開かれた。宮古警察署や各高校の関係者ら多数が出席。地域に「高校生にメリケン粉を売ることを自粛する」「未成年者である高校生に酒・タバコを販売提供しない」「深夜はいかいをさせないよう家庭でも注意を促す」の3点などを盛り込んだアピール文を全会一致で採択した。
 開会の冒頭、宮古地区高校生徒指導連絡協議会長の下地恵吉宮古農林高校長は「昨年の3月1日の卒業式後は、これまでの取り組みの成果があって問題行動は1件も無かった。これから問題が起こらない取り組みが必要」と、今後の未然防止行動に期待した。
 大里英男同署地域課長は「宮古では2001年3月1日の卒業式後に、メリケン粉を使った騒ぎがあった。一番の対策は未然防止」と述べ、各高校などと連携しながら未然防止対策に取り組んでいく決意を示した。
 「高校生の卒業式の問題未然防止」に向けてのアピール文では「例年、一部の生徒ではありますが卒業の開放感から地域の皆さんに迷惑をかけ、ひんしゅくを買うような行動を起こす者が出ている」と指摘。その上で「当日(3月1日)夜は、各高校とも生徒がクラス担任を招いての分散会を計画。分散会後に重大な事件事故につながりかねない飲酒や無謀な車両運転などの問題行動が懸念されるため、3月1日当日は日中のパトロールに加え夜間も警察・補導員・PTA・教職員による巡回パトロールを実施する」としている。
 アピール文は宮古地区高等学校校長会、宮古地区高等学校PTA連合会、宮古警察署の連名。

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