200平成1  2 24曜日

 「宮古市」か「宮古島市」か/新市名称公式アンケート実施へ

 宮古5市町村合併推進協議会(会長・伊志嶺亮平良市長)の第9回会議が23日、県宮古支庁で開かれ、これまで再三にわたり否決してきた新市名称に関する公式アンケートについて、住民からの強い要望を背景に、一転して実施することを決定した。アンケートは可能な限り多くの住民から回答を得られるよう配慮し、「宮古市」と「宮古島市」で多数の方を採用する方針。アンケートの詳細はきょう24日に開かれる幹事会、翌25日の市町村長会議で決定される。合併調印式の期日が3月15日と迫っており、同8日の次回協議会には結果を報告する必要があるため、アンケートは遅くとも3月はじめごろには行われる見込み。
 新市名称に関しては、今月11日に実施された「新市名称に関するシンポジウム」の実行委員会呼び掛け人代表の1人、猪澤也寸志氏が、公式アンケートを実施し民意を尊重した上で新市名を決定することを要請。また今月18日まで、非公式ながら住民アンケートを実施した宮古青年会議所(宮古JC)と沖縄宮古商工会議所青年部が、4800人余の回答を得て、このうち8割が公式アンケートを求めていることを報告した。
 これを受けて意見が交わされ、中尾英筰委員は「3つの団体の若い人たちが汗を流して市民の意見を集めた結果、公式アンケートをした方が良いという結果になった。アンケートをとって、その結果で名前を決めた方が良い」と強調した。
 仲間克副会長(城辺町長)は「これだけ世論が盛り上がっているからには無視するわけにはいかない。(宮古JCなどのアンケートで)上位だった宮古市と宮古島市でアンケートをやったらどうか」と提案した。
 特に反対意見は聞かれず、アンケートの実施は全会一致で決定された。この中ではアンケートの詳細には触れておらず、きょう24日の幹事会で内容を協議する。
 合併後の新市名称は、「6市町村」の協議会で昨年4月、「宮古市」とすることを確認した。下地町、上野村が離脱した「3市町」の枠組みでも同11月に「宮古市」に決まり、両町村が再加盟した「5市町村」の協議会でも同12月、これを追認した。この後、岩手県宮古市の反発や住民からの民意の確認を求める意見の高まりで、今年1月の協議会でもアンケート実施が議題となったが賛成少数で否決され、「宮古市」に決定していた。
 この日の協議会ではこのほか、合併協定調印式を3月15日にマティダ市民劇場で行うことや新市建設計画に関する県との協議事項が報告された。

■「住民の声重視に敬意」/岩手県宮古市・熊坂市長
 宮古5市町村合併協議会が23日、新市名称に関する公式アンケートの実施を決定したことを受け、岩手県宮古市の熊坂義裕市長は同日、本紙の取材に対し、「宮古地域の住民の皆さんの声を重視することとした協議会の姿勢に敬意を表したい」とコメントした。
 同市は新市名称が「宮古市」に決まったことに対し、合併後に同一名称となることによる混乱などを想定して難色を示していた。
 熊坂市長は慎重に言葉を選びながら「(岩手県宮古市で)沖縄県『宮古市』の名称に反対する人々の理解を得るため、沖縄県宮古地域の住民の皆さんの真意を確認することは、いかなる結果になろうとも有意義なこと」との見解を示した。

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新年度予算34億5000万円/下地町・前年度比0・8%増

 下地町(川満省三町長)は23日、2005年度予算案を発表した。一般会計は34億5148万円で対前年度比0・8%(2601万円)増。地方交付税など国の三位一体改革による大きな影響はなかった。約1億2000万円の歳入不足が見込まれたため、基金から前年度の約2倍に当たる5億4862万円を繰り入れた。新規事業としては単独で保健福祉センター建設、農道整備、補助事業で土地を用地造成し分譲地として売り出す定住促進団地整備など計4項目を盛り込んだ。歳出では各団体への補助金を前年度同様に削減するほか、人件費削減などで抑制していく。
 一般会計歳入の依存財源は全体で11・7%(3億2898万円)減。地方交付税のカットは当初見込みより少なく、前年度と比べ2・6%(3400万円)増。国庫支出金が76・2%(3億9403万円)減となった。自主財源では基金の取り崩しなどで繰り入れ金が2億9224万円、町税が172万円それぞれ増えたほか、新規補助事業の定住促進団地整備事業による財産収入が5078万円と大幅増となった。同事業では町が沖縄製糖宮古工場とコーラル・ベジタブル社間の国道390号沿いの土地の一部を購入して用地造成を図り、25区画を分譲地として売り出していく計画。
 歳出は人件費や公債費など義務的経費を5・9%(7619万円)抑え、各団体への補助金や貸付金などその他経費を1・1%(951万円)削減した。投資的経費では、下地中学校校舎改築が完了するため補助事業費が37・2%(4億1259万円)減となったが、単独事業費が保健福祉センター建設などで5億2429万円増えた。
 川満町長は「国の三位一体改革で非常に厳しい予算編成となったが、住民サービスを低下させないような取り組みを職員と一体となって行っていきたい」と話した。

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合併前に基金活用/下地町・予算へ5億4800万円を繰り入れ

 下地町(川満省三町長)は、2005年度予算案に町の基金残高の約9割にあたる5億4862万円を繰り入れ、新規単独事業の農道整備事業や保健福祉センター建設事業費の一部などに充てた。これにより約5億9000万円あった基金は残高が約4700万円となり、05年度で基金のほとんどを活用していくこととなった。合併協議の中では各市町村の財産は新市に引き継ぎ、新規ハード事業は避けるよう申し合わせていたが、今回、保健福祉センター建設については9600万円が起債事業として盛り込まれているなど、今後の協議に波紋を呼びそうだ。
 川満町長は「基金は条例を作り目的に沿って積み立ててきた。今回の基金取り崩しも目的に沿って行っている」と説明。新規ハード事業として建設する保健福祉センターについては、町内に同施設がないことを挙げ「新市計画などにも下地町の事業として盛り込むよう要望してきた」として、合併してもしなくても建設には差し支えないとの姿勢を見せた。
 下地町は合併する5市町村の中でも最も基金残高が高く、その活用方法については各市町村から注目が集まっていた。同町では基金の活用方法について町当局と議会議員が意見交換会を行い非公開で協議を進め活用方法を確認。川満町長は「議員の意見は住民の意見として取り上げ予算に反映させたかった」と話した。
 各基金の05年度末残高見込みは▽財政調整基金1万1975円▽減債基金32万2470円▽地域振興基金22万8000円▽ふるさとづくり基金11万7000円▽ふるさと農村活性化基金0円▽社会体育施設整備基金1万2679円▽土地開発基金4640万3528円―となっている。
 保健福祉センターは、旧庁舎跡地に建設する計画で、建設費は約2億3400万円。このうち1億4400万円を基金の地域振興基金とふるさとづくり基金で充当し、9060万円を起債事業として盛り込んだ。
 農道整備事業には、ふるさとづくり基金から最も多い2億3198万円を充てた。同事業は町内の農道計2・2キロを整備するもので、ほ場整備が完了した地区で主に実施していく計画。

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塩素イオン濃度再び上昇/前回調査より3倍

 白川田流域にある井戸の塩素イオン濃度が高い数値で推移している問題で、宮古島上水道企業団(渡真利光俊企業長)が21日に実施した水質調査での塩素イオン濃度は1リットルあたり753ミリグラムで、大幅に低下したとされた前回調査(15日、228ミリグラム)に比べ3倍以上となり、再び上昇していることが23日までに分かった。同企業団では23日にも水質調査を行いその結果を数日中にも示す予定であるほか、今後はこれまでよりも調査回数を増やす方針としている。
 この問題は、平良市の4水源(白川田、山川、高野、大野)の塩素イオン濃度が上昇していることに関連して、同じ白川田水源流域にある2つの井戸で塩素イオン濃度が高い数値で推移していたことから財団法人県環境科学センターが調査し、先月末にその要因として「温泉排水の影響が大きい」との調査結果を発表していた。
 こうした状況を受け、温泉を利用している施設に対して関係自治体、上水道企業団などが温泉排水停止の要請を行ったが、施設側は独自の調査結果が出るまでこれまで通り排水していく方針を示している。
 問題の2つの井戸は、4水源と同じ白川田流域にあり、温泉を利用している施設に近い。2つのうち1つで、昨年10月15日の調査では塩素イオン濃度は1リットルあたり1621ミリグラムだった。しかし、最近の調査では低下傾向が続き、今月15日の調査では1リットルあたり228ミリグラムにまで低下した。同企業団では低下の理由について調査前日の雨による表流水が影響しているとの見解を示していた。
 塩素イオン濃度が上昇したことについて同企業団では「前回調査の結果は雨による表流水が影響していると考えていた。今後はこれまでよりも調査回数を増やして状況を確認したい」と述べた。

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きょう「ジュウルクニツ」/佐良浜では一足早く先祖に供え

 きょう24日は、旧暦1月16日に当たり、先祖を供養する後生の正月「旧十六日祭(ジュウルクニツ)」。伊良部町佐良浜地区では23日、一足早く先祖にごちそうを供える儀式が盛大に行われた。
 旧十六日祭は、親族一同が墓前に集まり、重箱に詰めた豚肉やカマボコ、豆腐などを供えて供養する。先祖や子孫繁栄について語り合い、親族のさらなるきずなや団結を誓い合う。
 墓参りを控えた23日、同佐良浜地区では、本家に分家の関係者らが集まり、豚やコブシメ、タコ、魚の料理、小豆ご飯のおにぎりなどを供えた。本家の池原勇雄(78)・春子(74)夫妻宅では分家の人たちが海の幸などのごちそうを供え手を合わせた。
 この日の平良市の下里公設市場や大型スーパーなどでは先祖に供える豚の三枚肉、果物、カマボコなどを買い求める女性らでにぎわった。
 同祭の24日は、各市町村と公立学校などは「半ドン」。一方、空の便ではJTA(日本トランスオーシャン航空)の那覇−宮古の下り便(那覇発)が24日夕方にかけて、上り便(宮古発)が同日午後から26日にかけてそれぞれ混み合っている。

 写真説明・一足早く先祖にごちそうを供え子孫繁栄などを祈った=23日、伊良部町佐良浜地区

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助走つけ飛翔/伊良部町・迷鳥コハクチョウ

 県内では迷鳥とされるコハクチョウ(カモ科)の幼鳥1羽が23日午後、伊良部町のゴルフ場の池で確認された。くちばし尖端の黒色が基部までつながっているタイプ。
 今回見つかったコハクチョウは、先月11日に確認された個体と同一とみられる。同じ個体なら23日で滞在日数は44日目。宮古では滞在新記録となる。これまでのコハクチョウの滞在期間は数日。
 幼鳥は全体が灰褐色で、成鳥になると全身真っ白となる。体長は115−150センチ。翼を広げた大きさは180−225センチで畳の長さに匹敵する。
 ユーラシア大陸北部や北アメリカ北部で繁殖。朝鮮半島、中国東部、北海道、本州などで越冬する。
 コハクチョウは水草などを食べた後、羽づくろいし、飛び去った。

 写真説明・コハクチョウは水面を助走し飛び去った=23日、伊良部町のサシバリンクス伊良部(撮影・伊良波彌記者)

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