200平成1  2 21曜日

 窓ガラス46枚割られる/平良市東小

 20日午前1時30分すぎ、平良市立東小学校(仲間克枝校長)の校舎窓ガラスがめちゃめちゃに割られているのを警備員が発見し、110番通報した。割られた窓ガラスは計46枚で、外部から侵入した何者かが、バットのような物で次々とたたき割ったらしい。通報を受けた宮古警察署は、器物損壊被疑事件として捜査を始めた。不審者侵入の事件が全国の学校で相次ぐ中、宮古の教育関係者は「対岸の火事では済まされない」と大きなショックを受けている。
 宮古署などの調べによると、割られた窓ガラスは校舎1階の校長室と会議室、2階の3−6年生の教室のほか、別棟の食堂。被害額は約50万円という。
 警備員が最後の見回りをした19日午後7時ごろには異常は見られなかったが、20日午前1時30分ごろに異常を知らせる警報が警備会社に鳴り響いたという。警備員がすぐに学校に駆け付けると窓ガラスが壊されていたことから、犯行時間は19日夜から20日未明とみられている。
 割られた窓ガラスは厚さ5ミリで、そばにあった一輪車を投げつけたか、バットのような物で外側からたたき割ったらしい。2階の校舎には、外階段から侵入した可能性が高い。校長室にあった金庫などは無事で、何かを盗もうとした形跡は見当たらないという。
 被害に遭った窓ガラスは広範囲なことから、学校関係者などでは複数による犯行、との見方が強まっている。
 教室内には四方にガラスの破片が飛び散り、立ち入るのは危険な状況。事態を重く見た学校側では20日午前、緊急の職員会議を開き、職員らに状況の説明と児童や授業への対応策などを協議。宮古署は、現場検証を行うとともに、署員が付近住民への聞き込みや目撃者がいなかったかなど捜査を進めている。
 同校の仲間校長は「大阪の小学校で刃物を持った少年が教職員を殺傷した事件が起きたばかりで、校内の安全点検には十分気を付けようと思っていた矢先のことで、大変な驚き。学校は一番安全でなければならないのに…」と動揺を隠せない様子だった。

 写真説明・バットのような物でめちゃめちゃに壊された窓ガラス=20日午前11時30分ごろ、東小学校

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休日の学校に衝撃/東小・父母ら憤り、破片拾う

 休日の学校に衝撃が走った。19日夜から翌20日未明にかけて、窓ガラス46枚が何者かによって割られるという事件があった平良市立東小学校(仲間克枝校長)。同日午後、学校職員やPTA役員、保護者らは強い憤りを感じながらも、「児童たちは卒業、進級を控えた大事な時期。せめて教室だけでもきれいにし、ショックを最小限に抑えたい」と清掃作業に当たった。20日夕方には46枚全てのガラスが張り替えられ、きょう21日の授業には支障がないという。宮古警察署では、器物損壊被疑事件として捜査を進めている。
 同校は647人の児童が通う、宮古一のマンモス校。年に1度は不審者侵入を想定した避難訓練などを実施しており、万が一に備えていたという。
 また、大阪府寝屋川市の小学校で14日、刃物を持った不審者が校内へ侵入、教師3人を刺した事件を受け、同校も教師の避難訓練のほか、各教室に不審者を取り押さえるための防犯器具の導入など、危機管理マニュアルを検討していた矢先だっただけに、ショックは隠しきれない。
 教室内には、児童たちの使用する机、いすなどにもガラスの破片が飛び散り、危険な状態。清掃作業に当たった関係者らは、「子供たちにけががなく、本当に良かった」と胸をなで下ろしながらも、「許せない」、「宮古でもこういうことが起きるなんて」と怒り、困惑した様子だった。
 同日午前に同校に訪れた久貝勝盛平良市教育委員会教育長は「惨憺(さんたん)たる状況だった。学校は地域の大切な財産なのに、こんなことをするなんて怒り心頭。子供たちのことを考えると本当に気の毒でならない」と憤慨した。
 ガラスの張り替え作業に当たった業者は、ほとんどのガラスが一撃で割られていることを指摘し、「破片の飛び散った状況から見ると、金属の棒などを使い、思い切りたたいたのでは。そうでないと、ここまでひどくは割れない」と推測した。
 清掃作業を行った保護者の1人は「学校創立以来のひどい状況だ。子供たちにこのような状況を見せたくない。日曜日であったことがせめてもの救い」と言葉少なめ。
 休日になると、友人同士で校庭に遊びに来るという4年生の男児らは、窓ガラスがめちゃめちゃになっている教室を見て「気持ちが落ち着かない。明日(21日)からの授業は大丈夫だろうか」と不安そうに、窓ガラスの張り替え、清掃作業を見守っていた。
 同校ではきょう21日午前、緊急の全体朝礼を開き、一連の経緯を児童らに説明するという。

 写真説明・「児童たちのショックを最小限に抑えたい」と、清掃活動に当たる関係者=20日午後2時ごろ、東小学校

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宮古島キャンプ打ち上げ/オリックス・バファローズ

 平良市民球場で春季キャンプを行っていたオリックス・バファローズは20日、同キャンプを打ち上げた。紅白戦の結果で宮古牛1頭が贈られる注目の「宮古島杯」の最優秀選手賞(MVP)は加藤大輔投手に決定。練習後には選手らがマウンドを中心に円陣を組み、川越英隆選手会長が「大きなけがもなく順調なキャンプだった。体調管理に気を付けて高知キャンプに臨みましょう」とあいさつ。一本締めを行い3年連続最下位からの脱却を誓った。選手らはきょう21日には、2次キャンプ地の高知県へ出発する。
 仰木彬監督は「技術向上ができた。順調で良いキャンプだった。100点を付けたい」と今キャンプを総括した。
 この日は、あいにくの雨模様で今キャンプ初の練習中止となった。午後から予定されていた紅白戦も行われず、最後の紅白戦を楽しみに足を運んだ野球ファンらは残念そうな表情を見せていた。
 宮古島杯表彰式では、贈呈される宮古牛がグラウンドに姿を見せた。受賞した加藤投手は「選んでくれてありがとうございます。大事に育てたい」と語り、笑いを誘っていた。
 同キャンプは1日にスタート。11日からは連日紅白戦が行われ、若手選手らがしのぎを削った。
 また、仰木監督の計らいで米大リーグのイチロー選手、田口壮選手らが相次いで来島し、同球団を激励。あの手この手でキャンプを盛り上げた。
 同球団はきょう21日、2次キャンプ地である高知県へ出発する。高知キャンプは22日から25日まで。シーズンの開幕は3月26日、西武ドームで昨季の日本一、西武ライオンズと対戦する。

■ 仰木監督 宮古島キャンプを総括
 オリックス・バファローズの春季キャンプが終了した20日、仰木彬監督は「申し分ない内容。現時点では100点満点の出来。宮古は最高のキャンプ地。基礎づくりはしっかりできた」と、合併後の初キャンプを総括した。
 2キャンプでは投手力を課題に取り組む。「若い選手に伸びてきてもらわなければいけない。先発選びに困るぐらいになってほしい」と述べ、宮古島杯MVPを獲得した加藤大輔投手、ルーキーの町豪将投手、光原逸裕投手らの名前を挙げ「非常に楽しみな選手」と期待した。また、米大リーグのイチロー選手や、女子プロゴルファーの横峯さくら選手らの激励訪問を振り返り「にぎやかで楽しいキャンプだった。いろいろな人が協力してくれた。感謝したい」と語った。
 3年連続の最下位からの脱却を図るべく、4年ぶりに復帰した指揮官は、プレーオフ進出を見据え、笑顔で宮古島キャンプを終えた。

 写真説明(上)・川越選手会長(中央)が音頭をとり、一本締めでキャンプを打ち上げた。奥左は仰木監督=20日、平良市民球場
 写真説明(下)・会見で今キャンプを総括する仰木監督=20日、平良市民球場

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MVPは加藤投手/オリクキャンプ・宮古牛1頭獲得

 オリックス・バファローズの春季キャンプ第3クール初日の11日から連日行われていた「宮古島杯」。キャンプ最終日となる20日、表彰式が行われ、加藤大輔投手に最優秀選手賞(MVP)として、約90万円相当の宮古牛1頭が贈呈された。
 加藤投手は紅白戦2試合に登板。計7回を投げ、被安打5、無失点と安定した投球を見せた。また、ストレートは最速150キロを記録し、けがに泣いた昨季からの復活を果たした。
 「まさか自分が受賞するとは思わなかった。食べ方はステーキ、焼き肉などよりどりみどりですね」と笑顔を見せたが、後日送られてくるという牛肉約400キロの対応には「実家にでも送ろうかな」と、困惑した表情。
 表彰式では、興奮した牛の迫力に腰が引き気味に。受賞のあいさつ中には鳴き声が球場に響き、笑いを誘った。
 加藤投手の受賞に仰木彬監督も納得の表情。「紅白戦では十分見せてくれた。今年はやってくれる」と太鼓判を押した。
 優秀選手賞は打率3割7分6厘、2本塁打のガルシア外野手と、打率4割1分7厘の鈴木郁洋捕手がそれぞれ獲得した。また、特別賞には吉井理人投手が選出された。
 宮古島杯は観客からの投票と記者投票で選出。宮古牛は宮古島オリックス・バファローズ協力会とJAおきなわ宮古地区事業本部から贈られた。

 写真説明・MVPを獲得し宮古牛を贈呈される加藤投手(右から2人目)=20日、平良市民球場

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寒風の中、767人が完走/ロマン海道・伊良部島マラソン

 第6回ロマン海道・伊良部島マラソン(主催・いらぶ観光協会、主管・同マラソン実行委員会、後援・宮古毎日新聞社ほか)が20日午前、伊良部町の平成の森公園を発着点とする3コースと下地島の通り池スタート・同公園ゴールの計4コースで行われた。町内外から777人がエントリー、うち767人がゴールし感動のドラマに包まれた。完走者らは完走証と完走メダルを手に喜びを分かち合っていた。完走率は98・7%。
 小雨混じりの寒風吹きすさぶ中、各コースとも午前10時30分に一斉にスタート。参加者は寒さに耐えながら快走した。同日午前11時の気温は12・6度、北の風8・1メートル。
 ハーフコース(21・1キロ)では、宮古高校3年生の黒島昌樹(17)=城辺町=が1時間15分47秒で優勝を果たした。今大会の最高齢者でBコース(5・2キロ)に出場した下地ハルさん(79)=伊良部町=は59分07秒でゴール。
 コースは、同公園発着のハーフ(21・1キロ、高校生以上)、A(13・5キロ、同)、C(1・6キロ、ファミリー)の3コースと、通り池スタート・同公園ゴールのB(5・2キロ、小学生以上)の計4コース。
 開会式で、主催者を代表して洌鎌敏一会長は「最後まで楽しく、愉快に走ってください」と激励。浜川健町長は「あいにくの悪天候となったが、健康づくりのために頑張ってください」と健闘を期待した。
 同マラソンは、風光明美な同町の自然を満喫しながら楽しく走ることにより、健康増進を図り、併せて地域活性化の促進に寄与することが目的。

 写真説明・号砲一発で全員が力強くスタートした=20日、伊良部町平成の森公園前

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「思いやりの心」で活発論議/道徳的実践子どもフォーラム

 「はぐくもう思いやりの心を」をテーマに「道徳的実践子どもフォーラム」(主催・宮古教育事務所)が20日、平良市中央公民館で開かれ、「思いやりの心」の大切さについて宮古地区の児童・生徒が大人と一緒になって考えた。フォーラムに先立ち、地区内の小・中学生と大人で作り上げる提案演劇「母ちゃんの応援歌」が披露され、相手を思いやることの大切さが示された。演劇終了後は、思いやりあふれる社会の形成に向け必要なことについて議論し、各小・中学校代表の児童・生徒が「相手の立場になり、相手の気持ちを考えて行動すること」「1人ひとりが互いを認め合うこと」などの意見を述べた。
 フォーラムは「思いやりあふれる学校や社会をつくるためには何が必要か」を中心に展開された。来間中学校の砂川有以さんは「1人ひとりがお互いを認め合い、どんな人にも優しく接することが大事」と強調。このほかにも同様の意見が多かった。砂川中の久貝涼歌さんは「まずは言葉遣いに気を付けること。相手がいやがる言葉はだめ。思いやりの気持ちで、良い言葉をたくさん使いたい」と提案。南小学校の比嘉真鈴さんは「普段からあいさつをするようにしたい」と話した。
 児童・生徒らの意見交換を見守った大人からも数多くの意見が聞かれた。このうち、提案演劇に出演した竹井太さんは「私は宮古に来て4年になるが、宮古では人と人の気持ちがとても近い。相手のことを思うこの島のことを、皆さんはもっと自慢に思って良いと思う」と子供たちに呼び掛けた。
 また提案演劇で同級生からいじめに遭う主人公・希望を演じた平良中の仲宗根綾さんは「友達同士で汚い言葉を言ったりするが、そういうところから直していかないといけない」と話し、常に相手を思う希望の姿から「思いやり」を感じ取った様子だった。
 同フォーラムは宮古教育事務所の主催で行われるようになってから今回が5度目。道徳教育を進めるため、学校と家庭、地域社会が連携するため、大人が子供たちの声に耳を傾け、それぞれの立場での取り組みに反映させるのが目的。

 写真説明(上)・「思いやり」について参加者らは活発に意見を交換した=20日、平良市中央公民館
 写真説明(下)・生徒と一般参加者らが迫真の演技をした提案演劇「母ちゃんの応援歌」=20日、平良市中央公民館

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