200平成1  2 20曜日

 2井戸の濃度 大幅低下/地下水塩素イオン濃度・

雨の影響?週明け再調査へ

 平良市の4水源(白川田、山川、高野、大野)の塩素イオン濃度が上昇している問題に関連して、同じ白川田水源流域の2つの井戸で塩素イオン濃度が高い数値を示している要因として財団法人県環境科学センターが「温泉排水の影響が大きい」との調査結果を示したことなどを受け、宮古島上水道企業団が今月15日に行った両井戸の最新の水質検査では、同井戸の塩素イオン濃度がピーク時の約7分の1(14%)に低下していることが19日までに分かった。
 宮古島上水道企業団の調査結果によると、問題となった2つの井戸のうち1つでは、塩素イオン濃度がピーク時(昨年10月)には1リットル当たり1621ミリグラムを示していたが、15日の採水調査では228ミリリットルにまで低下。もう1つの井戸でも、これまで水道水の基準となる200ミリグラムを超えていたが今回の調査では160ミリグラムに低下している。
 温泉を使用している宮古島リハビリ温泉病院の奥原典一理事長は同日、本紙の取材に対して「これまでも塩素イオン濃度の上昇は台風による風送塩であると思っていた。温泉排水が影響しているとは考えていないし、今回の結果がそれを証明している」と述べた。 
 一方の上水道企業団側は「採水の前日に40ミリ強の降水量があり井戸に流れ込む表流水が影響しているかもしれない」との見解を示した。
 しかし、昨年9月、10月の調査でも60ミリ弱の降水量のあった翌日の採水では塩素イオン濃度が1000ミリグラムを超える高い数値のままで推移し、特に10月15日の採水では60ミリ弱の降水量の翌日採取でこれまでのピークを記録している。
 この時は台風23号が近づいていたこともあり風送塩の影響もあったとされるが、この台風は19日から20日にかけて宮古島を通過し、同月20日の採水では逆に台風前の15日の調査よりも塩素イオン濃度は低下している。
 塩素イオン濃度が高い数値を示していた井戸ではここ数回の調査で下降傾向が続き、今回は前回の調査よりも700ミリグラムと大幅に低下していることから、同企業団では「指摘された井戸の塩素イオン濃度は全体的に最近では下降傾向にあり、23日予定の水質調査の結果を見たい」としている。
 同企業団では23日ごろに雨による影響の少ない時期に再度採水し、水質検査をする予定としている。

 写真説明・塩素イオン濃度が高い数値を示していたが最新の調査では大幅に低下していることが分かった井戸

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2億円超える大商い/宮古2月肉用牛競り

 宮古本島の2月肉用牛競りが19日、JAおきなわ宮古家畜市場で開かれた。子牛(生後14カ月以内)1頭平均価格は前月比1600安の44万5094円で取引が成立した。平均キロ単価は1681円(同比8円高)。この結果、成牛を含めた全体の総販売額は2億312万4600円に達し、2カ月連続で2億円台の大商いとなった。この段階で今年度累計販売額は23億円に達しており、来月競りで過去最高となる25億円台に達するのはほぼ確実。
 今月競りには子牛450頭(去勢214頭)が上場された。うち449頭の取引が成立。1頭平均価格は去勢が前月に比べ1万4609円高の49万4336円、雌が前月比752円高の39万535円とそれぞれ高値で競り落とされた。子牛のみの販売額は1億9984万7550円。1頭当たりの最高価格は60万7950円(去勢)だった。
 成牛を含む全体の上場頭数は473頭(去勢236頭、雌237頭)で、うち472頭が売れた。1頭平均価格は43万348円(前月比8582円安)、去勢は49万4336円、雌は36万6361円で取引が成立した。平均キロ単価は同比34円安の1578円。
 市町村別の子牛販売状況をみると、去勢の1頭平均価格が▽平良市47万497円▽城辺町50万2773円▽伊良部町51万5200円▽下地町51万2550円▽上野村48万9810円▽多良間村49万7175円―で成立。雌は▽平良市38万5654円▽城辺町39万7227円▽伊良部町32万4450円▽下地町38万59225927円▽上野村39万2437円▽多良間村35万1487円―となった。

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危険交差点に信号設置/平良市添道・事故多発で来月中に

 先月26日に死亡事故が発生した平良市西仲宗根の市道に一灯式の信号機が設置されることが決まった。3月中に設置される見込み。現場は地域住民から「交通事故が多い場所」と指摘されていた交差点。宮古警察署と地域住民は「交通事故防止につながれば」と期待を寄せている。信号機は添道1号線と添道18号線との交差点に設置される。同署などが昨年9月に現場を調査し、公安委員会に設置を申請。同委員会で▽交通量(車両、歩行者)▽事故発生状況―などの交通環境を踏まえて協議してきた。
 設置される一灯式の信号機は、下地町川満の国道390号、上野村の県道190号などに設置されているものと同型で、赤や黄色が常時、点滅する。添道1号線側は常時黄色が、添道18号線側は赤色が点滅表示される。
 同署によると、昨年、この現場では2件の物損事故が発生。今年に入ってからは、先月26日、添道18号線を平良市総合体育館側から熱帯植物園方面に向け走行していたレンタカーと、添道1号線を西原方面から鏡原方面に向けて走行していた大型トラックが衝突、レンタカーを運転していた男性は全身を強く打ち、死亡した。道路を管理する平良市では、死亡事故発生後、この交差点付近の中央線、停止線が薄くなり、ドライバーが認識しずらくなっていたことから、それぞれ修復作業を実施した。
 付近に住む女性は「ここ3年間、私が見ているだけで約10件の事故が起きている。急ブレーキで、ぎりぎり事故を免れるケースも多い。自分の子供にも、あの交差点は危険だから通らないように言っていたので、信号機が設置されればうれしい」と話した。同署では「信号機を設置することで、ドライバーらに『ここが交差点』ということを周知できると思う。黄色は徐行、赤色は一時停止を徹底して守ってほしい。事故を未然に防ぐには、最終的にはドライバー1人ひとりの心構えが大切」と訴えている。

 写真説明・信号機が設置される交差点。1月に死亡事故が発生した=平良市添道

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プロの技に中高生圧倒/横峯さくらさんゴルフ教室

 女子プロゴルファーの横峯さくらさん(19)のゴルフ教室が19日、上野村の千代田カントリークラブで開かれた。横峯さんはプロゴルファーを志す、宮古の中・高校生らとともにラウンド。ティーショット、パター、アプローチなど随所にプロの技を披露するとともに、参加したジュニアゴルファーに的確なアドバイスを送った。
 横峯さんは、国内外で活躍する女子ゴルフ界期待の新星。宮古島でキャンプを行っているオリックス・バファローズの仰木彬監督や選手の激励などのため17日に来島していた。
 今回の教室は2ホールのみの短い時間だったが、ラウンドを共にした中・高校生は間近で見るプロの技に圧倒された様子。横峯さんの1つ1つのプレーに見入っていた。
 プロゴルファーを目指す久松中学校3年の友利昭成君は「大ファンだったので、まさか一緒にラウンドできるとは思ってもいなかった。とても良い思い出になる。スイングが豪快で参考にしたい」と感激した様子。同ゴルフ場のスタッフ、知念和之君(16)は「パターの時に『方向がしっかりしていない』とアドバイスをもらった。プロと一緒にラウンドでき、プロを目指す気持ちがもっと強くなった」と話した。
 2人とも3月に宮古で開催される第1回全国ジュニアゴルフ選手権に出場予定。今回、横峯さんとラウンドした経験を胸に、上位入賞に向け誓いを新たにしていた。
 ラウンドを終えた横峯さんは「地元の人たちの応援もあり、(宮古のジュニアゴルファーは)環境に恵まれていると思う。基本的なマナーを周りの大人が教えれば、人間的にももっと成長する」と今後の成長を期待した。
 ゴルフ場には、横峯さんを一目見ようと、大勢のファンが駆け付けた。サインを求めるファンに横峯さんは笑顔で応じていた。

 写真説明(上)・ラウンド中、プロのテクニックを披露する横峯さん
 写真説明(下)・横峯さん(左)が的確なアドバイスを送った=19日、上野村の千代田カントリークラブ

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全国レベルの技学ぶ/女子バレー・八王子実践高 菊間監督が指導

 高校女子バレーボールの名門、八王子実践高等学校女子バレーボール部の菊間崇 監督と昨年の春高バレーベスト8入りを果たした選手たちによるバレーボール講習会・交流試合が19日、宮古高校体育館で行われた。各小・中・高校からバレー部9チーム約180人が参加。全国大会で通算12回の優勝を飾るなどの実績を持つ監督や選手たちからハイレベルな技術を学ぼうと、熱心に指導を受けていた。
 指導に当たったのは菊間監督のほか、土田望未さん、藤本里菜さん、池浦文香さん、八木友里恵さん、小林朝子さん、斉藤綾佳さんの選手6人。小学生、中・高校生に分けてそれぞれグループ別にパスやレシーブ、スパイクなどを指導した。菊間監督はトスを上げる位置やスパイクを打つタイミング、角度などをアドバイス。「ネットから30センチほど離れた位置にトスを上げるとスパイクを打ちやすい」「ただ真っすぐに打つのではなく相手をごまかすことも覚えてほしい」など技術を指導した。
 宮古の児童・生徒たちについて菊間監督は「一生懸命やろうという気持ちを感じる」と熱心さを評価。「努力すればレベルは上がることを感じてほしい。『努力に勝る天才なし』。努力するものが最後に勝つ。常に勝つ気になって挑んでほしい」と話した。
 スパイクで菊間監督から「パワーがある」と評価された宮古高校女子バレー部の平良邦子さんは「普段体験できないことを教えてもらい勉強になった。スパイクが監督の目に留まったことがうれしい。自信が付いた。皆、迫力がありすごい選手ばかり。こういった選手を目指したい」と笑顔を見せた。

 写真説明・菊間監督(右)と選手たちが細かくアドバイスした講習会=19日、宮古高校体育館

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オリックスキャンプ便りN  川越 英隆 投手(31歳)

初の開幕投手へ意欲見せる

 「チーム一丸となって、オフには仰木監督を胴上げしましょう」。春季キャンプ初日、選手会長を務める川越英隆投手は円陣の中心でこう呼び掛けた。近鉄と合併し、チーム内に不安を残してのスタート。高い目標でチームをまとめる。
 自らにも開幕投手の目標を掲げ、「自分の向上心のレベルを上げるため、狙っていきたい」と語る。並々ならぬ思いは初日から形となって表れた。ブルペンで捕手を座らせて50球を投げ込み、仕上がりの早さをアピールした。
 紅白戦では3回を投げ、3安打1失点とまずまずの出来。最速145キロを出した伸びのあるストレートで、打者をつまらせ「初登板にしては良かった。変化球のコントロールが課題」と冷静に語る。仰木監督も「問題ない内容だった」とエースの仕上がりに満足げ。
 今季はJP、ケビンとともに先発3本柱として期待され、6年ぶりの2ケタ勝利を目指す。3年連続最下位の汚名返上、合併球団の初代選手会長の重責を抱えるが、物静かな選手会長はプレーでチームをけん引する。

 川越 英隆(かわごえ・ひでたか) 1973(昭和48)年6月8日生まれ。神奈川県出身。31歳。身長174センチ、体重76キロ。右投右打。背番号11。学法石川高−青山学院大−日産自動車−オリックス(99年ドラフト2位)。昨季成績は22試合で7勝9敗0セーブ。防御率は4・17。
   (洲鎌恵仁記者)

 写真説明・初の開幕投手を狙う川越投手

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