200平成1  2 19曜日

 3漁協、大勢の交渉委員が欠席/伊架橋漁業交渉委

  新年度着工予定の伊良部架橋整備事業で漁業権の一部が抹消されることを受け、「第3回伊良部架橋漁業補償交渉委員会」(主催・県宮古支庁)が18日午後、平良港マリンターミナルで開かれた。県は前回提示した漁業補償総額4020万円に990万円を上積みし、最終総額5010万円を提示した。しかし、 3漁業協同組合(平良市、池間、伊良部町)の漁業補償交渉委員計69人中、50人が欠席したことから、合意に向けての話し合いはなかった。県は、来月上旬開かれる第四回同委員会で合意にこぎつけたい考えだが、欠席者が目立つ状況から、全面決着は厳しい情勢だ。
 漁業補償交渉委員は、各漁協とも23人で計69人。この日出席した委員は、平良市漁協が上原正行組合長ら15人、池間漁協が与那嶺昭夫組合長1人、伊良部町漁協が奥原隆治組合長ら3人。出席者は19人、欠席者は50人に及んだ。
 各委員からは「伊良部町漁協と池間漁協の委員の欠席が多い」などの意見が集中。県は「各委員には今日開催の通知を送ったが」と言葉少なに語った。浜川健伊良部町長は「伊良部町漁協からたくさんの委員が来ると思っていたが、3人のみの出席で残念」と落胆の表情を見せた。
 3漁協とも漁業補償金額が少ないことから今後、県、平良市、伊良部町に漁業振興策を要望していくことを確認した。
 開会の冒頭、主催者を代表して安和朝忠支庁長があいさつ。「1日も早く漁業補償交渉額を妥結し、悲願の伊良部架橋を実現してほしい」と述べた。浜川町長は「国の行財政は厳しく、あまり役立たない、必要ない公共工事はストップされる。念願の架橋実現にご配慮ください」と語った。下地学平良市助役は「漁業補償については合意点を見いだし、積極的な協力をお願いしたい」と協力を呼び掛けた。
 県は、同架橋に関する国への来年度予算要請の準備は、3月がタイムリミットと判断。来月上旬に合意を得たいとしている。
 
 写真説明・漁業交渉委員の欠席が目立ち、漁業補償の合意に向けての話し合いはなかった=18日、平良港マリンターミナル

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伊良部町議会解散請求書を提出/合併反対派が選管に

 市町村合併に反対する「伊良部町の自治権を守る会」(川満昭吉代表)の役員である大浦貞治氏が請求代表者として18日午前、同町選挙管理委員会(佐和田恵剛委員長)に「伊良部町議会に対する解散請求書」を提出した。同委員会では21日に委員会を開き、解散請求書が法令に適合しているかどうか審査した上で、受理するかどうか決定する。受理した場合には、同町役場の掲示板に告示する。全町議員は18人。
 解散請求書では「伊良部町議会は今回の市町村合併について、議会独自の研究に基づく確固たる結論を町民に提示することなく町政のチェック機能を怠り、浜川健町長の合併推進の意向を黙認し、財政悪化の理由だけで平成16年3月23日の議会で恣意的に合併推進を決議した」と前置き。
 その上で「平成16年1月25日に実施された市町村合併に関する住民投票の結果は、反対70・08%、賛成29・92%と合併反対の住民の意思は決定している。にもかかわらず、伊良部町議会は、自らが提案した市町村合併に関する住民の意思を問う条例の中での、『合併は町民の意思を尊重すべきでる』との条文をも無視し住民の意思の代弁者であるべき議会制民主主義の原点である責務を自ら放棄した」と指摘。
 「これは、町民に対する冒とくであり、すでに議会としての機能を果たしておらず、議会の権力を悪用したと言わざるを得ず、我々は、伊良部町議会の横暴、並びに背信行為に対し、町議会の解散を請求する」と明記されている。

 写真説明・大浦氏(中央)が議会解散請求書を事務局職員に手渡した=18日、伊良部町選挙管理委員会 

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農村計画委員会が発足/16人に委嘱状

 2005年度から向こう10年間の宮古6市町村における農村振興総合整備各種事業の計画を策定する「宮古地区農村振興基本計画推進委員会」の委員委嘱状交付と第1回会議が18日、県宮古支庁で行われた。伊志嶺亮平良市長が、学識経験者、関係団体、地域代表の16人に委嘱状を交付。東京農業大学の中西康博助教授が委員長に選出された。各調査・検討項目を整理した上で、05年度に実施計画を立案、06年度から事業を展開する運び。
 同計画では▽合併新市および多良間村の農村整備マスタープラン▽宮古地区全体の重点課題の整理、解決を目指す「みやこ水土里プロジェクト」設置▽住民、事業者、行政、関連団体、観光客などの参加による村づくり将来像の共有▽住民懇談会開催による住民主体の村づくり推進▽村づくりの進ちょく管理体制形成─の役割を有し、特色ある地域農業の展開と活力ある農村の形成を目指す。
 伊志嶺市長は「経験豊かな皆さんに各課題に取り組んでいただき、観光にも対応できる農業の島づくりを構築してほしい」とあいさつした。
 各委員は次の通り。(敬称略)
 【学識経験者】▽委員長=中西康博(東京農大助教授)▽副委員長=前里和洋(宮古農林高校教諭)
 【関係団体代表】▽佐渡山安公(上野村文化財保護審議会)▽池間昌克(宮古島上水道企業団)▽川上政彦(JAおきなわ宮古地区営農センター)▽藤村明憲(宮古観光協会)▽上原正行(平良市漁協組合)▽比嘉初江(下地地区グリーンツーリズム豆の会)▽古謝宏信(沖縄製糖)▽新里光男(宮古製糖)
 【地域代表】▽辺土名豊一(平良市)▽多良間伸也(城辺町)▽豊見山恵昌(下地町)▽上地登(上野村)▽渡久山毅(伊良部町)▽垣花幸徳(多良間村)

 写真説明・基本計画の立案を行う委員に伊志嶺市長から委嘱状が交付された=18日、宮古支庁

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玉城巴瑠香さんが最優秀賞/全宮古英語ストコン

   第14回全宮古中学校英語ストーリーテリングコンテスト(主催・宮古広域圏事務組合)が18日、県宮古支庁で開催され、各校代表の18人の生徒が出場して堂々と発表した。審査の結果、下地中学校1年の玉城巴瑠香(はるか)さんが最優秀賞に輝いた。優秀賞は西辺中2年の池間奨君、優良賞は上野中2年の森坪真翔莉(まいり)さんが受賞した。玉城さんは喜びの涙を浮かべ「受賞できてとてもうれしい。将来は医者になりたいので、確かな英語を身に付け夢を実現できるよう頑張りたい」と感想を話した。
 このコンテストは、外国語教育の充実が望まれる中、英語に対する中学生の関心と能力を高め、チャレンジ精神を培うことが狙い。宮古教育事務所ALTのニコラス・ファブリズィオさんら 5人が審査員を務め、英語表現技術、舞台表現、理解力を審査した。
 出場した中学生らは、それぞれストーリーの内容に沿ったジェスチャーを交え、表現力豊かに暗唱して聴衆を引き付けた。発表後、審査員を代表して宮古広域圏事務組合の豊見山真澄さんが講評を述べ「全体的に内容をきちんと覚えていて発音も良く、自信にあふれた素晴らしい発表だった。今後は既存のストーリーだけでなく、自分の考えや意見も英語で発表できるように頑張って」と話した。
 最優秀賞の玉城さんは「きょうの出来にはあまり自信がなかったので受賞できてとてもうれしい」と感激した様子。優秀賞の池間君は「緊張して足が震えた。最優秀賞を狙っていたのでちょっと悔しいが、これからも外国の言葉や文化を勉強したい」と感想を話した。優良賞の森坪さんは「後半、緊張してパニックになりかけたが、練習の成果は出せたと思う。英語は得意教科。将来は英語を生かした仕事をしたい」と晴れ晴れとした笑顔を見せた。

 写真説明・(左から)最優秀賞の玉城さん、優秀賞の池間君、優良賞の森坪さん=18日、宮古支庁

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「おとーり」で人材育成/特区構想を提言

  県産品の販売を支援するフロンティアPR(本社・那覇市)の白仁昇社長と琉球大学法文学部の青木孝之教授は18日、平良市内のホテルで記者会見し「おとーり人材育成特区」基本構想を提言した。
 おとーりを回す祝い座などでお金を集め、人材育成基金を積み立てるなどとする奇抜なアイデア。これを実行するとおとーりのイメージアップが図られ、宮古の全国PRにもつながるとした。
 基金集めの柱としては、基金に寄付した企業・個人に税制の優遇措置(寄付金の損金算入)が講じられるようにする「構造改革特区」の申請を提案。ほかに人材育成協力店の設置も示した。
 構造特区の申請タイミングについては、10月の新市誕生のころが良いとし、もしも新市が「おとーり人材育成特区」を政府に申請すれば、全国的にホットな話題として報道され、基金集めの追い風になると見通しを話した。
 宮古婿の白仁社長は発案のきっかけについて「宮古の子供たちは、宮古に専門学校や大学がないため高校卒業と同時に島を出ており、親の教育費負担が大きくなっている。基金設立の根底には、人材育成による宮古(離島)の振興がある」と思いを吐露。その上で「この構想は、宮古は団結力があるので実現すると思う。宮古で始まれば、ほかにも波及する」と、広がりに期待した。
 青木教授は「沖縄に一番欠けているのは人材。人材育成が沖縄の自立に結び付くと思っている」と話した。
 両氏は今後について「行政から要望があれば、手助けしたい」と、ノウハウを無償で提供していく考えを話した。
 
 写真説明・「おとーり人材育成特区」基本構想を発表した白仁社長(左)と青木教授=18日、ホテルアトールエメラルド宮古島

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オリックスキャンプ便りM 【 JP 投手(28歳)

先発3本柱、チーム支える大型右腕

 身長196センチから繰り出す直球を武器に躍動感あふれる投球を見せるJP投手。先発3本柱として川越英隆、ケビンとともにチームを支える大型右腕だ。
 大きな体を「く」の字のように曲げるダイナミックなフォームはまさに豪快そのもの。02年には近鉄で17勝、182奪三振を挙げ、最多勝と奪三振王の2冠を獲得しただけに首脳陣の期待も大きい。
 紅白戦初登板では3回打者10人に対し、1安打無失点とほぼ完ぺきな内容で先発3本柱としての力を見せ付けた。「4カ月ぶりの登板。無事に3回を投げ切り満足している。力強く投げられた。最多勝を挙げた年より今の方が状態は良い」と振り返る。
 オリックスは、3年連続2ケタ勝利投手不在。仰木監督も「ケビンと合わせて30勝してもらいたい」と期待する。
 登録名は近鉄時代から使っていた「パウエル」を、イニシャルから取った愛称「JP」に変更。心機一転し「登板した試合にベストを尽くし、1試合ずつ勝ち星を積み重ねたい」と新しいスタートに懸ける。

 JP(ジェレミー・パウエル) 1976年6月18日生まれ。28歳。アメリカ合衆国出身。身長196センチ、体重104キロ。右投右打。背番号25。ハイランド高 −モントリオール・エクスポズ−近鉄−オリックス。プロ5年目。昨季成績は24試合で8勝8敗0セーブ、防御率3・90。
   (洲鎌恵仁記者)

 写真説明・長身から投げ下ろす速球が武器のJP投手

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