200平成1  2 17曜日

 キビ搬入量を下方修正/宮古本島2工場

 宮古本島内の製糖2工場(宮古製糖城辺工場、沖縄製糖宮古工場)が200−05年産サトウキビの製糖操業を開始してから17日で1カ月を迎える。今期は予想以上に自然災害の影響が大きく、原料搬入量は2工場とも下方修正し宮糖は9万トン以下、沖糖は10万トン以下になる見通し。品質は両工場ともに基準糖度(13・1−14・3度)は確保しているものの、平年値を大きく下回る厳しい作柄となっている。
 今期収穫のサトウキビは03年に植え付けられたもので、植え付け直後に襲来した超大型の台風14号の影響を受け生育を阻害された。さらに昨年相次いだ台風や干ばつなどの影響により、各地のほ場で折損茎が多く見られるなど例年にない被害を受けている。
 宮糖城辺工場は当初9万1500トン(前期比2000トン増)の搬入量を予定していたが、下方修正はほぼ確定。同工場によると「9万トンは下回ると思う」としている。
 製糖1カ月で4万2057トンの原料が搬入され、平均糖度は13・58度。基準糖度帯内は全体の49・8%で、糖度帯以上が22・2%、糖度帯以下は27・9%となっている。最高の糖度は16・8度で、最低は8・6度。トン当たりの農家手取り額は15日現在で2万164円(対策費除く)。
 一方、沖縄製糖宮古工場は当初10万8000トン(前期比7000トン減)を予定していたが、ここにきて10万トン以下に下方修正している。同工場の搬入量が10万トン以下になれば73−74年期以来で、71−72年の大干ばつ時の操業中止を除くと63−64年期に同工場が原料糖出荷を始めて以来3番目に少ない搬入量、過去30年では最低になる。
 今期、同工場には製糖開始1カ月で5万5073トンが搬入された。平均の糖度は13・72度。基準糖度帯内は全体の45・16%、糖度帯以上が29・12%、糖度帯以下が25・72%となっている。最高の糖度は17・4度、最低は8・4度。トン当たり農家手取り額は2万260円(対策費除く)。
 各工場ともに品質面では基準糖度をクリアしているが、糖度帯以下の割合が例年以上に大きいこともあり平年値には遠く及ばないのが現状だ。今後の品質向上に期待する声もあるが、工場関係者の多くが「期待しているが横ばいではないか」とみている。

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知念かおり 2冠/女流囲碁・「本因坊」に続き「棋聖」奪還

 10日に東京都で行われた第8期ドコモ杯女流棋聖戦三番勝負の第2局の模様が16日午後8時から、囲碁将棋チャンネルで放映され、対戦の行方が公表された。結果は白番の知念かおり女流本因坊が292手までで万波(まんなみ)佳奈女流棋聖に2目半差で勝ち、2連勝で棋聖を奪還した。棋聖位は2年ぶりの返り咲きで通算5期目。知念の持つタイトルは本因坊と合わせ2つとなった。
 女流棋聖戦は、初手から1手30秒で打ち、途中1分単位で合計10回の考慮時間が与えられるテレビ早碁。第2局は、10日午前11時すぎから日本棋院会館で行われた。
 白番の知念は序盤、左辺で二線をはって生き、その後も中央の大石を攻められ苦しい展開。しかし、この石をしのぎ劣勢ながらも勝負を先に伸ばした。終盤、下辺で黒をうまく締め付けてヨセ逆転。その後はしっかりした足取りで逃げ切った。
 知念と万波の女流棋聖戦三番勝負は2年連続。昨年は知念が負けたが、今回雪辱を果たした。
 知念女流本因坊の話 「きょうの碁は内容が悪すぎた。ほとんどつぶれている状態だったので、反省もかなりあった。しかし、あきらめないで良かった。下辺で締め付けることができて盛り返したかなと思った」。
 解説・竹宮正樹9段の話 「本因坊のタイトルも得て、知念さんが調子を取り戻した感がある。知念さんは中盤打ちすぎて、万波が優勢かなと思った。しかし、知念さんの頑張りがすごかった。双方とも、くたくたでしょう。ヨセの細かい勝負は、知念さんに分があった」。

 写真説明(上)・勝利者に贈られる花束を手に笑顔の知念女流本因坊・棋聖
 写真説明(下)・第2局は激しい戦いが繰り広げられ、結果は白番知念の2目半勝ちとなった=10日、東京都の日本棋院会館

 ■2冠達成に沸く/実家で囲碁愛好者ら祝う(2月11日掲載記事より)
 「かおりさん、よくやった」。昨年秋の女流本因坊に続く女流棋聖獲得という2冠達成の快挙に宮古の囲碁愛好者が沸いた。10日夕方、平良市鏡原の知念家には囲碁愛好者や親せきらが駆け付け、祝勝会となった。かおりさんは「これからも皆さんにおいしい酒を飲んでもらえるよう頑張ります」と、祝い座の人たちにメッセージを寄せた。
 この日、第2局が始まったのは午前11時すぎ。序盤は苦しかったが、その後盛り返す逆転の勝利だったという。
 朗報は午後1時25分ごろ、かおりさんの夫である楊嘉源9段から届いた。父の知念正夫さんは「(電話があった時)思わず万歳した」と喜びようを話す。
 祝勝会に出席した人たちは「2冠は素晴らしい。これからも防衛、新たなタイトル獲得と快挙を重ね、宮古の人を喜ばせてほしい」「私たちに喜びと勇気を与えてくれた」などと話し、オトーリを次々に回していた。
 知念かおり後援会長の真喜屋浩さんは「昨年秋に本因坊を奪還し、続いて棋聖も取り返したのは素晴らしい快挙。本当にうれしい。これまでは3、4連覇の実績があるが、今後は5連覇以上を目指してほしい」と、ますますの活躍に期待した。知念正夫さんは「まさかと思っていたが勝てた。かおりの活躍は、皆さんの応援のおかげです」と感謝。母の良子さんは「皆さんが自分のことのように喜んでくれることをうれしく思います。これからも応援して、頑張らせてください」と話した。

 写真説明・知念家には大勢の囲碁愛好者や親せきが駆け付けタイトル獲得を祝った=10日、平良市鏡原の知念正夫さん宅

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「住民投票結果見て合併調印を」/伊良部町長解職請求グループ

 市町村合併に賛成する浜川健伊良部町長に対する解職請求(リコール)をめぐる訴訟で、同町選挙管理委員会(佐和田恵剛委員長)が最高裁に上告、10日に受理された件に関して、町長解職請求代表者の川満昭吉氏は16日午前、宮古地区市町村合併協議会の伊志嶺亮会長(平良市長)に、合併協議会における同町の取り扱いについての意見書を提出した。川満氏の代理で平良市役所を訪れた同解職請求のメンバーの1人、仲間明典氏は「浜川町長の解職の是非を問う住民投票の結果を見てから合併の調印を行うように」と協力を求めた。これに対し、伊志嶺会長は「合併協議会の中で意見書を報告したい」と述べた上で「裁判の推移を見ながら考えたい」などと語った。
 仲間氏は「昨年1月に実施した合併の是非を問う住民投票では、投票者の7割が合併に反対した。伊良部町が合併しようとするメリットは見えない、分からない」と述べた。
 意見書では「合併に起因して浜川健町長の解職請求を行っておりますが、その解職請求の署名の取り扱いについて、我々は伊良部町選挙管理委員会の審査を不服として去年10月、那覇地裁に提訴しておりましたが、今年1月27日、我々の勝訴で決着」したと説明。その上で「今後、浜川健町長の解職について住民投票で町民の真意を問う」「住民の真の意思が明確になるまでは、合併の決議を延期させるのが政治的、道義的責任ではないかと思います」と理解を求めた。また、仲間氏と大浦貞治氏の2人が15日午後、伊良部町役場で浜川町長、町議会に対しても同様の意見書を提出した。

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「声掛けてくれたらうれしい」/平良市久松小・障害者手助け体験

 平良市内の病院に勤める視覚障害者の川満敏昭さん(45)=平良市在住=の講話が16日、平良市立久松小学校(池間方用校長)で行われ、4年生の子供たちが点字や視覚障害について学習した。川満さんは点字の成り立ちや視覚障害者の苦労などをかみ砕いて説明。「白いつえをついている人がいたら、『何か手伝えることはありますか?』と声を掛けてくれたらうれしい」などと話し、視覚障害者への理解と協力を求めた。子供たちが川満さんの目となって誘導する「ヘルプガイド」を体験する一幕もあり、普段はなかなか聞けない視覚障害者の話に、子供たちは終始真剣に聞き入っていた。
 川満さんは下地町出身。島を出て岡山県に住んでいたが、目の病のため35歳で片目の視力を失い、38歳で完全に失明した。帰郷して1年が過ぎるころ、「生きていくには働かなければいけない」と一念発起。沖縄盲学校で3年間、針きゅうとマッサージを学び、同時に点字の読み書きも訓練した。昨年2月に国家試験に合格し、同4月から、平良市内の病院に勤務している。
 講話は国語の授業の一環。点字を扱った単元があり、子供たちが視覚障害者の話を聞きたいということで、平良市社会福祉協議会を通じて依頼。川満さんは「私でできることなら」と引き受けた。
 川満さんが白いつえを手に歩いて見せると子供たちは興味津々。川満さんは「つえを頼りに歩道を歩くので、歩道に車を止めたりしないでほしい。また手助けしてくれるときは、つえを引っ張らないで。つえは目の代わり」などと協力を求めた。川満さんはまた、普段から練習している唄・三線を披露するなど、子供たちが取っつきやすいように話を続け、質問にも気さくに応じた。
 初めての講話だったという川満さんは「とても緊張したが、熱心に聞いてくれたようで良かった。私の話で関心を持ってくれたらうれしい」とほっとした様子だった。
 話を聞いた児童のうち糸数悠己君は「川満さんが一生懸命に勉強して点字を覚えたという話に感動した。これから僕たちに何ができるかを考えていきたい」と感想。川満さんの講話を依頼した亀川典子教諭は「視覚障害者の方の貴重な生の話を聞くことができた」と感謝した。
 市社協によると、宮古地区には100人余りの視覚障害者が生活しているという。

 写真説明・白いつえを持った川満さんに声を掛けながら、「ヘルプガイド」を体験する児童=16日、久松小学校

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最高気温26・5度、4月下旬並み/ビーチに水着姿

 「もう夏?」―。16日の宮古島地方は南からの暖かい空気に包まれ日中の最高気温が26・5度を観測。宮古島地方気象台によると、2月中では歴代5位の高い気温で、4月下旬並みの暑さとなった。このぽかぽか陽気に誘われ、下地町のビーチ内では水着姿の人が今年の初泳ぎを楽しんでいた。
 同気象台によると、この日の宮古島地方は高気圧に覆われ南からの暖かい空気で夏日(25度以上)の気温に。26・5度は午後2時58分に観測した。
 この陽気はきょう17日も続き、同気象台は最高気温を25度とみているが、20日前後には冷え込みも予報。

 写真説明・ぽかぽか陽気に誘われビーチには水着姿の人もいた=16日、下地町与那覇の前浜ビーチ

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オリックスキャンプ便りK  大西 宏明 外野手(24歳)

 
レギュラー獲得に燃える“左キラー”

 プロ2年目となる昨季は103合に出場するなど、大きな飛躍を見せた大西宏明外野手。1週間に2本の満塁本塁打を放つなど長打力と勝負強さを兼ね備える。
 近鉄との合併によりオリックスに加入。昨年つかんだレギュラーの座を失い、今キャンプでは外野だけでなく3塁の守備に入る。外野は谷佳知、村松有人に加え、ガルシアの加入で定位置が厳しい状況。3塁も塩谷和彦、ブランボーらライバルは多いが、「試合に出てなんぼ。両方守れたらベスト」と意欲を見せる。
 内外野兼用は左投手にめっぽう強く、「左キラー」としての能力を高く買う仰木彬監督が、出場機会を増やすために命じたもの。チーム内の競争を高めることも狙いだ。
 紅白戦初戦では第1打席でいきなり本塁打を放つなど存在感を強烈にアピールした。初の実戦となった3塁の守備も無難にこなし、「守備に集中した。打撃でも結果が出せて良かった」と淡々と振り返る。
 元気な声でチームのムードメーカー的役割も果たす。し烈なポジション争いの中でも表情は明るい。
 大西 宏明(おおにし・ひろあき) 1980(昭和55)年4月28日生まれ。24歳。兵庫県出身。身長178センチ、体重75キロ。右投右打。背番号50。PL学園高−近畿大学−近鉄(02年ドラフト7巡目)−オリックス。プロ3年目。昨季成績は103試合で打率2割6分2厘。10本塁打。43打点。5盗塁。
   (洲鎌恵仁記者)

 写真説明・守備練習で笑顔を見せる大西外野手

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