上野村のうえのドイツ文化村の自立運営に向け、調査、研究している「うえのドイツ文化村自立促進研究会」(会長・垣花義一助役)は10日、6回目となる最終会議を開き、現組織の抜本的見直し案などを盛り込んだ報告書をまとめ、川田正一村長に答申した。答申を受けた川田村長は「研究成果を実りあるものにしなければならない」と述べ、改善に向けて努力する方針を示した。
報告書では、同文化村を管理、運営する博愛国際交流センターの理事長を川田村長が務める現体制について「公務多忙の中で財団のかじ取りは困難。財団の最高意思決定機関である理事会の責任は重大」とし、「専務理事を除く理事は非常勤、無報酬で責任の所在が希薄になっても仕方のない状況」と指摘している。
宮古圏域の入域観光客数は年々、増加しているのに対し、同文化村の年間施設利用者は1999年の9万3170人をピークに年々、減少の一途をたどっている。これらの現状を踏まえ、「観光客や地元住民への浸透度は低いと言わざるを得ず誘客が弱い」と指摘。集客力のあるイベント(ダンケフェスト、イルミネーションフェストなど)の内容を今後ますます、充実、発展するよう提言している。
組織体制については、「経営の陣頭指揮を執る専務理事の一般公募(現職員を含む)を行い経営に緊張感を持たせる。顧客、利用者の視点に立った企画の徹底追求、立案、実践ができる組織風土をつくることが何より優先される」とした。
独立採算を目指すため「補助金を前提とした事業予算の編成から自主事業、収益事業による収入を前提とした事業予算への転換を図る」と意識改革の重要性を強調した。
同研究会は観光関連業者、学識経験者、テナント入居者などが委員となり昨年7月に発足。上野村から年間約2000万円の補助を受けている同文化村の独立採算を目指し、先進地視察なども含め、計6回の会議を重ねた。
写真説明・会長の垣花助役(右)が川田村長に答申した=10日、上野村役場
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