200平成1  2 12曜日

 キビ不作、過去30年で最低沖糖宮古工場

 2004−05年産サトウキビの不作が各地で深刻だ。台風や干ばつなど自然災害の影響を受けて原料が各地で減産、沖縄製糖宮古工場では当初見込んだ10万8000トン(前期比7000トン減)の搬入量を見直し、過去30年で最低となる10万 トン以下に修正した。品質も伸び悩んでおり、各製糖工場ともに「平年値を確実に下回る」と予想。いずれも基準糖度帯(13・1−14・3度)は確保しているものの「今後の大きな上昇は考えにくい」としている。
 沖糖に搬入される原料が10万トン以下になれば73−74年期以来となり、71−72年の大干ばつ時の操業中止を除くと63−64年期に同工場が原料糖出荷となって以来 3番目に少ない搬入量となる。
 農務課では「これほど厳しい作柄は過去にも例がない」と強調。減産要因は自然災害が多く挙げられるが、中でも台風の被害が大きい。昨年相次いだ台風で折損茎が多く発生し、これに伴いキビの生育が鈍化して減産を招いた。さらに、今期の原料は台風14号が発生した03年に植え付けられたもので、植え付け後に大きなダメージを受けたことが生育に影響したとみられる。
 原料減産を品質でカバーしたい同工場だが、10日現在の平均糖度は13・69度で基準糖度帯はクリアしているが、前期平均糖度の14・47度には遠く及ばない。農務課では「今後、品質の向上を期待しているが、今期に限って言えば大きな伸びは期待できない」と落胆している。
 宮古製糖城辺工場も原料搬入量の見直しを検討する。当初は9万1500トン(前期比2000トン増)を見込んだが、農務部では「当初見込みよりは減る傾向にある」としている。沖糖と同様に品質面も伸び悩み、10日現在の平均糖度は13・52度。前期の14・35度とは大きな差があるのが現状だ。
 今期の不作を生産農家は収穫の段階で体感している。沖糖管内では「40年以上キビを続けてきたが、これほどの不作は初めてだ」と語る農家もいる。
 平良市の松原地区で収穫作業をしている内間良定さん(69)は「キビが折れていてどうしようもない。これだけ折れれば収量は減る。干ばつのときは潅水でしのいだが、台風の被害は出ている」と説明。品質については「収量が減ると糖度も悪い」とため息交じりに話した。
 下地町の洲鎌地区で収穫していた男性は「台風の影響は出ている。農業の基本は土作りだが、台風をしのぐためには防風林が必要だ」と話し、台風対策の重要性を強調していた。

 写真説明・過去30年で最低の搬入量を予想している沖縄製糖宮古工場=11日、下地町内

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3本塁打飛び出すオリックス紅白戦始まる

 平良市民球場で春季キャンプ中のオリックス・バファローズは11日、キャンプ後半戦に突入し、今キャンプ初の紅白戦を行った。試合は 3本の本塁打が飛び出すなど、プロのパワーや技術でスタンドを沸かせた。球場には多くの住民らが足を運び、選手らのプレーを満喫した。紅白戦は「宮古島杯」と銘打って行われ、MVPには宮古牛 1頭が贈呈される。紅白戦は最終日の20日まで連日行われる。
 紅白戦は阿部健太、近藤一樹の両投手の先発で始まった。1回裏には、新外国人のガルシア外野手が右中間2点本塁打を打ち込み、期待に応えた。その後も7年目の相川良太外野手、前近鉄の大西宏明外野手の若手選手も本塁打を放ち、定位置確保にアピールした。
 投手では先発左腕の期待が懸かる山本省吾投手が好投。3回を2安打無失点、昨年から使い始めたスクリューボールで4つの三振を奪った。仰木彬監督も「低めにコントロールできていた。マウンド上で躍動感もあり、良かった」と絶賛した。
 スタンドでは「宮古島杯」の投票用紙が配布され、詰め掛けた観客は真剣な表情で選手らのプレーに見入り、投票用紙に記入していた。この日の投票では、3打数2安打の活躍を見せた村松有人外野手が最多得票だった。
 また、会場ではサイン会も行われ盛況した。谷佳知外野手や山口和男投手ら13選手が姿を見せると、子供たちは大喜び。お気に入りの選手のサインをもらおうと長蛇の列を作った。

 写真説明・キャンプ後半戦に入り、紅白戦がスタート。選手らは熱気の込もったプレーを見せていた=11日、平良市民球場

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69人分の顧客情報を紛失/労金宮古支店

 県労働金庫(玉城清理事長)の宮古支店の顧客情報が記載されたフロッピーディスク(FD)2枚が紛失していることが10日までに分かった。このFDには顧客69人分の▽氏名▽口座番号▽振替額―の個人情報が記載されている。今月1日に紛失が発覚してから同支店では、対象となった69人のうち労金職員2人を除く67人を対象に戸別訪問でおわびと事情説明を行っている。11日現在で44人に状況説明済みで、残りの23人に対しても順次行っていく予定だ。
 この問題について労金側は紛失した個人情報の不正使用等の事実はこれまでないとし、今後も不正使用の可能性は低いとの見解を示している。
 玉城理事長は「再発防止に向け改善策を実行し、このようなことが2度と起こらないよう個人情報の保護については再徹底を図りたい」と述べた。
 紛失の経緯について労金側の説明では、先月27日の午後5時ごろ宮古支店において職員が依頼主から受領した口座振替データを庫内メール用袋に入れ、配送業者へ引き渡し本店事務部あてに発送した。
 翌日、このメール用袋は本店総務部で業者から受領、事務部へ回送された。その時点ではFDの有無は確認されていなかった。
 口座振替日の今月1日に宮古支店担当者から事務部へFD受領を確認する連絡が入り、その時点で紛失が判明した。各方面に協力を依頼し捜索したものの10日現在でまだ発見されいない。
 労金本店は宮古支店側の送り忘れか、送り間違いの可能性が高いとして現在も調査を行っている。
 今月8日からは同支店の職員が対象の顧客を戸別訪問し、これまでに44人に対しおわびと事情説明を行っているが、不在だった対象者に対しては在宅の可能性が高い休日も戸別訪問を実施する方針としている。

 写真特集・顧客69人分の個人情報が記載されたフロッピーディスクを紛失した労金宮古支店

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組織の見直しなど提言ドイツ文化村自立促進研

 上野村のうえのドイツ文化村の自立運営に向け、調査、研究している「うえのドイツ文化村自立促進研究会」(会長・垣花義一助役)は10日、6回目となる最終会議を開き、現組織の抜本的見直し案などを盛り込んだ報告書をまとめ、川田正一村長に答申した。答申を受けた川田村長は「研究成果を実りあるものにしなければならない」と述べ、改善に向けて努力する方針を示した。
 報告書では、同文化村を管理、運営する博愛国際交流センターの理事長を川田村長が務める現体制について「公務多忙の中で財団のかじ取りは困難。財団の最高意思決定機関である理事会の責任は重大」とし、「専務理事を除く理事は非常勤、無報酬で責任の所在が希薄になっても仕方のない状況」と指摘している。
 宮古圏域の入域観光客数は年々、増加しているのに対し、同文化村の年間施設利用者は1999年の9万3170人をピークに年々、減少の一途をたどっている。これらの現状を踏まえ、「観光客や地元住民への浸透度は低いと言わざるを得ず誘客が弱い」と指摘。集客力のあるイベント(ダンケフェスト、イルミネーションフェストなど)の内容を今後ますます、充実、発展するよう提言している。
 組織体制については、「経営の陣頭指揮を執る専務理事の一般公募(現職員を含む)を行い経営に緊張感を持たせる。顧客、利用者の視点に立った企画の徹底追求、立案、実践ができる組織風土をつくることが何より優先される」とした。
 独立採算を目指すため「補助金を前提とした事業予算の編成から自主事業、収益事業による収入を前提とした事業予算への転換を図る」と意識改革の重要性を強調した。
 同研究会は観光関連業者、学識経験者、テナント入居者などが委員となり昨年7月に発足。上野村から年間約2000万円の補助を受けている同文化村の独立採算を目指し、先進地視察なども含め、計6回の会議を重ねた。

 写真説明・会長の垣花助役(右)が川田村長に答申した=10日、上野村役場

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池間島の自然環境を観察/市博物館友の会

 平良市総合博物館友の会(安谷屋昭会長)主催の「池間島の自然環境(地形・地質・古砂丘)観察会」が11日午後、平良市池間島で行われた。親子連れら約50人が参加。海岸地帯には、宮古では同島のみに確認されている円柱状縦穴地形があり、参加者らは「何の穴だろう?」「珍しい穴だ!」と、驚きと感嘆の声を上げていた。
 この円柱状縦穴地形が出来た要因については、地質専門家の間では2つの説があり、2つは、古い時代にヤシ類の植物が沈下し埋没して出来た「埋没化石林地形」説、もう 2つは、海水による浸食、溶食によって出来た穴(ポットホール)の「浸食(溶食)地形」説。
 講師を務めた安谷屋会長は「2つの説には、まだ結論が出ていない。池間島から円柱状縦穴地形は70余り見つかっている」と述べた上で、同島に2つある断層崖地形について説明した。
 この後、一行はトゥイヤーと呼ばれる海岸地帯へ移動。横たわっている大きな岩に円柱状縦穴が2つあり、1つの穴の直系は約60センチ、深さ2メートル余り。2つの穴とも筒抜け。参加者から「眼鏡みたいな穴」などの声が上がった。子供の 1人は、穴をくぐり抜けてはしゃいでいた。

 写真説明・円柱状縦穴を見つけて喜ぶ子供たち=11日、平良市池間島のトゥイヤー浜

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オリックスキャンプ便りG クリフ・ブランボー 外野手(30歳)

 
パワフルな打撃、本塁打量産に期待

 昨季、韓国リーグの首位打者に輝いたクリフ・ブランボー外野手。長打力不足を解消するため中村勝広GMが惚れこんだ新外国人選手だ。
 韓国リーグの成績は打率3割4分3厘で首位打者。33本塁打、105打点とパワー、得点力を兼ね備えた逸材。
 昨季のチーム本塁打はリーグ最下位の112本。同じ新外国人のガルシア外野手とともに本塁打を量産すれば上位浮上も夢ではない。
 フリー打撃でも左へ右へライナー性の当たりを連発。140メートル場外弾を放つなど韓国球界を席巻したパワフルな打撃を見せ付けた。
 ネット裏から熱い視線を送る仰木彬監督も「ブランボー、ガルシアがそろい踏みすれば、巨人より強い。期待が高まるね」と自信たっぷりに話す。
 外野手登録だが3塁手の経験もあるブランボー。守備練習でも3塁に入り、昨年のレギュラー塩谷和彦、大西宏明とし烈な定位置を争う。
 「プレーオフに出場できるように貢献していきたい」と抱負。丸太棒のような太い2本の腕にオリックスの浮沈が懸かる。

 クリフ・ブランボー 1974年4月21日生まれ。30歳。アメリカ合衆国出身。身長185センチ、体重95キロ。右投右打。背番号24。デラウエア大 −テキサス・レンジャーズ−コロラド・ロッキーズ−現代(韓国)−オリックス。昨季の成績は打率3割4分3厘、33本塁打、105打点。
    (洲鎌恵仁記者)

 写真説明・
パワフルな打撃を見せるブランボー外野手

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