200平成1  2 11曜日

 排水の1ヶ月停止要請/地下水塩素イオン濃度問題

 白川田水源流域の2つの井戸で塩素イオン濃度が高い数値を示している問題で、宮古本島4市町村(平良、城辺、下地、上野)の首長らは10日、要因として指摘されている温泉施設の温泉排水停止を要請する方針を固めた。施設側は本紙取材に対し「独自の調査を実施する予定であり、調査結果を受け、適正処理したい」と述べ、要請を受けての排水停止には難色を示している。
 指摘されている施設の温泉排水は、合併浄化槽を用いて地下に浸透処理する方法が用いられており、同浄化槽を通した温泉排水は県のこれまでの調査で、排水基準をクリアしている。
 しかし、今月1日に発表された財団法人県環境科学センターの調査結果では、2つの井戸の塩素イオン濃度の上昇について「温泉排水の影響が大きい」と指摘した。
 8日には温泉排水の地下水源流域外への処理が可能かを探るため合併浄化槽を通っていない温泉排水そのものを県がサンプリング。施設側は「調査結果が出次第、地下水源流域外へ排出する予定。そのための排水をためるタンクも設置している」と説明した。
 宮古島上水道企業団の職員や宮古本島4市町村の担当職員らが9日に開いた意見交換会では、「塩素イオン濃度上昇の要因と指摘されている温泉排水を調査結果が出るまでの間、このまま地下に流してもいいのか」という意見が上がり、各首長の判断を仰ぐこととなっていた。
 一連の経緯を受け、伊志嶺亮平良市長、仲間克城辺町長、川満省三下地町長(代理・砂川隆夫助役)、川田正一上野村長は10日に行われた市町村長会議で排水停止の要請を行う方針で合意。14日以降にも同企業団の渡真利光俊企業長と協議し、要請する予定だ。 今回、 4市町村長が要請する方針でまとまったことについて施設側は「温泉を掘った際に依頼した調査会社に水質調査を依頼する」とし、これまでも両井戸での塩素イオン上昇は複合的要因との見解を示していたことから独自の調査結果が出るまでは、従来通りの方法で排水を処理する構えだ。

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住民代表14人が立会署名/市町村長会議

 宮古5市町村合併を見据えた市町村長会議が10日、合併推進協議会事務局で行われ、合併調印式を3月15日にマティダ市民劇場で行うことや、その際の立会署名者については合併推進協議会委員のうち民間代表14人とすることなどを確認し合った。また、教育委員会を2部制とし課については組織のスリム化を図り6課とすることでまとまった。
 伊良部総合支所については、支所長を部長級とするほか参事監も設置しその身分も部長級とすることとなった。
 合併調印式後の日程としては、3月18日に合併議案を各議会へ提案し、同25日には県知事へ合併申請書提出を予定している。
 調印式には来賓として県知事、県企画開発部地域・離島振興局長、地元選出県議会議員を招くほか、立会署名者については当初幹事会で商工会議所会頭、婦人連合会の会長など4人を予定していたが「住民代表も交えるべき」との観点からこの4人を含む民間代表の合併推進協議会委員14人とすることとなった。
 そのほか、9日に宮古島上水道企業団で行われた意見交換会で白川田水源流域の2つの井戸で高濃度の塩素イオンが検出されたことに伴う温泉施設への温泉排水停止要請について、伊志嶺亮平良市長から郡部首長に説明がなされた。各首長らもそれに理解を示し、同施設に対し温泉排水の水質調査結果が出るまでの間(約1カ月)の温泉排水停止を求める要請をすることを確認した。  

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収益金100万円を贈呈/芸能チャリティ公演

 1月16日に行われた第9回平良市社会福祉資金協力芸能チャリティー公演(主催・同公演実行委員会)の決算報告会および収益金贈呈式が10日、平良市社会福祉協議会(奥平玄孝会長)で行われた。与那覇寛仁委員長が収益金103万9378円を奥平会長に手渡し「地域の福祉活動に役立てて」と話した。
 この公演には、16団体総勢264人が出演。舞踊や筝曲など、それぞれの演目を披露した。収入総額は、チケット代と広告収入を合わせて193万6052円、支出総額は89万6674円だった。
 与那覇委員長は「趣旨に賛同し、素晴らしいステージを披露してくれたと出演者と、来場した観客の皆さんに感謝している。福祉増進に有効に活用してほしい」とあいさつした。
 奥平会長は「各団体の努力と協力によって大きな成果を得られた。支え合いと思いやりの気持ちをありがたく思う。福祉の心のともしびを消すことなく、今後も温かい協力をお願いしたい」と感謝した。

 写真説明・収益金を贈呈する与那覇委員長(手前左)=10日、平良市社会福祉協議会

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「言葉を紡ぐ」出版/友利キヨさん

 【那覇支局】宜野湾市で「チャーム美容室」を経営する平良市出身の友利キヨさん(68)が、これまで新聞や雑誌に投稿したものをまとめた著書「言葉を紡(つむ)ぐ −日々の暮らしの中から」を発行した。B6判、246ページ、パレット企画印刷。定価1000円。
 友利さんは文章を書き始めたきっかけを、「子育てと両親の介護を終え、還暦を迎えて新聞に投稿したら、友人知人からの反響に驚いた。楽しくなって自己研さんのつもりで書いてきた」と話す。
 同書は、県内紙の琉球新報、沖縄タイムスをはじめ、宮古毎日新聞、宮古新報への投稿、ぱいぬ島文芸への寄稿、その他の文章をまとめた。友利さんがその折々に全精魂を傾けて書き上げた結晶とも言える作品集。
 「@ふるさとと友と」「Aわたしの家族」「B感謝と癒し」「C老いる」「D心をよぎる出来事」「E論考」の6つの構成で87点を収録。同期会、家族、生活、観光、犯罪、戦争問題など多岐にわたっている。
 友利さんは「いずれはと思っていたが、こんなに早く私にも本ができた」と初の出版を喜び、「未熟なので、これからもっと勉強して人が面白いと思うものが書けたらいい」と意欲を示した。
 問い合わせは友利さん(電話:098-898-3715)まで。

 写真説明・初の著書「言葉を紡ぐ」を手に友利キヨさん

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競輪五輪メダリストら来島/宮古合宿で走りこみ

 アテネ五輪の自転車競技・チームスプリントで自転車競技では日本人初の銀メダルを獲得した井上昌己さん(25)を含む競輪 3選手が10日、宮古合宿のため来島した。井上さんは「宮古島は走りやすいと他の競輪仲間から聞いている。思い切って走り込みたい」と意欲を話した。
 この日来島したのは井上さんのほか、上吹越直樹さん(23)、大竹野裕樹さん(23)の3選手。同日午後の便で来島し、宮古島を拠点にしている競輪選手、藤原克成さん(38)の歓迎を受けた。
 井上さんは「宮古島には初めて来島するが、車が少なくて走りやすいという評判があるので、走り込みたい」と強調。今後の目標について「国内トップレース、G1レースで勝ちたい」と決意を示した。
 宮古島には毎年多くの競輪選手が来島し、トレーニングを積む。3人を迎えた藤原さんは「これだけの人が宮古島で練習してくれるというのは本当にうれしい。宮古島は道路がきれいだし、車が少ないので走るには最適の場所。それに宮古島のドライバーはトライアスロン大会で慣れているのか、走っている自転車を見ると、ゆっくりと安全に走ってくれるところがいい」などと練習環境の良さを強調していた。
 井上さんら3人の滞在は15日まで。藤原さんとともに、一周道路を中心に走り込む。

 写真説明・宮古合宿のため来島した(左2番目から)井上さん、上吹越さん、
大竹野さん。右は藤原さん=10日、宮古空港

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オリックスキャンプ便りF  【菊地原 毅 投手(29歳)

 中継ぎ陣の強化に期待大

 広島東洋カープから移籍した菊地原毅(つよし)投手。中継ぎ強化のために獲得したベテラン左腕だ。2001年には 1シーズン登板数の日本記録に並ぶ78試合に登板し「鉄腕・稲尾」の記録に肩を並べた。12年間過ごした広島から合併後初のトレードで新天地、神戸へ。「どんな場面でもフル回転で一生懸命投げたい」と意気込む。
 オリックスは投手35人中、プロ入り10年以上の投手は3人。若手主体の投手陣の精神的な柱として経験豊富な鉄腕が再建のカギとなる。
 「調整は順調。細かいことでは左打者へのシュートをしっかりコントロールしたい」。セ・リーグの強打者を牛耳ったシュートを武器にパ・リーグの強打者を封じる。
 オリックスは昨季、チーム防御率5・66と12球団最下位の数字。リードした展開をクローザー(抑え)に繋ぐため、中継ぎ陣の役割は重要だ。
 「勝ちゲームで結果を出すことが大事。50試合登板が1つの目標。信頼してもらえるよう頑張りたい」。鉄腕の活躍が勝利の方程式となる。

 菊地原 毅(きくちはら・つよし) 1975(昭和50)年3月7日生まれ。29歳。神奈川県出身。身長183センチ、体重88キロ。左投左打。背番号43。相武台高 −広島(92年ドラフト2位)−オリックス。プロ13年目。昨季の成績は29試合登板、0勝1敗0セーブ、防御率4・62。   (洲鎌恵仁記者)

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