200平成1  2 10曜日

 合併調印式3月15日/推進協幹事会で確認

 宮古5市町村合併推進協議会幹事会(幹事長・下地敏彦城辺町助役)が9日、同協議会事務局で開かれ、今後の日程や新市の組織・機構について協議した。平良市、城辺町、伊良部町、上野村、下地町の5市町村が合併協定書を取り交わす「調印式」は3月15日に実施する予定で準備を進めていることが確認された。新市の組織・機構では、継続審議となっていた教育委員会を、2部6課制とすることでまとまった。また伊良部総合支所には6課を置き、支所長と共に配置する予定の部長級の役職は「参事監」とすることで一致した。
 調印式は、5市町村の四役と議会議長、合併協委員らをはじめとする関係者、住民代表、来賓に知事や県議らの出席を予定しており、マティダ市民劇場で行われる予定。
 新市の組織・機構に関しては特に、教育委員会のあり方に時間を割いた。
 財政難を解消し行政改革を進め、スリム化を図るため1部制にすべきという意見と、その業務量の多さや県内の類似自治体の多くが2部制を取っていることなどから2部制が良いのでは、という意見に分かれた。また2部制の場合には、博物館や図書館、給食センターの長を課長級とするのか、いずれかの課の管轄下に置くかでも議論があった。このため下地幹事長が折衷案として、学校教育と社会教育を担当する2部の下に3課ずつ計6課を配置することを提案し、各幹事がこれを了承した。
 各庁舎の支所機能については、各庁舎に配置される部長とは別に、部長級の「総合行政センター長」を配置。その下に、住民サービス低下を招かないよう庶務などを担当する「地域振興班」、税務などを担当する「市民生活班」、産業などを担当する「事業推進班」と教育委員会分室を置くことを確認した。

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踊り、祈りで新年迎え/各地の漁村で「旧正月」

 旧正月に当たる9日、漁村の伊良部町佐良浜地区や平良市池間島、久松地区などでは、漁船に色鮮やかな大漁旗を掲げ、旧年中、無事過ごせたことを感謝するとともに、向こう1年間の航海安全、大漁、無病息災を祈り、新年の到来を盛大に祝った。
各地区のムトゥヤー(元家)と呼ばれる本家には分家の親族らが次々と訪れ、先祖の神に神酒や海の幸のごちそう、果物などを供え、手を合わせて豊漁、豊作、子孫繁栄を祈った。
 同佐良浜地区では、漁港に係留中の漁船数10隻に大漁旗が飾られ、旧正月ムード一色。各家庭では再会した親せきや友人らが、旧年中の大漁談議に花を咲かせていた。男性らは酒を酌み交わしながら、一族の活躍や繁栄を喜び合っていた。

 写真説明(上)・色鮮やかな大漁旗を掲げて盛大に祝った旧正月=9日、伊良部町佐良浜漁港
 写真説明(下左)・先祖の神に大漁を感謝していた福里英二・美江子さん夫妻ら(屋号カバシャヤー)=9日、伊良部町佐良浜
 写真説明(下右)・神女役のツカサンマ(司母)らは楽しく踊って交流を深めた=9日、伊良部町佐良浜

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「美ぎ島オトーリ回します」/宮古JC・美化活動で6市町村巡回へ

 「美ぎ島(かぎすま)オトーリ回します」―。宮古青年会議所(宮古JC、宮里敏彦理事長)は9日、同会議所会館で記者会見し、宮古6市町村を巡って美化活動を展開する「美ぎ島オトーリ2005」の概要を発表した。同所街づくり委員会(垣花厳志委員長)が中心となり、各市町村の住民らに協力を仰ぎながら各地域でのごみ拾い、清掃活動を実施する。宮里理事長は「さまざまな団体や一般の皆さんと一緒に清掃活動を行いたい。まちづくりの視点が環境問題の提起に発展できたらという狙いもある」と説明した。第1弾は今月26日、多良間村での活動を予定している。
 宮古JCは2005年度、▽相手の気持ちを考えて行動できる人づくり▽子供たちが将来に夢を持てる街づくり▽宮古圏域における外部団体との交流を通した島創り―を基本方針に各種事業計画を立てている。中でも今年からは特に、島内の美化活動にも力を入れる方針を掲げた。
 「美ぎ島オトーリ2005」はその一環。名称には「宮古島の、宮古島による、宮古島のための活動を宮古全体で回していこう」との意欲が込められている。▽宮古島民の意識改革▽観光産業の発展▽自然保護―につなげ、「美ぎ島宮古」を広くアピールできる事業にしたい、としている。
 垣花委員長は「多くの住民の皆さんに参加してもらい、子供たちが自慢できるような美しい島にしたい。将来、島に残って頑張ろうと考えてもらえたらうれしい」と語った。
 第1弾は26日午後1時から、多良間村のふるさと海浜公園前ビーチで行われる。同村にはすでに打診を終え住民らの協力も得ているという。残る5市町村についても順次協力を依頼し、11月まで次々に「美ぎ島オトーリ」を回していきたい考えだ。第2弾以降は宮古観光協会青年部と交互に実施することも検討されている。

 写真説明・「美ぎ島オトーリ」について会見した(左から)宮里理事長、垣花委員長、平良雄一理事=9日、宮古青年会議所会館

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祈りの神事、20年ぶり復活/池間島・5人制のツカサンマ

 神女役のツカサンマ(司母)の5人制が20年ぶりに復活した平良市池間島で旧暦1月1日に当たる9日、祈りの神事が本格スタートした。ツカサンマらはナナムイ御嶽(別名・ウハルズ、大主神社)で島の繁栄や子孫繁栄などを祈願した。
 昨年12月に選出されたツカサンマは、最高司のホゥヅカサ・ホゥンマが山口政子さん(55)、カカリャンマ(神懸かり母=神歌を唱える)が狩俣百代さん(57)、ナカンマ(中母=神事の一切の円滑を図る)が本村多美子さん(56)、アニンマ(姉母)が山里克美さん(55)、トゥムンマ(伴司)が勝連珠江さん(57)の5人。任期は3年。
 この日の午前8時すぎ、白装束を着けた山口さんを先頭にナナムイ御嶽入った。祈りの儀式をする聖地は入口から約70メートル奥。前ツカサンマの最高司の仲間小夜子さん(64)と嵩原シズさん(74)の2人が5人を温かく迎え入れ、儀式の指導を行った。 
 仲間さんは「やっと後継者が誕生してうれしい。ほっとしました」と喜びをかみしめていた。

 写真説明・最高司の山口政子さんを先頭にナナムイ御嶽に入った=9日、平良市池間島

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センバツ出場校が来島/青森山田高・甲子園向け宮古島合宿

 3月23日から兵庫県の阪神甲子園球場で行われる「第77回選抜高校野球大会」(センバツ)に東北地区代表で出場する青森県の私立青森山田高校野球部の部員ら37人が9日夕、同大会に向けた合宿を行うため初めて来島した。合宿は城辺町野球場できょう10日から22日まで。
 同校は昨年秋の東北地区大会に準優勝。春のセンバツは初出場だが、夏の甲子園には過去5回出場している。秋の県大会はチーム打率4割、東北大会は4試合で31得点と高い攻撃力が持ち味。
 加守田(まもだ)隆介主将(2年)は「久しぶりに土の上で野球ができると思うとうれしい。全力で良い練習ができそう。甲子園では頂点を目指したい」と笑顔で話した。
 澁谷良弥監督は「最近の青森の平均気温は零度で、雪が1メートル以上積もっている。まずは土の感触をじっくり確かめ、後半は実戦練習に力を入れたい。暖かい宮古島での成果を生かし、甲子園では優勝を目指して1試合ずつしっかり勝っていきたい」と力を込めた。

 写真説明・センバツへ向けたキャンプのため来島した青森山田高校野球部員ら=9日、宮古空港

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オリックスキャンプ便りE  町 豪将 投手(22歳)

 
「野茂2世」と期待感高まる

 仰木彬監督に「野茂2世」と命名されたドラフト4巡目のルーキー町豪将(まち かつまさ)投手。最速146キロの直球を生かした安定感の高い本格派右腕だ。
 長身から豪快に投げ下ろす直球はスピード、キレともに抜群。決め球は昔テレビで見た本家、野茂選手の握りを参考にしたフォーク。図太いハートも本家譲り。どんな強打者にも強気でインコースを攻めていく。
 今キャンプの課題は「直球のコントロール」。初日からブルペンに立ち、100球前後投げ込みを重ねる。「不器用なので、フォームやリリースポイントを体で覚えたい」と黙々と汗を流す。
 仰木監督も「野茂はキャンプでもオープン戦でもさっぱりだった。町の方が期待できるかも」と期待を寄せる。また、視察に訪れた野球評論家の稲尾和久氏も「重そうな球だ」と高く評価した。
 プロ1年目。初めてのキャンプに「プロの練習はきつい内容ではない」と語るが、張りつめた緊張感は知らず知らず体に疲労を蓄積させる。宿舎へ到着すると疲労感がどっと押し寄せるという。
 今シーズンの目標は「試合に出て他チームの選手に認められる投手になること。『野茂2世』と呼ばれるのは光栄だが、『町』で覚えられたい」と意気込んだ。
日に日に評価を高める無名のルーキーの右腕にオリックス投手陣の再建が懸かる。

 町 豪将(まち・かつまさ) 1982(昭和57)年7月28日生まれ。22歳。福岡県出身。身長184センチ、88キロ。右投右打。城北高−JR九州−オリックス(04年ドラフト4巡目)。プロ1年目。
   (洲鎌恵仁記者)

 写真説明・「野茂2世」と仰木監督が期待する町投手

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