200平成1  2曜日

 源河が土地、建物寄贈へ/平良市西里に地域交流施設建設

 平良市西里出身で元医師の源河朝明氏(83)=東京都在住=が、出身の同地(通称・イーザト)に所有する土地に地域福祉・交流拠点となる多目的施設を建設し、同市に寄贈する計画があることが8日までに明らかになった。源河氏は「福祉介護だけでなく、地域内交流・世代間交流、観光交流など多目的拠点として地域振興を図ることで郷土に貢献したい」と望んでいる。寄贈に併せて現在設立準備が進められている民間非営利団体(NPO)が運営に携わる計画。8日、伊志嶺亮市長と担当部課職員らは市議会議員に対し同計画を説明し、その内容について理解を求めた。

 計画によると、寄贈されるのは平良市西里162番地の土地400・24平方メートルと、そこに建てられる2階建ての建物。生活圏内から離れずに利用できる介護拠点の創出、地域内交流や世代間交流、観光交流などの多目的拠点の創出による地域振興、地域貢献を目的としている。
 源河氏から平良市への土地寄贈の打診は約10年前からあった。昨年4月、源河氏と建築士の伊志嶺敏子氏の呼び掛けで運営に当たるNPO法人の設立準備がスタート。NPO準備メンバーと同市企画室、福祉部などがNPOの内容や施設運営のあり方などについて検討を進めてきた。並行して源河氏と伊志嶺市長との間で寄贈内容について話し合いも行われた。
 今年に入り1月に運営するNPO法人認証のための申請書を県に提出。NPO法人は4月ごろに認証される見込み。建物は今月下旬にも着工される予定で、今年10月ごろの供用開始を目指す。
 使用条件付きの寄贈、NPOへの運営委託は議会議決が必要となることから8日、市議会議員に対する説明会が行われた。「新設されるNPOに土地・建物を委譲することも考えたが、望んでいるのは郷土への感謝の念であり、私の子孫を含め特定の人や組織に対する世襲的な財産継承ではない。そこで土地と施設を平良市に寄贈し、運営をNPOに委託するのが良いと考えている」との源河氏の意志が報告された。これを受け、伊志嶺市長は「平良市とは独立採算になる。NPO立ち上げについての協力は行うが、運営が始まってからは市から職員を派遣することもない」と述べるなど、平良市とは独立した施設となることを強調した。
 議員からは「善意はありがたく受け止めたい」「施設の運営委員会のようなものを作って、その状況を確認しながら取り組んだ方が良い」などの意見が上がる一方、「NPOが赤字で撤退した場合、平良市が負担をしなければならなくなるのでは」「一般財源からの持ち出しがないようにしなければならない」など、運営を懸念する声も聞かれた。

 写真説明・源河氏が平良市西里に所有する土地。ここに2階建ての多目的施設が建設され、平良市に寄贈される=平良市西里

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県が温泉排水の水質調査/塩素イオン濃度上昇問題

 平良市の4水源(白川田、山川、高野、大野)の塩素イオン濃度が上昇し、同じ白川田水源流域の2つの井戸で高濃度の塩素イオンが検出された問題で県は8日、宮古島リハビリ温泉病院の温泉排水の水質を調査するためのサンプリングを行った。2つの井戸の塩素イオン濃度については先月28日に県環境科学センターが「温泉排水の影響が大きい」との調査報告を行い、今回は温泉排水を地下水源流域外へ処理するために合併浄化槽を通さない温泉排水そのものの水質を調査し、それがクリアされれば流域外への処理が行われる予定となっている。
 今回の水質検査は宮古福祉保健所が温泉排水を採取し、県衛生環境研究所で排水基準の27項目を調査する予定。検査結果が出るまでには約1カ月程度を見込んでいる。
 同病院の温泉排水については合併浄化槽を用いて地下浸透処理を行っていた。同浄化槽を通した温泉排水は県のこれまでの調査で基準をクリアしている。
 今回の水質調査は同浄化槽を通さないそのままの温泉排水の水質を調査し、その水質が排水基準をクリアしていれば地下水源流域外へ処理することが可能となる。
 これについて同病院の奥原典一理事長は「調査結果が出次第地下水源流域外への処理をする予定で、そのために排水をためるタンクも設置してある。また、問題の井戸の水質調査については病院としても独自で調査したい」と述べた。
 サンプリングには同保健所の職員3人があたり、宮古島上水道企業団の職員も立ち会った。
 この問題は、白川田水源流域の4水源の塩素イオン濃度が上昇し同じ流域内にある2つの井戸で高濃度の塩素イオン濃度が検出されたが、その要因について「温泉排水の影響が大きい」との調査結果が県から示された。
 これについて病院側は「温泉排水が地下水に対してある程度の影響は及ぼしている」とした上で「指摘された井戸の塩素イオン濃度については温泉排水だけが原因ではなく台風による風送塩など複合的要因だと思う」との見解を示していた。
 病院側は温泉利用について県の認可を得て行っており、塩素イオン濃度の問題が指摘されてからは地下水源流域外への処理に向けて温泉排水のみをためるタンク(100トン)を設置してある。

 写真説明・宮古福祉保健所の職員が温泉排水の水質調査のためのサンプルを採取した=8日、宮古島リハビリ温泉病院


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鉄腕・稲尾が来島/オリックスキャンプ訪問

 「鉄腕・稲尾」が来島―。元西鉄ライオンズ投手で野球評論家の稲尾和久氏が8日、平良市民球場で春季キャンプ中のオリックス・バファローズを訪れた。仰木彬監督がチームに刺激を与えようと要請したもの。稲尾氏はブルペンなど積極的に視察し、仰木監督やコーチらと談笑した。
 視察後、稲尾氏は「オリックスは投手次第。立て直せば戦える。気合いを入れてやろうと思う」と述べた。この日の夜には投手、捕手らを集めて、講演会を行った。
 またこの日はパシフィック・リーグの小池唯夫会長も視察のため来島し、「合併が決まって初めてのシーズン。チームの和が大事だ」とエールを送った。
 稲尾氏は1937年生まれ。大分県出身。56年に西鉄ライオンズ(現西武ライオンズ)入団。生涯成績は、276勝、防御率1・98。58年の日本シリーズでは、3連敗後に4連投4連勝し「神様、仏様、稲尾様」とあがめられた名投手。93年、殿堂入り。

 写真説明・ブルペンで神部年男投手コーチと談笑する稲尾氏(中央)=8日、平良市民球場

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「モンゴルの子供救いたい」/平良市北中の生徒が募金送る

 モンゴルで貧しい生活を送っている子供たちを救おうと、平良市立北中学校(普天間裕校長)の全校生徒が8日、NGO沖縄アジアチャイルドサポート代表理事の池間哲郎さんに募金活動で集めた寄付金を託した。池間さんは「君たちが行動してくれたことは涙が出るほどうれしい。この寄付金は責任を持って現地に届ける」と約束した。
 同校生徒が寄付金を送ろうと決めたのは昨年6月にモンゴルの子供たちと出会ったことがきっかけ。モンゴルの「沖縄の家」で親のいない子供たちの面倒を見る池間さんが、その子供たちとともに同校を訪問したことで交流が深まった。
 生徒たちは昨年末から集中的に募金活動を実施した。各学級に募金箱を設置したほか、生徒会の役員は校外に出て善意を募ったという。
 同校内で午後5時から行われた寄付金贈呈式で、生徒会の下地将史会長は「このお金をモンゴルで頑張っている子供たちのために役立ててください」と話した。
 これに対し、池間さんは「モンゴルは今、とても寒いので、その寒さをしのぐために必要な肌着など下着類を買うために皆さんの寄付金を使わせてもらいます」と感謝した。その上で「世界には貧しい国が多くあり、その中で一生懸命に生きている子供たちがいるということを忘れず、これからも頑張ってほしい」と激励していた。
 池間さんはモンゴルやカンボジアなどで生活する貧しい子供たちの支援活動を手掛ける。1999年に「NGO沖縄」を設立した。上野村出身。

  写真説明・池間さん(右から4人目)に寄付金を手渡す生徒会役員ら=8日、北中学校

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振り込め詐欺防止法学ぶ/城辺町のお年寄り

 全国各地で相次いでいる振り込め詐欺(オレオレ詐欺など)の被害に遭わないように、城辺町のデイサービスを利用するお年寄りが9日午後、福里駐在所の浦崎淳さん(巡査長)から振り込め詐欺の実態を聞き、同詐欺に遭わない方法を学んだ。浦崎さんは「宮古の人は犯罪に対する危機意識が足りない。こんな平和な宮古島でも事件が発生するということを常に頭に入れていてほしい」と強く呼び掛けた。
 この講話は町内のお年寄りの犯罪に対する認識を高めることと、地域の警察官を知って交流を深めることが狙い。初日は城辺学区のお年寄りを対象に実施、残る3学区でも行われる(講師は各地域の駐在警察官)。
 初日の講話は午後2時から同町社会福祉センターで行われた。はじめに浦崎さんは全国で発生している振り込め詐欺の実態を報告。昨年1年間で2万5667件発生し、被害額は284億円に上ることを説明すると、会場のお年寄りは「えー、そんなに多いのか」などと驚きの声を上げていた。
 その上で浦崎さんは被害に遭わないために@電話が掛かってきたら必ず本人かどうか確認するA身に覚えのないものは無視するB自分から家族の名前、住所、電話番号は絶対に言わないC不審な電話の場合、警察に連絡すること―などと注意を促した。さらに「昨年5月には城辺町の女性も被害に遭っている。事件は本土ばかりで起きるのではない。宮古でも現実に起きているということを忘れないでほしい」と話していた。浦崎さんはほかに空き巣について話し「家の鍵をしっかりかけることがスタート。この行動が犯罪の抑止につながる」と強調していた。

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オリックスキャンプ便りD 【 北川 博敏 内野手(32歳)

 笑顔満開、チーム1のムードメーカー 

 近鉄、オリックスの合併により新チームに加わった北川博敏内野手の魅力は勝負強いバッティング。2001年の近鉄リーグ優勝を決めた代打逆転サヨナラ満塁本塁打は野球ファンの記憶に残る伝説の1打だ。
 練習中は野球少年のような笑顔を見せる。明るい声でチームを鼓舞し、士気を高めるムードメーカーだ。合併して間もないチームには欠かせない存在だ。「もう違和感は全然ない。新しいチームとしてプレーオフ進出、リーグ優勝する。仰木監督を胴上げしたい」と優勝を誓う。
 昨季は打率3割3厘、20本塁打、88打点。全試合出場も果たし、シーズンを通してチームの主軸を担っただけに仰木監督の信頼も厚い。
 オリックスは昨季、リーグ2位のチーム打率を誇りながら、得点はリーグ最下位。また、2けた本塁打を放った日本人選手は谷佳知外野手だけと、長打力も欠いた。得点力と長打力、北川選手はその欠点を埋める待望の長距離砲だ。
 「昨季以上の成績が目標。打点は90打点以上を上げ勝利に貢献したい。好機でタイムリーを放つ、勝負強い打撃を見てもらいたい」と抱負し、「僕たちの熱い気持ちが込もった練習を見に来てほしい」と宮古島のファンに呼び掛けた。
 北川 博敏(きたがわ・ひろとし) 1972(昭和47)年5月27日生まれ。32歳。兵庫県出身。身長180センチ、体重89キロ。右投右打。背番号23。大宮東高−日本大学−阪神−近鉄−オリックス。プロ11年目。昨季成績は133試合で打率3割3厘、20本塁打、88打点、7盗塁。
   (洲鎌恵仁記者)

 写真説明・練習中はいつも笑顔。ムードメーカー的存在の北川内野手

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