200平成1  2曜日

 平良城辺線の電線地中化計上/05年度県予算内示

 【那覇支局】県は7日の庁議で、2005年度当初予算案を決定し、各部局に最終内示した。国庫支出金が前年度比で10・1%(185億4600万円)減少するなど三位一体改革が影響し、一般会計の総額は前年度比2・6%減の5859億3300万円。 4年連続のマイナスで、10年ぶりに6000億円を割り込んだ。主な事業の重点枠で市町村合併支援事業や宮古南静園・沖縄愛楽園の「ハンセン病証言集」編集事業、新石垣空港建設事業(県単分)などを計上、また、新規事業で離島活性化事業や平良城辺線の電線地中化に向けた電線共同溝整備事業なども盛り込まれた。1月25日に示した調整額より4億5300万円増額した。同予算案は15日開会予定の県議会2月定例会に提出される。

 歳入は、前年度に大幅減額された地方交付税が前年度当初比3・5%増となり、地方譲与税が所得譲与税の増により前年度比165・6%の増、地方特例交付金が税源移譲予定特例交付金の増により170・4%増となるなど計162億2300万円増加。一方で国庫支出金は、三位一体改革による義務教育費国庫負担金の暫定的減額や公共事業の減等により10・1%の大幅減となり、繰入金は20・8%減、県債は臨時財政対策債の減等により8・2%減となった。
 歳出で、人件費は退職者数の減等により1・8%の減。投資的経費のうち補助事業は、国の公共事業費の減により4・6%減、県の単独事業は農業研究センター整備や肉用牛群改良基地育成事業の完了で6・2%減となった。物件費は、緊急地域雇用創出関連の事業完了や廃自動車リサイクルシステム構築事業等の減により8・8%減少した。補助費等は、三位一体改革による国民健康保険制度の改革(財源の国から県への移行)で3・3%増となった。
 三位一体改革で05年度の県の国庫補助負担金の廃止影響額は約151億1600万円で、税源移譲等の財源措置は約98億2900万円となり、差し引き52億8700万円が税源移譲に不足額となった。この本県の不足分については地方交付税の増額(61億3400万円)により補てんされる。
 「ハンセン病証言集」編集事業には1200万円、新石垣空港建設事業(県単分)に1億2300万円、台風時航空輸送対策システム構築事業に1800万円を計上。新規事業では、離島活性化関連の離島地区ブロードバンド環境整備促進事業に3億7800万円、離島地域資源活用・産業育成事業に1億9700万円、離島活性化専門家派遣事業に3900万円、離島活性化人材育成事業に3300万円、平良城辺線の電柱を地中化する電線共同溝整備事業費に4600万円、企業を育てるベンチャービジネスサポート事業に8600万円などが計上された。

top.gif (811 バイト)

大リーガー、イチローが来た/5年ぶり、島民らフィーバー

 元オリックス・ブルーウェーブで、現在は米大リーグのシアトル・マリナーズに所属するイチロー選手が 6日、平良市民球場で春季キャンプ中のオリックス・バファローズの激励に訪れた。同球場には約1500人の地域住民らが詰め掛け、五年ぶりに見る勇姿に熱い視線を送った。激励訪問は約3時間だったが、イチローフィーバーに島中が沸いた。
 イチロー選手は、キャッチボールなどで体を温めた後、フリー打撃を行った。ゆっくりと打席に入り、バットから快音が響くと、スタンド中がどよめいた。
 持ち味のシャープな打撃で右や左へ打ち分け、米大リーグの年間最多安打を更新した技術を披露した。「狙って打ちました」と語ったように、100スイングで15ホーマーを放つなど観客を大いに沸かせた。
 練習の合間には仰木彬監督や新井宏昌打撃コーチ、若手選手らと談笑するなど、終始リラックスした様子。野球少年らが「イチロー」と呼び掛けると、手を振って応えていた。
 イチロー選手は、午前11時すぎに宮古空港に到着するとパトカーに先導され球場入り。球場前では歓迎セレモニーが開かれ、仰木監督ら関係者をはじめ、花束贈呈や太鼓演舞などで盛大に迎えられた。
 球場には、宮古から大リーグに巣立ったヒーローを一目見ようと、宮古島春季キャンプでは過去最高となる1500人が足を運んだ。「イチローお帰り」「世界一おめでとう」など歓迎と祝福の言葉を送っていた。
 仰木監督は「まさにイチロー効果。本人も気分が良くできたと思う。チームにとって刺激になり、良い一日だった」と振り返った。
 球場に訪れた鎌田悠君(東小5年)は「イチロー選手を見たのは初めて。場外ホームランにはびっくりした。きょうは最高の1日」と大喜び。
 今回の訪問は、オリックス時代の恩師、仰木監督の要請に応えたもの。イチロー選手は、宮古島のファンに元気な姿を見せ、この日の夕方、大阪に戻った。
 イチロー選手は1992年から2000年までオリックスに所属。同年に米大リーグのシアトル・マリナーズに移籍。04年、同リーグの年間最多安打の新記録となる262本を放ち、日米の野球ファンを沸かせた。

 写真説明(上)・歓迎セレモニーでは太鼓演舞が行われる中、仰木監督がイチロー選手を出迎えた=6日、平良市民球場前
 写真説明(中)・大リーグ年間最多安打記録を更新した「世界の技」を披露
 写真説明(下)・観客の声援に手を振って答えるイチロー選手
top.gif (811 バイト)

「懐かしいにおいした」/イチロー、5年ぶりの宮古島に

 「懐かしいにおいがしました」―。5年ぶりに宮古島を訪れた米大リーグのシアトル・マリナーズのイチロー選手は練習を終えると、報道陣のインタビューにも気さくに応じた。空港から球場までの道のりを眺め、「5年前と町並みが変わっていない」と笑顔で語った。
 年間最多安打新記録をひっさげての来島に、大勢の野球少年やファンらがスタンドを埋めた。
 イチロー選手は宮古島のファンに久しぶり見てもらおうと、フリー打撃で打席に入り、世界最高峰の技術を披露。「大勢のファンや選手、報道陣に見られ、良いプレッシャーの中、練習ができた」と満足げ。
 今季からオリックスは合併球団として新たなスタートを切ったことに対して「敵として戦っていた選手がオリックスにいるので、不思議な感じ」と複雑な表情を浮かべた。オリックス時代の恩師、仰木監督へは「僕も監督に刺激を与えたいし、監督も僕に刺激を与えてほしい」とエールを送った。
 また、イチロー選手は宮古滞在が約5時間ほどの強行日程。集まった大勢のファンにサインすることができず、「サインしてあげられなくてごめんなさい」と語った。

 写真説明・インタビュー中も笑顔を見せたイチロー選手=6日、平良市民球場

top.gif (811 バイト)

下地島空港が候補地?/米軍普天間移設見直し報道で危機感

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設計画を政府が見直す方向で検討に入ったとの一部報道を受け、下地島空港を抱える宮古では新たな候補地として「同空港が挙がるのでは」と危機感を募らせている。宮古市町村会の伊志嶺亮会長(平良市長)や伊良部町の浜川健町長は7日、それぞれ「仮に移設先に下地島空港が挙がることがあれば、断固反対する」とのコメントを発表した。
 一部報道によると、暗礁に乗り上げている普天間飛行場の返還問題を打開するため、政府がこれを見直す方向で検討に入ったとしている。下地島空港は米軍嘉手納基地とともに県内の移設候補地として挙げられているが、地元の反発が強いため新たな候補地の選定は難航が必至だとしている。
 この報道について伊志嶺市長は「辺野古沖移設の見直しは良いことではあるが、このことが県内移設につながるのであれば大変遺憾である。仮に移設先として下地島空港が挙がることがあれば宮古郡民を挙げて断固反対する。今後の日米両政府の動向を見極めて、対応していきたい」とのコメントを出した。
 また、地元伊良部町の浜川町長は「辺野古が駄目だからと言って下地島空港に移設ということは絶対に認めない。県民も県内移設には反対しており、宮古市町村も米軍の基地移設については反対の意志を確認している」とした。
 稲嶺恵一知事は「いろいろな検討がなされるとは聞いているが、個々の問題は聞いていない」とした上で「ともかく沖縄の基地負担軽減になるような形で(協議を)進めてほしいと強く要望していきたい」と語った。

top.gif (811 バイト)

宮古の新市名称でシンポ開催/在沖郷友らが実行委

 【那覇支局】宮古5市町村合併後の新市の名称決定はもっと議論を深め住民の意思を最大限に反映する必要があるとして、在沖の郷友らが呼び掛け人となって地元宮古と連携し、「新市の名称を考えるシンポジウム」を11日午後 6時から平良港マリンターミナルビル2階大会議室で開催する。6日夜、那覇市の首里公民館で同シンポジウム実行委員会が結成された。呼び掛け世話人は垣花豊順、平良勝保、漢那昭、垣花譲二の各氏。連絡係は垣花氏(電話 :090・9783・9066)。
 シンポジウムでの意見・提言を踏まえて、合併推進協議会に幅広い層の意思を確認する取り組みを要請するとともに、内容は文書にまとめ5市町村長、議会議長、合併推進協議会長、県宮古支庁長に提出する方針。同実行委ではシンポジウムへの住民多数の参加を呼び掛けている。宮古の市町村合併は多良間村を除く平良市、城辺町、伊良部町、下地町、上野村の5市町村で、今年10月1日を予定している。
 同実行委では、「新市の名称をめぐって『宮古市』『宮古島市』『みゃーく市』などさまざまな意見がある中で、アンケートや住民投票など住民の意見を反映させる取り組みがないまま、推進協議会だけで『宮古市』と決めている。これに対し、岩手県宮古市からの問題提起、推進協議会の事務局や委員からの住民アンケートの提案を受け、協議会で賛成11人で少数否決されたが、その後も新聞投稿が続き、もっと議論を深める必要があることを示している。在沖郷友の間でも故郷と一緒になって皆で考え、より多くの声を反映させて決める方向を目指そうとなった。地元宮古にも賛同者が増えており、連携してシンポジウムを開催したい」としている。
 6日の実行委には約20人が参加し、シンポジウムの開催目的や日時・会場、呼び掛け人の追加、パネリストやコーディネーター、シンポジウムの進行、実行委員会の会則などを協議し大方を確認した。

top.gif (811 バイト)

「ワイドー基金」取り崩しを可決/多良間村臨時議会

  【多良間】多良間村議会(長嶺春勝議長)は7日、臨時会を開き、宮古広域圏事務組合の規約の一部を変更し、ふるさと市町村圏基金(通称・ワイドー基金)の権利の一部を放棄するなどとした議案など五議案を全会一致で可決した。きょう開かれる5市町村の各臨時議会で同案が可決されれば、県の規約変更承認を経て、3月に開かれる宮古広域圏事務組合議会でワイドー基金取り崩しが認められる。多良間村は6627万5000円を出資しており、このうち1342万8000円が同村に差し戻されることになる。
 同基金の取り崩しは各市町村財政の逼迫を受けて行うもので、6市町村が出資する9億円のうち2億139万9000円をを差し戻す計画。
 この日の臨時会で可決したのは▽工事請負契約の締結について▽宮古広域圏事務組合規約の一部を変更する規約について▽ワイドー広域圏基金に係る権利の一部を放棄することに関し議決を求めることについて▽財産の取得について▽2004年度多良間村一般会計歳入歳出予算の補正について―の5議案。

top.gif (811 バイト)