200平成1  2曜日

 山田弘子の句碑を序幕/「円虹(えんこう)」10周年記念

 宮古を題材にした作品を発表し続けている俳人・山田弘子氏(70)が主宰する俳句月刊誌「円虹(えんこう)」の10周年を記念する句碑が平良市のカママ嶺公園に建立され、そのお披露目となる「句碑披(びら)き」(主催・宮古島山田弘子後援会)が5日、同公園で行われ、山田氏や同後援会の伊志嶺亮会長(平良市長)らが除幕した。句碑には大神島で詠んだ「蒼海(そうかい)へ鷹を放ちし神の島」が、同氏による書で刻まれている。同後援会の会員や島外の俳句愛好家ら約80人が出席し、句碑完成を祝った。山田氏は出席者1人ひとりに感謝し、「句碑を見ると、この島の私と出会ったような気がする。句碑は私の魂の一部。命ある限りこの島との縁(えにし)を大事にしていきたい」と感激した様子で話した。
 山田氏と宮古とのつながりは、「円虹」に投句する宮古の子供たちに会いたいとの思いで1999年4月に来島したのがきっかけ。以来、年に2、3度来島し、作句指導や区会を継続して催している。2000年沖縄サミットの際には「日独こども俳句サミットin宮古島」開催にも携わった。
 句碑になった「蒼海へ鷹を放ちし神の島」は、大神島の頂上から望む真っ青な海の上に、神の使いのように飛び立った1羽の鷹の様子を詠んでいる。
 宮古島後援会の伊志嶺会長をはじめ長女の辻佳子さん、孫たちと一緒に除幕した山田氏は「人の縁は不思議なもの。円虹を宮古に紹介したころ、ここに句碑が建つとは夢にも思わなかった。宮古島からどれだけの大きなものをいただいたか分からない。恩返しに良い俳句を一句でも多く残したい」と語った。
 句碑披きで伊志嶺会長は「山田先生の宮古にかける思いは厚い。この句碑を見に、宮古島へ何度も来てほしい、という思いが込められている。記念植樹も行うが、この木と同じように円虹もどんどん大きくなると思う」と述べた。
 平良市教育委員会の久貝勝盛教育長は祝辞で「山田先生にはこれまで何度も宮古を訪ねていただき、俳句の素晴らしさをご指導いただいた。おかげさまで宮古の俳句人口も俳句文化も大きな高まりを見せている」と感謝した。
 同公園で小宴会が開かれた後、出席者らは「平良市歴史文化ロード」の大和井(ヤマトガー)や人頭税石、漲水石畳などを吟行。マリンターミナルビルに場所を移して句会も行った。

 山田 弘子(やまだ・ひろこ) 俳人。1934(昭和9)年8月24日生まれ。兵庫県出身。武庫川女子短大英文科卒。「円虹」主宰者でNHK教育テレビ「俳壇」の選者。小学校時代より但馬児童文芸誌「草笛」にて俳句に親しみ、高浜虚子らに師事。80年、ホトトギス同人。90年、第2回日本伝統俳句協会賞。95年、俳句月刊誌「円虹」創刊・主宰。現在、日本伝統俳句協会幹事、国際俳句交流会理事など。句集に「蛍川」「こぶし坂」など、評論に「俳句実作入門講座3 俳句表現の方法」など、著書多数。

 写真説明・句碑を除幕した山田氏(右から3人目)、伊志嶺会長(左から2人目)ら=5日、平良市のカママ嶺公園

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濃縮黒砂糖液の生産へ/真太陽製糖工場で火入れ式

 上野村宮国にある観光農園ユートピアファーム宮古島(上地登代表)の一角に、高品質の濃縮黒砂糖液の生産を目指す真太陽(まてぃだ)製糖工場(奈須照夫代表)が建設され、5日、かまどの火入れ式があった。同工場は宮古を含む全国でFFCテクノロジーを実践、研究する「カトレア会」の会員らが共同出資で建設。工場では、1日にFFCテクノロジーで栽培したサトウキビ500キロを原料とし、約77キロの濃縮黒砂糖液生産を年中行う予定で、観光客や他県などに向けて販売される。
 奈須代表によると、現在、FFCテクノロジーで栽培しているサトウキビ耕作面積は宮古島内で約10ヘクタール。FFCエースという土壌改質活性培土で土壌を改良し、サトウキビを栽培するもので、8−9カ月で収穫できるようになる。
 同工場では、この技術で生産されたサトウキビのみを原料とし、濃縮黒砂糖液を年間通して製造、販売していく。
 火入れ式では、かまどに火が入れられたほか、関係者が全員で乾杯をし、濃縮黒砂糖液の安定生産に期待を寄せた。
 式終了後には、ブリックス18・1度というサトウキビを圧搾、搾り汁を長時間にわたって煮詰め、濃縮黒砂糖液の製造が始まった。
 奈須代表は「FFCテクノロジーを実践したサトウキビ栽培が宮古全土で広まれば」と話し、今後、平良市の成川地区、狩俣地区、伊良部町、城辺町でも同様の工場を建設していく方針を示した。
 FFC 特殊な鉄分Ferrous Ferric Chloride(フェラス・フェリック・クロライド)の略語。三重県に本社を持つアカツカグループが登録した商標。同グループは、この特殊な鉄分が太古の海水中に存在し、生命の誕生や進化に大きな役割を果たしたのではと推察、現在も研究を続けている。

 写真説明・奈須代表と真太陽製糖工場=5日、上野村宮国観光農園ユートピアファーム宮古島内の同工場

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「危険な場所には近寄らない」/「太陽の家」研修会を開催

 宮古地区太陽の家連絡協議会(前川尚誼会長)主催の太陽の家「子ども110番の家」研修会が4日午後、平良市中央公民館で開かれた。大勢の関係者が出席。子供たちは「危険な場所には近寄らない」と手作りの安全マップで注意を呼び掛け、大人たちは公園などたまり場になりそうな個所の改善を指摘し、安心で安全な美ぎ島宮古づくりをともに誓い合った。
 太陽の家は、子供たちが犯罪に巻き込まれないために駆け込む避難所。全国的に子供たちを狙ったわいせつ事案や声掛け事案が多発傾向にあることから、今回の研修会は相互の情報交換などを行うことにより、太陽の家の趣旨および活動を確認するとともに、今後の活動強化につなげることを目的に開催された。
 舞台では、城辺町立砂川小学校3年生の安全マップ作製チームの子供たちが、犯罪が起こりそうな地域の危険な場所をマップで紹介。子供たちは「空き家や管理されていない古い公民館、公園のトイレなどが怖くて危険」と訴え「危ない所には近寄らない、入らない」と誓った。
 宮古の各小学校で地域安全マップ作製を指導している川満信子さんと吉田綾子さんの2人は「地域安全対策について」講話。この中で「地域安全マップ作りは、通学路などにおける児童の安全対策の一環で実施。子供たちが犯罪が起こりそうな場所を探し、洗い出して地図にする」と説明。危険な場所については▽入りやすく見えにくい(地下の駐車場など)▽管理されていない場所(空き家など)▽人けのない場所(街灯が無い道路など)―を挙げた。
 その上で「空き家や公園のトイレ、団地で管理されていない集会所などが酒飲みのたまり場になっている」と指摘し、早急な安全対策の実施を提起した。
 また舞台では、宮古地区少年補導員・指導員らが寸劇「子どもを守る太陽の家」を上演。遊んでいた子供3人のうち、1人が不審者に連れ去られるが、残り2人が太陽の家に駆け込み、家主が警察へ通報。駆け付けた警察官が不審者を逮捕するという太陽の家の役割を分かりやすく訴えた。
出演者らは「宮古の各小学校から要望があれば上演したい」と意欲を示した。
 開会式では、主催者を代表して前川会長、伊波盛春宮古警察署長らが、太陽の家の果たす重要な任務などに感謝し、さらなる活躍に期待した。

 写真説明・マップを使って地域の危険な場所を説明する砂川小学校の子供たち=4日、平良市中央公民館


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子供たちがそばづくりに挑戦/平良市子連「子ども祭り」

 平良市子ども会育成連絡協議会(奈良俊一郎会長)は5日、県立宮古少年自然の家で「子ども祭り」を開いた。市内6つの子ども会のメンバー約80人が一堂に会し、そばやふかしイモの野外料理やログハウス作りに挑戦した。
 子ども祭りは、日ごろ大原南、二重越、東団地、池間、西辺、荷川取の各単位ごとに活動している子供たちが集まって交流を深めようと開催。例年は単位ごとの舞台発表を中心に行っているが、今年は初の取り組みとして野外活動に汗を流した。子供たちは各単位の枠を越えて自由にグループを作り、大人のサポートを受けながら活動。小麦粉をこねたり伸ばしたりしてそばのめんづくりから始め、慣れないながらも真剣な表情でそれぞれの役割をこなしていた。
 奈良会長は「料理を体験することで食べ物の大切さや感謝の気持ちを感じてほしい」と話し「大人にとっても、地域の子供たちと触れ合う貴重な時間」と喜んだ。参加した上地由理香さん(10)は「大勢で1つのことをするのは楽しい」と話し、元気いっぱいに野外活動を満喫していた。

 写真説明・小麦粉をこねてそばのめんを作る子供たち=5日、県立宮古少年自然の家

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青空に宮古だこ/久々のポカポカ陽気

 県宮古支庁農業水産整備課(根間恵勇課長)は5日、第2回たこ揚げ大会を下地町池原公園で行った。職員やその家族、友人ら約40人が参加。アイデアやデザインを凝らした手作りの宮古だこを揚げ、各係対抗で腕前を競い合った。この日の最高気温は23・7度(午後1時30分)で、数日ぶりに晴れ間が見えるぽかぽか陽気。参加者たちは広場いっぱいを駆け巡り、童心に帰ってたこ揚げを楽しんでいた。
 宮古島地方気象台の週間天気予報によると、向こう1週間の最高気温は21度から24度で推移し、暖かい日が続く見込み。
 たこ揚げ大会は、職場仲間や家族が一体となりたこ揚げをすることで心身ともにリフレッシュを図る目的で開催。各係ごとにチームとなり、アイデアを凝らした宮古だこを作成した。

 写真説明・数日ぶりの晴れ間の下、たこ揚げを楽しむ参加者たち=5日、下地町池原公園

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オリックスキャンプ便りC  吉井 理人 投手

 
現役復帰に執念、39歳のテスト生

 39歳のテスト生が元気だ。昨年、オリックスを解雇された吉井理人投手が、再入団テストのため今キャンプに参加し、現役復帰に執念を見せている。
 背番号のないユニフォームに袖を通し、若手選手らと練習に励む。練習中は笑顔が絶えず、現在置かれた状況ですら楽しんでいるようにも見える。
 キャンプ初日からブルペンで捕手を座らせて投げ込むなど復帰に懸ける気迫は十分。4日のフリー打撃では直球中心に48球投げ「調整は順調。元気なところがアピールできた」と振り返る。
 ネット裏で投球を見つめていた仰木彬監督は「気持ちが前面に出ている。」と経験豊富なベテランを高く評価。打席に立った日高剛選手も「球に勢いがあり、調子が良いときの投球が戻っている」と復調ぶりを認める。
 開幕ではなく紅白戦に合わせた調整が、昨年のキャンプとは大きく異なる。第3クールから始まる紅白戦が試練の場だ。
 「まだ契約していないが、早くチームの力になれるようにしたい」。最後のチャンスに懸ける39歳のテスト生に注目が集まる。

 吉井 理人(よしい・まさと) 1965(昭和40)年4月20日生まれ。39歳。和歌山県出身。身長188センチ、95キロ。右投右打。箕島高−近鉄(ドラフト2位)−ヤクルト−ニューヨーク・メッツ−コロラド・ロッキーズ−モントリオール・エクスポズ−オリックス。昨季成績は3試合0勝1敗、防御率17・18。
   (洲鎌恵仁記者)

 写真説明・気迫の込もった投球を見せる吉井投手

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