200平成1  2曜日

 「ワイドー基金」取り崩しへ/9億円のうち2億円を

 宮古広域圏事務組合(代表理事・伊志嶺亮平良市長)の2004年度第5回理事会が3日、同組合で開かれ、同組合ふるさと市町村圏基金(通称・ワイドー広域圏基金)を取り崩して今年度の各市町村予算に差し戻すことを決めた。各市町村財政の逼迫が背景にあり、6市町村が出資する9億円のうち、差し戻し額は2億139万9000円。基金を取り崩すため各市町村は来週中に臨時議会を開き、同組合規定の一部変更と基金の権利放棄を議決する。その後、県の規約変更承認を経て、来月の同組合議会で基金取り崩しが認められる見込み。
 同基金は目的が広域的な地域振興事業を実施することに限定されているため、同組合は県と協議。同事業に充てることを条件に取り崩しが認められた。
 この条件により同基金は直接差し戻すことはできず、各市町村の今年度負担金を減額し、取り崩した基金を同組合予算に充当する方式を取る。広域振興業務負担金に1億6003万3000円を、地域情報推進業務負担金に4136万6000円を、それぞれ同基金から充当。これによって浮いた負担金を各市町村予算に戻す。
 取り崩しで各市町村に差し戻される額は▽平良市8882万9000円▽城辺町3089万2000円▽下地町1937万2000円▽伊良部町2947万4000円▽上野村1940万4000円▽多良間村1342万8000円―。
 多良間村は7日、それ以外の5市町村は8日にそれぞれ臨時議会を開く予定。同組合規約の変更と、基金の権利を放棄する議決が行われる。同組合は各市町村の議決書をとりまとめ、今月中にも県から規約変更の承認を得る。その上で来月の同組合議会に、基金の取り崩し議案と今年度予算を減額する補正予算案を上程する。
 同基金は89、90年度に同組合を構成する6市町村が人口の割合などによって9億円を出資、残り1億円を県が助成して創設された。その利息を広域的な地域振興事業に充てることを目的とし、全日本トライアスロン宮古島大会をはじめ同組合が実施する各種スポーツイベントや人材育成事業、国際交流事業などの財源に。創設当時の90年には6000万円余の利息を生み出した。
 しかしバブル崩壊以降、利率は年々下がり、96年には1000万円を切るなど、超低金利時代を反映して同基金から得られる利息も激減した。その中で財政状況が悪化の一途をたどった各市町村は、同基金の取り崩しに着目していた。
 このほか、05年度一般会計予算案とワイドー広域圏基金特別会計予算などについても審議した。

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9月に平良市でプレ大会/世界島嶼会議

 第9回世界島嶼(とうしょ)会議が2006年にアメリカ・ハワイ州マウイ郡で開催されるが、その「プレ大会」がマウイ郡の姉妹都市である平良市で開催されることが3日までに分かった。昨年11月に台湾で開催された第8回会議に参加した琉球大学の嘉数啓副学長から打診があった。今年9月中旬に公開シンポジウムが行われる予定。快諾した伊志嶺亮市長は「世界中の人々が集まる大きな会議で、歓迎したい。琉大や県のバックアップが必要で、今後協力を要請していきたい」と述べた。
 昨年の台湾での第8回会議では、06年開催地をマウイ郡とし、その前段のプレ大会を沖縄で開催することを内定。マウイ郡と姉妹都市関係の平良市が開催候補地に挙げられていた。同大会でのプレ大会開催は初めてだという。
 準備作業に当たっている嘉数副学長によると、「プレ大会」は琉大と平良市が連携し、同大学と同市で開催される予定。琉大で専門家会議が行われ、その翌日に平良市で公開シンポジウムを実施する運び。
 シンポジウムのテーマは「島嶼社会のグローバルなネットワークと連携協力」。島社会の人的ネットワークについて意見が交換される。パネリストには伊志嶺市長や、県系人であるマウイ郡のアレン・アラカワ郡長らの名前も挙がっている。
 嘉数副学長は「インターネット回線を介し宮古とハワイを結んで、ハワイでもシンポジウムの模様が見られるようにしたい」と構想を話した。嘉数副学長はきょう4日、平良市役所を訪れ、同大会について伊志嶺市長と協議する予定。

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田口選手がオリックスを激励/古巣キャンプを視察

 元オリックス・ブルーウェーブで、現在は米大リーグのセントルイス・カージナルスに所属する田口壮外野手は3日、オリックスが春季キャンプを行う平良市民球場を激励のため訪れた。球場では歓迎セレモニーが行われ、4年ぶりの来島を盛大に歓迎した。きょう4日も同球場を訪れ、午後には宮古を離れる予定。
 歓迎セレモニーでは、仰木彬監督をはじめ、宮古島オリックス・バファローズ協力会の中尾英筰会長ら関係者が出迎えた。また、リズム保育園の園児らは「田口選手、お帰りなさい」と声をそろえて歓迎した。
 セレモニーで田口選手は「宮古島のきれいな空気を吸って新たな気持ちでアメリカに行きたい」と述べた。
 オリックス選手らとの合同練習はなかったが、室内練習場で打撃練習などで汗を流し、シーズンに向けて調整を行った。
 田口選手は、1992年から2001年までオリックスに在籍。02年にはFA宣言し、米大リーグのカージナルスへ入団した。来島は01年春季キャンプ以来、4年ぶり。

 写真説明(上)・子供たちに来島を歓迎され笑顔を見せる田口選手=3日、平良市民球場
 写真説明(下)・仰木監督や谷選手と談笑する田口選手(右から)=3日、平良市民球場

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死んだアオウミガメ発見/来間港内・体長1・5メートル、異物誤飲か?

 アオウミガメ発見、観光客びっくり―。
 下地町来間の来間港湾で3日午前、アオウミガメが波打ち際に打ち上げられているのを観光客が見つけた。「生きているなら何とか助けたい」と宮古署に通報、署員のほか、町や県の関係者が急行したがカメはすでに死んでいた。海洋生物に詳しい平良市役所の梶原健次さんは死亡原因について「明確な理由は断定できない」と前置きした上で「異物を飲み込んだか、海洋投棄された漁網に掛かったなど何らかの事故死ではないか」と推測。少なくとも、海の生物にとって住み良い海中環境でないことを物語っているようだ。このアオウミガメは、同日中に同町農林水産課の職員が浜に埋めた。
 アオウミガメの死体を見つけたのは、1日から観光に訪れていた菅野素子さん(34、北海道)。「生死の判断がつかなかったので、もし弱った状態なら一刻も早く助けたいと思い、警察に連絡した。でも、死んでいたんですね」と残念がった。
 このアオウミガメは体長150センチ(甲長95センチ)、幅70センチだった。
 梶原さんによると、甲羅に付着生物などが見られないため老性個体の可能性は低く、外見を見る限り自然死亡とは考えにくいという。天敵にやられたような致命的な外傷もなく「海への投棄物を飲み込むなど、人間の行動が原因になっている可能性は十分にある」と話した。
 アオウミガメは絶滅危ぐ種に分類されている。沖縄海区漁業調整委員会の発令指示により原則的に採捕は認められていない。ただし、承認を受けた漁業者や研究者は例外で、沖縄海区では現在、年間に約20人が230頭のアオウミガメを採捕している。

 写真説明・波打ち際に打ち上げられたアオウミガメの死体=3日、来間港湾

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通学路で「暗がり診断」実施/宮古署など・住み良い地域づくりで

 住み良い地域づくりを推進する「ちゅらうちなー安全なまちづくり条例」(2004年4月1日施行)の一環で3日、県下一斉に「暗がり診断」が行われた。宮古警察署(伊波盛春署長)の署員やボランティア、市職員らが参加し、児童生徒の通学路に潜む「暗くて危険な場所」をチェックした。
 「暗がり診断」は子どもの目線から暗くて危険な場所を点検し、児童生徒の安全、安心な登下校に役立てようと実施された。
 参加者らは▽平良第一小(平良中、宮古高校)▽南小学校(翔南高校、宮古農林高校)▽北小学校(北中学校)▽東小学校(宮古工業高校)―の周辺で、「街灯のない通り」「暗くて5メートル以内の人物が識別できない場所」などを総点検した。
 同署で行われた出発式でちゅらまちづくり専門部会の喜久川恵三会長(代読)は「児童生徒が被害に遭う犯罪が後を絶たない。子どもを守るのは大人の責務。犯罪のない安全、安心なまちづくりのため頑張りましょう」と参加者に呼び掛けた。
 伊波署長は参加者の協力に感謝した上で、「昨年、管内は犯罪発生件数が減少した。皆さんのおかげです。今後も協力して安全、安心なまちづくりに向け頑張りましょう」とあいさつした。

 写真説明・通学路の暗闇に潜む危険をチェックする参加者ら=3日、平良市内

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オリックスキャンプ便りA 【 坂口 智隆 外野手

 元気をPR 1軍定着目指す

 仰木彬監督が「イチロー2世」と期待を寄せるプロ入り3年目の坂口智隆外野手。近鉄から新球団の一員となった若手有力選手だ。
 昨季は1軍出場は7試合に終わったが、ファームで着実に力を付けた。「味わったことのない不調を乗り越えた貴重なシーズンだった」と振り返る。
 今季の目標は「1軍定着」。打撃練習では新井宏昌打撃コーチから右手の使い方を重点にみっちり指導を受けた。走攻守の三拍子がそろった選手なだけに、3年目の飛躍に首脳陣の期待も大きい。
 キャンプ前には仰木監督に北川博敏、大西宏明、坂口の前近鉄組を「元気トリオ」と命名され、明るいムードづくりに一役買っている。
 練習中には大きな声で球場を盛り上げアピールし、「元気のいいやつを上(1軍)で使う」と話していた仰木監督も若手の発奮に満足げ。
 外野は谷佳知、村松有人のレギュラー当確組に加え、新戦力のガルシアらがひしめく激戦区。「自分には元気しかない。全力プレーを見せたい」とポジション争いに意欲を見せていた。
 
 坂口 智隆(さかぐち・ともたか) 1984(昭和59)年7月7日生まれ。兵庫県出身。身長180センチ、体重76キロ。右投左打。背番号52。神戸国際大附高−近鉄(02年ドラフト1位)−オリックス。プロ3年目。昨季成績は1軍出場7試合。
   (洲鎌恵仁記者)

 写真説明・イチロー2世として飛躍が期待される坂口外野手

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