200平成1  2曜日

 「上昇は複合要因」/地下水塩素イオン濃度・温泉施設が反論

 平良市の4水源(白川田、山川、高野、大野)の塩素イオン濃度が上昇している問題で白川田水源流域の2つの井戸で高濃度の塩素イオンが検出された原因について宮古島リハビリ温泉病院の奥原典一理事長は2日、同病院で会見を開き「温泉排水が地下水に対してある程度の影響は及ぼしている」とした上で「指摘された井戸の塩素イオン濃度については温泉排水だけが原因ではなく台風による風送塩など複合的要因だと思う」との見解を示し、宮古島上水道企業団が発表した調査結果の内容に疑問を呈した。
 4水源のイオン濃度が上昇している問題では、1日に同企業団が県環境科学センターが実施した調査結果を発表。調査結果では同病院近くにある白川田水源流域の2カ所の井戸の塩素イオン濃度が高い数値となっているのは「温泉排水の影響であると判断される」と説明している。
 この調査結果について奥原理事長は「温泉排水の影響はある程度あると思うが指摘された井戸よりも病院に近い井戸の塩素イオン濃度には大きな変化はない。その点からも指摘された井戸が高濃度になっている理由が温泉排水だけではないと思う」と説明した。
 同病院が示した資料では、指摘された2つの井戸のうち高い数値を示した井戸の塩素イオン濃度は昨年の8月27日までの調査では1リットル当たり200ミリグラム弱−380ミリグラム程度で推移していたが同年9月13日の調査では一気に1000ミリグラムを超え10月の調査では1600ミリグラムを記録している。
 温泉排水について同病院ではこれまで、合併浄化槽を用いて地下浸透処理をしてきた。温泉の利用についても県の利用許可証を受けて正規に行っている。
 温泉排水については新たに温泉排水のみをためるタンク(100トン)を設置しており今後、県の温泉排水水質調査結果などを受けた上で海など水源流域外への排出を行うとの意向も示している。
この問題は昨年11月に白川田など4水源で塩素イオン濃度が通常値よりも高く推移していることが報告され、その原因は台風での風送塩の影響が示されていた。
 これまでにも塩素イオン濃度は台風時には一時的に上昇が見られたが、その後減少し1リットル当たり30−40ミリグラム(水道水基準値200ミリグラム)で安定していた。しかし、おととしの9月に襲来した台風14号の後あたりから下げ幅は縮小し、1リットル当たり60−80ミリグラム通常よりも高い数値で推移している。

 写真説明・現在、温泉排水を処理している合併浄化槽=2日、宮古島リハビリ温泉病院

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町選管が上告へ/伊良部町長解職請求訴訟

  市町村合併に係る浜川健伊良部町長の解職請求(リコール)問題に関する訴訟で、同町選挙管理委員会(佐和田恵剛委員長)の署名修正決定取り消しを認め、住民グループが勝訴した那覇地方裁判所の判決を受け、同選管は2日、委員会を開き全会一致で上告することを決めた。
 佐和田委員長によれば、同選管は上告期限の10日までに上告状を那覇地方裁判所に提出。受理されれば、50日以内に理由書を提出する。
 佐和田委員長は上告理由については「理由書を提出する時点で、具体的なことは明らかにしたい」としながらも、「那覇地裁でこちらの訴えが取り上げられなかったことに対し、委員全員が不服を申し上げている」と、1つの理由を話す。
 同訴訟は、住民投票の結果に反して市町村合併を推進した浜川町長の解職請求に関するもので、合併反対派グループ「伊良部町の自治権を守る会」(川満昭吉会長)が、同選管の署名修正決定取り消しを求めて起こした。那覇地裁は1月27日、同選管が認めた異議申し立てのほとんどを取り消す判決を下した。今後は上告に対する最高裁の判断が注目される。

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工事の安全を祈願/AMラジオ受信障害解消

 宮古地区中波ラジオ受信障害解消事業で整備される伊良部、多良間の両中継局設置工事の安全祈願祭が2日午後、宮古神社で行われ、事業主体の宮古広域圏事務組合の伊志嶺亮代表理事(平良市長)や工事関係者らが出席し工事の安全を祈願した。同事業は4月1日に供用を開始する。
 午後3時から行われた安全祈願祭には同組合の伊志嶺代表理事や二木哲事務局長をはじめ、工事関係者ら数10人が出席した。それぞれ神殿に向かい手を合わせて祈り、工事の安全を祈願した。
 同事業は宮古地区の民放中波(AM)ラジオ放送(琉球放送、ラジオ沖縄)の夜間外国放送波による受信障害を解消するための事業。民放ラジオ番組を超短波(FM)で中継放送する局を伊良部島と多良間島に整備し宮古全体の受信障害を解消する。総事業費は1億7134万4000円(補助率80%)。同事業でFM放送になるのは民放の琉球放送とラジオ沖縄の2局でNHKの第1と第2はこれまで通りAMで放送。事業主体の宮古広域圏事務組合によると、FM放送が開始されても、すぐにAM放送が中止されるのではなく、2カ月間はFMとAM同時に放送されるという。

 写真説明・事業主体の宮古広域圏事務組合や工事関係者らが工事の安全を祈願した=2日、宮古神社

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「民間アンケ見守る」/新市名称で岩手県宮古市長が見解

 宮古5市町村が合併した際の新市名称が「宮古市」と決定したことを受け、岩手県宮古市側が「重複名称には問題がある」との難色を示している問題で岩手県宮古市の熊坂義裕市長は2日の定例記者会見で「民意を諮るアンケートが実施されないことは残念だと思うが、民間でアンケートを実施する動きがあると聞いているので静観したいと思う」と述べ、アンケート実施に期待する意向を示した。
 岩手県の宮古市も現在、同県の田老町、新里村との市町村合併協議を進めており3市町村が合併した新市の名称も「宮古市」に決まっている。その田老町、新里村の重複名称に対する見解について熊坂市長は「両町村長からは、対応について宮古市長に一任するとの申し出をもらっている」と述べた。
 宮古5市町村の新市名称については新市名称委員会と合併推進協議会で「宮古市」とすることで決定していたが、昨年末ごろから岩手県宮古市側からの指摘や「宮古島市」を求める宮古住民などの意見もあることから今年に入り5市町村長会議でアンケートを実施する方針を決定していた。
 しかし、先月19日の合併推進協議会の前に岩手県宮古市議会が重複名称に容認姿勢を示したことで同協議会の場では一部の首長が「アンケートを実施せず」の方針をとり、挙手による採決の結果アンケートは実施しないこととなった。宮古青年会議所では新市名称について独自でアンケート調査を実施する予定にしている。

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オリックスキャンプ便り@ 【 谷 佳知 外野手

 チームの顔 体力づくりに重点

 4年連続打率3割でシーズンを終えた谷佳知外野手。人気、実力とも誰もが認める「チームの顔」だ。
 昨季は4年連続でベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞したが、アテネ五輪で右足首を負傷。戦列を離れ、春季キャンプで掲げたトリプルスリー(3割、30本塁打、30盗塁)には及ばなかった。
 今季キャンプ初日には「目標は体ができてから」と、具体的な数字には触れなかったものの、一振り一振りを確認し黙々と汗を流す姿に今季へ懸ける思いが感じられる。
 今キャンプでは「マイペースを崩さないようにしたい。しっかり振れること、守れること、走れること」と体作りに重点を置く。
 新たな気持ちでキャンプに臨み「合併して選手も増えた。気が抜けない」と表情を引き締める。
 チームの中心選手として合併球団を引っ張っていく役割も重責だが、表情は明るく気負いはないようだ。

 谷 佳知(たに・よしとも) 1973(昭和48)年2月9日生まれ。大阪府出身。身長173センチ、体重77キロ。右投右打。背番号10。尽誠学園高−大阪商業大学−三菱自動車岡崎。97年ドラフト2位でオリックス入団。プロ9年目。昨季成績は96試合で打率3割1分7厘、10本塁打、63打点、10盗塁。
    (洲鎌恵仁記者)

 写真説明・チームの顔として活躍が期待される谷外野手

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